科学オリンピックだより 2010 vol.5

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「全国高校化学グランプリ」の
世界をのぞいてみませんか

・問題
・問1の解法と解答
・問2の解法と解答
・まとめ

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「科学オリンピックだよりvol.5」
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「全国高校化学グランプリ」の世界をのぞいてみませんか
日本人が発見した、未来を灯すテクノロジー!光触媒
 光のエネルギーによって汚れや臭いの原因となる物質を分解する光触媒は、本多健一博士と藤嶋昭博士の発見が基礎になって生まれた日本発の機能材料である。光触媒としては、主に二酸化チタン(TiO)が用いられる。二酸化チタンは、可視光より波長の短い紫外光を吸収する。二酸化チタンが紫外光の光子(光の粒子)を吸収すると、O2−の持つ電子一つが、エネルギー状態の高いTi4+に移る。 この電子を励起(れいき)電子と呼び、電子が抜け+に帯電した“孔”を正孔(せいこう)と呼ぶ。電子は、よりエネルギーの低い状態を好むので、励起電子は近くにある分子やイオンに渡る(還元する)場合がある。これによりニ酸化チタンに正孔ができ、近くにある汚れや臭いの原因となる物質から電子を奪い(酸化し)、それらを分解すると考えられている。
二酸化チタンの働き
問1
光触媒を用いて励起電子により水を還元して水素を生成し(反応1)、正孔によって水を酸化して酸素を生成することができれば(反応2)、その水素を燃料電池に利用したり、燃焼したりできるため、光エネルギーを化学エネルギーに変換したことになる。 反応1と反応2をそれぞれ、電子(e−)を含む反応式で表しなさい。
(電子を含む反応式の例: A + e− → A−)
酸化…物質が電子e−を放出する変化
還元…物質が電子e−を受け取る変化
問2
植物の光合成の反応には、光触媒の反応と似ている部分がある。光合成では、光を吸収して電子のエネルギーが高くなり、@そのエネルギーによって二酸化炭素を還元し、ブドウ糖(C6H12O6)などを得る。A同時に、水から電子を奪い、酸素へと酸化する。 そして、B動物の多くは、植物からブドウ糖などを得て、それが酸素に電子を渡す際に放出されるエネルギーを利用して、生命活動を行っている。このことから、光が当たらない条件において、以下のどの組み合わせが酸化還元反応を起こしやすいか選びなさい。

ア)二酸化炭素と水 イ)二酸化炭素と酸素 ウ)ブドウ糖と酸素
光触媒
問1 問題と解法へ