この日の永澤教授の講義テーマは「水」。化学的な特徴に加え、台風や温暖化といった気象や、植物の光合成、「パスタをゆでるときに塩を加える理由」など、身近な現象と水の関わりについて具体例を挙げながら紹介していきました。
後半は、イオンによる水和に関連した実験として、紙タオルと紙おむつの吸水量を比較しました。「紙おむつに使われている吸水性高分子は、自重の数百倍もの水を吸収することができる」と永澤教授。生徒たちは、わずか数グラムの紙おむつ材が、ビーカー一杯の水を吸収する様子を興味深そうに観察していました。一方、食塩水の実験に移ったグループからは、「こっちは全然吸わない」という声が。入れすぎた食塩水を取り除こうと苦心する生徒たちに、永澤教授は「なぜ食塩水は吸わないのか、理由を考えてみて」と化学的な考察を促していました。
「オリンピックチャレンジ」は、今年から5か年計画で進められる予定です。静岡県では自治体主導の継続的サポートを通じて、まずは科学オリンピック国内二次選考に進める生徒を増やしていきたい考えです。