科学オリンピックだより 2010 vol.6

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国際生物学オリンピックレポート
オリンピックの軌跡

 
 
 

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「科学オリンピックだよりvol.4」
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国際生物学オリンピックは、生物学の才能に恵まれた生徒を見いだし、国際交流を深めることを目的に毎年行われています。
進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンの生誕200年となる記念すべき年に、初めて日本で開催され、過去最多となる56の国と地域から221名の生徒が参加。
世界中の仲間と知力を競い合い、友情をはぐくみ、生徒たちにとって一生の思い出となる貴重な体験となりました。
実験試験・理論試験
今年の生物学オリンピックの試験は、6時間の実験試験と4時間半の理論試験で行われ、高校教育の標準を超えるハイレベルな問題が出題されました。
 実験試験は、ショウジョウバエの遺伝メカニズムを計算する問題や、りんごを使った植物の発生過程の推測など合計4題あり、観察・計測・レポートなどの一連の実験スキルが試されました。
 筆記試験は、生物学の体系的な理解力を問うものから豊かな発想力を必要とするものまでさまざまな問題が出題され、生徒たちからは「難しいけど楽しかった」という声も聞かれました。
実験試験
理論試験
交流イベント『つくばナイト』
すべての試験が終了したその夜、日本の夏祭りをイメージした交流イベント「つくばナイト」が開催されました。
 筑波大学の学生たちによる「和太鼓演奏」や、威勢のいい掛け声を上げて躍動的に踊る「よさこいソーラン」など、生徒も先生方もいっしょになって試験の疲れを吹き飛ばすように盛り上がりました。
 日本代表の生徒たちは、夏祭りにふさわしい鮮やかな浴衣や、ハッピにねじりハチマキ姿で登場し、外国の生徒たちから記念撮影を求められていました。
つくばナイト01
つくばナイト02
和太鼓演奏
リー・キング・チェー委員長
 大会のフィナーレを飾る、表彰式。生徒たちは伝統的な民族衣装を身にまとったり、国旗のフェイスペインティングを施したりと思い思いの姿で参列し、会場は華やかな雰囲気に包まれていました。今大会の軌跡をふりかえるVTRや、国際生物学オリンピックのプーンピポップ・カセムサップ会長のユーモア溢れるスピーチの後、いよいよメダル受賞者の発表です。メダルは成績の上位10%に金メダル、次の20%に銀メダル、次の30%に銅メダルが授与されます。名前を呼び上げられた生徒たちは本当にうれしそうな表情を浮かべ、自国の先生や生徒だけでなく、親睦を深めた他国の生徒たちからも祝福を受けていました。
 日本チームは全員がメダルを獲得し、金メダル1個・銀メダル3個という過去最高の結果を残しました。なかでも金メダリストの大月亮太さんは全体で6位という好成績を挙げました。国・地域別の成績を見ると、シンガポール、アメリカ、オーストラリア、中国、台湾などが上位に連なり、金メダルも複数個獲得しています。  最後に、IBOトロフィーが日本の井村裕夫委員長から来年の開催国である韓国のリー・キング・チェー委員長に手渡され、第20回国際生物学オリンピックは、たくさんの思い出を残して閉幕しました。
 
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