JST特許出願支援制度契約約款(平成20年4月1日)

(定義)

第1条 この約款における用語の定義は、次に定めるところによる。

(1)「本出願」とは、特許出願支援に関する契約に記載された原出願を基礎とした優先権主張を伴う出願の内、同契約にその支援対象として定められたものをいう。

(2)「本指定国移行手続き」とは、特許協力条約(以下「PCT」という。)第22条(1)に基づく指定官庁(欧州特許庁も含む)への手続きの内、特許出願支援に関する契約にその支援対象として定められたものをいう。

(3)「締約国の指定」とは、欧州特許出願に際して乙が行う欧州特許条約締約国の指定のうち、特許出願支援に関する契約にその支援対象として定められたものをいう。

(4)「本特許権」とは、本出願、本指定国移行手続きまたは、締約国の指定を経て生じる特許権をいう。

(5)「支援対象国」とは、本出願、本指定国移行手続きまたは、締約国の指定を行うことによって本特許権が成立する国をいう。

(6)「実施料」とは、一時金、ランニングロイヤリティー、不実施補償金、技術開示料、オプションフィー、その他本特許権またはその特許を受ける権利に関して乙が第三者から収受したものと甲が認める対価をいう。

(特許出願)

第2条 乙は、速やかに原出願を基礎として本出願、本指定国移行手続きまたは締約国の指定を行う。

2 本特許権のうち、特許出願支援に関する契約に記載された乙の持分については乙に帰属するものとする。

(費用支出)

第3条 本特許権を成立、維持させるために必要な費用のうち、特許出願支援に関する契約に記載された乙の持分に対応する額であって別紙1に記載され、かつ、甲が認めるものは、甲が支出する。

2 乙は、前条第1項に定める本出願、本指定国移行手続きまたは締約国の指定の後、前項に定める甲からの支援を受けるため、甲が別途定める様式及び必要書類により、費用発生の都度速やかに甲に請求を行うものとする。

(実施料収入の取り扱い)

第4条 乙は、いずれかの支援対象国における特許を受ける権利または本特許権に関して、実施料収入を得た場合、かかる実施料収入についての甲の事前の書面による承諾がない限り、前条に基づき甲が支出した費用のうち、当該支援対象国に関する費用支出相当額を次項以下の手続に従い、甲に返還するものとする。

2 乙は、前項に基づく乙の支払いについて、当該支援対象国に関して甲が行った費用支出相当額の累計から前年度までの乙による返還額の累計を控除した額を上限として、各年度の実施料収入の額の確定後速やかに当該実施料収入の額の半分を甲に返還するものとする。なお、本契約において、「年度」とは甲の事業年度である毎年4月1日から翌年3月31日までの期間をいうものとする。

3 PCT出願が支援対象となっている場合、PCT出願の移行手続き前に発生した全指定国に共通する手続きに関する費用(国際出願費用等)を本指定国移行手続きを行う国の数で除して得られた金額については、当該移行の行われた国に関する甲の費用支出相当額として算入されるものとする。

4 欧州特許出願が支援対象となっている場合、欧州特許の付与が公告されるまでの欧州特許出願締約国に共通する手続きに関する費用を締約国の指定が行われた国の数で除して得られた金額については、当該締約国に関する甲の費用支出相当額として算入されるものとする。

(費用支出の終了)

第5条 甲は、各支援対象国において次の各号の一の事由が生じた場合には、第3条に基づく甲の費用支出の全部または一部を終了する。

(1)前条に基づき計算された、乙の返還額の累計が甲の費用支出相当額の累計総額に至った場合

(2)当該支援対象国における特許を受ける権利又は本特許権が乙から第三者に対し譲渡された場合

(3)支援対象国において、拒絶査定が確定した場合、放棄、出願取り下げがなされた場合、もしくは本特許権について無効が確定した場合

(4)甲が当該指定国における本出願について一切移行手続きに関して支援すべきでないと判断した場合

(5)乙が希望した場合

(6)乙が本契約の条項に違反した場合

(7)主務官庁からの指示、行政指導または財政上の問題等により甲が本契約に基づく特許出願支援を行うことが困難な状況に至った場合

(8)その他甲が必要と判断した場合

2 甲は、原則として本出願から3年が経過した時点において前条に基づく費用支出の必要性について支援対象国毎に検討し、その唯一の裁量に基づき必要性が低いと判断した場合には、乙にその旨通知の上、以降の費用支出を行わない。

(費用支出の終了に基づく支援費の返還)

第6条 前条第1項((1)、(4)及び(6)を除く)に従い、費用支出が終了した場合、甲の書面による別途の指示がない限り、乙は甲に対し、費用支出を終了した支援対象国に関する甲の費用支出相当額から乙が第4条に基づき返還した額を控除した額を返還するものとする。但し、乙の責によらずして本特許権について拒絶査定又は無効が確定した場合については返還を要しないものとする。

2 前条第1項(6)に従い費用支出が終了した場合及び第12条に基づき本契約が終了した場合、甲の書面による承諾ない限り、乙は甲に対し、第3条に基づき甲が支出した金額全額から乙が第4条に基づき返還した額全額を控除した額を返還するものとする。

3 本条に基づく乙の支払い方法については、甲、乙別途協議の上定める。

(権利確保・実施許諾に関する努力等)

第7条 乙は有用な権利の確保に努めるとともにその経済性にも配慮するものとする。

2 乙は本特許権が実施されるよう最大限努力するものとする。

3 甲は、原出願の出願日から5年(以下「特定期間」という。)経過後は実施先探索等の実施許諾に関する活動を行うことができる。なお、乙が希望する場合、甲は、特定期間にかかわらず当該活動を行うことができる。

4 甲は、実施を希望する企業等に関する情報を得た場合は速やかに乙に連絡する。

5 甲は、乙の同意を得た場合は、J-STORE(研究成果展開総合データベース)により本特許権にかかる内容を公開することができるものとする。公開する内容については甲、乙別途協議の上定める。

(実施許諾)

第8条 乙は、本特許権について実施許諾を行う場合または既に実施許諾が行われている場合は速やかに当該実施許諾の内容を甲に報告しなければならない。

2 乙は、甲が本特許権の実施許諾を第三者に対して行うことを希望する場合、甲に対し再実施権特約付きの通常実施権を許諾できる。

(報告書の提出)

第9条 乙は、契約締結日から本特許権が消滅するまで年度ごとに本特許権につき所定の様式によるライセンス活動状況等報告書(電子ファイルに限る。)を甲に対し提出しなければならない。但し、乙が報告書を提出することが困難であると甲が認める場合にはこの限りでない。

(秘密保持)

第10条 甲は、乙の事前の承諾がない限り、本特許権が公開されるまでその秘密を保持しなければならない。

(協議)

第11条 本契約または本約款の各条項について疑義が生じた場合及び本契約または本約款に定めのない事項について、これを定める必要があるときには、甲、乙協議の上定める。

(契約解除)

第12条 甲及び乙は、相手方が本契約に違反し、@当該違反行為の是正を書面で催告し、60日以内に当該違反行為が是正されない場合、またはA当該違反行為が客観的に治癒不可能である場合には書面による通知を行うことにより、本契約を解除することができる。また、乙につき、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算その他倒産手続開始の申し立てが行われた場合、及び、乙が解散した場合、何らの催告を行うことなく本契約は直ちに解除されるものとする。

2 前項に基づく解除にかかわらず、第4条、第6条及び第10条の規定並びに第8条第2項に基づく甲の本特許権に係る通常実施権は存続するものとする。

(有効期間)

第13条 本契約の有効期間は、本契約の締結の日から、第4条、第6条に基づく費用の全額の返還の完了する日、本特許権の不成立・無効が全ての支援対象国において確定する日または本特許権が全ての支援対象国において消滅する日のいずれか早い日までとする。但し、第4条、第6条、第9条及び第10条の規定並びに第8条第2項に基づく甲の本特許権に係る通常実施権は存続するものとする。



別紙1

  • 出願に関する費用
    • ・出願手数料[各国特許庁費用] (国際出願手数料[WIPO費用]、欧州特許庁追加請求項費用[16以上]は除く)
    • ・調査手数料、送付手数料 [特許印紙代]
    • ・追加調査手数料(2発明分まで)[特許印紙代]
    • ・出願手数料
    • ・出願書類一式作成手数料
    • ・磁気ディスク提出手数料
    • ・電子化出願手数料
    • ・請求項、明細書、図面等各種加算手数料 等
  • 国際段階に関する費用
    • ・国際予備審査請求[特許印紙代]
    • ・取扱手数料[特許印紙代]
    • ・国際予備審査追加手数料[特許印紙代]
    • ・文献の写し請求費用[特許印紙代]
    • ・補正、答弁書作成手数料
    • ・陳述書提出に関する手数料 等
  • 指定国移行に関する費用
    • ・国内移行手数料[特許印紙代](欧州特許庁追加請求項費用[16以上]は除く)
    • ・国内移行手数料
    • ・翻訳費用(1言語につき上限税抜き100万円まで)
    • ・情報開示陳述書(IDS)に関する費用 等
  • 審査に関する費用
    • ・各国特許庁費用
    • ・維持年金納付
    • ・審査請求、管理手数料
    • ・意見書、補正書作成費用 等
  • その他の費用
    • ・優先権証明願い[特許印紙代]
    • ・優先権主張に関する手数料
    • ・各種印紙代
    • ・公証、認証、委任状に関する費用
    • ・寄託に関する費用
    • ・方式補正、手続き補正、追完に関する費用
    • ・上申書提出に関する費用
    • ・譲渡、宣誓書、委任状に関する費用
    • ・技術検討費用
    • ・現地代理人費用(各国特許庁費用)
    • ・現地代理人費用(代理人手数料)
    • ・現地代理人への指示費用
    • ・印書代、タイプ代
    • ・書類作成、調整費用
    • ・電子化手数料
    • ・事務的経費(コピー、複写代、郵送料、通信費、振込、送金手数料、小切手等)
    • ・事務手数料(管理料、報告料、その他手数料)
    • ・消費税 等