科学オリンピックだより 2009vol.3

熱の伝わり方には法則があった!?
科学オリンピックだより
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過去問題を見てみよう
火を使わずに温度が上がる
熱伝導マジック
過去問題の解説
熱量保存則の考え方
INTERVIEW

象印マホービン株式会社 商品企画部
サブマネージャー 鎌田 明博氏

飲み物の温度を保つ厚さ1mmの“宇宙空間”
第42回国際化学オリンピック
代表選考をかねた国内大会の
出場者募集中
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科学オリンピックだよりVol.3
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  火を使わずに温度が上がる熱伝導マジック
 
第4回全国物理コンテスト 物理チャレンジ2008 第1チャレンジ
理論問題コンテストより出題(一部改変)
 

次の文を読んで,問題に答えなさい。
断熱性のよい容器A,Bと熱伝導性の高い容器C,Dがある。
容器A,Bにはそれぞれ,80℃のお茶(ただし,比熱は水と等しいとする)1,000gと,20℃の水1,000gが入っている。
A,Bは容器C,Dを中に入れられる大きさで,中の液体がこぼれることはない。これらの容器は,次のような使い方ができる。

1)容器Bに入っている水をすべて容器Cに移し,容器Cを容器Aの中に入れる。
2)熱伝導によって,しばらくすると,容器Aのお茶と,容器Cの水の温度は等しくなる。
このとき,(移動する熱量)=(物質の質量)×(比熱)×(温度変化)とすると,
(容器Aの中のお茶が放出した熱量)=(容器Cの中の水が吸収した熱量)という関係が
成り立つと考えられる。ただし,ここでは,容器の温度変化のために 吸収する熱量は考えないものとし,周囲の環境への熱の放出もないものとしている。



問題
 容器A〜Dを利用した熱伝導の過程だけを用いて,お茶と水を混ぜるこ となく, 最終的な水全体の温度を,最終的なお茶全体の温度より高くする ことはできるだろうか。できるとすればその方法の1例を,またできないとすればその理由を述べなさい。
   
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