No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1009 |
MR対応ファイバースコープによる内視鏡外科手術画像誘導システムの開発 |
仲 成幸 |
滋賀医科大学 医学部 |
宮本 健二郎 |
滋賀医科大学 |
MR対応ファイバースコープは完成しており、ファントムを用いたMR画像との連結など基礎技術も完成している。実証のための基礎検討および実証準備は整備された。しかし本試験の主点であるライトガイドからのプロジェクター投影は未完(それを踏まえて科研で継続)である。知的財産に関しても意識されている。 |
1010 |
安全な静脈血採血を可能にする新しい採血枕と採血枕教材の開発研究 |
加藤 圭子 |
滋賀医科大学 医学部 |
宮本 健二郎 |
滋賀医科大学 |
先端的な新技術開発というよりも実用化を目指した研究であり、その達成度は高い。特許出願が行われ、企業化の可能性を見出している。 |
1011 |
重心動揺の新たな危険因子としての無症候性脳梗塞−脳磁気共鳴画像による検討− |
荻田 美穂子 |
滋賀医科大学 医学部 |
宮本 健二郎 |
滋賀医科大学 |
ニーズが高い分野であり、ある程度目標は達成されたが、企業化・特許取得の道は遠い。運動疾患既往者の割合が有意に高い集団を対象群として用いた点は、本来の研究目的から考えると適切でないと思われるので、さらに調査を進めてほしい。 |
1012 |
日本人グルクロン酸転移酵素多型による薬物代謝変化の迅速測定システムの構築 |
佐藤 浩 |
滋賀医科大学 医学部 |
宮本 健二郎 |
滋賀医科大学 |
第一段階のウイルスベクターに酵素遺伝子を組み込む段階で手間取ったのは残念である。現在、研究内容と知的財産権の検討がなされていない段階で企業との共同開発(遺伝子診断キット)が行われている点に疑問は残る。しかし研究課題が明らかになっており、今後も共同開発を継続実施することから、実用化に期待する。 |
1013 |
増殖チェックポイント異常を標的とする癌の診断と新しい抗癌剤の開発 |
茶野 徳宏 |
滋賀医科大学 医学部 |
宮本 健二郎 |
滋賀医科大学 |
ヘリケースのRNAiとCDDPとの併用効果が細胞株で見いだされたが、実際の癌細胞での検証が必要であるため、その有効性の検証は時間を要する。またRNAi及びそれを用いた治療法に関してはその投与方法に技術的課題が大きい。
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1014 |
電気化学分析法による農作物中のカドミウム分析法の研究 |
坂山 邦彦 |
滋賀県工業技術総合センター 信楽窯業技術試験場 |
横井川 正美 |
滋賀県工業技術総合センター |
分析前処理のための透明な液化やピークの確認はできているが、定量分析の可能なレベルには全く至っておらず、達成度、企業化、知的財産確保の検討は低い評価とせざるを得ない。申請段階において応募課題に関連するこれまでの研究成果が不十分であったのではないだろうか。基礎的な研究を積み重ねていかれることを望む。 |
1015 |
赤外線再帰性反射タイルの生産技術に関する研究 |
川澄 一司 |
滋賀県工業技術総合センター 信楽窯業技術試験場 |
横井川 正美 |
滋賀県工業技術総合センター |
赤外線反射という目標に対しては当初計画通りの成果を上げている。ニュージーランド産原料では紫外線反射の問題がある一方、国産原料でどこまでの特性が得られるか、今後の継続研究に期待する。本研究課題では県内タイル業者への技術移転が最も重要であるので、より安価な原料での試作・評価も必要であったと思われる。 |
1016 |
腹腔内視鏡手術に用いる吸着型集積触覚センサの開発 |
藤井 利徳 |
滋賀県工業技術総合センター 機械電子担当 |
月瀬 寛二 |
滋賀県工業技術総合センター |
“体内組織を模したサンプルや粗さ標準片を用いたセンサの性能評価実験”が実施されていないのが大きなマイナスである。“センサ作製のための製造方法のノウハウ確立”が目的と記載されているが、センサ作製技術は学術的にも技術的にも新規性がないため、実地検証がされなければ実施した意味がほとんどない。特許、企業化にはかなりの距離がある。 |
1017 |
天然水域の生産力を利用したセタシジミ稚貝の中間育成技術の開発 |
久米 弘人 |
滋賀県水産試験場 |
藤原 公一 |
滋賀県水産試験場 |
実験を着実に遂行し、浮遊かごで27.5%の生残率と0.93mmへの成長の結果を得るなど目標とする成果を得ている。実用化に向けて期待が持てる。今後もさらに良い生育を与える条件を探していくことが望まれる。 |
1018 |
性制御メカニズム解明による高価値魚生産技術の開発 |
三枝 仁 |
滋賀県水産試験場 |
藤原 公一 |
滋賀県水産試験場 |
大変魅力的な提案であったが、残念ながら一番はじめの単性群を得る段階で、その条件を設定できるに至らず、目的に向かった実験結果は得られていない。雄特異的、雌特異的遺伝子発現を調べた方が良かったのではないかと考えられる。 |
1019 |
超臨界流体を用いた表面処理技術に関する研究 |
中島 啓嗣 |
滋賀県東北部工業技術センター |
川嶋 眞生 |
大津市 |
エポキシプレポリマー/アミン化合物含浸UHMWPEの検討がされておらず、アミン化合物がCO2と塩を形成し、機能発現したのであれば、当初研究計画から若干異なっている。また、改質の効果も際立って大きいとは言えない。今後の更なる技術展開を期待する。
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1020 |
サファイア基板を要しない窒化ガリウム局所形成を行なう新プロセスの開発 |
柳澤 淳一 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
研究計画変更のため目標値の50%の到達度である。実用化のためにはイオン照射条件の最適化を図る必要があり、これからの課題である。企業化に向けて、GaN膜のquality、一様性、欠陥の程度、結晶方位の選択性などを調べその制御法も併せて確立することが望まれる。特許取得についてはぜひとも検討してほしい。 |
1021 |
要介助者の単独移乗を可能とする自立支援型移乗介助ロボットの開発 |
安田 寿彦 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
研究目的の達成に向けて、確実に研究を推進した。企業化に向けた具体的なアクションがスタートしたことは評価できる。本提案と同様のリンク構造は既に既知であるため、移乗介助の生成方法アルゴリズムを含めた特許出願が有効であろう。 |
1022 |
通信用同期回路の低雑音化と同期時間短縮実現のための回路設計手法の開発 |
岸根 桂路 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
同期回路の設計手法に関するもので当初の目的は達成されている。しかしながら、企業化や知的財産権に関しては未知である。企業化に向けた具体的なアクションが待たれる。 |
1023 |
空間認識センサーの開発に向けて−固体と気体の間をつなぐ整合層− |
乾 義尚 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
種々の性能が測定されているが、最適化モデル作成までには至っていない。しかし目標値の2倍を超える3倍の値が得られていることは評価できる。今後検出精度の向上のためにも更なる高出力化が望まれる。
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1024 |
インバータ大容量化技術の開発とその応用 |
稲葉 博美 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
大容量電力変換機の基礎検討が完了した段階で実用化にはさらなる研究開発を要する。半導体による大容量化も研究されているので、その棲み分けを明確にして研究を進めることが重要である。 |
1025 |
電気化学的手法による鉛含有ガラスからの鉛分離 |
吉田 智 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
電解で99%以上の鉛を除去する目標は達成されていないが、Irあるいは鉛電極を用いるとその可能性があることが示唆される。電気化学的な基礎データは多く得られた。実用化のためには電解セルおよび安価な電極材料の検討を期待したい。残念なことに知的財産権については全く考慮されていない。 |
1026 |
貴金属イオン選択捕集を目的としたガラス表面のペプチドによる機能化 |
谷本 智史 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
ガラス表面での官能基密度、シランカップリング、ペプチド修飾等はなされているが、当初の実施計画の内、貴金属イオン補修実験は行われていない。しかし基礎レベルを固めているので、将来性はある。 |
1027 |
楕円振動を利用した分別搬送 |
栗田 裕 |
滋賀県立大学 工学部 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
本研究により提案技術の汎用性が確認され、その学問的な現象解析が進んだ点は評価できる。企業化への見通しをつけるまでには至っていない。次ステップでは、共同研究企業を見つけ、目的とする搬送パーツと分別仕様を明確にした上で展開し、周辺特許の取得を含めた検討を行う事が企業化には必須である。 |
1028 |
要介護高齢者を対象とする運動・認知リハビリテーション用ゲームの開発 |
渡部 雅之 |
滋賀大学 教育学部 |
山本 卓 |
滋賀大学 |
企業との連携でスクリーニングツールができたレベルであり、当初の目標とするツールとしてはリハビリ効果を臨床試験で確認することが必要で、その成否が実用化・企業化の鍵になるものと考えられる。類似研究が多いため、企業が本格的に製品化を決断するためには、コーディネータの支援が必要である。 |
1029 |
ナノ・メゾ調和構造制御による高性能実用金属材料の開発と応用 |
飴山 惠 |
立命館大学 理工学部 |
服部 華代 |
立命館大学 |
ナノ・メゾ材料の特性向上は為されているが、高性能化のための諸条件についての詳細検討はまだ完了しておらず、学術的な研究がまだ継続している。報告時点では、予定していたボルトを製作して行う強度評価が未実施であるため、延性を維持しつつ強度2倍を達成するとの目標達成は示されていない。 |
1030 |
AAF方式による大規模構造物の自動き裂検出システムの開発 |
日下 貴之 |
立命館大学 理工学部 |
服部 華代 |
立命館大学 |
当初の研究目標はほぼ達成している。特に、従来の方法に比べて同精度で約1/10の計算時間で検出できるシステムを開発している。しかし実用化には多様なケースにおける対応が求められる。テーマの重要性からも今後の発展が期待される。 |
1031 |
MEMS技術を利用した超小型真空計の開発 |
木股 雅章 |
立命館大学 理工学部 |
近藤 光行 |
立命館大学 |
超小型真空計の開発に関し、実機を作成、検証していることが高く評価できる。具体的企業との連携開発も進められている。とくに様々な応用を考えたシステムとしての開発が検討されており今後の進展が期待できる。 |
1032 |
船舶等の浮遊移動体の超高精度運動制御システムの開発 |
金岡 克弥 |
立命館大学 総合理工学研究機構 |
市原 岳洋 |
立命館大学 |
提案のコア技術に関しては、船舶に限定しない共同研究が進んでいる点は評価できるが、本申請に採択されなくても共同研究が行えた可能性は否めない。当初、本提案の最も意欲的な点として評価した実機での評価が行われなかった点は残念である。評価結果は定性的であり、申請書に記された“センチメートル〜サブメートルの精度での自動船位保持および任意の位置・速度制御の実現”という定量性の達成度合いが不明である。
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1033 |
搬送・産業機械用コイル独立型同期ACモータと高効率エネルギー回生インバータの開発と応用 |
渡部 透 |
立命館大学 総合理工学研究機構 |
市原 岳洋 |
立命館大学 |
研究開発過程で10〜30%も消費電力を下げることが実験的に確認できたことは特筆すべき成果であり、実用化に向けて研究を加速すべきである。また特許も最優先で出願すべきと考える。 |
1034 |
高品質GaN結晶成長法の開発とMIS-FETへの応用 |
城川 潤二郎 |
立命館大学 総合理工学研究機構 |
市原 岳洋 |
立命館大学 |
各種の条件で結晶を成長させ、試料の電気特性を測定しているが、その結果が成長にフィードバックされておらず、成長条件の最適化はなされていない。期待できる成果は明確ではない。しかし、GaNに対してもDERI法が応用可能であることを明らかにした点は評価できる。連携中の企業と製品化を目指すことなど実用化に向けた取り組みも評価できる。 |
1035 |
感圧導電性糸を用いた生体センサの開発と応用 |
牧川 方昭 |
立命館大学 理工学部 |
市原 岳洋 |
立命館大学 |
具体的実験データの提示が無く、成果の可否の判断ができないのは問題である。目標近くまで研究が行われているが、着心地やコストなどの問題がある。人間が動作中生じる雑音はこの方法ではどのように処理するのであろうか。 |
1036 |
高機能水中ハンドリングのための姿勢調整機構の開発 |
川村 貞夫 |
立命館大学 理工学部 |
市原 岳洋 |
立命館大学 |
期待以上の性能を有する小型水中ロボットが実現された点、および今後の展開において積極的なPRと実地検証が具体的に予定されている点が評価できる。企業化についての見通しおよび特許出願への取り組みがやや弱いが、上記実地検証によって有用性が示されれば、企業化については進展すると期待される。 |
1037 |
人と共存するロボットのための冗長駆動関節 |
永井 清 |
立命館大学 理工学部 |
市原 岳洋 |
立命館大学 |
計画された内容は、一部の変更は除き達成されており、また積極的な成果の発表が為され、知財化も進んでいる。ロボット分野の開拓には時間を要すると考えられ、企業パートナーを得るのは難しいだろうから、ベンチャー企業化も考慮に入れるべきであろう。予想外の経費増をうまく解決し、当初の目標をクリアした点、および具体的な企業化への足がかりを得て、アクションを取った点を評価する。 |
1038 |
高圧処理によるリサイクル可能な耐熱ポリブテン樹脂の性能強化 |
山下 基 |
立命館大学 総合理工学研究機構 |
松田 純 |
立命館大学 |
ポリブテン樹脂の実用化は興味あるテーマであるが、本研究課題での進捗は実用化に結び付くところまで至っていない。しかしながら良い成果も見られ、実用化に向けた種々の物性評価も追求することが望まれる。企業化を目指した更なる研究遂行を期待する。 |
1039 |
海洋性藻類由来機能性生体分子のHSCCCによる高効率・大量単離法の開発 |
溝口 正 |
立命館大学 生命科学部 |
松田 純 |
立命館大学 |
大量調整よりも単離化合物の構造解析や、物性解析に重点を置いた結果となっている。大量高効率調整は、有効成分の実用化の基盤的技術であり、是非今後も検討を続けられたい。当初目標としていた、高効率・大量単離法は開発途上であるが、海洋性藻類由来の機能性生体分子の多様性が明らかになり、新たな研究展開があった。大量単離法装置メーカーとの検討も続けられており、今後の進展が期待できる。 |
1040 |
ナノサイズメソゲン基制御による新規液晶性電気粘性(ER)流体の合成と評価 |
中村 尚武 |
立命館大学 生命科学部 |
松田 純 |
立命館大学 |
当初計画のシロキサン骨格に着目して分子デザイン・合成によるER効果の発現には成功しているが、実用化に向けてのER効果の大きさ・温度域・粘性の変化など、製品化のために必要とされる特性についてさらなる検討が望まれる。今後は積極的に企業との連携も模索してほしい。企業化に向けた取り組みとしては、着目したシロキサン骨格の特長を引き出すなど差別化と特長を引き出すための展開が必要と思われる。 |
1041 |
高圧環境下における広周波数帯域超音波計測用センサー・アセンブリの開発 |
川方 裕則 |
立命館大学 理工学部物理科学科 |
松田 純 |
立命館大学 |
広帯域で感度の高いセンサーの開発と、それを封入する耐圧ケースの作成には成功しているが、実際にセンサーを封入した状態での高圧下の実験報告があると良い。 |
1042 |
内因性アンチセンスRNAによるインターフェロン-αの発現調節機能の評価 |
木村 富紀 |
立命館大学 薬学部薬学科 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
当初計画した動物実験は実施されなかったが、メカニズムの解明は進み、核酸医薬の創薬シーズとして面白くなったようにも思える。一方、目標の一つであったスクリーニング系の構築は企業サイドの協力も得られ、実用化の可能性が高くなったと評価できる。 |
1043 |
融液含浸ドーピングを利用したホモ接合型亜酸化銅太陽電池作製技術の開発 |
平井 豪 |
立命館大学 立命館大学理工学部物理科学科 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
亜酸化銅の電気化学堆積については目標を達成したと思われるが、最重要課題である融液含浸ドーピング技術については装置の作製段階にとどまり、電気特性の評価も不十分であった。しかし、製造及び評価するためのファシリティーが整備できており、今後の着実なデータ蓄積が望まれる。 |
1044 |
β−クリプトキサンチンを応用したメタボリックシンドローム予防法の開発 |
西野 輔翼 |
立命館大学 R-GIRO |
松田 文雄 |
立命館大学 |
β−クリプトキサンチンとイノシトールの併用で相乗効果が認められれば非常に面白い。少しのプラスαでも知的財産権は確保できるだろう。企業との共同研究がスタートした。法的な規制の無い機能性食品の上市は市場調査等、企業判断のみで行えるから商品化に特段の支障はないと思われる。 |
1045 |
睡眠時無呼吸症候群診断システムの開発 |
福水 洋平 |
立命館大学 理工学部電子情報デザイン学科 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
マイクロフォンアレーにより体音センサーを開発し、複合音声の分離を行っている。当面、睡眠時無呼吸症候群だけを対象にしているが、この技術は他の病因による症状にも適用できる。今後、病因ごとの体音症状を詳しく調べ、装置を開発すれば実用化が期待できる。ただし、音情報を扱うとき、伝達媒体の一様性が暗に仮定されているが、体内の構造(媒質)は複雑で、マイクロアレーによる音のセンシングも難しいことがわかってきている。先行研究の調査が必要である。 |
1046 |
一方向通電形新型ブラシレスDCモータによる新型電動発電機を用いた系統連系分散電源システムの開発 |
小松 康廣 |
立命館大学 理工学部電気電子工学科 |
安川 竜二 |
立命館大学 |
系統連系用電動機発電機システムの総合効率が20%と低く、その技術的見通しも含め、インバータとの優位性を比較して研究継続を判断すべきだ。特許出願済1件は評価できる。企業化に向けたアクションへの言及がゼロであり意識が低い。但しコーディネータがフォローしている。 |
1047 |
動線の時間推移系列に観る移動体の流動と移動場の評価 |
高山 茂 |
立命館大学 理工学部電気電子工学科 |
安川 竜二 |
立命館大学 |
移動場の動的危険性を評価する基本的ツールができた段階であり、その実用化には多くの場面での適用実績が必要であり、私企業のみならず公的な機関との連携にも期待したい。また流れ場等への適用については別テーマとして研究推進することが望ましい。 |
1048 |
高精度・高効率な高位消費電力シミュレータの開発 |
福井 正博 |
立命館大学 理工学部電子情報デザイン学科 |
安川 竜二 |
立命館大学 |
添付資料に発表されている大規模論理回路の消費電力の推定法は学術的価値が高い。シミュレータの高精度化とともにスマートグリッド電力網の構築にも適用できるシステムの構築を期待したい。企業化の標的、企業化に向けた具体的展開など明確にしてほしい。 |
1049 |
高速電着法によるCuInSe2薄膜太陽電池の開発 |
峯元 高志 |
立命館大学 理工学部 |
安川 竜二 |
立命館大学 |
目標とする高速電着が達成できた点は評価できる。一方、結晶化や太陽電池の試作とその評価については不十分と思われる。結晶成長のための熱処理などが従来法に比較して簡便化、低コスト化出来るかどうかが今後の検討事項となると思われる。
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1050 |
サラウンドスピーカアレーによる高臨場音空間の構築と応用 |
西浦 敬信 |
立命館大学 情報理工学部 |
安川 竜二 |
立命館大学 |
アイディアに基づく試作も行い、システムの評価も行っている。ほぼ順調に研究が進んでいる。改良すべき点も見つかり、今後の発展が期待できる。 |
1051 |
オントロジーマッピングによる情報協創システムの研究 |
服部 文夫 |
立命館大学 情報理工学部 |
今村 真貴子 |
立命館大学 |
本研究の成果は、関係者の連携プレーによる講義用教材の協同作成、多言語対話の用例整理に適すると思われるが、既存技術では対処できないような何を企業化しようとするのか企業化のイメージが不明確。計画書の実証実験を行ってほしい。 |
1052 |
Webブラウザを活用した失語症者向け遠隔会話支援システムの開発 |
桑原 和宏 |
立命館大学 情報理工学部 |
今村 真貴子 |
立命館大学 |
本研究は学術的価値があり、病院や福祉センターと連携して得られた医療現場の貴重な実証実験データに裏付けされているため、失語症者の支援に向けて早期企業化が期待されるところである。企業化の具体的計画を立ててほしい。自治体等やNPOでの実用化を探っては如何か。 |
1053 |
オンラインゲームのボットに対するロバストな発見法 |
THAWONMAS Ruck |
立命館大学 情報理工学部 |
今村 真貴子 |
立命館大学 |
当初の計画からかなり変更があったが当初の目標である認識率90%以上が得られたことは評価できる。分類問題で認識率の代わりにMCCを採用しているのは、両者の関係についての説明が欠けている。
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1054 |
抗がん剤の耐性克服に向けた多剤耐性トランスポーター阻害剤の分子設計 |
高田 健太郎 |
立命館大学 薬学部 |
山本 淳一 |
立命館大学 |
計画は達成され良い成果(論文)も得られた。NIHが、臨床前試験に入っているのに権利化を未だ考慮中とは権利化が困難とさえ判断できる。特許取得の戦略を立ててほしい。 |
1055 |
ES,iPS細胞を用いた環境バイオセンサーの開発 |
高田 達之 |
立命館大学 薬学部 |
松田 純 |
立命館大学 |
取得したデータが不十分であるが、実験系を確立し、ある程度の方向性を見出しているので、今後の戦略次第では企業化の可能性が見えてくるように思える。企業化に関する情報収集にコーディネータも努力して欲しい。 |
1056 |
Guanylyl cyclaseシグナルを介する免疫応答の制御 |
堀 利行 |
立命館大学 生命科学部 |
松田 純 |
立命館大学 |
諸般の事情により in vivo試験は全く実施されなかった。しかし、実用化の可能性を深めることができたので、今後の展開が期待される。今後企業に引き継がれ企業化、特許取得も可能性がある。 |
1057 |
低分子ケミカルシャペロン化合物を用いたパーキンソン病治療薬の開発 |
位田 雅俊 |
立命館大学 薬学部 |
松田 純 |
立命館大学 |
医薬品の技術移転には、知的財産権の確保が必要条件である。本成果は、シンポジウムで公表、論文投稿中等ということで知的財産権の確保が難しく、企業化は不可能と思われる。記載通り誘導体の用途特許が成立することを期待する。 |
1058 |
EPMAによるコンクリート構造物の高精度な劣化予測手法の確立 |
水田 真紀 |
立命館大学 理工学部 |
松田 純 |
立命館大学 |
当初の研究目標はほぼ達成し特に、塩分浸透に影響を及ぼす種々の要因についてのさらなる検討の必要に気づいている。特許等の知的財産確保には該当しないとしているが、企業の手で幅広くこれを活用するためには特許が必要とされる。コーディネータとよく相談してほしい。 |
1059 |
ポーラスコンクリートを用いたアオコの凝集および植栽基盤への適用 |
岡本 享久 |
立命館大学 理工学部 |
柳瀬 圭志 |
立命館大学 |
当初の研究目標の基本はほぼ達成しているが、実験室レベルでの問題も残され、現場での研究成果が望まれる。アオコ以外の植物性プランクトンへの効果・ヨシの植栽の可能性・実湖畔における実証実験の実施が行われていない。 |
1060 |
津波に対する橋梁の安全性確保を目的とした高度数値解析技術の開発 |
伊津野 和行 |
立命館大学 理工学部 |
柳瀬 圭志 |
立命館大学 |
実橋に近い溝型断面桁の数値シミュレーションでは未解決の問題を残しているが、当初の研究目標方針はほぼ達成している。この研究成果は数値シミュレーションの開発が目的で、特許等の知的財産確保には程遠いが、早期に本研究を完成し、時間のかかる耐津波構造への改造に少しでも早く活用されることを期待する。その時点で知財権の検討をしていってほしい。 |
1061 |
地盤内の間隙水圧および間隙空気圧計測に関する研究 |
酒匂 一成 |
立命館大学 立命館グローバル・イノベーション研究機構 |
柳瀬 圭志 |
立命館大学 |
間隙水圧および間隙空気圧を同時計測できるポテンショメーターの試作には成功しているが、報告内容が要領を得ず、目標の達成度がはっきりとしない。実用化および特許出願に関してはまだ未検討課題が残っている。 |
1062 |
マイクロストレージネットワークにおけるデータ特性に基づく動的配置手法の開発 |
大久保 英嗣 |
立命館大学 情報理工学部・情報システム学科 |
中川 真由美 |
立命館大学 |
申請書に記載された試験研究実施計画に沿って研究が遂行されており、貴重な研究成果が得られている。配置決定法のアルゴリズムに関して簡便なものとした点のみが達成されていない点である。成果物の企業化をイメージし、知財確保の対策も検討してほしい。 |
1063 |
語句の重要度に基づく音声ドキュメント検索手法の開発 |
南條 浩輝 |
龍谷大学 理工学部情報メディア学科 |
笹岡 晃二 |
龍谷大学 |
重要であるが短期的な研究では難しい課題である。音声ドキュメントの検索に語の重要度を使って、音声認識の精度不足を補う試みとしては成功している。しかし、それでも汎用システムとしては問題が多い。分野や応用を限定することで実用化が可能であると思われ、今後、精度の向上だけにこだわらず、実用になる場面の発掘にも力を注ぐことが期待される。 |
1064 |
心理音響指標を用いた新しい音インタフェイスの開発 |
三浦 雅展 |
龍谷大学 理工学部 |
笹岡 晃二 |
龍谷大学 |
当初目標はほぼ達成されている。ただし被験者の数は極端に少なく、母集団が極めて限定されていて問題がある。より多くの被験者によるデータ収集など、汎用性を高める取り組みが望まれる。 |
1065 |
琵琶湖の漁業資源保全のための河川河口部環境再生計画の立案 |
遊磨 正秀 |
龍谷大学 理工学部 |
上條 榮治 |
龍谷大学 |
琵琶湖のアユ漁獲量の減少に関わる特筆すべき知見を得ている。この研究は、琵琶湖の漁獲量減少の改善に繋がるものであり、社会的貢献度も大きいと考えられる。今後、川の環境変化等への対応等、長期的な取り組みが期待される。 |
1066 |
水中プラズマと光触媒を用いた新たな廃水処理技術の開発 |
浅野 昌弘 |
龍谷大学 理工学部 |
上條 榮治 |
龍谷大学 |
貴金属触媒を用いず、安価なTiO2と水中プラズマ場を利用した本排水処理技術は興味深い試みである。今後処理対象を増やしてゆくことで、分解過程を明らかにするなどのデータの蓄積・検討が必要と思われる。 |
1067 |
配水管網の総合管理支援プロトタイプシステムの開発 |
宇土 顕彦 |
龍谷大学 理工学部 |
上條 榮治 |
龍谷大学 |
入力作業の簡素化・高速化、平常時と異なる流れのシミュレーション、残留塩素濃度計算プログラム等が作成され、関連公共団体や企業での利用の可能性は見出せている。将来このシステムを有効に活用するには企業技術者が必要となるとおもわれるが、これに備えて知財権を確保すべきである。
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1068 |
液液界面全電解用フローセルを用いた血清中カルシウムイオンの高精度定量 |
糟野 潤 |
龍谷大学 理工学部 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
「クーロメトリー法による血清中のCaイオン定量」に実証的目途を得て、ほぼ当初の目標を達成したと評価できる。従来法よりも定量性・感度にすぐれた検出法であるので、今後の開発過程で、知財の確保や企業との共同研究などの実用化を目指した取り組みをしてほしい。 |
1069 |
難燃焼性純六方晶窒化ホウ素の革新的燒結技術の開発と応用 |
大柳 満之 |
龍谷大学 理工学部 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
結晶構造を一端無秩序化し焼結体を得る「革新的焼結技術」により、従来の文献値を上回る高密度体の合成を達成した。さらなる機械的特性向上が図られ、今後の実用化が進展することを期待する。 |
1070 |
蛍光発光で簡便に検出できる分子センサーの開発 |
宮武 智弘 |
龍谷大学 理工学部物質化学科 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
酵素活性を蛍光強度の変化として検出する簡便な本手法は、食品の味覚成分の検出法として有望である。今後微量成分の検出に向けて、検出感度の一層の向上が望まれる。 |
1071 |
認知症高齢者および発達障害児の認知機能評価システムの開発 |
小堀 聡 |
龍谷大学 理工学部 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
教育現場あるいは医療現場における評価は高い。緻密な実験が行われ、研究としては高く評価できる。ただし、企業との共同研究についての展望は示されてないが、学会発表と同時に企業化を意識すべきである。同様の研究開発は他でも行われており、企業化するためには、技術の新規性、優位性を主張することが必要である。 |
1072 |
MOSトランジスタによる薄膜構造体の応力検出技術の開発 |
安藤 妙子 |
立命館大学 |
近藤 光行 |
立命館大学 |
基盤的要素技術の実証はなされた。しかし、計画に遅れが生じたため研究目的であった機能を発揮するための検証がなされなかったのは残念である。応力の物性に対する理論的考察から将来性を検証してみることも必要である。知財確保に関する検討をしてほしい。 |
1073 |
超微細気泡と高濃度酸素水による湖沼の大規模水質浄化技術 |
吉岡 修哉 |
立命館大学 |
服部 華代 |
立命館大学 |
底層部の水質改善は評価できる。運用方法の改善など課題もあるが実用化の可能性は見出せたと考えられる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1074 |
プラズマ配向カーボンナノチューブ大面積成長装置の開発 |
林康明 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
7cm角基板に自立配向したカーボンナノチューブ(CNT)を成長させた実績を踏まえて、20cm角基板用の装置開発を精力的に進めたことは高く評価される。実施期間が短かったために最終目標達成には至らなかったが、基本特許の出願、大型基板上で自立配向した均質なCNT分布を得るための中間メッシュ形状の工夫など、今後の展開が期待できる。 |
1075 |
イオン交換により誘起される分相を経由したポーラス材料の作製 |
角野広平 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
インクジェット法を用いて、溶融塩を利用したイオン交換によりガラス表面に直径数10〜100μmのポーラスシリカガラスをドット状に作製する新規な技術が大きく進展した。インクジェット法でガラス表面をミクロ加工できるという研究成果は企業化にとって魅力的であり、新規な発光材料などへの新たな展望の開ける可能性も考えられる。今後のさらなる研究の展開に期待したい。 |
1076 |
光回路上へ直接集積可能な光増幅器の新規作製手法の開発 |
山下兼一 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
導波路長1nmで20dBの光増幅を得るという目標は達成されている。長波長化は820nmでの実証に止まっている。今後、880nmでの増幅を実証することと、知財権の確立を含め、実用化に向けた展望を明確にすることが望まれる。 |
1077 |
チップ面光入出力結合素子の開発と導波路型バイオセンサへの応用 |
裏升吾 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
数μm角の開口部から導波光を面に垂直に出射できる光入出力素子について機能の実証と基礎的な知見が得られている。今後、バイオセンサデバイスとしてシステムを構築し、知財権確立を含め、企業化への展望を明確にすることが望まれる。 |
1078 |
少工程による薄肉・均一・背高のフランジ付きステンレス容器の作製法の開発 |
飯塚高志 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
少工程による特殊ステンレス容器の作製に関して、研究実施計画に記載された各項目で一定の成果が得られている点は、評価できる。提案されている手法が汎用性の有る加工法として普及するためには、残された課題は多いと推察されるので、実用化に向けて、更なる研究の進展が望まれる。 |
1079 |
機能性絹の効率的生産に向けたカイコの分子育種 |
小谷英治 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
伝統的蚕糸業にバイオテクノロジーを取り入れて新たな産業的価値を創造しようとするものであり、大きな可能性を秘めた研究計画である。目標とするバイオ生産に到達するには、何段階かの関門を突破する必要があり、実用可能性やその範囲を広げるためにも、基礎的な研究の更なる充実が望まれる。 |
1080 |
中,軽度の認知症者用,排泄動作支援システムの開発 |
桑原教彰 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
行動推定・行動指示に加え、注意誘導のためのインタフェース評価まで、研究実施計画に記載された課題を、ほぼ計画通りに達成したことは、高く評価できる。実トイレでの試験を行い、共同研究を広めて、実用化へと進展させることが望まれる。 |
1081 |
食肉加工のための新しい色素の開発と応用 |
竹谷茂 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
食肉加工用の色素開発で、基礎研究として学術的な成果が得られているが、当初の目標が達成されていない。実用化に関しては企業との意見交換などにより課題の明確化が望まれる。 |
1082 |
プライマー法を用いたカーボンナノチューブ・汎用ポリマーコンポジットの開発 |
本柳仁 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
カーボンナノチューブ(CNT)にポリスチレン中への均一分散性を賦与することのできる、トリフェニレン(TP)環をコアとする各種プライマーの合成に成功したことは評価できる。該プライマーにより、CNTの水への均一分散も可能となった。一方、CNTコンポジット化によるポリマー物性の向上は期待ほどには認められなかったため、今後は物性向上にも寄与する分子設計が望まれる。 |
1083 |
簡便・高収量な動物細胞由来の転写・翻訳共役型無細胞タンパク質合成系の開発 |
長岡純治 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
転写・翻訳の1ステップタンパク質合成という難易度の高い課題に対して、短期間で一定の知見が得られている点は評価できる。アプローチの独創性が必要とされ、その実現には、更なる基礎的データの蓄積が望まれる。 |
1084 |
バイオマス材料と微生物発酵を用いる射出・押出成形技術の開発 |
北島佐紀人 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
伝統的な土壁材製造法にヒントを得て、新しい材料の開発を目指すもので、期間中に多くの研究成果が得られたことは評価できる。最終目標に向かっては重要な検討課題が増えたが、研究とはそのようなものであるとの認識が必要である。今後、更に実用化に向けた研究を継続し、企業化に結びつけることが望まれる。 |
1085 |
癌診断に用いるタグ付き一本鎖抗体生産の最適化 |
岸本通雅 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
タグ付き一本鎖抗体を用いる癌診断マーカの大量生産による低コスト化の試みは意義が認められるが、本試験の結果からは短期間に製品化できる見通しが得られたとは言い難い。実用化の観点からはもう少し基礎的検討が必要と思われる。 |
1086 |
太陽熱温水器への適用を考慮した微細気泡利用型伝熱促進法の確立 |
北川石英 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
太陽熱温水器への適用に際し、微細気泡を用いることで熱伝達率と熱伝達ゲインが大幅に向上したことは評価できる。特にマイクロバブルを用いることでより高い性能が得られている。知的財産を確立して、今後の実用化が期待される。 |
1087 |
高気体透過性と高分離選択性を併せもつ高性能気体分離膜の開発 |
山田保治 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
世界最高レベルの気体透過性と、CO2/CH4分離特性を有する、多分岐ポリイミド−シリカハイブリッド分離膜が得られ、モジュールの開発に展開していることは高く評価できる。更なる性能向上や実用化のためには、気体透過メカニズムの解明が不可欠であり、大学における基礎研究の進展が望まれる。 |
1088 |
疾患モデルショウジョウバエを用いた新創薬プロセスの開発と応用 |
山口政光 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
疾患モデルショウジョウバエを用いて新薬創成につながる新知見が得られており、基礎的な成果については評価できる。しかし、薬剤スクリーニングに関しては全く検討されていない。スクリーニングに必要な化合物ライブラリーの入手を図り、企業との共同研究などにより実用化への取り組みが望まれる。 |
1089 |
木由来のバイオマスから造る環境適合性超高性能ナノコンポジット材料の開発 |
池田裕子 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
天然ゴムとリグニンによる超高性能ゴム系ナノコンポジットの開発を目指し、多くの評価解析を実施した結果、重要な知見が得られたことは評価できる。今後、ナノコンポジットの構造やリグニンの働きなどを解明することにより、超高性能ナノコンポジット開発に繋げることが望まれる。 |
1090 |
生物発光温度計遺伝子の構築及び細胞内温度分布の時空イメージング |
柄谷肇 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
生物発光イメージを利用した細胞内温度測定法は大変興味深い発想であり、着実な進展が見られる。しかし、実用化の観点からはもう少し基礎的研究の進展が必要である。 |
1091 |
枯草菌のγ-グルタミルトランスペプチダーゼを高活性グルタリル-7-アミノセファロスポラン酸アシラーゼに改変する技術の開発 |
鈴木秀之 |
京都工芸繊維大学 |
行場吉成 |
京都工芸繊維大学 |
大腸菌での成果を枯草菌に適用することを目指し、基本的な目標はほぼ達成されており、今後の指針となる知見が得られている。実用化するためには幾つかの克服すべき課題がある。新しい手法の導入や共同研究により、更なる研究の進展が望まれる。 |
1092 |
免疫不全や流血病関連酵素の生体内ターゲット分子の効率的なスクリーニング法の開発 |
天野麻理 |
京都産業大学 |
物部剛 |
京都産業大学 |
生体内ターゲット分子の効率的スクリーニングを目指して、ペプチドレベルでの有効性について結果が得られ、今後に繋がる基礎的な知見が得られたことは評価できる。実用化のためにはスクリーニングのハイスループット化の手法の開発が望まれる。 |
1093 |
薄型テレビの高品位廃ガラスを用いたセラミックス基板材料の開発 |
高石大吾 |
京都市産業技術研究所 |
河島俊一郎 |
科学技術振興機構 |
液晶パネルガラスをリサイクルして、高品質のセラミックス基板開発を目指す研究で、ほぼ、目標どおりの成果が得られている。今後増加が予想される廃ガラスの再利用方法として期待される。企業との共同研究も予定されているので、特許の出願についての検討が望まれる。 |
1094 |
光拡散性能素材等を利用した新しいコンセプトのLED照明器具の開発 |
池上俊郎 |
京都市立芸術大学 |
笹田滋 |
科学技術振興機構 |
光拡散性素材と新規な素材を利用する新しいコンセプトで、実用性が高くかつユニークな発光ダイオード(LED)照明装置が実現されている。今後、特許の出願と製品化に向けて企業との共同研究へ進展することが望まれる。コーディネータの強力な支援を期待する。 |
1095 |
繊維表面共有結合法によるノンハロリバーシブル撥水加工 |
上甲恭平 |
京都女子大学 |
加藤眞行 |
科学技術振興機構 |
フッ素などの有害な元素を用いずに繊維の撥水加工を行おうとする研究であり、布帛表面上での水の接触角が150°以上の撥水性を示す加工処理条件が見出されたことは評価できる。処理プロセスで特定化学物質のベンゼンを使用しており、実用化のためにはベンゼンを使用しないプロセスの開発が望まれる。 |
1096 |
地域防災システム構築に向けた都市地盤の三次元地下構造モデル構築スキームの開発 |
三村衛 |
京都大学 |
大西晋嗣 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
都市地盤の地下構造モデル構築による地域防災システムの形成に寄与するものであり、その意義は高く評価される。目標とする三次元構造モデルは、完成することができなかったが、その基礎はある程度、得られたものと思われる。官の機関や研究所との共同研究により、安全な社会インフラ構築を目指して、実用化することが期待される。 |
1097 |
近赤外分光法によるドライバーの脳血流動態測定による道路の走りやすさ評価システムの開発 |
谷口栄一 |
京都大学 |
大西晋嗣 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
運転時、運行状況によってドライバの脳血流動態が変化することを近赤外分光(NIRS)法で実証したことは、今後の展開が期待できる。実用化には検討すべき課題も多くあるので、今後企業や他の研究機関との連携が望まれる。 |
1098 |
中性エステルを用いた油脂からの新規な超臨界バイオディーゼル製造法の確立 |
坂志朗 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
油脂を亜臨界水と超臨界炭酸ジアルキルで処理し、無触媒でバイオディーゼル油とグリセロールカーボネートを得る画期的製法を開発したことは高く評価できる。今後、更なる特許対策を行うとともに、国内外の企業と連携し、バイオディーゼル事業で実用化されることが期待される。副生物の用途検討も望まれる。 |
1099 |
多孔性高分子ゲルおよびカーボン材料の開発と応用 |
金森主祥 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
シリカモノリス多孔体で成功したミクロ孔とメソ孔のサイズ制御、及び容積制御を、ポリマー系でも試みたが、目指した制御がかなわず、目標値の1/8に留まった。魅力的なテーマであり、これまでの実績を考えると、将来の展開が期待される。 |
1100 |
強発光性パイ電子系分子の開発 |
畠山琢次 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
有機エレクトロルミネセンス(EL)だけでなく電子デバイス用としても期待される材料であるが、複数の元素を検討するという当初の計画に対してリン(P)のみしか検討されておらず、固体状態で強発光させるという目標が達成されていない。知財権の取り組みについては評価できる。 |
1101 |
電解重合によるカーボンリッチデンドリマーの創成 |
野上敏材 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
電解酸化を用いて、ポリスチレンとのハイブリッド化によりカーボンリッチなデンドリマーの合成に成功している。新規性に富んだ興味深い手法である。構造分析、特性の解明をした上で、具体的な応用についての検討が望まれる。 |
1102 |
ツインプローブ顕微鏡による局所電子物性評価装置の開発 |
佐藤宣夫 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
ツインプローブ顕微鏡を用いて、短針間精密制御機構や電圧―電流計測機構の構築の他、新たに振動減衰機構が実現されており、局所電子物性の測定装置として期待される。今後、有機単分子の電子物性の評価について具体的なデータの発表が望まれる。 |
1103 |
京野菜「みずな」の作付・出荷情報システムの開発 |
宮坂寿郎 |
京都大学 |
大西晋嗣 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
京野菜の作付け・出荷情報システムの開発は、観点・着眼点がおもしろく、機をとらえたテーマであり、シーズ発掘試験研究の新しいチャレンジとして評価できる。本課題のような研究は時間がかかり、また、その成果の普及・定着には時間がかかるので、より長いスパンでの研究を実施し、実用化を目指すことが望まれる。 |
1104 |
n型半導体材料としての複合ナノカーボン材料の開発 |
梅山有和 |
京都大学 |
大西晋嗣 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
フラーレン・単層カーボンナノチューブ複合体にポルフィリンを導入し新規な機能を発見したことは評価できる。特許を申請しているものの、太陽電池を実現するためには、もっと基礎的検討が必要と思われる。 |
1105 |
水中でのアップコンバージョンを用いた生体反応の光制御 |
田中一生 |
京都大学 |
大西晋嗣 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
水中でのアップコンバージョンを実証した先駆的な研究成果であり、今後の課題についても明確にされている。生体への応用という目標に対しては未だ基礎的段階であるが、今後の進展が期待される。 |
1106 |
三大疾病予防食品、医薬品への展開を想定した「共役リノレン酸」の実用生産 |
安藤晃規 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
共役リノレン酸の実用的量産方法について着実な研究により有用な知見が得られており、基礎的データも蓄積されている。実用化が期待できるものの、予定しているトリアシルグリセロールに関して、早期の研究結果の提示が望まれる。 |
1107 |
動物細胞における有用タンパク質高生産のための効率的mRNAパッケージング法の開発 |
増田誠司 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
動物細胞における有用タンパク質高生産のためのmRNAパッケージング法の開発において、5〜10倍の生産性を示す発現系探索に有用な知見が得られている。今後、更なる基礎的なデータの収集と解析が予定されているので、その成果に期待したい。 |
1108 |
ショウジョウバエを利用したミバエ類性フェロモンのバイオ生産技術の開発 |
西田律夫 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
重要害虫防除用の誘引剤生産にバイオ技術(ショウジョウバエの活用)を利用するユニークな手法を提案し、きっちりした計画を立てて研究を着実に遂行している点、論文化や知財権化にもしっかり取り組んでいる点など評価できる。最終目標達成には相当の時間を要すると思われるが、実用化が期待される。 |
1109 |
哺乳動物における雌雄の産み分け技術の開発 |
南直治郎 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
動物の雌雄産み分け技術開発の目的は面白く、一定の成果は得られているが、所期の目標を達成するための見通しが得られていない。アプローチの仕方について再検討が望まれる。 |
1110 |
高機能MMLV逆転写酵素の作製と迅速診断への応用 |
保川清 |
京都大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
高機能逆転写酵素作製において、活性向上と耐熱性向上の変異酵素が得られており、基礎面では所期の目標を十分達成した。今後の研究の展開や特許取得に関する方針も妥当である。学術論文、学会発表についても積極的で、高く評価できる。実用化に関しては、逆転写活性の向上が今後の課題である。 |
1111 |
プラズマを用いた半導体ナノワイヤ大量合成技術 |
斧高一 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
プラズマを用いてSiナノワイヤーの大面積成膜の方法を確立し、不純物ドーピングにも成功している点は高く評価できる。しかし、熱伝導度や電気伝導度などが不明である。用途を絞り、それに合ったナノワイヤの位置、形状、密度の制御を実現することが望まれる。 |
1112 |
環境浄化と物質生産に資する新しい有機ハロゲン化合物変換酵素の開発 |
栗原達夫 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
不飽和脂肪族有機ハロゲン化合物を分解する新規な酵素が見出されており、環境浄化への貢献が期待される。今後、企業との共同研究など実用化に向けての取組みが望まれる。 |
1113 |
低温でのタンパク質生産システムの開発 |
川本純 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
低温でのタンパク質生産効率化に寄与するプロモーター11種の遺伝子同定に成功した点は、高く評価できる。今後は、この成果を応用する具体的な用途と知財戦略を明確にした上で、更なる研究の進展が望まれる。 |
1114 |
花弁状表面形態を有する酸化チタンファイバーの開発と光触媒への応用 |
長嶺信輔 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
中空ナノファイバーの元の形状を保ったまま表面をナノ構造化する技術は、大きな可能性を秘めていると思われる。実用化を目指すためには、光触媒としての評価が不十分である。今後、従来の光触媒との比較などデータの蓄積が望まれる。 |
1115 |
高い腫瘍到達力を持つターゲティングプローブの開発 |
三木康嗣 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
化学的手法によるコアシェル構造の確立、アクティブターゲッティング能の付与の成果、及び、腫瘍イメージングでの学術的成果は、高く評価できる。合成過程で有毒物質を使用している点が懸念される。この点を明確にした上で、更なる研究の進展が望まれる。 |
1116 |
衛星ビーコン・ディジタル受信機の自律観測システム開発 |
山本衛 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
短期間のうちに地道な工夫により、自律観測システムを実現したことは高く評価できる。商品化が期待される一方で、低緯度電離圏観測網整備のプロジェクトへの利用も計画されており、成果が期待される。 |
1117 |
リビングラジカル・カチオン連続重合による新しいブロック共重合体の創製 |
山子茂 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
有機テルル化合物を用いてメタクリル酸エステルをリビングラジカル重合させ、次いでビニルエーテルを加えてリビングカチオン重合させて目的とするブロック共重合体の合成に成功したことは評価できる。学術的な成果は得られており、今後は脱保護条件の確立と粘着特性に関する基礎データを取得し、企業との共同研究により製品化を目指すことが望まれる。 |
1118 |
木質表面の陰影画像からの粗さパラメータおよび視覚ざらつき度の導出 |
藤井義久 |
京都大学 |
冨松亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
木質表面のざらつき度評価と粗さの関係を詳細に調査したことは評価できる。限定した用途であれば実用化が期待できる。汎用性を持たせるせるためには、色調変化やノイズ除去の問題などについて更なるデータの蓄積が必要と思われる。 |
1119 |
ベッセルモードのレーザーパルスによるリモートセンシング技術の開発 |
中嶋隆 |
京都大学 |
松下良昭 |
京都大学 |
レーザーのモード変換に必要なミラー、レンズを購入して実験を行ったが、精度が不十分で期待された成果が得られなかった。これを明確にするため、理想的な光学素子を仮定した理論計算を行い、原因を明確にしたことは評価できる。今後高精度の光学素子を試作し、センシング技術を確立することが望まれる。 |
1120 |
ウィンドプロファイラーのためのクラッター抑圧技術の開発 |
橋口浩之 |
京都大学 |
松下良昭 |
京都大学 |
レーダーで使用可能なデジタル受信機の開発に時間を費やし、本研究の目的であるウインドプロファイリングのためのクラッター抑圧技術の検証には至っていない。クラッター抑圧技術を検証し、実用化に向けた、更なる研究の進展が望まれる。 |
1121 |
超伝導パイ接合素子 |
前野悦輝 |
京都大学 |
松下良昭 |
京都大学 |
自ら発見したルテニウム酸化物超電導体のもつスピン三重項超伝導と特徴を生かしたユニークな提案である。期間中に実証には至っていないが、今後の実用化に繋がるための十分な知見が得られている。知財権確立に積極的に取り組んでいる。 |
1122 |
タバコ病(慢性閉塞性肺疾患)に対する治療器具の力学解析 |
佐藤寿彦 |
京都大学 |
前河早希 |
京都大学 |
タバコ病に対する治療器具の試作品製作と動物実験に成功しており、一定の成果を挙げたものと評価できる。肝心の力学的解析ができていない。共同研究企業も確保できているので、知財戦略を明確にした上で、今後の更なる研究の進展が望まれる。 |
1123 |
新規イソキノリンアルカロイド生産法の開発と応用 |
佐藤文彦 |
京都大学 |
藤森賢也 |
京都大学 |
バイオテクノロジーによる医用アルカロイドの大量生産法の確立は重要な研究課題であり、ドーパミンからノルラウダノソリンの合成が高効率で行われ、補酵素SAM(S-adenosyl-methionine)の増強も達成していることは、高く評価できる。知財戦略を明確にした上で、今後の更なる研究の進展が期待される。 |
1124 |
ヒト樹状細胞の機能制御と新規免疫制御法の開発 -抗酸化ストレス分子チオレドキシンによる機能修飾- |
門脇 則光 |
京都大学 |
樋口修司 |
京都大学 |
新規性のある研究であり、ヒト樹状細胞のチオレドキシン活性の制御による免疫関連疾患への新たな免疫制御法を開発する手掛かりが得られた点は、評価できる。予想外の展開があったとはいえ、成果は十分上がっているとは言えない。知財戦略も明確にした上で、今後の更なる研究の進展が望まれる。 |
1125 |
C型肝炎治療に際しての副作用出現予測のための遺伝子診断系の構築 |
丸澤 宏之 |
京都大学 |
樋口修司 |
京都大学 |
C型肝炎治療の副作用出現予測のための遺伝子診断に関する2課題のうち、遺伝子領域の多型の同定については、一定の成果を挙げたものと評価できる。しかしながら、アレイ解析系の構築については、未達に終わっている。研究申請時とは、研究のレベル・動向が大きく変化しており、戦略の練り直しが必要と思われる。 |
1126 |
精子幹細胞による疾患モデルラットの作成へ向けたラット系統の検討 |
篠原 美都 |
京都大学 |
樋口修司 |
京都大学 |
マウスの精子幹細胞で得た成果を基盤として、より重要性の高いラットの精子幹細胞の長期培養系を樹立すると共に、両者の差を明らかにし、今後の研究の方向性と実用化への可能性を見出した点は、高く評価できる。企業化・特許化の戦略を明確にした上で、 実用化に向けた研究の進展が望まれる。 |
1127 |
スタンポレーション法を用いたヒトBMP2発現ベクターによる骨誘導に関する研究 |
別所和久 |
京都大学 |
樋口修司 |
京都大学 |
骨誘導の臨床応用を目指す研究として新規と思われる。2課題のうち、培養細胞の実験系では、良い結果が得られているが、動物実験系の方は実施されていない。企業化・特許化の戦略を明確にした上で、 実用化に向けた研究の進展が望まれる。 |
1128 |
シナプス小胞トンラスポーターの新規機能解析法の開発 |
中川貴之 |
京都大学 |
樋口修司 |
京都大学 |
固相化細胞膜SSM(Solid-supported-membrane)という手法を用いてトランスポーター電流応答を測定することに成功した点は、評価できる。シナプス小胞のinside-outモードの記録は成功しておらず、更なる研究開発が必要である。将来、事業化するには、特許権が必要と思われるので、知財戦略も明確にした上で、 実用化に向けた研究の進展が望まれる。 |
1129 |
室温動作マルチフェロイック酸化物人工超格子の作製およびメモリ応用 |
市川能也 |
京都大学 |
門林剛士 |
京都大学 |
室温動作の酸化物人工超格子作製を目指し、基板の平坦化や多層人工超格子が作製できたことは評価される。しかし、目的とするマルチフェロイックな物性の発現の見通しに関しては、まだ多くの基礎的検討が必要と思われる。 |
1130 |
糖類の位置選択的官能基化 |
川端猛夫 |
京都大学 |
加藤眞行 |
科学技術振興機構 |
精密分子認識能を持つ人工触媒を開発し、これを使用してグルコピラノースの4つの水酸基を選択的に官能基化する方法を開発しており、学術的にも実用的にも優れた研究成果であり、高く評価できる。抗腫瘍性配糖体天然物の短段階の全合成に活用できることを期待したい。 |
1131 |
放射線照射により活性化されるプロドラッグ抗がん剤の開発 |
田邉一仁 |
京都大学 |
加藤眞行 |
科学技術振興機構 |
プロドラッグ抗がん剤開発に関し、計画に記載された目標は、一部が達成されていない。DNAを対象とした機能制御には一定の成果が得られている。企業化への見通しは立っていないが、放射線応答によるDNAオリゴマーの機能制御面の発展が期待される。 |
1132 |
体外受精胚から受胎性の高い胚盤胞を高効率的に作出する新規合成培地の開発 |
山田雅保 |
京都大学 |
加藤眞行 |
科学技術振興機構 |
体外受精胚から受胎性の高い胚盤胞を高効率に作出する新規合成培地の開発は、研究実施計画に記載された目標が、完全には達成されていない。しかしながら、研究は着実な前進を示しており、企業との共同研究も開始されようとしている。実用化に向けた更なる研究の進展が望まれる。 |
1133 |
近赤外発光特性を有するアミノ酸の開発 |
高谷光 |
京都大学 |
加藤眞行 |
科学技術振興機構 |
すぐれたアイディアで特殊錯体を合成し、これをマーカーとして近赤外領域に発光特性を示す標的化合物の実用的合成法を開発したことは評価できる。一方、幾つかの課題も見い出されており、当初計画のタンパク質の導入と生体での評価は、今後の課題である。特許出願も検討されており、今後の研究が期待される。 |
1134 |
圧電MEMSミラーアレイを用いた光通信デバイスの開発 |
神野伊策 |
京都大学 |
河島俊一郎 |
科学技術振興機構 |
マイクロミラーを用いた光双方向通信として応用が期待される課題であるが、鍵となるミラーが作製できておらず、機能が実証されていない。今回得られた知見を活かして、デバイスを完成することが望まれる。 |
1135 |
金属ナノ構造を用いた半導体量子ドットの発光高輝度化とその応用 |
松田一成 |
京都大学 |
河島俊一郎 |
科学技術振興機構 |
理論シミュレーションにより、テーマの申請時よりもさらに優れた構造を提案し、半導体量子ドットの発光強度に予想通りの増強が得られたことは評価できる。今後実用化のための課題を明確にすることが望まれる。 |
1136 |
2液迅速脈動混合マイクロ流体デバイスの開発とナノ粒子合成への応用 |
菅野公ニ |
京都大学 |
河島俊一郎 |
科学技術振興機構 |
マイクロ流体デバイスを用いて3.3msecの高速混合を達成し、金ナノ粒子の合成を試みたことは評価できるが、ポンプの安定性不足で粒子径標準偏差評価までは到達できなかった。また標題のナノ粒子合成への応用は実施されなかった。企業化の可能性はあるので、知財化も含めて、今後の取り組みに期待したい。 |
1137 |
ナノ粒子の乾燥自己集積特性を利用したネットワーク型透明導電膜の開発 |
東谷公 |
京都大学 |
河島俊一郎 |
科学技術振興機構 |
極めて独創的な発想により、酸化インジウム・スズ(ITO)並みの透過率と導電性を持つ金細線ネットワークを形成できたことは高く評価できる。今後実用化に向けて、均質性、耐久性、導電性、光透過性など克服すべき課題に取り組むことが望まれる。 |
1138 |
スウィング機構付きトラック輸送用除振台の開発 |
松久寛 |
京都大学 |
笹田滋 |
科学技術振興機構 |
スイング機構付きトラック輸送用防振台開発を目指し、申請書に記載された課題は、概ね達成されていると評価できる。研究の成果を特許出願し、早期に共同研究企業を見付けて、実機の製作・商品化へと、更なる進展が望まれる。 |
1139 |
水中でのヘルムホルツ共鳴を応用した非接触体積計測法の開発 |
近藤直 |
京都大学 |
笹田滋 |
科学技術振興機構 |
ヘルムホルツ共鳴を応用した非接触体積計測は、新しい技術への挑戦で、期待される課題である。周波数掃引波で、共鳴周波数が見られないことから、もう少し基礎知見の蓄積が必要であろうと思われる。実用化に向けて企業との共同研究体制も整えられつつあり、今後の一層の研究努力に期待したい。 |
1140 |
気体流動槽内における効果的なアンモニア除去条件の解明 |
平野幹典 |
畜産技術センター |
西村敏弘 |
科学技術振興機構 |
気体流動槽内の効果的なアンモニア除去条件の解明に関し、問題点の提示とそれに対する研究的課題はほぼ達成できた。各要素の検討で不十分と思われる項目が見受けられるため、実用化に向けて各要素のもう一歩踏み込んだ検討が望まれる。 |
1141 |
ラマン散乱を用いた心臓組織診断法の開発 |
高松哲郎 |
京都府立医科大学 |
島田かおり |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
ラマン散乱法を用いる新しい心臓組織診断法について、基礎的評価を終え、機器開発の目処が立ったという点で、本研究の意義・得られた成果は、高く評価できる。共同研究企業と連携し、早急に実用化に向かうことが期待される。 |
1142 |
MEMSを用いた新規遺伝子導入技術の開発 |
岸田綱郎 |
京都府立医科大学 |
羽室淳爾 |
京都府立医科大学 |
哺乳動物由来の幹細胞等に、遺伝子を効率的且つ低毒性で導入するための、MEMSを用いる新しいデバイス創成を目指しており、期間中に導入効率や導入時の傷害性の評価を行って基礎データを得た。しかしながら、コンパートメント一体型デバイスの試作には至らなかった。今後更に検討を進め、実用化できることが望まれる。 |
1143 |
術中微小リンパ節転移可視化装置の開発 |
原田義規 |
京都府立医科大学 |
羽室淳爾 |
京都府立医科大学 |
微小リンパ節転移可視化のため、当初目標の小型蛍光観察装置の開発に成功し、その有用性評価も行っている点で、本研究の新規性・優位性は、高く評価できる。基本的な特許を出願した上で、共同研究企業と連携して、商品化に進展することが望まれる。 |
1144 |
糖尿病合併症やがんの発症を予防する食品因子の評価系の開発 |
伊藤友子 |
京都府立医科大学 |
羽室淳爾 |
京都府立医科大学 |
新しい指標での食品因子探索評価系の研究で、バイオマーカーとしての有効性が明らかになった。動物実験を用いて食品因子との関連が明らかになれば可能性が大いに高まるが、当初の目標は達成されつつあり評価できる。今後、実際の食成分の提示や生体モデルでの実証などへの進展が望まれる。 |
1145 |
前立腺針生検3次元穿刺位置情報ソフトの開発 |
沖原宏治 |
京都府立医科大学 |
羽室淳爾 |
京都府立医科大学 |
前立腺針生検用位置情報ソフト開発を目指した研究で、検討症例数が縮小した点を除き、計画に記載された事項について、ほぼ目標を達成した点、及び、事業化に向けて具体的アクションがとられている点は、高く評価できる。テンプレート装着時に局所麻酔が困難である点は、企業化に向けての大きな課題であると思われる。 |
1146 |
手術結果予測機能を備える4次元画像による低侵襲手術支援システムの開発 |
浮村理 |
京都府立医科大学 |
羽室淳爾 |
京都府立医科大学 |
空間座標追跡装置を用いて、時間経過の分かる人体内蔵器の3次元表示装置を実現し、解剖構造をリアルタイムに表示できるソフトを開発している。裏付けとなるデータの提示が望まれる。 |
1147 |
新しい作用機序による鎮痛補助薬の開発 |
衣斐督和 |
京都府立医科大学 |
羽室淳爾 |
京都府立医科大学 |
新しい作用機序による鎮痛補助薬の開発を目標として、先ずオピオイド(モルヒネ)耐性出現のメカニズム解明を目指した研究を実施した。その結果、新規分子NOX1を介した疼痛制御機構に着目して着実な成果を挙げたことは評価できる。今後、企業化を目指して一層の努力が求められる。 |
1148 |
糖尿病性腎症の早期診断技術の実用化研究 |
福井道明 |
京都府立医科大学 |
羽室淳爾 |
京都府立医科大学 |
糖尿病性腎症の早期診断技術の開発に精力的に取り組み、糖尿病性腎症のリスクマーカーの有力候補物質として2種のCys化修飾タンパク質を見いだしたことは高く評価できる。確認作業、調査研究を着実に進行させ、一日も早い企業化が望まれる。 |
1149 |
構造解析に基づく新規抗SARS薬リード化合物の探索 |
赤路健一 |
京都府立医科大学 |
内田逸郎 |
科学技術振興機構 |
アルデヒド型、およびMichaelアクセプター型シーズ化合物の合成や、得られた化合物のX線構造解析が、ハイレベルで達成されていることは大いに評価できる。この知見を基に、非ペプチド誘導体などのデザインに展開できれば、将来的に発展する見込みが大いにあると思われる。製薬企業とのマッチングが強く望まれる。 |
1150 |
超高濃度変性剤に耐性を有するケラチン分解性プロテアーゼの開発 |
渡部邦彦 |
京都府立大学 |
石田政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
難分解性タンパク質である、ケラチン分解能を示す変性剤耐性プロテアーゼを好熱菌から生産し、その特性を解明すると共に、巨大酵素分子複合体を発見したことは高く評価できる。今後、プリオンタンパク質などバイオハザードへの展開が期待される。知財化の検討が望まれる。 |
1151 |
生体内アミン類の高感度定量法の開発 |
椿一典 |
京都府立大学 |
内田逸郎 |
科学技術振興機構 |
スペルミジン・スペルミンに対し、高選択的呈色応答性を示すオリジナル性の高いスルホンフタレイン体化合物群の創出に成功し、ヒトの生体試料へのテストも行われていることは評価できる。基盤となる基礎データを更に充実させ、実用化に向けて展開されることが望まれる。 |
1152 |
天然型トロポロンー亜鉛錯体の開発と肥満・糖尿病治療薬への応用 |
安井裕之 |
京都薬科大学 |
内田逸郎 |
科学技術振興機構 |
トロポロンおよびヒノキチオールのO→S原子置換体を合成し、この亜鉛錯体が肥満・糖尿病治療薬、あるいはサプリメントとして応用可能であることを示した点、評価できる。実用化可能かどうかは、毒性評価などのデータが出てから判断する必要があるが、企業との共同研究が開始されており、今後が期待される。 |
1153 |
生体分解性マイクロニードルを用いたインスリンの次世代型経皮吸収製剤の開発 |
山本昌 |
京都薬科大学 |
内田逸郎 |
科学技術振興機構 |
生体分解性素材で作られたインスリン含有マイクロニードルを動物に適用し、その効力を確認した結果、想定以上の効果が得られたことから、臨床試験へのステップアップに値する技術となったと思われる。ヒアルロン酸、コラーゲンの分子量の効果等の実験データの提示が望まれる。 |
1154 |
インフルエンザウイルスのヘマトグルチン開裂部位を標的とした新規抗ウイルス剤の開発 |
根木滋 |
同志社女子大学 |
堀内真幸 |
同志社女子大学 |
抗エイズ薬開発の経験をもとに、インフルエンザウイルスのヘマトグルチン開裂部位を標的とした新規抗ウイルス剤の開発を目指している。研究の新規性、着眼点は優れており、実験法も妥当であるが、目標は達成できていない。今後もシーズの実用化目指して挑戦する努力が望まれる。 |
1155 |
抗菌性を有する新規酸化亜鉛系ナノマテリアルの作製 |
廣田健 |
同志社大学 |
永田和彦 |
同志社大学 |
水熱合成によるZnOナノロッドは暗中でも抗菌性を有するユニークな材料として期待されるが、今回の試験では抗菌性に関するデータが提示されていない。今後、他の重要な研究課題についての試験が望まれる。 |
1156 |
オープンキャピラリーチューブを用いたマイクロフロー分離システムの開発 |
塚越一彦 |
同志社大学 |
永田和彦 |
同志社大学 |
超微量分析において新規な発想で化合物の分離を達成しようとした試みである。期間内に種々の条件検討や応用についての実験が進められ、当初の研究計画は十分に達成されていると判断できる。また研究報告や学会報告など精力的に研究を進めており、実用化に向けて更なる発展が期待される。新たな分離手段としての可能性を秘めているので、知財権への取り組みが望まれる。 |
1157 |
紫外領域で動作する高分子有機ELの開発 |
大谷直毅 |
同志社大学 |
平尾正三 |
同志社大学 |
紫外域で動作する発光材料ポリビニルカルバゾール(PVK)に着目し、電流注入時で波長400nmの発光を実現できたことは高く評価できる。400nm以下の短波長化や高効率化は未達であり、光劣化に対する効果の記載も見あたらない。実用化のためには、素子作製を目指すことが望まれる。 |
1158 |
ハイパーソニック圧電顕微鏡の開発 |
松川真美 |
同志社大学 |
平尾正三 |
同志社大学 |
面内・面外の抵抗率、面内の音速、散乱強度の増強を行い、当初の目的をほぼ達成している。低抵抗な材料の圧電特性の評価方法として期待される。実用化の観点からは、より高い精度の測定の検討が望まれる。 |
1159 |
DME予混合吸気−水素直噴デュアル燃料ディーゼル機関の開発研究 |
千田二郎 |
同志社大学 |
平尾正三 |
同志社大学 |
水素直噴ディーゼル機関の実現に向け、実験とシミュレーションを併用して取組む姿勢は、評価できる。実際のディーゼル機関への適用を実現し、特許出願等も行えば、自動車メーカの注目を集めることができるようになるものと期待される。 |
1160 |
角膜移植の治療成績を向上させる新しいドナー角膜保存液の開発 |
小泉範子 |
同志社大学 |
平尾正三 |
同志社大学 |
角膜内皮細胞の接着、増殖推進効果を有するRhoキナーゼ阻害薬Y-27632を添加した保存液は、期待通りの優れた成果が得られた。今後、更に有効性の高い添加物質の発見も期待される。臨床試験へのアプローチ、国際的な認知活動も一歩ずつ進められており、企業化に向けた歩みも着実であることから、実用化が期待される。特許の国際戦略を立てることが望まれる。 |
1161 |
腓腹筋電気刺激で蹴り出し強化を行う歩行補助装置の開発 |
鈴木立人 |
舞鶴工業高等専門学校 |
辻正 |
舞鶴工業高等専門学校 |
低痛覚で良い足関節動作となる刺激法・電気刺激の印加タイミングの検討と、歩行補助装置の試作、健常者への予備試験を、ほぼ計画通り実施したことは、評価できる。今後、共同研究者の医師と協力して患者での評価を実施し、実用化へと進むことが期待される。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1162 |
多種加工用フレキシブル超短パルス光源の開発 |
古瀬 裕章 |
(財)レーザー技術総合研究所 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
当初目標の一部が達成されていないため、実用的成果は不十分な部分があるが、学術的研究成果は十分に得られている。今後の問題点と研究方向が明確に示されている。 |
1163 |
深部脳組織からのIn vivo Ca imaging可能な微細内視鏡のための画像処理システム開発 |
船曳 和雄 |
(財)大阪バイオサイエンス研究所 |
長谷川 新 |
(財)大阪市都市型産業振興センター |
当初目標の研究成果が十分に得られており、商品化を含めた今後の展開についても具体性があり、発展性が十分に期待される。 |
1164 |
組換えアデノ随伴ウイルスベクターを用いた局所的RNA干渉(fRNAi)開発 |
ミハエル ラザルス |
(財)大阪バイオサイエンス研究所 |
長谷川 新 |
(財)大阪市都市型産業振興センター |
優れた成果が得られており、その成果をもとに共同研究への発展性も示され、商品化の可能性もある。基礎研究としてまだ検討すべき点は残るものの、今後は知的財産権の確保に努め、企業化を意識した取り組みが期待される。 |
1165 |
ナノ構造を殻部分に持つシリカ中空粒子よる反射防止機能の創出 |
藤原 正浩 |
産業技術総合研究所 |
堀野 裕治 |
産業技術総合研究所 |
概ね目標を達成する技術を開発している。計画にあった細孔サイズや粒子サイズの影響調査は未実施であるが。これらも反射防止性能を左右すると考えられるので、今後検討を加えることが望まれる。 |
1166 |
GABAシステムによる軟骨肉腫の新規迅速診断法の開発 |
神原 清人 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
GABAシステムは軟骨肉腫とその悪性度の診断に役立つ可能性を秘めている。ニーズは多いと思われるので、今後は検体数を増やすことによって明確な結果を示すことが望まれる。 |
1167 |
細菌自身の蛋白質合成活性制御機構を利用した耐性菌出現低確率抗生剤の開発 |
吉田 秀司 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
今回の研究で発現されたRMFによる蛋白合成阻害の現象は確認された。実用化には時間を要すると思われるが、今後は実用化に向けた課題解決に努めてほしい。 |
1168 |
生体吸収性を有し骨再生に優れた生体内多孔体化リン酸カルシウムペーストの開発 |
傍島 聡 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
多孔体化リン酸カルシウムペーストという新たな材料を用いて骨再生に寄与できる成果が得られている。企業との共同研究が予定されており、特許も一部出願済みということで、今後は実用化に向けた積極的な取り組みが期待される。 |
1169 |
イオン認識能を有する多重積層薄膜の開発 |
村岡 雅弘 |
大阪工業大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
当初予定の重合性クラウンエーテル誘導体の合成には成功していないが、低分子量のクラウンエーテルを用いてイオン認識性薄膜の開発に成功している。知的財産権申請および実用化には性能評価における再現性の確認が必要であると考えられる。 |
1170 |
チタン乳酸錯体の電解による酸化チタン中空粒子構造体膜の作製 |
千金 正也 |
大阪市立工業研究所 |
水田 憲男 |
大阪市立工業研究所 |
低温プロセスで酸化チタンの中空粒子材料を作製することには成功している。ただし、光電気化学特性が不十分であり、今後はこの特性向上を図るとともに、実用化への展開に努めることが望まれる。 |
1171 |
超広域湿度センサを用いた湿度制御による高性能過熱水蒸気処理装置の開発 |
伊與田 浩志 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
JST特許出願支援により特許申請を行うとともに、JST新技術説明会等でのシーズ紹介活動により、企業と共同でのセンサの製造・販売の段階まで進めている。今後の進展が大いに期待される。 |
1172 |
光励起高スピンπラジカルを基盤とする電界発光(EL)素子の試作と評価 |
手木 芳男 |
大阪市立大学 |
立川 正治 |
大阪市立大学 |
素子試作および発光確認は達成しており、ノウハウの蓄積はできていると思われる。今後、系統的に電子輸送層・ホール輸送層および薄膜化条件を調査検討することにより、企業化に向けて進展させることが期される。 |
1173 |
完全前方開放型歩行器の開発と円背防止効果の検証 |
三浦 研 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
当初計画の目標を概ね達成している。知的財産権の確保についても検討が行われている。今後の戦略次第では企業化へ繋がる可能性がある。 |
1174 |
鉛直循環流誘起堤体による底層への酸素供給に関する模擬実験と効果予測 |
遠藤 徹 |
大阪市立大学 |
堀部 秀雄 |
大阪市立大学 |
目標達成は不十分な部分があるが、実用化のための課題が明らかとなっている。また、大阪市港湾局との共同研究に繋がっており、今後の進展が期待される。 |
1175 |
内視鏡的に視認不可能な炎症性腸疾患関連癌を視認するPDD(photodynamic diagnosis)の開発 |
渡辺 憲治 |
大阪市立大学 |
中島 宏 |
大阪市立大学 |
膀胱癌で成功している手法を炎症性腸疾患関連癌に取り入れるということで実現性は高いと考える。今後は、症例収集の増加に努めるとともに、PDDの有用率に検討を加えることが望まれる。 |
1176 |
表面濡れ性のスイッチングを目指した易分解性コーティング剤の開発 |
佐藤 絵理子 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
トポグラフィー制御による表面濡れ性制御の可能性は見えてきた。しかし、易分解性コーティング剤の構造制御とミクロ相分離構造の制御については当初計画通りには進んでいない。試行錯誤を必要とするチャレンジングな技術であり、中期的な視野で進展させることが望まれる。 |
1177 |
初期変位付与型TMDを用いた建築構造の振動制御 |
吉中 進 |
大阪市立大学 |
堀部 秀雄 |
大阪市立大学 |
初期変位付与型のTMDの機能向上/改良が目的であり、目標を概ね達成している.ただし、企業化への鍵となる「制震効果のロバスト性」の確保など、残されている課題もある。これらの課題解決を図り、実用化に繋げることが期待される。 |
1178 |
薬剤耐性機構を打ち破る物質のスクリーニング |
藤田 憲一 |
大阪市立大学 |
中島 宏 |
大阪市立大学 |
当初の研究目標が過大で、一部遂行できていないことは惜しまれるが、今後検討すべき課題が明確にされている。期待度の高いテーマであり、残された課題の解決に努め、展開を図ることが望まれる。 |
1179 |
多発性骨髄腫の腫瘍マーカー蛋白の特定 |
中尾 隆文 |
大阪市立大学 |
間 健一 |
大阪市立大学 |
一部のタンパクについては解析ができていないが、重要なタンパクの解析には成功している点は高く評価できる。また、今後の研究の進め方が明確に示されている。ただし、症例を増やして臨床例との相関性を検討する必要があると考えられる。 |
1180 |
慢性肝障害バイオマーカーとしてのサイトグロビンの有用性の検討 |
河田 則文 |
大阪市立大学 |
間 健一 |
大阪市立大学 |
当初の目標はほぼ達成している。サイトグロビンに対するモノクローナル抗体の作成に成功しており、今後は慢性肝障害の臨床例を集積し、既存の評価系と比較しつつ、この抗体の有用性を検討を加えるなどにより、更なる展開が大いに期待される。 |
1181 |
中性子捕捉療法に向けた新規超分子ホウ素キャリアーの開発 |
長崎 健 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
不測の事態により、申請書で記載されていたin vivo試験が実施できなかったことは残念であるが、特許出願も行うなど、十分な成果を得ている。今後は、実用化に向けた課題の解決に努めて、着実に進展させることが望まれる。 |
1182 |
エピジェネティクス制御に基づく心不全の機序解明と治療応用 |
泉 康雄 |
大阪市立大学 |
間 健一 |
大阪市立大学 |
新薬開発に向けての具体性とデータの検証が不足しているが、マウスの心筋梗塞を作成する安定した技術を有しており、動物モデルの確立に成功していることから、今後の展開が期待される。 |
1183 |
高輝度紫外発光ダイオードによる核スピン偏極技術の開発 |
熊谷 寛 |
大阪市立大学 |
中島 宏 |
大阪市立大学 |
試験項目はほぼ達成しており、今後の成果によっては企業化に繋がる可能性も高い。しかし、特許取得にはさらにデータ精査を行うとともに、もう少し戦略的な展開が必要である。 |
1184 |
機能性ポリゲルマン合成のための新規なゲルマニウムカップリング法の開発 |
板崎 真澄 |
大阪市立大学 |
立川 正治 |
大阪市立大学 |
ポリシランの性能を上回るかもしれない高分子量ポリゲルマンの合成法の開発研究であるが、基礎研究のレベルに終わっている。ただし、鉄錯体がゲルマニウム化合物に対して触媒として作用することを明らかにしており、今後は鉄錯体の触媒としての完成度を高めるとともに、知的財産確保や企業化への積極的な取り組みを期待したい。 |
1185 |
橋梁用小型レーザピーニング装置開発のための最適ピーニング条件の検討 |
崎野 良比呂 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
優れたアイデアであり、将来性も高い。詳細な実験により、新たな課題も見出されたが、克服は困難ではないと思われる。一層の継続的研究の実施が望まれる。 |
1186 |
生分解性マイクロニードルを応用した経皮ワクチンシステムの開発 |
岡田 直貴 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
経皮ワクチンをめざした生分解性マイクロニードルの安全性、有効性が検証できている。企業化に向けた発展が期待できるが、その際、個別の製品に対する知的財産権の確保が望まれる。 |
1187 |
キラル配位子修飾磁性ナノ粒子の新規合成と不斉触媒反応への応用 |
森 浩亮 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
特許出願中の技術を改良するという研究目標であるが、具体的な改良点が不明確である。磁石による回収は公知であることに留意しつつ、進展させることが望まれる。 |
1188 |
超小型サーバを活用した環境情報収集および異常パターンの抽出分析システムの開発 |
山中 千博 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
ファイヤーウォールを問題としないVPN接続と超小型サーバーを用いる情報収集システムの開発は監視システムとして有望である。ラドンガス濃度のモニタリング以外の検討など、今後はさまざまな環境情報の収集における有用性を検討することで更なる発展が期待される。 |
1189 |
超伝導テラヘルツ波検出器の開発 |
川山 巌 |
大阪大学 |
鈴木 義彦 |
和歌山大学 |
テラヘルツ波の検出にジョセフソン接合を用いることにより高速で検出することに成功している。また、国際会議で成果発表し、Young Researcher Awardを受賞するなど高い評価を得ている。さらに、実用化・普及に向けて企業の組織化と啓蒙活動を図るなど、積極的に活動をしていることは高く評価できる。 |
1190 |
新規抗菌性ペプチドを用いた創傷治癒剤の開発 |
中神 啓徳 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
創薬開発に向けたAG30のリード化合物を作成できたことは特筆すべき成果である。今後は他の抗菌薬剤の効果との比較行うなど、実用化に向けた展開を図ることが期待される。 |
1191 |
サスティナブルFe酸化物半導体スピンエレクトロニクス素子の開発 |
田中 秀和 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
FeMnO系薄膜で酸化モリブデンを利用したAFM微細加工方を確立している。また、同材料を用いたμbridgeで高効率のMR素子作成に成功するなど、極めて優れた成果が得られている。今後は知的財産権確保にも尽力することが期待される。 |
1192 |
ナノバイオデバイス実用化戦略のためのナノ複製モールドによる新微細加工技術開発 |
李 恵ヨン |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
研究成果を論文にすべく鋭意検討している点は高く評価できる。また、今後の展開も明確に示されており、期待が持てる。ただ、知的財産権の確保について、具体的な計画を立てることが望まれる。 |
1193 |
人間型ロボット用非接触磁気減速機構の開発 |
平田 勝弘 |
大阪大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
不思議遊星機構とのハイブリッド化は困難であったが、減速機性能は当初目標をほぼ達成し、企業との本格的な共同研究に繋げたことは高く評価できる。実用化に向けた積極的な取り組みが期待される。 |
1194 |
バイオ人工膵臓用免疫隔離膜の開発 |
宮川 周士 |
大阪大学 |
大屋 知子 |
大阪大学 |
ラットの膵臓の分離方法の確立はできたが、移植実験が行われなかったことが残念である。しかし、企業との共同研究が開始されており、今後の展開が期待される。 |
1195 |
確率共振を利用したマルチセンサ制御システムの開発 |
堀田 育志 |
大阪大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
マルチセンサシステムに確率共振現象を利用した制御システムを構築できることを示すことに成功している。また、特許申請および実機作製を行うなど、企業化に向けて積極的に取り組んでいることが窺える。 |
1196 |
密着結合蛋白質を利用した経鼻粘膜ワクチンの開発 |
八木 清仁 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
経鼻粘膜ワクチン療法の可能性が示され、特許出願を行ったことは評価に値する。今後は、疾病抗原を用いた実験を行って有用性を検討するなど、企業化に向けた検討が期待される。。 |
1197 |
超音波照射により発光制御する新規白金錯体の開発 |
小宮 成義 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
超音波照射によりゲル化・発光する金属錯体は材料化学的には興味深い。現時点では、その応用・実用化に関する見通しは不透明であるが、材料特性に関するいくつかの基礎的知見を得ている。また、特許申請も行い、発光材料をデバイスに応用するための共同研究を行う予定もしている。今後は実用化に向けた取り組みをさらに強めることが望まれる。 |
1198 |
次世代半導体単結晶と電極金属膜の界面反応制御とコンタクト形成 |
前田 将克 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
当初目的がSiC((0001)Si面以外の2面におけるオーミックコンタクトとTi3AiC2形成技術ならびに反応挙動の解明であったが、実施した2面ともオーミックコンタクトは得られず、現時点では実用につながる成果は見られない。しかしながら、学術的な面ではそれなりの成果が得られている。 |
1199 |
酸化物ナノインプリント法を用いたナノ超構造増感太陽電池の開発 |
Cha Nam-Goo |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
競争の激しい領域の中で、独自性のあるアプローチを試み、整流作用までは確認できている。当面、企業化は難しいと思われるが、展開の可能性が感じられる。 |
1200 |
体内ストレス解消を目指したリポソーム固定化膜モジュールの開発 |
馬越 大 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
リポゾーム固定化膜モジュールの有効性と基本的な設計方針が示されたが、問題点が確認されるなど、実用化にはこれからの研究が必要である。なお、知的財産権の早急な確保が望まれる。 |
1201 |
電磁超音波共鳴を用いた表面改質層の非接触定量化法の確立 |
平尾 雅彦 |
大阪大学 |
中村 邦夫 |
大阪大学 |
当初計画どおりのデータが取得でき、今後の知的財産権確保についても前向きな検討がなされている。残された課題は大きいが、今後の問題解決により新しい手法としての展開が期待される。 |
1202 |
高空冷能を有する直線気孔ポーラスアルミニウムヒートシンクの開発 |
中嶋 英雄 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
当初目標の成果が概ね得られている。連続鋳造法に関する技術課題を明確にするとともに、その解決策となる連続ガス化合物供給方法を確立している。今後、本成果に基づいた直線気孔ポーラス材製法の確立が期待される。 |
1203 |
機能的電気刺激を用いた歩行支援システムの開発 |
平井 宏明 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
当初目標はほぼ達成しており、特許出願も行われている。今後の展開によっては企業化の可能性も高いと考えられる。 |
1204 |
マイクロセンサ・アクチュエータ用BiFeO3非鉛圧電体薄膜の開発 |
奥山 雅則 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
有毒なPZTの代替材料としてのBiFeO3の特性検討であるが、性能はPZTに及ばず、今後の更なる検討が望まれる。 |
1205 |
パイエル板を利用した経口ワクチンの開発 |
近藤 昌夫 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
概ね計画どおりで、当初予定していた分子よりも結合特性の優れた分子が得られている。今後行うべき方策が具体的に示されている点は評価できる。今後の展開が期待される。 |
1206 |
触媒的エステル-アミド交換反応による環境調和型アミド化反応の開発 |
大嶋 孝志 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
亜鉛クラスター触媒の配位子効果の検討を行い、触媒のルイス酸性を向上することで触媒活性を大幅に向上させることに成功している。さらに、中心金属を変更することで、さらに触媒活性が上昇することも見出しており、今後の応用展開が期待される。なお、開発した触媒が市販されることになったのは大いに評価できる。 |
1207 |
ボールペン型共振ヤング率テスタの開発 |
荻 博次 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
非破壊的に局所領域のヤング率を測定する方法として、持ち運びの出来るテスタ型のものを試作して実際の測定を行ったことは評価に値する。本試作機による測定値と別手法での測定値との乖離は接触部の塑性変形が原因と推測しているが、そのことの検証ならびにプローブ構造に関する特許申請を早急に行うことが望まれる。 |
1208 |
次世代小型人工聴覚器の集積技術の開発とその応用 |
舘野 高 |
大阪大学 |
中村 邦夫 |
大阪大学 |
研究計画に示された目標はほぼ達成されている。実験モデルの作成を含めて、研究遂行に困難な点もある課題であるが、それを解決すべき問題点として明示し、かつ対処方法に具体性があることから、今後の展望が期待される。 |
1209 |
キラル薬物センシングにおける鏡像体識別能の新規増幅技術の創出 |
廣瀬 敬治 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
非常に有意義な研究であることは理解できるが、その技術をいかなる分野でどのように利用するのかについての具体性と、創出しようとしている技術を使った展開を明確にすることが望まれる。 |
1210 |
幹細胞から心筋細胞分化誘導可能なグルコース提示型培養面の開発 |
田谷 正仁 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
本研究で開発したグルコース提示型の培養面が、心筋細胞への分化誘導へ有効であることが確認できており、当初計画は一応達成できたと評価できる。しかし、ES細胞、iPS細胞への適用が未実施で、今後の発展が望まれる。 |
1211 |
発光性高移動度共役高分子複合体の開発と有機レーザーダイオード応用 |
藤井 彰彦 |
大阪大学 |
大屋 知子 |
大阪大学 |
高いEL発光効率を有し、電流注入可能な共役系高分子材料の探査を行い、短パルスによる電流注入の増大に成功している。リングレーザデバイスなどの特筆すべき結果が出ているので、知的財産権の確保について早急に検討することが望まれる。 |
1212 |
高病原性鳥インフルエンザウイルスに対するキメラ型中和抗体の開発 |
中屋 隆明 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
ウイルス感染させたマウスに対する本研究抗体の効果が確認できたことは特筆に値する。今後の特許申請や研究の目標にも具体性が示されており、今後の発展が大いに期待できる。 |
1213 |
大型構造物のテイラード部分表面硬化技術の開発 |
藤井 英俊 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
Al合金の表面硬化への展開の可能性を見出しているが、今後は他の金属材料へ展開することが期待される。 |
1214 |
室温動作有機ambipolar スピンFETの開発 |
夛田 博一 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
企業化までには時間を要するであろうが、基礎研究として今後も進めいただきたい。このような基礎研究で知的財産権を確保できれば影響力は大きいと考えられる。 |
1215 |
ハロゲンフリー高純度エポキシド化合物の製造法 |
市原 潤子 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
計画目標はほぼ達成し、その成果に基づいて企業との共同研究を開始しており、企業化の可能性は高い。今後の研究成果も加えて知的財産権を確保することが望まれる。 |
1216 |
大気中高性能の有機単結晶CMOS素子の開発 |
竹谷 純一 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
以前に開発されたp型に続き、n型の半導体材料の開発に成功している。しかも、移動度で1cm2/Vsに到達しており、表示デバイス用の材料としては実用化レベルまで到達している。実用化への布石も順調であり、今後が大いに期待できるすばらしい成果である。 |
1217 |
鉄鋼スラグからのハイドロキシアパタイト−ゼオライト複合吸着剤の製造と応用 |
山下 弘巳 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
当初計画の目標をほぼ達成しているが、更なる特性評価が期待される。また、産業応用への可能性の検討も望まれる。 |
1218 |
中枢神経の再生能力を増強する薬剤の開発 |
村松 里衣子 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
魅力あるテーマで、かなりの成果が出ている。しかし、成果を一般化する時に多発性硬化症モデルマウスを用いたことが若干弱点となる懸念がある。知的財産権の確保について企業と調整することが望まれる。 |
1219 |
相分離法を利用したナノ多孔体型分離フィルターの開発 |
辻本 敬 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
計画実行から、導いた成果まで十分な評価に値する。実用化に向けて、医療分野における次の段階への展開によって、実用化が大きく期待される。 |
1220 |
超低電圧駆動型コンパレータ・ノイズ発生材料の開発と生体機能型素子応用 |
神吉 輝夫 |
大阪大学 |
吉田 昭彦 |
大阪大学 |
当初計画を変更し、新たなデバイス作成方法を創成した。現時点では、1μm以下の微細なVO2コンパレータが作製された段階で、ロバストなロボットシステムに搭載される段階ではないが、将来を見据えた知的財産戦略および企業化戦略が展開されている。 |
1221 |
半導体・希土類酸化物複合結晶を用いた新規発光材料の開発とデバイス化 |
寺井 慶和 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
スパッタリング併用有機金属気相エピタキシャル法を用いてZnO:EuのELデバイス化に成功している。経時変化も小さく、フルカラー化することに成功すれば企業化への展望も開けるものと期待できる。 |
1222 |
免疫学研究のための擬似ウイルス型量子ドットの開発 |
藤井 文彦 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
可視領域における疑似ウイルス量子ドットの合成に成功し、ウイルス由来の核酸で被覆する手法が確立できており、発展が期待される。今後は実用化を意識した知的財産権の確保や企業化に向けた取り組みが望まれる。 |
1223 |
中性条件下での不飽和アルコールへの常圧二酸化炭素固定 |
南方 聖司 |
大阪大学 |
樋口 堅太 |
大阪大学 |
二酸化炭素の固定化技術として実用化が期待される成果が得られている。今後は企業化に向けた取り組みや知的財産権確保の検討が望まれる。 |
1224 |
次世代不揮発性メモリ開発に向けた超高密度金属酸化物ナノドットの創成 |
中村 芳明 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
超高密度鉄系酸化物ナノドット形成についてはドット密度など、また、鉄シリサイドFeSi2に関しては、目的とするFe2O3ナノドットが生成したことをどの様に確認したのか、もう少し具体的記述が望まれる。なお、STMを用いた個々のナノドットの抵抗変化スィッチング効果の測定は予備的なデータを得るにとどまっているが、早急に詳細な検討を加えてほしい。 |
1225 |
パイ共役系拡張シロールの新規合成法の開発 |
茶谷 直人 |
大阪大学 |
西嶋 政樹 |
大阪大学 |
計画変更が好適に行われた結果、将来性のある成果が得られている。企業との共同研究も開始され、企業化に向けた展開が期待できる。 |
1226 |
シリコン基板上の化合物半導体コーディネート成長技術の開発 |
長谷川 繁彦 |
大阪大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
基礎研究として、重要なデータが得られている。InPなど直接遷移型の化合物半導体をSi上に成長させ、室温でも発光できるほどの膜質のInPを成長させたことは大きな成果である。今後の展開が期待される。 |
1227 |
単一マイクロホン音声分離システムの開発 |
中静 真 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
現在は基礎研究の段階であるが、成果が得られている。今後は知的財産権の確保など、企業化を意識した取り組みが望まれる。 |
1228 |
超長寿命の光誘起電荷分離状態を有する純有機開殻分子システムの開発 |
森田 靖 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
当該材料は独創性、将来性に富んだ材料であり、有機太陽電池や光合成システム構築における有望な材料である。この材料の高効率合成に成功しており、将来性が大いに期待できる。知的財産戦略を早急に展開することが望まれる。 |
1229 |
パラジウム2価−4価サイクルを経る新規不斉触媒反応の開発 |
笹井 宏明 |
大阪大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
当初計画はほぼ達成してるが、企業化には更なる研究データが必要であると考えられる。なお、データの精査を踏まえたうえで、知的財産権の確保に努めることが望まれる。 |
1230 |
次世代高発光効率プラズマ平面照明パネル技術の開発 |
佐藤 了平 |
大阪大学 |
加藤 浩介 |
大阪大学 |
アイディアの原理確認はほぼ達成されている。FPDという競争の激しい分野であり、当該技術のメリットを企業に明示するなど、実用化へ向けた取り組みに努めることが望まれる。 |
1231 |
植物由来シリカを用いた高耐塩素性・高耐摩耗性を有する複合ゴムの開発 |
梅田 純子 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
研究計画のうち耐塩素耐久性に関する項目が検討されていない。企業化が可能な課題ではあるが、知的財産化や企業との連携について検討することが期待される。なお、水道用パッキン用としてはコスト面の問題があり、他のニーズも視野に入れることが望まれる。 |
1232 |
マクロリガンド系バナジウム触媒を用いたアミドからの環境調和型ニトリル合成反応 |
實川 浩一郎 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
研究計画のすべての項目が実施検討され、ヘテロ環へのシアノ基の導入に成功している。また、触媒のリサイクル能についても検討されている。スケールアップについての項目についてはまだ検討すべき課題は残るが、これまでに共同研究を行ってきた企業との論議を重ね、共同研究や特許出願を具体化させることが期待される。 |
1233 |
骨力学機能を模倣した新規概念からなる骨インプラントの創製 |
石本 卓也 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
研究進捗、実用化検討、知的財産権確保のすべての面で優れた成果が得られており、次のステップに進む大きな足がかりが構築されている。 |
1234 |
インプラントを併用した新しい部分入れ歯治療のための支台の開発 |
呉本 晃一 |
大阪歯科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
概ね計画通りに進捗している。実用化については検討不足の状況であるが、今後予定しているin vivo実験でよい成果が得られることに期待したい。 |
1235 |
歯の硬組織再生を促す極薄アパタイトシートの開発 |
吉川 一志 |
大阪歯科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
本研究によって開発されたアパタイトシートを用いることで患者への負担が大幅に軽減されることは非常に有意義なことであり、実用化および企業化が大いに期待できる。 |
1236 |
コンベア上の物体精密重量測定技術の開発 |
梅本 敏孝 |
大阪府立工業高等専門学校 |
鈴木 義彦 |
和歌山大学 |
達成目標も具体的で研究計画も達成可能と思われたが、備品の購入が遅れたという理由で、肝心の実機実験が実施されていない。今後の健闘が期待される。 |
1237 |
高出力レーザ加工用回折型光学素子の開発 |
萩野 秀樹 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
山口 勝己 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
レーザ焼入れにおいて設計どおりのレーザ光の強度分布を実現する光学素子を製作し、その効果をレーザ焼入れ実験で実証している。知的財産権の出願も行い、共同研究を展開する企業の目処もついていることから、実用化・企業化が期待される。 |
1238 |
ポリマー電着法によるフルカラーマイクロレンズアレイの開発 |
櫻井 芳昭 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
マイクロレンズアレイを作製するためのまったく新しい技術の開発であり、本研究で作製技術として有望なことが検証されている。本研究で達成されなかった大量生産の方法(Role to Role法)が実現できれば企業化が期待できる。 |
1239 |
低温で酸素イオン伝導性を有する新規ジルコニア材料の開発 |
稲村 偉 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
野坂 俊紀 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
実験が遅れたことにより、特性測定に不十分な部分はあるが、一部のデータには注目に値する結果が得られている。今後の健闘が期待される。 |
1240 |
軸付き電着ダイヤモンド砥石の放電ツルーイング技術の開発 |
南 久 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
山口 勝己 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
当初目標に対し、特段の進展、成果が得られるとともに、今後の計画が具体的に示され、実際にアクションも行われている。 |
1241 |
高効率CO2分離のための3次元細孔を有した緻密ゼオライトの開発 |
中平 敦 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
独自の水熱処理プロセスを用いて、従来は困難であったゼオライトの緻密化に成功している。生成機構の解明も適切に行われており、CO2分離性能を有する薄膜として実用化される可能性が高い。 |
1242 |
金属ナノ粒子を用いたフレキシブル導電性パターンのワンステップ作製技術の開発 |
椎木 弘 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
フレキシブルな基板への導電性フィルムを作製することに成功するなど、実用化に大きな期待が持てる研究成果を上げている。実用化、企業化に向けたステップアップが期待できる。 |
1243 |
青色りん光EL用ワイドバンドギャップ正孔輸送材料の開発 |
八木 繁幸 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
ワイドギャップの燐光発光材料の開発に一定の成果が見られる。企業化に有望な材料であり、今後の展開が期待される。 |
1244 |
中高年者用視覚機能測定・トレーニング機器の開発 |
吉井 泉 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
取得したデータがやや不十分であったため、知的財産権確保等の戦略検討が遅れているが、企業化への検討が是非とも望まれる。 |
1245 |
点配置の一意性を利用した実時間カメラベース文字認識の認識率向上と高速化 |
岩村 雅一 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
認識率は目標をクリアしている。提案技術について企業から問い合わせがあり、共同研究へ移行する可能性が見えてきている。 |
1246 |
ノズル加圧噴霧法により生成した帯電水ミストによる火炎抑制の評価 |
足立 元明 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
帯電水ミスト・無帯電水ミストとの比較試験結果の言及がないことは残念である。しかしながら、消火器メーカのカウンターパートは明確となっており、具体的な事業化に向けて着実に前進していると推察される。企業の知見と経験を共同研究に生かすことが望まれる。 |
1247 |
メカノケミカル効果を利用した医療用マグネタイトナノ粒子の低環境負荷合成 |
岩崎 智宏 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
実施計画の目標はほぼ達成してるが、企業化には更なる研究データの集積が必要である。また、知的財産権の確保に取り組むことが期待される。なお、粒子径10-20nmの超常磁性粒子を展示会などで、アピールすることが望まれる。 |
1248 |
金属キャピラリーを用いた原子ビーム生成方法の開発 |
梅澤 憲司 |
大阪府立大学 |
伊達 晴行 |
大阪府立大学 |
当初の目標達成には不足しており、企業化の可能性が見出しにくい。金属キャピラリーの代替法としてガラスキャピラリーに金属蒸着を行うなどの検討を行っているが、今後の鋭意健闘が望まれる。 |
1249 |
バイオジーゼル燃料製造のためのクリーンプロセスの構築 |
前田 泰昭 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
研究計画のすべての項目が実施検討され、いずれの項目も目標を達成している。すでに国際特許を申請しており、さらに企業化に向けて複数の企業および国内外の自治体との相談や技術指導を開始している。なお、余剰の反応物メタノールの回収・再利用について、エンジニアリング企業の意見を広く求めることが望まれる。 |
1250 |
新奇生体幹細胞標識抗体とその認識蛋白の機能特異性の解明と再生医学への応用 |
山手 丈至 |
大阪府立大学 |
金澤 廣継 |
大阪府立大学 |
未分化幹細胞を認識可能な抗体の蛋白レベルの特性、個体発生過程における出現パターンがほぼ解析され、当初の計画は概ね達成できている。今後は知的財産権の確保や企業化に向けた積極的な取り組みが望まれる。 |
1251 |
高分散性ナノ粒子触媒を用いた無電解めっき法による微細金型作製プロセスの開発 |
岡本 尚樹 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
実施計画の目標はほぼ達成してるが、企業化に向けて更なるデータの蓄積が望まれる。また、知的財産権の確保についてはデータの精査は終了しており、出願について検討を行っている。今後の展開が期待される。 |
1252 |
太陽電池用 有機ドナー分子複合シアニン系新規色素の開発 |
藤原 秀紀 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
光電変換機能を見出しているものの、当初目標の太陽電池性能試験に到っていない。今後の検討が期待される。 |
1253 |
センサアレイによる高精度匂い識別・合成と簡易小型匂い検査器の開発 |
大松 繁 |
大阪府立大学 |
田中 政行 |
大阪府立大学 |
既に特許出願されている匂い識別法を実証するための研究と思われるが、本研究で最も重要となる“匂いの基本要素(化学組成)検出”、“匂いセンサの作製”が達成されていない。今後の検討が望まれる。 |
1254 |
バラスト水をなくした超省エネルギー型タンカー&バルクキャリアの開発 |
池田 良穂 |
大阪府立大学 |
伊達 晴行 |
大阪府立大学 |
バラスト水は環境問題とともにクローズアップされており時宜を得た研究である。研究計画のうち中心となる項目について十分な研究成果が得られている。この成果に基づいて、すでに8企業との間で共同研究を立ち上げており、企業化への見通しが立っている。 |
1255 |
構造解析を可能とする可搬型質量分析計の開発 |
早川 滋雄 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
装置の試作が実現できず、十分な成果は得られてはいないが、当初目標が達成されれば実用化、企業化が期待できる。継続的研究が期待される。 |
1256 |
電子ビーム照射によるナノカーボン改質シミュレーション |
安田 雅昭 |
大阪府立大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
試験項目をすべて実施したのは評価できるが、それらの知見を踏まえて、今後の方向性をさらに明確にすることが望まれる。 |
1257 |
家畜の経皮ワクチン用デリバリーシステムの開発 |
渡来 仁 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
家畜用経皮ワクチンのデリバリーシステムとして期待できるリポソームの構築を行っている。アルコール抵抗性リポソームの調製に成功するとともに、表皮透過性を示すリポソーム粒径に関する検討が実施され、当初の計画は概ね達成できている。今後は企業化、知的財産権確保に必要な新たなデータの蓄積が望まれる。 |
1258 |
CO2ヒートポンプ給湯システムの可動断熱板付き貯湯槽による性能向上 |
横山 良平 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
ヒートポンプ貯湯システムは安価なため、可動断熱板無の比較実験を行うとともに、ミュレーション結果との比較があれば、今後の展開が開けた可能性がある。今後の遂行に際しては電力会社、メーカー等との意見交換が望まれる |
1259 |
脂肪酸分析用の連結キャピラリーカラムの開発 |
山本 公平 |
大阪府立大学 |
金澤 廣継 |
大阪府立大学 |
本研究により当初目標としていた分析性能が得られないことが明らかになり、実用化に耐えうる試験分析機器の開発が困難であることが判明した。得られた知見を基にして今後の展開を詳細に再検討することが望まれる。 |
1260 |
食品等の廃棄物を利用した校庭緑化用の芝草病原菌防除剤の開発 |
東條 元昭 |
大阪府立大学 |
下田 忠久 |
大阪府立大学 |
柿の未熟果窄汁液が糸状菌密度を増加させ、芝草病原菌害の防除になることを見出しており、当初の目標を一部達成している。知的財産権出願の予定はあるものの、実用化に向けては今後の研究成果の蓄積が必要であると考えられる。 |
1261 |
基盤免疫賦活により感染防御効果を発揮する新規魚類用飼料の開発 |
児玉 洋 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
共棲発酵培養物を3%添加した試作浮き餌をコイ養殖場で投与試験した結果、対象区と比較してコイの死亡率は1/5と著しく低く、炎症性サイトカイン遺伝子が10倍以上に上昇したこと等から、細菌・原虫感染防御に優れていることが確認されている。今後の研究展開も明確に計画されており、実用化の可能性が高い。 |
1262 |
社会環境に調和した導電性銅合金の開発 |
千星 聡 変更後=沼倉 宏 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
研究計画のすべての項目が実施され、概ね目標を達成している。特に、従来技術と同等の最高硬さを維持しつつ、導電率を約2.5倍に向上することに成功している。また、特許出願を行うとともに、企業との共同研究を開始するなど、実用展開に向けた具体的な活動が行われている。 |
1263 |
アクティブフィラー法による耐食性セラミックス厚膜の新規低温コートプロセスの開発 |
成澤 雅紀 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
アイデアと意義は理解できるが、現時点ではさらに基礎研究の蓄積が必要な段階であると判断する。ただし、今後の戦略次第では、企業化へ繋がる可能性がある。 |
1264 |
バイオディーゼル燃料製造時に副生するグリセリンの資源・エネルギー化 |
徳本 勇人 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
一定の成果は出ていると思われる。ただ、微生物発酵を取り上げている以上、経済性の判断のためには有機物負荷量に対する言及が必要である。また、下水汚泥を菌種とした場合、水素、メタン交互発酵による連続化が望めない場合の対応策について検討することが望まれる。今後は1,3PDOにターゲットを絞って検討するなど、企業が興味を示すような展開が期待される。 |
1265 |
磁気素子の新規動作機構の微視的開発とその応用 |
戸川 欣彦 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
電流を用いた磁性素子の磁化状態の制御において、磁性細線の面内磁気異方性を導入することにより閾値電流を一桁下げることを可能にしており、申請書の計画目標には概ね達成していると考えられる。 |
1266 |
単結晶中でのナノクラスター成長を利用した新規磁気記録材料の開発 |
西原 禎文 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
予想とは異なる磁気的性質を発見しており、時間を要するかもしれないが、今後その構造を明らかにできれば新規磁気記録材料の実用化が期待される。なお、所属機関変更があったため、展開のための新たな体勢造りが望まれる |
1267 |
酸−塩基触媒ゾル−ゲル法による無機-有機複合系中空微粒子の作製と応用 |
忠永 清治 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
粒子径のそろった中空粒子というシーズは興味深いが、狭い粒子径範囲でしか中空粒子を得ることができなかった理由を明確にすることと、知的財産権確保について検討することが望まれる。 |
1268 |
有機溶媒耐性リパーゼの高効率生産系の開発 |
荻野 博康 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
機能性食品油やバイオジーゼル生産に有用なリパーゼを、同酵素に特異的な分子シャペロンを共発現させることで、大量生産することに成功していることは評価できる。今後は知的財産権確保に努めるとともに、実用化の方向性を明確にすることが望まれる。 |
1269 |
簡便・迅速・高感度なキャピラリー型1段階ウイルス診断デバイスの開発 |
久本 秀明 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
ほぼ計画通りに研究が遂行されている。感度の改善は必要であるが、応用展開の可能性が高いので、今後の健闘が期待される。 |
1270 |
水頭症突然変異マウスを用いたヒト水頭症の遺伝子診断法の開発 |
森 展子 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
本研究によりhhy蛋白の作成と細胞内局在が明らかになるとともに、PCR増幅することに成功しており、これからの展開が大いに期待できる。特許出願も行っており、今後は人に対する遺伝子診断キットの作製が期待される。 |
1271 |
鉄触媒を搭載したホウ素水素化物系水素貯蔵デバイスの開発 |
松坂 裕之 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
鉄ならびにコバルトを中心金属とするアンモニアボラン脱水触媒の合成に成功している。今後の研究展開も明確に計画されている。実用化に向け、水素発生量の向上や触媒の長寿命化の検討が望まれる。 |
1272 |
デジタル画像相関法による高精度三次元溶接固有変形同定システムの開発 |
柴原 正和 |
大阪府立大学 |
伊達 晴行 |
大阪府立大学 |
大型対象物では完全ではないが、十分な成果が得られている。次なるステップへの課題を明確にし、実用化向けた課題克服が期待される。 |
1273 |
照明用LED応用を目指した酸化亜鉛基板の大径化 |
芦田 淳 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
申請者の戦略が正しいかどうか、現時点では未だ証明されていない。企業化はそれを越えた以降の検討になるであろうが、基礎研究を企業と共同で進める可能性はあると思われる。 |
1274 |
液晶ディスプレイのアンカリングエネルギー、弾性定数同時測定系の開発 |
内藤 裕義 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
実施計画どおりに装置を作製し、従来にはなかったアンカリングエネルギー・弾性定数の同時計測が可能な計測系の開発に成功している。特許の出願予定内容も明瞭であり、実用化・市販化が期待される。 |
1275 |
改良コロイド法による貴金属/酸化物ナノ粒子触媒の創製とガス拡散電極への応用 |
樋口 栄次 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
実施計画項目はほぼ達成し、その成果に基づいて企業との共同研究を予定しており、企業化の可能性は高い。知的財産権確保に努めることが望まれる。 |
1276 |
リズム調節障害治療薬スクリーニング法の開発 |
加藤 啓子 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
スクリーニングに重点を置くという変更点はあるが、シーズ発掘試験にマッチした内容、成果であると判断する。てんかんに悩めるヒトの治療という面ではハードルは高いが、今後の進展に期待したい。なお、同期リズム調節と精神疾患との関係を証明することが望まれる。 |
1277 |
新たな機能性食材としてのニンニク根の大量高速生産技術の開発 |
北宅 善昭 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
抗酸化・抗菌作用などの生理機能を有するアホエンがニンニク中に含まれることに着目し、ニンニク根の成長、アホエンの生産速度を高めるために有効な水耕栽培の条件を見出しており、当初の計画は概ね達成したと判断できる。ただし、光波長・照射時間の影響など、一部の未実施事項については今後の検討が望まれる。 |
1278 |
消化管を用いた神経変性疾患治療薬のスクリーニング系の開発 |
竹内 正吉 |
大阪府立大学 |
下田 忠久 |
大阪府立大学 |
正常マウスの腸管に対する薬物の効果を検討するにとどまっており、神経性疾患マウスの検討には至っていない。今後検討を重ねることが望まれる。 |
1279 |
犬のリンパ腫の治療に向けて〜新たな腫瘍マーカー測定系の開発〜 |
秋吉 秀保 |
大阪府立大学 |
金澤 廣継 |
大阪府立大学 |
イヌのrIL-2Rに対して特異的に認識できる抗体を作成し、ELISA法を確立した点は評価できる。しかし、イヌのリンパ腫のマーカーとしてrIL-2Rが有効である根拠が不明である。今後は治療との関連や効果を明確にすることが望まれる。 |
1280 |
多重埋め込み型音楽電子透かしによるデータ容量増加手法の開発 |
荻原 昭夫 |
大阪府立大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
整合窓関数の改良による音質改善処理が本研究の主課題であるが、目標達成には至っていない。知的財産権の確保について検討は行われているが、前記の課題解決に対するアイデア創出が期待される。 |
1281 |
食中毒細菌カンピロバクター属菌の簡便で迅速な高感度検出キットの開発 |
山崎 伸二 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
食中毒の原因となるカンピロバクター属細菌の免疫法による迅速検出を目的としているが、本菌以外の微生物と選別するための前処理条件は検討されているものの、本菌に特異的な抗体の調製、イムノクロマト法の開発など、重要な項目が未実施である。今後の鋭意健闘が望まれる。 |
1282 |
新しい肥満モデルマウスを用いた薬剤スクリーニング法の開発 |
藤森 功 |
大阪薬科大学 |
長谷川 新 |
(財)大阪市都市型産業振興センター |
本研究で新たな肥満モデルマウスの形態的・ホルモン的特徴が確認ができ、今後の薬物評価や治療法の足がかりになりうると考えられる。ただ、マウス個体を用いたPGD2合成酵素阻害剤経口投与の実験は未実施のため、今後早急に実施することが望まれる。 |
1283 |
mTOR経路を標的とした新規樹状細胞機能制御法の開発 |
松田 達志 |
関西医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
仮説に基づいた実験において、予想した結果は得られなかったが、そのこと自体も重要なことではある。現時点では、企業化や知的財産権に関する検討を行う段階には至っていない。 |
1284 |
プロテアーゼ活性化受容体の機能に着目した新規心不全治療薬の開発 |
大谷 ひとみ |
関西医科大学 |
三島 健 |
関西医科大学 |
当初計画の予定通りのデータを取得し、心不全の炎症起因物質であるプロテアーゼの役割を明らかにしており、新規治療薬への発展が期待される。今後のアクションについて具体的な検討をすることが望まれる。 |
1285 |
蚊の口器構造と穿刺動作を模倣した低侵襲マイクロニードルの開発 |
青柳 誠司 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
計画目標を十分に達成している。実用化が望まれ、また、実現の可能性がある研究課題であり、医療メーカとの共同研究を進め、実用化への問題点を整理、克服することによって具現化させることが期待される。 |
1286 |
高性能ナノ粒子遺伝子導入・発現ベクターの開発と応用 |
長岡 康夫 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
当初目的には達していないが、8倍まで発現を増強できたのは意義深い。また、遺伝子増強剤の実用化に主眼をおいており、商品化の可能性が高いことを実証している。当初目標が達成されれば、事業化に向けて容易に推進できると判断する。ただ、HDACIのオリジナリティーを高めるためにも、独自の遺伝子導入方法として検討している正電荷ナノ粒子のデータを提示することが望まれる。 |
1287 |
磁気ディスククリーン化プロセスへの高密度高配向カーボンナノチューブの応用 |
谷 弘詞 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
磁気ディスクに付着した塵埃を垂直配向カーボンナノチューブ(CNT)で除去することを試み、CNT長さが35nmのときに塵埃除去率99%以上を達成している。しかし、大きな成果であるにもかかわらず、「効果の検証が不十分で、特許性が明確でない」と自己判断していることは、再現性に問題があるからであろうか。今後、展示会などで積極的にアピールしていくことが望まれる。 |
1288 |
インプラントバイオマテリアルの感染防止に有効な表面改質材の開発 |
岩ア 泰彦 |
関西大学 |
瀬尾 寛 |
関西大学 |
国際会議での発表など、学術面ではそれなりの努力が窺えるが、企業化までには時間を要することが予想される。なお、当初計画では金属バイオマテリアルとしてチタンを用いることになっていたが、実際にはステンレス鋼に変わっており、それに対する説明を行うべきであった。 |
1289 |
低原子価ニオブ触媒を用いた高難度有機変換手法の開発 |
大洞 康嗣 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
単純アルケンのヒドロアミノ化、ヒドロアミノメチル化を除いて、すべての項目が検討され、ニオブの特性を活かした新しい反応が開発されている。これに基づいて、特許出願が具体的に進められている。現段階では、企業との連携はまだ検討されていないが、今後の積極的な取り組みを期待したい。 |
1290 |
周期構造と光化学反応の重畳効果を利用した生体機能膜の開発 |
上田 正人 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
当初予定していた周期構造を光化学反応の重畳効果を有する薄膜の作製には部分的に成功しているが、可視光の吸収効率の向上などの課題が残されている。目標達成度は十分とは言い難いが、薄膜作製に関して特許出願の準備は行われている。 |
1291 |
ポリシラザンをシリカ源とする有機・無機ハイブリッド薄膜製造技術の開発と実用化 |
幸塚 広光 |
関西大学 |
瀬尾 寛 |
関西大学 |
機械的・化学的に安定した無機有機薄膜の作製、相分離状態の制御、傾斜機能薄膜の作製に成功するなど特筆すべき成果が得られている。これらの成果を踏まえて積極的に企業化に取り組むことが望まれる。 |
1292 |
下水汚泥焼却灰のコンクリートへの有効利用用途開発と環境への影響評価 |
鶴田 浩章 |
関西大学 |
松井 由樹 |
関西大学 |
実験は概ね計画通り行われている。また、企業化に関する検討は示されていないが、今後の展望は明示されている。ユニークで重要な課題であるが、環境ビジネスとしてのビジネスモデルについて詳細な検討を加えることが望まれる。 |
1293 |
熱触媒および光触媒作用を併せもつ新規ナノ材料による効率的VOC浄化 |
古南 博 |
近畿大学 |
根津 俊一 |
近畿大学 |
TiO2およびCeO2の光触媒ならびに熱触媒としての当初目標の性能の達成以外に、蟻酸の生成やその加速条件を新たに見出している。実用化や特許性に関しては担持金属のコスト低下が課題と考えられ、今後はこれらの課題解決を図ることが望まれる。 |
1294 |
有機無機複合キラルナノチューブを用いたナノ空間材料の創製と触媒機能 |
藤原 尚 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
ハイブリッドナノチューブの合成に成功し、リサイクル可能な触媒機能の確認ができており、当初予定以上の成果が達成された。新しいナノチューブの合成に成功するなどの成果が出ているので、今後は知的財産権確保に努めることが期待される。また、企業化への意欲は感じられるが、具体的なアクションが不十分な印象があり、計画的な検討が望まれる。 |
1295 |
防災用変位量計測システムの開発とその応用 |
河島 信樹 |
近畿大学 |
根津 俊一 |
近畿大学 |
防災用変位計測システムの開発が目的で、実施計画の目標は達成していると判断する。しかしながら、未だ基礎研究の段階にあり、すでに特許申請を終えているものの、企業化の実現にはなお一層の努力を要するものと思われる。今後の鋭意健闘が期待される。 |
1296 |
認知的コミュニケーションシステムの開発のための基礎研究 |
村田 哲 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
一定の基礎データは得られ、論文として公表されているが、特許申請などの目標に具体性を示すことが望まれる。今後は応用性・商品化を視野に入れた研究を展開することを期待したい。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1297 |
有機溶媒耐性P450融合型酵素による有用生理活性物質合成への可能性試験 |
今岡 進 |
関西学院大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
炭素鎖末端やベンゼン環への水酸基導入反応を触媒するチトクロームP450の有機合成への応用を目的としている。当初計画のうち、薬物代謝が可能な変異体の構築は概ね達成できているが、有機溶媒耐性酵素の取得および酵素固定化については更なる検討が必要と考えられる。この技術を適用できるターゲットが定まれば、企業との共同研究も期待できる。 |
1298 |
正確性と耐熱性を有する逆転写酵素の開発 |
藤原 伸介 |
関西学院大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
本研究で開発された変異型逆転写DNAポリメラーゼに対しては分子生物関連の企業にとって注目すべき点が多いと思われる。また、解決すべき課題はあるが、その点に関しても解決策に目処が立っているようであり、実用化に向けた今後の開発が期待される。 |
1299 |
白血病新規治療薬としての有機ビスマス化合物の可能性試験 |
矢倉 達夫 |
関西学院大学 |
山本 泰 |
関西学院大学 |
有機ビスマス製剤のin vitroやマウスのin vivo データである程度の有効性は示されている。臨床で薬として使用するまでには、まだ多くの工夫を加えることが必要と考えられる。今後は、企業化や知的財産権確保に積極的に取り組むことが望まれる。 |
1300 |
日本語教育のための単語レベル判定システムの開発と評価 |
北村 達也 |
甲南大学 |
安田 耕三 |
甲南大学 |
単語レベル判定法の考案、システム化を終了しており、一部を除いて当初計画の目標を達成している。研究の性格上、企業化を目指すよりはむしろ一般に公開してシステムを広める方が好ましいと考えられる。 |
1301 |
Fmoc法による水中固相合成法の基盤技術への展開 |
北條 恵子 |
神戸学院大学 |
岡野 敏和 |
神戸大学 |
粒子サイズを除いて、全般的なところは明確となっており、今後の実用展開が期待できる情報が得られている。ただし、粒子サイズを小さくすることによる新たな阻害因子も生じる可能性もあるため、着実な進展に努めることが望まれる。 |
1302 |
イオン液体を用いた相変化型磁性材料の開発 |
持田 智行 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
イオン液体で磁気記録を可能とした画期的な成果は評価できる。実用化に向けての課題も明確になっており、企業からのニーズを引き出すことなどによって、今後の展開が期待される。なお、もう少し基礎物性の情報集積が望まれる。 |
1303 |
色素増感太陽電池の発電効率向上を指向したオリゴチオフェンの分子設計 |
森 敦紀 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
当初目標をすべて達成しているが、既存のアルキル置換オリゴチオフェンと比較して、その優位性を見出すには至っていないようである。実用化に向けた今後の基礎研究に期待したい。 |
1304 |
非侵襲な複合光計測応用における健康機能イメージング |
仁田 功一 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
当初計画目標には概ね達成しているが、生体試料の検討が待たれる。企業化には更なる研究データが必要であるが、今後の成果によっては企業化に繋がる可能性がある。なお、知的財産権確保については、現時点でのデータでは不足があり、検討が遅れている。 |
1305 |
高減衰型粘弾性ダンパーを用いたRC造校舎の耐震改修 |
藤谷 秀雄 |
神戸大学 |
熱田 稔雄 |
兵庫県立工業技術センター |
当初の研究計画はほぼ達成されたようであるが、実用化に向けては粘弾性ダンパーの粘性減衰の程度の考慮、他の種類のダンパーによる制振補強など、今後も基礎的な研究が必要と判断される。 |
1306 |
常温から高温域のアスファルト混合物の耐流動性評価に関する研究 |
吉田 信之 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
研究計画の項目はすべて実施し、成果も得られているが、企業化には更なる研究データの蓄積が必要であると考えられる。知的財産権の確保についても具体的に計画されている。 |
1307 |
触媒法によるフッ素系医薬品合成の可能性の検討 |
網井 秀樹 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
有用なトリフロロメチル化剤を開発できたが、当初予定していた目標化合物に対して適用していない。今後は実用化を意識した取り組みに注力することが望まれる。 |
1308 |
腹腔臓器MRイメージングのための消化管内設置型RFコイル開発 |
松岡 雄一郎 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
研究計画の大幅な見直しが必要であったため、目標達成には至っておらず、現時点では知的財産権確保や企業化に向けた検討はできていない。しかし、難しい研究であり、今後もこの方向での研究の継続が期待される。 |
1309 |
非水媒体を用いた機能性核酸の高効率生産プロセスの開発 |
丸山 達生 |
神戸大学 |
塩野 悟 |
神戸大学 |
当初の試験項目を予定通り終了し、次のステップへの足がかりが得られている。しかしながら、合成収率が目標値の50分の1であり、実用化には更なる工夫が必要であると考えられる。今後の鋭意健闘が望まれる。 |
1310 |
質量分析計による食道がんに対する抗がん剤治療効果予測因子の同定 |
奥野 達哉 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
食道癌予後に的を絞った方法論の新規性は評価できるが、現時点では確証的なデータが得られていない。着実に進展させる取り組みが期待される。 |
1311 |
新規バイオマーカーTFLを用いたがん診断法の開発と臨床応用 |
松井 利充 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
当初計画どおり、モノクローナル抗体の作製に成功し、多くの臨床例で確認作業を進め、10%をこえる数値を得たことは評価できる。今後も臨床的な有用性を明示できる更なるデータの集積が望まれる。 |
1312 |
反共振を利用した高回転精度の回転工具設計法の開発 |
安達 和彦 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
当初計画の試験項目を予定通り終了し、次のステップへの足がかりを得ている。また、戦略も明確で研究シーズの企業化、製品化が大いに期待される |
1313 |
励起・制御光パルスを用いた光異性化反応の制御方法の開発 |
和田 昭英 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
当初計画の試験項目はすべて終了しているが、企業化には解決すべき課題が多く、継続的な研究が必要であると判断する。また、知的財産権確保に向けては更なるデータ収集が望まれる。 |
1314 |
ローレンツ力を利用した海水・油分離装置の開発 |
赤澤 輝彦 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
装置の最適化はできていないものの、着実に進展させたことが窺える。しかしながら、海水に電流を流すことにより生じる電気化学反応で水素と塩素を発生することが避けられないのであれば、実用化に大きな障害となることが予想される。今後はコスト面も含めて、実用化を意識した課題解決に取り組むことが望まれる。 |
1315 |
インテリジェント・サーモグラフィー計測法の開発と応用 |
若林 正彦 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
当初計画の目標達成には不十分な点が認められる。報告書だけでは、定量性、現場に近い状況での評価、非定常温度場の与え方やその方法などの基本情報が不足しているが、他の非接触式方法と比較して、優位性を具体的に提示する必要性がある。今後の展開が期待される。 |
1316 |
水ストレス低減に貢献する低バイオファウリング中空糸膜の開発と浄水処理へ応用 |
松山 秀人 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
透水性の80%維持という課題を除いて、すべての研究課題が検討され、概ね良好な結果を得ている。現時点では、知的財産権の確保や企業との連携について具体的な検討は行われていないが、今後はそれらの取り組みにも注力することが望まれる。 |
1317 |
シリコン複屈折光学素子の高性能化に関する研究 |
藤井 稔 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
シリコンフィルタを実際に試作し、評価するなど、当初計画の目標を大きく上回る成果が得られており、実用化が視野に入ってきている。応用可能な例を挙げるのも研究の一部であるので、今後の展開が期待される。 |
1318 |
ヘリコバクター・ハイルマニ感染症検査法の確立 |
東 健 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
菌株の同定には成功し、基礎的な研究成果は上がっている。今後は、多くの臨床例を積み重ね、知的財産権確保に向けた取り組みが望まれるとともに、確実に測定できるキットを製品化することが期待される。 |
1319 |
環境保全技術としての抗生物質の磁気分離法の開発 |
井原 一高 |
神戸大学 |
柘原 岳人 |
神戸大学 |
当初の計画目標がほぼ達成されている。これらの結果により、科学研究費補助金事業も獲得しており、プロジェクトとしては順調である。企業との共同研究や知的財産権確保に向けた協議もなされており、評価に値する。今後の進展が期待される |
1320 |
波動・破壊力学に基づいた実用的な構造物爆破解析手法の開発 |
上西 幸司 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
当初計画目標の三次元汎用波動・破壊追跡シミュレータの開発はほぼ達成されたようであるが、実用化に向けては現物大・実地試験を行い、精度等の定量的な比較検討が不可欠である。更なる研究継続を要すると考えられる。 |
1321 |
少量アルコール飲用による人間の抑制機能低下の検出 |
嶋田 博行 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
当初計画のデータ収集については実施しているが、その有効度については不明な点があり、ソフト開発も未達成と判断される。ただ、基本ベースのアイデアは興味深いものがあり、基本特許の出願も行っている。また、企業との共同研究開発に向けて検討が進んでおり、今後の展開しだいでは企業化の可能性がある。 |
1322 |
GPS衛星信号による局所波浪情報ローカルリモートセンシング技術の開発 |
河口 信義 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
計測システムは構築されているが、ブイを海面に設置した実験は行われていない。ただし、システム構築だけでも大きな成果であり、知的財産権確保の可能性もある。 |
1323 |
仔魚に優しい種苗生産用飼育水槽の開発 |
塩谷 茂明 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
計画目標である水槽の最適設計、開発が遅れている。更なるデータの集積と知的財産権の確保に努めるとともに、データの解析を早急に行い、企業への技術移転を図ることが望まれる。 |
1324 |
ストリゴラクトンアナログ類のデザイン・合成・機能評価 |
滝川 浩郷 |
神戸大学 |
鶴田 宏樹 |
神戸大学 |
代表研究者の仮説に基づく今回の探索は成功しなかったが、ストリゴラクトンアナログの探索は、ますます必要とされる。実用化には時間を要すると思われるが、着実な進展を期待したい。 |
1325 |
腫瘍特異的増殖型アデノウイルスをアジュバンドとする新規腫瘍細胞ワクチン |
白川 利朗 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
非増殖型アデノウイルスが腫瘍ワクチンに対してアジュバント活性があることを確認しており、新規腫瘍免疫剤が期待される。今後さらに研究を継続することによって実用化の可能性がある。 |
1326 |
希土類エネルギー変換を利用した光増感太陽電池基盤技術の構築 |
喜多 隆 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
当初研究計画を変更しているが、変更内容は妥当なものであり、また変更後のすべての項目が実施検討され、いずれも目標を達成している。これを受けて、特許出願が準備されつつある。今後は企業との連携への積極的な取り組みが期待される。 |
1327 |
難合成医薬品のP450酵素による生物生産技術の開発と応用 |
今石 浩正 |
神戸大学 |
鶴田 宏樹 |
神戸大学 |
哺乳動物のP450を大腸菌へ発現させることに成功しており、将来の難合成医薬品の合成の基礎になりうる。シーズ発掘試験の趣旨が生かされた課題設定であった。今後の発展が大いに期待される。 |
1328 |
中途視覚障害者の社会復帰支援のための点字e-learningの開発 |
大田 美香 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
当初計画の項目はほぼ実施されている。また、今後の計画も具体的に検討されており、企業化の可能性も見出されている。今後は知的財産権確保に向けた積極的な取り組みが望まれる。 |
1329 |
薬剤タンパク質内包バイオナノカプセルの開発 |
近藤 昭彦 |
神戸大学 |
上村 八尋 |
神戸大学 |
薬剤たんぱく質を封入することが可能なバイオナノカプセルの作製に成功し、DDSキャリアとしての有効性が示された。研究成果の実地臨床への応用の可能性は高く、実用化される可能性がある。今後の発展が期待される。 |
1330 |
位相再生による広視域波面再生型3次元ディスプレイの開発 |
的場 修 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
左右の目に入る像の偏光を利用しての3D画像とは異なる方式で、3Dめがねなしで画像が得られる成果は画期的である。現時点では基礎的段階であるが、今後の展開に大きな期待を抱かせる成果である。知的財産権確保に向けた積極的な取り組みが望まれる。 |
1331 |
有機溶媒耐性型表層提示微生物を用いた難水溶性ファインケミカル合成法 |
田中 勉 |
神戸大学 |
上村 八尋 |
神戸大学 |
当初計画目標に対する達成度は不十分である。今後は他の事業制度への展開を図るなど、鋭意健闘が望まれる。 |
1332 |
カンチレバーによる超高感度パルス強磁場電子スピン共鳴技術の開発 |
太田 仁 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
本研究の目的である高感度化ならびに高周波数化について、目標達成度は不十分であり、現時点では企業化の可能性を見出すには不足している。今後は高周波数化などを押し進めるとともに、知的財産権確保に向けた検討を行うことが望まれる。 |
1333 |
アルツハイマー病画像診断に用いるプローブ分子の高速合成法の開発と探索 |
林 昌彦 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
アルツハイマー病PET診断プローブ分子の非ラベル化前駆体の高効率合成法については進捗があったが、ラベル化分子の合成や診断への応用は今後の課題である。本成果を踏まえ、企業化に向けた具体的な道筋や新たな知的財産権確保の戦略も示されており、今後の展開が期待される。 |
1334 |
MEMS・CNT融合プロセスによるナノセンサデバイスの開発 |
磯野 吉正 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
研究計画実施項目が過大であったため未実施部分はあるが、課題の難易度を考慮すると優れた成果が出ている。展開分野も明確で、産業的にも切望されており、実用化が期待される。 |
1335 |
内円筒にリブを有するテイラー渦流による混相流連続反応装置の開発 |
大村 直人 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
リブの効果を確認するなど、確実に成果を出しているが、さらに高い性能が望まれる。今後は知的財産権の確保に向けた取り組みや企業との共同研究などによる実用化に向けた努力が期待される。 |
1336 |
その場レーザー光照射による高結晶性非鉛圧電薄膜の開発 |
泉 宏和 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
BiFeO3系圧電薄膜の高結晶化の検討で、レーザー照射による低温下での多結晶化は可能となったが、単結晶化には至っておらず、実用化までにはしばらく時間を要すると思われる。また、従来技術に対する本技術の優位性を強化することが望まれる。 |
1337 |
扁平状セルロース微粒子を利用した高機能化粧品の開発 |
長谷 朝博 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
当初計画の目標は達成され、一部において特筆すべき成果が得られているが、本研究の中心的材料である扁平状セルロース微粒子を用いると、どの点が高機能性化粧品に寄与しているのかを明確にすることが必要である。知的財産権の確保については十分な検討が行われ、企業化に向けた研究もかなり進んでいる。今後の展開が期待される。 |
1338 |
高輝度な赤色応力発光体を用いた応力が直接目視できるセンサーの開発 |
石原 嗣生 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
応力発光体の応力センサーとしての応用に向け、最適合成条件を見出すなど、当初予定どおりの成果が得られている。また、実用化試験を企業で実施するなど、着実にステップアップしており、今後の展開が期待される。 |
1339 |
小型圧力センサ付試作品を用いた「製品の使いやすさ評価」に関する研究 |
平田 一郎 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
当初計画の目標は概ね達成しているものの、取得データがやや不十分であり、企業化の可能性を見出すまでに至っていない。今後は知的財産権確保に関する戦略検討を行うことが望まれる。 |
1340 |
センサ自身の柔軟な変形にもとづいた磁気式触覚センサの開発と応用 |
中本 裕之 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
本センサーの基本原理や技術はすでに確立されているが、本研究では応用例を検討し、食品の食感計測に有用であることを見出している。今後は実用例の更なる集積が望まれる。また、市場に出ている同様なセンサに対する優位性を検討するとともに、知的財産権の確保に対する積極的な取り組みを期待したい。 |
1341 |
光機能性素子用有機/無機ハイブリッド材料の作製に関する研究 |
石原 マリ |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
有機・無機ハイブリッド光メモリ素子に関して、試験項目を予定通り遂行するとともに新規の現象も観測するなど、着実に成果をあげている。より安価な材料での光応答性を発見し、特許出願の目処もたっている。また、企業化への方向性や解決すべき課題も明確となっており、今後の展開が期待される。 |
1342 |
災害時要援護者避難支援システムの開発 |
有馬 昌宏 |
兵庫県立大学 |
上月 秀徳 |
兵庫県立大学 |
安全・安心な社会の実現に向けた優れた技術開発である。ビジネスモデルに組み込まれるというよりも、行政側にとって有用かつ意義のある技術である。実用化の実証実験の結果は良好であるが、実証性・実現性を高めるための更なる推進が望まれる。今後の展開が期待される。 |
1343 |
強誘電体1次元ナノ構造の作製技術の開発と新機能応用 |
清水 勝 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
基礎研究の段階であるが、重要な試験結果が得られている。実際のデバイスに結びつけられるかどうかの可能性を見出すには時間を要すると思われるが、知的財産権の確保に積極的に取り組むなど、今後の鋭意健闘が望まれる。 |
1344 |
光電流シグナル増幅に基づく超高感度一塩基多型解析技術の開発 |
高田 忠雄 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
多型解析技術の開発を目指したユニークなアイデアに基づく研究で、基礎的な検討はかなり進んでいる。現時点では感度の問題は残されているが、この課題解決を図るとともに、今後は知的財産権確保や商品化に向けた具体的な研究が期待される。 |
1345 |
海岸・河川砂の浄化に用いる固液ジェットポンプの性能評価・開発 |
伊藤 和宏 |
兵庫県立大学 |
上月 秀徳 |
兵庫県立大学 |
海浜・河川の砂の浄化にジェットポンプを用いるという技術開発である。現時点では基礎研究の域を出ていないが、実用化できれば有用性の高いものとなる可能性があり、今後の更なる研究が期待される。 |
1346 |
保存可能な調製済み固体不斉触媒の開発 |
杉村 高志 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
当初計画の目標はほぼ達成しているが、今後は不斉誘起能力の向上が必要である。また、先行特許に対する優位性を明確にすることが望まれる。 |
1347 |
寒天混合系による食感制御を応用した咀嚼・嚥下補助食品の開発 |
吉村 美紀 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
当初計画の試験は概ね実施している。ただし、物性の実験結果が記載されているが、その有効性を的確に判断するには高齢者に対する実施結果が必要である。既報特許との関連で企業化には時間を要するものと思われる。なお、特許申請時には先行特許に対する十分な事前調査が望まれる。 |
1348 |
表面改質酸化チタンナノチューブと混合媒体を用いた革新的排熱技術の開発 |
河南 治 |
兵庫県立大学 |
上月 秀徳 |
兵庫県立大学 |
酸化チタンナノチューブの濡れ性制御技術により、限界熱流束の増大と沸騰伝熱に対する耐久性の向上とを目指したもので、当初計画にある数値目標をほぼ達成している。混合媒体に対する結果は不十分であるが、国際共同研究に進めたことは評価できる。また、企業化には更なる検討が必要であるが、発展の可能性がある。今後の開発継続が望まれる。 |
1349 |
高密度AHA 処理によるプラスチック基板上の結晶性Si 層の形成技術の開発 |
部家 彰 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
着眼点は興味深いものがあるが、AHA処理によるプラスチック上へのSi層の形成については、装置の設計・作製に時間を要し、当初目標には至っていない。今後の鋭意健闘が望まれる。 |
1350 |
光機能性RNA核酸を利用した高感度センサーの開発 |
中村 光伸 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
ピレンを用いた系での電子移動を見出している。応用上は有機分子の選択的捕捉・検出がもっとも重要であり、それを達成できれば有機分子の高感度検出への発展が期待できる。 |
1351 |
高信頼性磁気センサー用ナノ結晶遷移金属-水素合金に関する研究 |
松田 均 |
兵庫県立大学 |
上月 秀徳 |
兵庫県立大学 |
基礎研究として魅力的であり、成果も十分である。企業と実用化への共同研究を開始し、知的財産権確保の検討も行っているが、更なる推進が望まれる。 |
1352 |
高熱伝導・低熱膨張を特長とする新規複合材料の開発 |
八重 真治 |
兵庫県立大学 |
上月 秀徳 |
兵庫県立大学 |
計画変更もあり、現時点では当初目標の新規複合材料の開発および物性評価には至らなかった。今後の研究により知的財産権確保や企業化に関する検討が行われることを期待する。 |
1353 |
大面積化・高輝度化可能な沿面放電形面発光UVランプの開発 |
上野 秀樹 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
研究計画のすべての項目が実施・検討されており、概ね目標を達成している。その過程で開発した沿面放電によるデバイス開発で実用化への萌芽があることを期待する。 |
1354 |
高炉水砕スラグ粒子固結防止剤の開発 |
鈴木 道隆 |
兵庫県立大学 |
松井 康明 |
兵庫県立大学 |
当初計画の目標をほぼ達成している。また、特許出願も行い、企業化の可能性を見出している。今後は、使用薬品の性能、コストならびにハンドリング性などを意識した総合的な競争力の向上を念頭に置いた研究を進めることが望まれる。 |
1355 |
金属ドメイン内包タングステン炭化物の開発と省資源超硬合金の実用化 |
森下 政夫 |
兵庫県立大学 |
松井 康明 |
兵庫県立大学 |
性能を維持したままWを削減することに成功するなど、期待どおりの成果が得られている。知的財産権確保や共同研究など企業化に向けての検討も行われている。戦略も明確で研究シーズの企業化、製品化が大いに期待される。 |
1356 |
めっき膜の内部応力発生機構のナノレベル解析と応力緩和 |
福室 直樹 |
兵庫県立大学 |
上月 秀徳 |
兵庫県立大学 |
無電解銅めっきについては内部応力と形態観察によって応力挙動をある程度予測することができたが、電解ニッケルめっきについては膜成長過程と応力挙動との関係は明確にできなかった。分析が難しい領域ではあるが、今後の研究によって内部応力の制御や緩和に関する提案が行われ、応用面につながることを期待したい。 |
1357 |
大気圧水蒸気プラズマを用いた滅菌技術の開発 |
菊池 祐介 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
滅菌について新たな方法の開発は重要である。水蒸気プラズマを用いた滅菌方法がガスや乾熱を利用した他の方法に比べて短時間で滅菌できることを明らかにしたことは大きな成果である。本技術の優位性を確立するために、今後は対象菌種の特定、滅菌定量的評価の実施およびOHラジカルの存在確認とその寄与についても検討することが望まれる。 |
1358 |
溶液プロセスによるCa系新規ヘキサゴナルフェライトの合成 |
菊池 丈幸 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
次のステップへの足がかりを築いてはいるが、実用化までには更なる基礎研究を要すると思われる。計画が達成されれば知的財産性に富んだ内容であり、今後の展開余地に期待したい課題である。 |
1359 |
国際標準対応の電子カタログ生成アルゴリズムの構築に関する研究 |
白川 功 |
兵庫県立大学 |
上月 秀徳 |
兵庫県立大学 |
研究計画に対する達成度は必ずしも高いとはいえないが、計画が達成されれば知的財産性に富んだ課題であり、今後の展開余地が期待される。 |
1360 |
大気圧グロー放電によるアモルファスカーボン膜の高速成膜技術の開発 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
松井 康明 |
兵庫県立大学 |
大気圧で大面積の成膜技術の開発は興味深いものがあるが、現時点では基礎的段階の研究で、成膜速度や膜の特性など、当初目標値に達していない部分がある。今後は、カーボン膜の特性評価を行うとともに、実用化・製品化に向けた取り組みに注力することが望まれる。 |
1361 |
有機複合体材料への多重格子形成による省エネルギー型調光制御デバイスの開発 |
萩原 昭文 |
神戸市立工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
計画目標の一部未達成があるが、概ね計画通りに進捗したと判断する。さまざまな機会にアピールし、共同研究の可能性を広げることに努め、企業との打ち合わせ段階に進めている。実用化にはコストの問題はあるが、原理が優れており、他への応用が可能と思われ、今後の展開が期待される課題である。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1405 |
温室内日射計測のための農業用新型日射計の開発と実用性評価 |
桶 真一郎 |
津山工業高等専門学校 |
村田 勝英 |
国立大学法人豊橋技術科学大学 |
企業化に向けて着実にデータが得られているものと判断されるが、報告が定性的な説明に留まっているため、図や表を使った定量的な説明が求められる。 |
1406 |
新規スクリーニング系を用いた環境にやさしい青枯病防除剤の開発 |
向原 隆文 |
岡山県生物科学総合研究所 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
試験項目は実施されているが、結果的には目標の達成にまで至っていない。青枯病菌の増殖に必須のHrpに着目してこの菌の抑制物質を探索しようとする試みは評価されるが、この阻害作用が実際にフィールドにおいて有効かどうかのデータが必要と考えられる。 |
1407 |
ブドウの鮮度保持出荷のための果実減耗抑制資材の開発 |
尾頃 敦郎 |
岡山県農業総合センター |
村上 英夫 |
岡山大学 |
当初の目標を達成し、企業化につながる成果が得られたものと評価される。なお、鮮度保持出荷のための低コスト資材の開発ルートが明らかになったが、企業化への発展については、更なる技術的課題の検討が望まれる。 |
1408 |
発芽ブドウ種子の抗アレルギー作用成分の同定と機能性食品への展開 |
比江森 美樹 |
岡山県立大学 |
小林 東夫 |
岡山県立大学 |
抗アレルギー有効成分がプロシアニジンと同定されたことは注目に値するが、特に効果については動物実験と副作用の更なる検討が必要と思われる。 |
1409 |
精神科ケアビギナーを対象としたケアスキル習得のためのe-learningソフトの開発 |
渡邉 久美 |
岡山県立大学 |
小林 東夫 |
岡山県立大学 |
当初の計画をほぼ達成したものと評価される。なお、e-learningソフトについては内容の必要性や妥当性に関し同業他者によるピアレビューも必要と思われた。 |
1410 |
画像処理と3次元モデルを組み合わせたロケーションシステムの開発 |
神代 充 |
岡山県立大学 |
湯浅 光行 |
岡山県立大学 |
推定精度は目標に達したとあるが、その根拠となる具体的データの記載が求められる。また、推定に要する時間の明示も求められるなど、報告書の記載方法に工夫が必要と思われる。 |
1411 |
簡易消化器癌スクリーニングキットの開発と応用 |
永坂 岳司 |
岡山大学【鹿田】 |
大村 祐章 |
(財)岡山医学振興会 |
当初の目標を概ね達成したものと評価される。今後、企業化にあたっては、便検体採取保存キットの希釈保存液量の決定や、膵癌が検出できる至適糞便検体量の検討が望まれる。また、各消化器癌に対する検出能力の検討では、感度や特異度等の定量的データの提示が求められる。 |
1412 |
難治性疼痛治療薬の持続性向上に関する開発研究 |
大内田 守 |
岡山大学【鹿田】 |
大村 祐章 |
(財)岡山医学振興会 |
デコイDNAの安定化については、ある程度所期の成果を得たものと評価されるが、特許出願に至るにはいま少しデータの蓄積や改善が必要と思われる。企業化については国際バイオEXPOへの出展等、積極的な姿勢がうかがえる。 |
1413 |
関節軟骨変性疾患の2段階分子標的治療システムの開発 |
大橋 俊孝 |
岡山大学【鹿田】 |
大村 祐章 |
(財)岡山医学振興会 |
今回得られた結果の内容にやや曖昧な点があり、当初の研究計画との間に乖離も認められる。ただ興味深いデータも一部あるので今後の研究進展が望まれる。 |
1414 |
汎用性の高い細胞観察用マイクロデバイスの開発 |
金原 和秀 |
岡山大学【倉敷】 |
高野 和潔 |
岡山県工業技術センター |
当初計画を着実にかつ幅広に実施し、目標とする成果を概ね得られたものと評価される。企業化に向けて、環境要因の湿度、CO2濃度を含めた解析が必要であると思われるが、今後の進展が期待される。 |
1415 |
飼料の腐敗を防止する新規な微生物製剤の開発 |
西野 直樹 |
岡山大学 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
酢酸菌を飼料の貯蔵に利用する着眼は、食料自給率の向上につながり、国民が求める方向に沿った研究であり評価される。今後、有効処理条件の明確化と作用機序の解明などの検討を加えることで企業化の可能性も見出せると期待される。 |
1416 |
作物種特異的な生育促進作用を持つ微生物農薬の開発 |
谷 明生 |
岡山大学【倉敷】 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
植物の廃棄物を処理する微生物を用いて植物の成長促進を誘導する研究で企業化が期待される。今後、さらに施用条件、土壌養分状態及び植物の栄養条件など圃場条件下での試験が必要と思われる。 |
1417 |
極性な電子秩序の異方性制御による新原理電流制御素子開発 |
池田 直 |
岡山大学 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
特許の出願件数からしても、着実に成果が出ていると判断される。新原理でのトランジスタの可能性が秘められており、今後の展開が期待される。 |
1418 |
肝細胞増殖因子(HGF)産生誘導作用を有する新規発毛素材の開発と応用 |
合田 榮一 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
当初計画通り研究が実施されたことは評価される。なお、マウスの体毛成長促進作用を認めているが、定量的データの提示が望まれる。また、作用機序解明については再チャレンジを期待したい。今後の開発にあたっては、市販薬に対する優位性の確立が必要と考える。 |
1419 |
微生物代謝工学による“夢の繊維”PTT原料の製造技術の開発 |
虎谷 哲夫 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
当初の計画をほぼ達成したものと評価される。今後、生菌での還元力及びATP供給を伴う系の安定性、持続性の検討が必要と思われる。 |
1420 |
フレキシブル導波路型テラヘルツ波分光センサの開発 |
紀和 利彦 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
計画では曲げ率と伝送損失に関する評価、試薬での計測などが掲げられているが、これらについて定量的な記述がなく、またテラヘルツ波を利用するメリットの説明が不十分に思われるので、より細かな記載が望まれる。 |
1421 |
高純度ヒト・トランスポーターのハイスループット機能測定法 |
森山 芳則 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
基礎研究の成果に基づき、実験計画が着実に進展したものと評価される。この成果により実用化へ向け発展することが期待される。 |
1422 |
卵管・子宮内の物質環境を反映させた体外胚培養シートの開発と培養成績向上 |
松浦 宏治 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
培養成績の供試受精卵がマウスのみであるなど、当初計画と実際の試験研究に乖離があり、実験の実施状況が十分とは言い難い。 |
1423 |
バイオ水素を製造する「創エネ型」化学触媒プロセスの開発 |
押木 俊之 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
予定していたデータがほぼ取得でき、今後の企業化に向けて積極的に研究が進められていることが伺える。本技術がさらに大きく展開するためには、原料となる蟻酸や多価アルコールのバイオ製造に関する展望についても検討しておくことも必要と思われる。 |
1424 |
新規持続性う蝕・歯周病予防剤の口腔細菌叢への影響と安全性評価 |
吉田 靖弘 |
岡山大学【鹿田】 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
計画された安全性評価がほぼ100%実施されており、口腔内の細菌種及び細菌数いずれにも本剤の影響はほとんど無いことが分かった。実用化に向けてさらに一歩進んだ段階に入ったものと評価できる。 |
1425 |
界面制御ラジカル重合による機能性微粒子の創製 |
小野 努 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
サイズの揃った微粒子の合成に成功し、特許も出願されており、評価できる。今後、目標とする「サイズが揃った中空のマイクロカプセルの作成」を実現することで企業化の展開が期待できる。 |
1426 |
キラルな空洞を有するポルフィリン二量体の合成と分析試薬への応用 |
依馬 正 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
ホスト分子の合成法の改良はほぼ達成されたが、類縁体の合成ではエーテル結合の化合物が合成できなかったなど、課題が残った。今後、企業化にあたっては、様々な類縁体を合成し、それらと多くの化合物との包接能を評価していく必要があると思われる。 |
1427 |
食用種子由来の機能性糖ペプチドを利用した人工糖鎖ポリマーの調製と応用 |
木村 吉伸 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
機能性糖ペプチド分野の先進的実用化研究で興味深いものであるが、計画実施は合成作業が主で活性検討の課題が残された。なお、新たに人工物を調製することにより新しく抗原性が生じる懸念に対する検討が求められる。 |
1428 |
水溶液中での効率的Nε-中鎖/長鎖脂肪アシル-L-リジン酵素合成方法の開発 |
中西 一弘 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
当初の計画・目標は概ね達成したものと評価される。企業化については大腸菌は放線菌に比べ取扱いが容易であることからも、今後の発展が十分に期待される。 |
1429 |
多孔体を用いた新規排ガス浄化触媒の開発 |
田口 秀樹 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
具体的なデータ提示がなされ、どのように目標が達成されたかや、今後の課題等も明らかにされている。良好な結果が得られているのでペロブスカイト型高活性浄化触媒に供するペロブスカイト原料組成依存性、触媒耐性評価等、企業化へ向けた成果展開が期待される。 |
1430 |
細胞内局在分子の絶対量の定量化による組織評価法の開発 |
小阪 淳 |
岡山大学【鹿田】 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
実施計画目標は十分な成果が得られたとまでは言い難い。研究期間を踏まえた計画の立案自体に無理がなかったか、再検討の必要があると思われる。なお、目的手法の確立は応用面も含めてニーズが高いので、今後の進展による成果が期待される。 |
1431 |
機能性ペプチドを利用した色素増感太陽電池の効率改善 |
北松 瑞生 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
興味深い課題であるが、現時点では思わしい結果が得られていない。また、一部、実施結果報告のない研究項目が見受けられたが、将来性がある研究分野であり、継続的な研究が望まれる。 |
1432 |
好酸性細菌への有用遺伝子の導入とタンパク質生産手法の開発 |
金尾 忠芳 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
興味深い研究であり、目標達成とまでは至っていないものの、着実に進展している。今後も基礎的実験の蓄積が必要と判断される。 |
1433 |
消化器系希少疾病“潰瘍性大腸炎”に有効な治療薬の開発 |
加来田 博貴 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
RXR作動薬の抗炎症作用は詳しく研究されたが、本物質のDSS潰瘍性大腸炎に対する効果や他剤に対する優位性を、定量的に明らかにする必要があると考える。それにより潰瘍性大腸炎治療に新たな展開が期待できるであろう。 |
1434 |
細菌熱ショックタンパク由来の免疫抑制ペプチドの基礎的検討 |
横田 憲治 |
岡山大学【鹿田】 |
桐田 泰三 |
岡山大学 |
当初計画と実際の試験研究に乖離が見受けられる。また、報告書の記載に当たっては、研究の進捗や成果を示す具体的かつ定量的な記載が求められる。 |
1435 |
成人T細胞白血病・リンパ腫発症の早期発見・早期診断および発症危険度推定法の開発 |
岡 剛史 |
岡山大学【鹿田】 |
桐田 泰三 |
岡山大学 |
申請者が意図した目的には到達しており、今後の企業化に向けた進展が期待される。なお、従来の「定量的DNAメチル化測定技術」が、本研究により定量性・感度・精度・迅速性がどの程度向上したか具体的な報告が望まれる。 |
1436 |
難治てんかん発症予測のスクリーニングテストのプログラム開発 |
大守 伊織 |
岡山大学【鹿田】 |
桐田 泰三 |
岡山大学 |
得られたデータの具体的解析が求められる。また、症例数が不足しており、アルゴリズムの妥当性の検証も必要と思われる。今後、企業化に向け、より一層の取組みが望まれる。 |
1437 |
高活性燃料電池炭素電極のマイクロリアクターを用いた製造プロセスの開発 |
武藤 明徳 |
岡山大学 |
山田 嘉昭 |
岡山大学 |
初期の目標である調製条件(熱処理条件)やリアクターの形状改良についての具体的な記載が求められる。今後、企業にあたっては、特に、電極特性の評価を行いその数値を示すことが望まれる。 |
1438 |
両端にホルミルおよびカルボキシル基をもつブタジエンの新規合成法 |
佐竹 恭介 |
岡山大学 |
秋田 直宏 |
岡山大学 |
当初の計画はほぼ達成していると思われるが、本研究の将来性を判断するために、反応式、反応条件、反応スケール、分子構造、一般性などの、もう少し具体的な研究結果の明示が求められた。 |
1439 |
サルナシの抗炎症・抗発癌機能性に関する研究 |
有元 佐賀惠 |
岡山大学 |
秋田 直宏 |
岡山大学 |
一部を除き、当初の計画はほぼ達成しているが、有効成分の解析を行う前に、先ず投与量の統一が必須と思われる。今後の戦略次第では企業化へと繋がる可能性が期待される。 |
1440 |
中間赤外イメージング分光法の開発 |
川口 建太郎 |
岡山大学 |
秋田 直宏 |
岡山大学 |
研究課題を明確に絞って進め易くしている研究であるので、もう少し早い研究の進捗が求められる。今後は、本研究で明確化された課題をクリアし、特許化を図るとともに、企業化に向けたさらなる取組みが望まれる。 |
1441 |
環境有害物質を検出する携帯型バイオセンサーの開発 |
森 泉 |
岡山大学【倉敷】 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
着実に進展しているものの、目標達成には至っておらず、今後、企業化にあたっては、長期間(1ヶ月)の応答性維持技術の完成など、より一層の取組みが求められる。 |
1442 |
プリント基板で発生する放射EMI予測法の確立 |
五百旗頭 健吾 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
電源系回路とIO系回路の寄生結合を考慮しLECCSモデルを改良することにより、シミュレーション性能が改善された点は評価できる。しかしながら研究計画に記載されている実機による検証は実施されておらず、研究実施計画の達成度は十分とは言い難い。今後、実機による検証を実施するなどして、知財確保についての具体的な検討が望まれる。 |
1443 |
コモンモード放射ノイズ低減と信号品質維持を両立するガードトレース設計法 |
豊田 啓孝 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
目標達成に向けての改善の努力や、主要な測定結果を図を使って説明している点が評価される。今後、周期構造の最適化手法の開発により企業化や知財確保を達成されることが期待される。 |
1444 |
装着者の位置エネルギーを活用した空気式歩行支援靴の開発 |
高岩 昌弘 |
岡山大学 |
薦田 哲男 |
岡山大学 |
シンプルな空気圧回路で動作可能な新たな仕組みによるプロトタイプの製作および支援効果の検証に成功したものと評価される。また、電気エネルギーを使用しない点を考えると、今後の戦略次第で企業化へ展開が期待される。さらに、回転型アクチュエータを利用することによる今後の特許出願が望まれる。 |
1445 |
誘電解析法を用いた新しいバイオアッセイシステムの開発 |
安藤 元紀 |
岡山大学 |
薦田 哲男 |
岡山大学 |
試料を送出する際の細胞濃縮の必要性が明らかになった点は評価できるが、実用化が期待できるさらに具体的なデータの明示が求められる。企業化、知財に関してはより一層の取組みが必要と思われる。 |
1446 |
火花誘起ブレイクダウン分光法を利用した点火プラグ実装型燃料濃度計測装置の開発 |
河原 伸幸 |
岡山大学 |
薦田 哲男 |
岡山大学 |
点火プラグ実装型センサ、分光器の小型化およびデータの処理機への導入システム等の開発はほぼ目標を達成したものと評価される。今後、企業化を図るためには、エンジン内の状態の変化、不均一性等に対し、検出結果から空燃比を得るためのデータ集積が望まれる。 |
1447 |
忌避剤を用いた新規果実吸蛾類防除法の実用化開発 |
泉 洋平 |
岡山大学【倉敷】 |
村上 英夫 |
岡山大学 |
目標達成にまでは至らなかったものの、研究計画が着実に実施され、企業化の実現に至る課題(素材開発)が明らかとなったと思われる。今後、企業化や知財確保に向け、紫外線対策や徐放性の獲得について、より一層の取組みが望まれる。 |
1448 |
新規抗住血吸虫薬の開発研究 |
金 惠淑 |
岡山大学 |
渡邊 裕 |
岡山大学 |
感染マウスを用いての治療実験を除き、当初計画通り、研究が進展したものと評価される。今後も国内外の外部資金の活用や製薬企業との共同研究による開発の展開を期待したい。 |
1449 |
高能率・高品位電解アシステッド放電スライシング法の開発 |
岡本 康寛 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
研究計画は一部(被覆ワイヤ電極を用いた放電スライシング)を除いて概ね順調に遂行されている。特許出願もあり、企業と具体的な共同開発にも着手している点が高く評価される。 |
1450 |
超硬材料の鏡面加工を簡単に実現する正面研削専用工具及び工具調整装置の開発 |
藤原 貴典 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
当初計画は概ね達成されており、加工能率が低いものの、基本理論の正しさは実証されたと判断できる。なお、超硬合金の鏡面加工では、バイトによる加工でも切削速度は非常に低く、研削加工でも同様の条件(切削速度)となるのではないかと思われ、研究としては成功したと考えて良いと考える。 |
1451 |
離型性および耐久性に優れる金型表面改質技術の開発 |
長谷川 裕之 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
目標に対して未達の課題も残っているが、一定程度進捗したものと評価される。ただし、本研究で最も重要と思われる膜圧分布に関して、サンプル形状についての記載が見られないが、その影響は非常に大きいので、詳細な記載が望まれる。 |
1452 |
EBポリッシングによる生体材料コンポーネントの超高能率表面仕上げ法の開発 |
岡田 晃 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
計画に対して一部修正を加え成果を得ている。コバルトクロム合金については平滑化が難しいという結果となったが、これも実験からのひとつの知見といえる。企業との共同体制もできており、今後の発展が期待される。 |
1453 |
有機合成上の重要な反応を触媒する新規遷移金属固体触媒の創製 |
野上 潤造 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
一部目標に対して成果が得られなかった項目があるが、Pd−perovskiteを用いた新しい反応では大きな進展があったことが伺える。但し、報告書の記載に当たっては、具体的なデータの明示が望まれる。また、本成果の知財化は可能と思われ、実用化に向けての展開が期待される。 |
1454 |
マイクロチャンネルを用いた新規のミキシング技術の開発と応用 |
平野 博之 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
アクティブスラブ中でのミキシング効果の実証はなされたようであるが、ポイントのデータ提示が望まれる。今後、実用化に向けて、本ミキシング技術の有効性の更なる検証が望まれる。 |
1455 |
遷移金属触媒を用いるフッ素化合物の合成法の開拓 |
村橋 俊一 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
溶媒効果や触媒配位子の効果、基質に関する一般性の検討、モノマーの合成法の確立とその重合による新しい材料の合成については当初の計画を達成したものと評価される。なお、申請時における目標や得られた成果の記載をより具体的にすることが望まれる。 |
1456 |
テトラスパニンCD81を用いた新規リウマチ診断薬の開発と応用 |
中西 徹 |
就実大学 |
大村 祐章 |
(財)岡山医学振興会 |
目標達成のために必須のCD81タンパク質を大腸菌で生産するという初期実験に、残念ながら成功することができなかった。細胞外ドメインの合成ペプチドに対する抗体を考えてみることも必要ではないかと思料される。 |
1457 |
新規手法を用いた生体ガス・皮膚滲出液成分分析による非侵襲的診断法の開発 |
齋藤 啓太 |
就実大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
生体ガス、皮膚滲出液中成分採取法の確立に前進がみられるなど、発展性の期待できる課題であるが、計画の一部が未達であった。今後の展開のためには、健康科学に対する本法の有用性をさらに明確に示すことが必要である。 |
1458 |
抗インフルエンザ薬タミフルの新規合成法の開発 |
萬代 忠勝 |
倉敷芸術科学大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
マンニトールからのタミフル合成ルートを検討するもので、目標の一部は未達であるが、部分的には既存法を超えた合成法が開発され、特許申請や論文発表もなされた。今後は企業との共同研究で実用化を目指して展開することが望まれる。 |
1459 |
オーダーメイド医療のためのマイクロ調合システムの開発 |
谷口 浩成 |
津山工業高等専門学校 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
報告書では「計画どおり実施できた」と記述されているが、その根拠を示す具体的なデータの明示が求められる。また、企業化と特許に関しても具体的な記述が十分ではなく、報告書の記載方法の工夫が望まれる。 |
1460 |
顕微作業支援装置の開発 |
野村 健作 |
津山工業高等専門学校 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
概ね計画通り研究が実施されたが、ピンセット実装装置の開発が未達成であり、特許出願の有効性も含めて、早急に検討を進める必要があると思われる。 |
1461 |
大型風車の落雷故障診断システムの開発 |
鳥家 秀昭 |
津山工業高等専門学校 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
落雷をAEで検証する際の実データが集まったという点は評価される。今後、企業化に向け、最終目標であるブレードの故障判定に関して、企業と共同研究するなどして進展されることが望まれる。 |
1462 |
性能評価機能を有するPID制御システムの開発 |
八木 秀幸 |
津山工業高等専門学校 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
コンピュータシミュレーションによるCMAC-PID制御系の有効性検証ついて成果が得られているので、知的財産権の確保についての積極的な検討と実際のプロセスプラントでの検証が望まれる。 |
1463 |
遅れ破壊特性に優れた超高強度TRIP型マルテンサイト鋼の開発 |
塩田 祐久 |
津山工業高等専門学校 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
新たなTRIP鋼の開発に関して研究は概ね計画どおり遂行されたが、十分な成果が得られたとまでは言い難い。鉄鋼材料開発については鉄鋼メーカーとの協業が不可欠と思われるので、その点についての取組みが望まれる。 |
1464 |
軽量で低価格を実現する4節リンク機構を用いた歩行補助機の開発 |
井上 浩行 |
津山工業高等専門学校 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
4節リンク機構の利用は、興味深いアイデアであり、試作品を装着して膝関節と足関節の軌跡が正常歩行と同様な運動を近似できたことは評価できるが、筋電図等の生体電気信号を駆動シグナルとする歩行補助器は臨床で試用され始まっており、これらとの差別化が重要と思われる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1465 |
ジペプチドの医薬品や保健機能食品への開発 |
山田 康枝 |
近畿大学 |
隅田 誠 |
近畿大学 |
当初計画をほぼ達成し、知財の確保も行われている点が評価される。企業化のためには、神経細胞での解析実験が必要と思われ、今後の進展が期待される。 |
1466 |
ディジタル機器の精度改善を目指した振動吸収ボードの開発 |
西村 公伸 |
近畿大学 |
隅田 誠 |
近畿大学 |
目標は概ね達成されており、事業化へのステップを進んでいるものと判断できる。今後は、企業化のための設計指針の集約を行い、電子メーカーとの共同研究による展開が望まれる。 |
1467 |
局所耕うん栽培に適用するチェーンポット苗移植機の開発 |
樹野 淳也 |
近畿大学 |
隅田 誠 |
近畿大学 |
苗供給の確実性に係る機器機構の評価データの明示が求められる。また、企業化に向けて、温暖期における苗活着試験の実施が必要であると思われる。 |
1468 |
α-fetoprotein の腫瘍抑制機能の検証 |
矢間 太 |
県立広島大学 |
佐伯 達志 |
県立広島大学 |
実験に必要な腫瘍細胞株が入手不可能となり実施計画は未達となった。モデル動物の作製からのやり直しとなったが、その過程で得られた新たな知見の展開に期待したい。 |
1469 |
微生物による廃液中重金属イオンのナノ半導体結晶への変換回収 |
阪口 利文 |
県立広島大学 |
佐伯 達志 |
県立広島大学 |
特許出願計画が示されていることは評価される。但し、「得られた成果」及び「今後の展開」欄が、論文中心であり、最も重要な実験結果の明示や、企業化に向けた具体的な展望の記載が求められる。 |
1470 |
スクッテルダイト型熱起電能材料の育成とフェルミエネルギー近傍の電子状態の解析 |
植田 義文 |
呉工業高等専門学校 |
繁村 龍彦 |
呉工業高等専門学校 |
目標達成にまでは至らないものの、研究は着実に前進しているものと考えられる。今後、企業化および知財確保にあたっては、価格優位性、素材の安定性の検討など、より一層の取組みが必要と思われる。 |
1471 |
かき蓄養による風味改善技術の開発 |
工藤 孝也 |
広島県立総合技術研究所 水産海洋技術センター |
岡崎 尚 |
広島県立総合技術研究所 |
養殖かきの水揚げ後に様々な濃度の塩水で処理して風味を調節しようとする試みで、当初の目標をほぼ達成している。しかし、冷凍かきフライの味に対するニーズが販売先のスタイルによって異なる等が明らかとなったため、新たな戦略の構築が望まれる。 |
1472 |
溶射法による超微粒メタルボンドダイヤモンド砥石の開発 |
竹保 義博 |
広島県立総合技術研究所 東部工業技術センター |
古川 昇 |
広島県立総合技術研究所 |
計画はほぼ予定通り実施されたが、目指した細粒(平均粒径約2.5μm〜0.2μm)では、細粒ダイヤが熱で焼損するため、ニッケルメッキ重量比の少ない溶射皮膜や付着効率の良い皮膜は作製困難であることが明らかとなった。企業化に向けて、更なる検討を期待したい。 |
1473 |
施設内栽培空間の最小化に伴う植物の生態反応の解明による超省エネ化 |
川口 岳芳 |
広島県立総合技術研究所 農業技術センター |
林 英明 |
広島県立総合技術研究所 |
当初の目標はほぼ達成しており、本システムにおける冬季の暖房費削減の可能性が示唆されたことは、研究の成果と評価される。なお、企業化にあたっては、栽培植物の生体反応等のさらなるデータの蓄積が必要と思われる。 |
1474 |
無機ガラスに負けない耐傷付性を有する高機能樹脂ガラスコーティング技術の開発 |
小島 洋治 |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター |
平田 敏明 |
広島県立総合技術研究所 |
僣=1.7%、および僣=1.0% を達成したことは十分に評価される。但し、早急に知財化の検討が必要と思われる。今後は、企業化のために重要となる耐候性の問題をクリアすることが期待される。 |
1475 |
鋼のスパッタエッチングによる光吸収特性に優れた微細突起物の開発 |
中佐 啓治郎 |
広島国際学院大学 |
山嵜 勝弘 |
広島国際学院大学 |
基本特許の確保も行われており、研究計画・企業化・特許に関して、非常に高い達成度が確保されており、極めて有望な技術が開発されていると判断される。今後の実用化の実現が期待される。 |
1476 |
等温遺伝子増幅技術LAMP法を用いたツボカビ菌の迅速判定法の開発 |
長嶺 憲太郎 |
広島国際大学 |
山下 民治 |
(財)くれ産業振興センター |
当初の試験項目に問題が発生したことにより、一部データが取得されていない。また、最適なプライマーが開発できたとするデータの明示も必要と思われる。今後、知財確保に向け、更なる戦略の検討が求められる。 |
1477 |
大気中観測電子顕微鏡における高解像画像化の研究 |
上月 具挙 |
広島国際大学 |
山崎 均 |
(財)くれ産業振興センター |
大気中観測電子顕微鏡の高解像度化の目標を達成している点が評価される。今回の成果に基づいて、知的財産を確保することについての検討が求められる。 |
1478 |
低消費電力で超高速・長距離伝送が可能な光OFDMシステムの開発 |
安 昌俊 |
広島市立大学 |
山田 洋 |
広島市立大学 |
当初の計画に加え低コストレーザの使用に対する検討が追加されている。データ提示等の具体的な記述はないが、基本特性を明らかにしており光OFDMの実用性の向上が期待される。 |
1479 |
高温超伝導バルク磁石に適したパルス磁場による着磁技術の開発 |
井田 徹哉 |
広島商船高等専門学校 |
長谷川 尚道 |
広島商船高等専門学校 |
スナパ回路の設計は実施されたが、実験的検証は行われておらず、当初目標(ノイズ振幅の抑制、最大発生磁束密度:10Tなど)の達成に至っていない。今後、企業化や知財確保に向けて、再度の検討が必要と思われる。 |
1480 |
動揺データに基づく航行船舶の復原性判定システムの開発 |
寺田 大介 |
広島商船高等専門学校 |
長谷川 尚道 |
広島商船高等専門学校 |
計画はほぼ予定通り実施されているものと評価される。但し、実船よりもまずは模型船での試験を積み重ね、実用化に重要な判定システムの精度・計算時間などの具体的数値を明らかにし、システムの有効性を確認する必要があると思われる。 |
1481 |
完熟ピオーネ収穫時期判定振動装置の製作 |
桜井 直樹 |
広島大学 |
とちむら ひろし |
(財)ひろしま産業振興機構 |
本試験の目標は、ピオーネの収穫時期を判定する装置の開発であったが、その成果のみならず、本装置の適用範囲の拡大と、今後の展開が具体的に示されている点でも、評価される。なお、ピオーネ完熟度の果実品質までの評価をデータで示されることが望まれる。 |
1482 |
無人ヘリへのレーザースキャン装置搭載による森林の計測技術開発 |
奥田 敏統 |
広島大学 |
伊藤 勇喜 |
広島大学 |
知財確保の予定もないため、期待された成果は得られなかったものと思われるが、結果報告が定性的な説明のみで、定量性を示す図や表が明示されていない。報告書の記載に当たっては、研究進捗や成果、今後の展開等を示す具体的かつ定量的な記載が求められる。 |
1483 |
有用脂質生産のための高性能宿主酵母創製技術の開発 |
船戸 耕一 |
広島大学 |
伊藤 勇喜 |
広島大学 |
当初計画通りに研究が実施されたものと評価される。但し、IPC(イノシトールリン酸セラミド)を産生しない酵母は成長しないので、IPCの生存シグナルを全て補完する機構を見つけることが、研究目標達成には必要であると思われる。 |
1484 |
非晶質遷移金属リン酸塩プロトン伝導体の開発 |
福岡 宏 |
広島大学 |
兵庫 道章 |
広島大学 |
低コスト化の目標(RuのCr,Fe代替)は未達であるが、性能目標(プロトン伝道度:10-2S/cm2)は達成され、試料強度も改善が見られた。燃料電池への利用が期待されるので、企業化を目指したさらなる研究進展が望まれる。 |
1485 |
マイクロポンプ集積化バイオトランジスタのモノリシック製造技術に関する研究 |
坂本 憲児 |
広島大学 |
兵庫 道章 |
広島大学 |
概ね当初計画に沿って研究が進められ、企業化と特許に関しても、良好に実施また計画されているものと思われる。今後、バイオ分野での活用が期待される。 |
1486 |
ハイブリッド型ポリマ・ゾルゲルガラス光導波路スイッチの開発 |
榎波 康文 |
広島大学 |
兵庫 道章 |
広島大学 |
論文件数、特許出願、あるいは企業との共同研究から計画の着実な進捗が推量されるが、結果を定量的に説明する図・表を欠いている。研究の進捗を示す具体的なデータの記載が望まれる。 |
1487 |
着床促進因子を添加したブタ凍結精液用完全合成融解液の開発 |
島田 昌之 |
広島大学 |
兵庫 道章 |
広島大学 |
ブタ精液精漿中の着床促進因子のひとつがコルチゾールであることを突きとめ、さらに、コルチゾール添加により高い受胎率(89%)が認められことは評価される。実用化のための試みも行われており、今後の展開が期待される。 |
1488 |
制御入力飽和に強い高速サーボ制御装置の開発 |
佐伯 正美 |
広島大学 |
兵庫 道章 |
広島大学 |
当初目標の課題を抽出し、従来の設計に比べて飽和時の過渡応答を柔軟に調整でき、より速応性が改善された新しい設計法を開発したことは評価される。但し、外乱に対し定常特性にロバスト性がないため、適用可能な対象は限定されることが残念であるが、企業化に向けた更なる取組みに期待したい。 |
1489 |
アミノアシル基を有したプロドラッグ型抗生物質の開発 |
的場 康幸 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
菌種特異的抗菌性プロドラッグとして期待できるペプチド性物質を数種合成することに成功しており、今後さらに検討を進めることで、新機構機材としての実用性が高まるものと評価できる。知財確保や企業化までにはもう少し時間を要すると思われるが、本研究は薬剤の副作用の軽減、あるいは新規薬剤の開発など多くの将来性を含むものと考えられる。 |
1490 |
イネ発現系を利用した新規ヒト型化抗う蝕予防抗体の開発と応用 |
高橋 一郎 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
当初計画では、マウス抗体が既に完成していることを前提としていたが、「生育が思わしくない」ことにより新たな抗体樹立へ方向転換が行われた。当初計画の達成には至らなかったものの、新たな研究でいくつかの成果も得られており、今後の進展に期待したい。 |
1491 |
小胞体ストレスを標的とした新規抗肥満薬の開発 |
細井 徹 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
計画通り研究が実施されたことは評価できる。代表研究者は既にマウスへの被験薬飲水投与で抗肥満作用およびレプチン抵抗性の回復を見ており、本研究により抗肥満作用は再確認できたが、作用機序仮説の検証までに至らなかったため、今後の機序解明を期待する。 |
1492 |
蛋白質リン酸化反応を超高感度に検出するためのリン酸基認識試薬の開発と応用 |
木下 英司 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
有益な誘導体が得られたことは評価できる。リン酸化タンパク質の検出感度は100倍の向上(目標は106倍)に留まったが実用的かどうか、今後は学際的な交流等を通して応用面を探索し、企業化がなされることを期待したい。 |
1493 |
追加ガス型伸長流動ノズルを用いたPGSS法による高分子微粒子製造法の開発 |
木原 伸一 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
当初の試験項目で、遅延したことにより、一部データを取得できていない。今後、企業化や知財確保に向け、より一層の取組みが望まれる。 |
1494 |
多孔質積層構造を有するプレス成形用新規軽量板材の開発と最適設計 |
日野 隆太郎 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
ユニークな軽量化技術の開発であり、企業化のためには実用的材料への展開が必要であると思われる。なお、報告書の記載に当たっては、研究進捗や成果、今後の展開等を示す具体的かつ定量的な記載が求められる。 |
1495 |
高剛性多孔質絞り静圧空気ベアリングの開発 |
山田 啓司 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
一定の成果を得ているものと評価されるが、得られた基礎的データのさらに具体的な評価・検証が求められる。企業化にあたっては、特に剛性の極大値などに対する評価が必要であると思われる。 |
1496 |
安心・安全な社会構築のためのTRIP鋼を利用した高性能衝撃吸収部材の開発 |
岩本 剛 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
TRIP鋼の特性をひきだす最適構造設計やコストパフォーマンスの検討など、今後、企業化や知財確保に向けて、更なる取組みが求められる。 |
1497 |
微生物燃料電池による廃水からの水素エネルギー生成技術 |
大橋 晶良 |
広島大学 |
鈴藤 正史 |
広島大学 |
微生物燃料電池からの水素エネルギー生成は将来技術としては興味深いが、本試験研究としては十分な成果が得られなかった。企業化や知財確保に向けて、より一層の取組みが望まれる。 |
1498 |
低粘度イオン性液体の開発と非Ru系色素を用いた色素増感太陽電池への応用 |
宮碕 栄吾 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
太陽電池の目標効率には届いていないものの、その前提となる低粘度イオン性液体の合成には成功しており、大きな前進が得られたものと評価される。色素増感太陽電池だけでなく、さらに広い範囲の応用を柔軟に考えることで、新しい展開も期待できる研究である。 |
1499 |
画期的植物生産性向上技術の開発 |
高橋 美佐 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当初予定のシロイヌナズナ遺伝子破壊系統を用いた相補実験による遺伝子機能の確認は実施されていないが、トマトにおける過剰発現体を作出して遺伝子の機能を確認しており、この遺伝子の利用法ということで特許出願していることは評価される。なお、今後の企業化にあたっては、さらなる検討が求められる。 |
1500 |
モアレ縞を用いた力可視化シールの開発 |
高木 健 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当初計画は概ね達成したものと評価される。なお、力の測定を簡易で安価に行おうとする本提案は、産業上の有用性が高く、計測基本原理および本シールの基本構造に関する特許出願と企業化に向けたさらなる取り組みが望まれる。 |
1501 |
有機−無機複合体分子カプセルへの水素原子の高効率包接法の開発と応用 |
駒口 健治 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
得られた水素原子包接率は目標値1wt%に及ばないものの、従来法に比べて70倍以上高い点は評価される。企業化にあたっては、新たな一工夫を加えることが望まれる。 |
1502 |
アユの冷水病に対するファージ療法の確立 |
中井 敏博 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当初の試験項目で問題が発生したことにより、一部データを取得できなかったものの、目標に近い成果が得られたものと評価される。今後の戦略次第で、企業化へ繋がる可能性が期待される。 |
1503 |
pH応答型ポリマーミセルを用いた低濃度内分泌撹乱化学物質の分離システム |
迫原 修治 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当初ミセルによるBPAの取り込み・放出を想定したが、疎水相互作用による吸着現象も明らかとなった。ポリマー組成やグラフト量制御、pHを徐々に変化させ、ミセル吸着量と全吸着量の増大を実現することで、今後の展開が期待される。 |
1504 |
多孔体と酸化チタン粒子の複合化による高活性光触媒の開発 |
犬丸 啓 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
炭素被覆による新しい複合化法を開発した点、その複合体が純酸化チタンと同等の高い活性を持つ点、完全CO2化の点が極めて高く評価される。将来企業化につながる可能性の高い成果と思われるので、今後の展開に期待したい。 |
1505 |
ポリリン酸蓄積微生物を使った省リン施肥技術の開発 |
廣田 隆一 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当初計画通りに研究が実施されたものと評価される。但し、ポリリン酸蓄積株の安定性に問題があることが明らかになり、植物生育促進効果の評価については、残念ながら、目標の達成までには至っていない。リバータントの問題を解決できれば企業化が見えると思われので、今後の成果に期待したい。 |
1506 |
有機ELへの応用を目指した安定な高分子系発光材料の開発 |
大下 浄治 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当初計画した3種のポリマーの内2種の合成に成功しており、材料化の成果は得られている。しかし、EL素子材料として実用化するには、これから検討すべき課題が多く残されていると思われるので、今後の更なる取組みが望まれる。 |
1507 |
ナノチューブ状突起物の開発 |
加藤 昌彦 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
ナノチューブ状突起物形成に関しては一定の目的を達成しているが、企業化のためには、Li電池以上の容量を有することがポイントとなるため、キャパシタンスに関するデータで性能比較することが必要であると思われる。今後の展開を期待したい。 |
1508 |
コード化スリット光投影を用いた超高速3次元形状計測 |
石井 抱 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
10000fpsの計測を実現し、今後の企業化が期待される。なお、高速3次元形状計測の企業化のためにはシステムの小型化・ハードウェアと共に、搬送機器との同期制御が必要と考えられる。 |
1509 |
光の三原色で発光するSiナノ結晶−ELへの展開 |
齋藤 健一 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
本研究により、マトリックス生成、電極作製、I−V測定システムの開発等に関する成果を得たものと評価される。但し、当初計画のBが実行されたのかどうかの記述がないなど、実施内容や成果について、より具体的な説明が求められる。企業化のインパクトの大きい画期的な三原色発光ELであり、今後の進展が期待される。 |
1510 |
元素戦略を考慮した耐摩耗・高強度特性をもつバインダー改良型超硬合金の開発 |
松木 一弘 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
従来のWC-Co系よりも低温焼結で動摩擦係数が小さく、摩耗量も少ないなどの設定目標は達成されているが、引き続き、当初計画の曲げ特性および衝撃特性と実使用環境を想定した溶液下での腐食挙動に関する項目の完了や、知財化に向けた取り組みが必要と思われる。 |
1511 |
高機能金属結合タンパク質Vanabinによる重金属の効率的濃縮系の開発 |
道端 齊 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当初の試験内容は、ほぼ計画通り実施されたと推量されるが、実験データ等のエビデンスの明示がない。報告書の記載に当たっては、研究の進捗や成果を示す具体的かつ定量的な記載が求められる。 |
1512 |
白色LED用途の安価な酸窒化物蛍光体材料の開発 |
Iskandar Ferry |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
自らが目標とした発光効率80%には及ばなかったものの、10%程度の赤色発光効率を65%にまで高めたことは、研究の大きな成功とみなせるものであり、実用化を狙えるレベルの成果を得たと評価される。 |
1513 |
多官能性有機ホウ素化合物の実用合成に向けた高効率プロセス開発 |
吉田 拡人 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
銅系触媒の高活性化と化合物ライブラリーの拡充については目標を達成できたが、大量合成に関しては課題が残った。実用的中間体として期待できるオルトジホウ素化アレーンの実践的スケールアップ合成・単離精製法の確立が期待される。 |
1514 |
蛍光性水センサー色素の開発と漏水検出シーリング材料への応用 |
大山 陽介 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
シンプルであるが独自性が高く、材料も安価で興味深い研究である。色素体そのものの性能は良いものの、肝腎の吸水性ポリマーに分散させると感度が低下したが、今後の研究で解決できる可能性は大きい。今後の進展が大いに期待される。 |
1515 |
脳卒中特異的血中因子同定と血液診断の開発 |
細見 直永 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
研究の基盤としている脳梗塞慢性期血清中の自己抗体の意義検討を含め、今後本研究を発展させるには目標設定時の研究を再度充実することが望まれる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1516 |
柔軟性をもつフォトレジスト用クレゾールノボラック樹脂の開発 |
山ア 博人 |
宇部工業高等専門学校 |
黒木 良明 |
山口大学 |
当初の計画が着実に遂行され、好結果を得ている。更なるノボラック樹脂の耐性、リソグラフィー描画能(2.5μm)等の向上が見込まれ、また、企業との共同研究も始まっており実用化が期待される。 |
1517 |
金属ガラスを用いた高減衰能を有するバネの開発 |
藤田 和孝 |
宇部工業高等専門学校 |
黒木 良明 |
山口大学 |
積極的な取り組みで貴重な知見が得られているが、当初計画とは異なる展開がなされており、十分な成果が得られたとまでは言い難い。今後の進展に期待したい。 |
1518 |
導電性と化学的耐久性を向上させたバナジン酸塩ガラスの開発 |
久冨木 志郎 |
宇部工業高等専門学校 |
黒木 良明 |
山口大学 |
目標条件を満たすガラス組成・熱処理法を見い出したものと評価される。今後、企業化にあたっては、工業的な耐久条件や先行・類似技術との優位性の比較検証など、さらなる検討が求められる。 |
1519 |
アサリ人工種苗生産における赤潮プランクトン種ラフィド藻ヘテロシグマ・アカシオ(Heterosigma akashiwo)を活用した餌料添加技術開発試験 |
多賀 茂 |
山口県水産研究センター |
木谷 幸治 |
山口県水産研究センター |
当初計画を達成し、その成果も十分に検討されているものと評価される。今後のアサリ人工種苗生産の実用化に向けた取り組みの可能性が期待できる。 |
1520 |
ユリウイルス病の被害を防止する弱毒ウイルスの研究 |
村本 和之 |
山口県農林総合技術センター |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
当初の試験内容を全て計画通りに実施し、その結果、2種類の特許取得が見込まれるなど、企業化に向けて着実に進捗していると評価される。山口県の特産品に根ざした研究であり、その優位性を高めるためにも、継続的な研究開発が期待される。 |
1521 |
置換原子配列の規則化による高性能熱電クラスレートの開発 |
赤井 光治 |
山口大学【常盤】 |
井本 良 |
山口大学 |
置換原子配列の規則化による高性能熱電クラスレートの開発が主題であるが、規則化の有無についての実験的検証が必要と思われる。目標達成には至っておらず、原点に立ち戻っての検討が望まれる。 |
1522 |
部分予混合噴霧燃焼法を用いた低エミッション化技術の開発 |
三上 真人 |
山口大学【常盤】 |
井本 良 |
山口大学 |
揮発性の異なる燃料に対して、部分予混合噴霧バーナ技術により、微粒化に費やすエネルギーを抑制しつつ低エミッション燃焼を実現できることを確認したことは、学術的には評価される。但し、現象確認に留まっており、企業化にあたっては、優位性などの面で、さらに十分な検討が望まれる。 |
1523 |
再生医療のための生体外組織形成へ向けた新規細胞伸縮装置の開発と応用 |
岩楯 好昭 |
山口大学【吉田】 |
井本 良 |
山口大学 |
一定の成果が認められる。また、方法論的にユニークであり、さらなる進展が期待できる。今後の課題は本法の有用性と他に対する優位性をより明確にすることと考える。 |
1524 |
酸化カルシウム触媒による油脂からのバイオディーゼル燃料製造プロセスの開発 |
福永 公寿 |
山口大学【常盤】 |
杉浦 文彦 |
山口大学 |
当初の計画をほぼ達成したものと評価される。触媒である種々のCaOの活性化条件の確立、ワンポット方式によるBDF合成プロセスの構築に成功することで、企業化へ前進したものと考えられる。 |
1525 |
動画像を用いた応力変位評価システムの開発 |
近久 博志 |
山口大学【常盤】 |
田口 岳志 |
山口大学 |
目標とする座標の取得精度を達成したものと評価される。但し、計測対象物との距離や撮影範囲をどのように設定するかで精度は大きく影響を受けると考えられ、地盤や実構造物への適用の際には40cm以上と撮影距離が延び撮影範囲も広くなるため、この場合でも目標精度が達成できるかの検討が望まれる。 |
1526 |
動脈硬化診断支援システムの実用化 |
内野 英治 |
山口大学【吉田】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
当初の計画をほぼ達成したものと評価される。本研究の核心は、既存の血管内超音波画像診断システムについて臨床応用を念頭においた信号処理ソフトウェアを開発することにあると思われるが、今後の企業化にあたっては、臨床サイドとの連携を十分に行い、研究開発を進めていくことが望まれる。 |
1527 |
膵癌化学療法抵抗性を誘導増強する蛋白質の制御による治療法の確立 |
藏滿 保宏 |
山口大学【小串】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
当初計画どおりに研究が実施されておらず、十分な成果が得られたとは言い難い。また、企業化の可能性を示す道筋について、より具体的な提示が求められる。 |
1528 |
精神疾患の病態に関与する脂質の同定と診断マーカーとしての有用性検討 |
大和田 祐二 |
山口大学【小串】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
マウス in vivo 試験結果の提示が求められる。また、まず精神疾患患者の血清中脂質の変化を調べる必要があると思われる。 |
1529 |
タグ付抗体を利用した次世代抗体チップの開発と応用 |
古元 礼子 |
山口大学【小串】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
申請書内容には高い新規性、有用性、及び実施可能性が認められたが、実施計画に沿って研究が実施されておらず、既存技術の確認に相当の時間を費やされている。企業化や知財確保に向けて、より一層の検討が求められる。 |
1530 |
肝硬変患者における超音波B-mode画像を用いたテクスチャ解析による肝線維化の定量、及びM-mode画像を用いた肝硬度診断 |
瀬川 誠 |
山口大学【小串】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
計画通り研究が実施されたことは評価できる。本研究により新たに解決すべき課題が見出されているが、肝臓エコーの領域で同様な課題やその解決技術が無いか一度調査する必要があると思われる。 |
1531 |
心筋細胞内カルシウムを制御する新たな心不全治療薬の開発 |
乾 誠 |
山口大学【小串】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
概ね予定通りの計画が実行され、特許を含め企業化の可能性が高い結果が得られていると評価される。実際の実用化に至るにはまだ課題が残っているが、早急な特許出願及び製薬企業へのライセンスアウトを期待する。 |
1532 |
コーヒー粕から医薬・化成品原料となる有用物質製造技術の開発 |
足立 収生 |
山口大学【吉田】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
食品産業廃棄物のコーヒー粕からタミフルを製造するという一連のプロセスが見事に企画された研究計画は達成され、予定通りの成果が得られており評価される。また、国際的な評価も得て、実用化実証試験が始まっており、今後の展開が期待できる。 |
1533 |
次世代型高温発酵技術を用いた廃棄食品からのエタノール生産 |
山田 守 |
山口大学【吉田】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
当初の試験内容は計画通り達成している。申請者が見出した、優れた潜在能力を有した酵母に関する研究開発を実用化へ向けて着実に実施したことが評価される。今後はより実用段階の計画を作成し、実行していくことが望まれる。 |
1534 |
新規女性ホルモン受容体をモデルにした未知1塩基変異の高速検出方法の開発 |
水上 洋一 |
山口大学【小串】 |
殿岡 裕樹 |
山口大学 |
当初の目標を概ね達成したものと評価される。なお、今回発見された新規SNPの特許出願にあたっては、本遺伝子の変異と関連疾患との相関性等について、さらに検討が必要と考えられる。 |
1535 |
廃熱利用のための水吸着式ヒートポンプ用吸着材の開発 |
中山 則昭 |
山口大学【常盤】 |
櫻井 俊秀 |
山口大学 |
当初目標の達成までには至っていないものの、従来品からの改善向上が得られており、企業化に向けた可能性も見出されている。知財確保の可能性もあり、今後の発展が期待される。 |
1536 |
鉄技研方式に比較し主スイッチ数を半減した電鉄用パワーラインコンディショナ |
田中 俊彦 |
山口大学【常盤】 |
櫻井 俊秀 |
山口大学 |
実験装置が未完成なため改善・試験評価が終了しておらず、当初の目標達成のために、今後、更なる取組みが求められる。また、企業化や知財確保に向けて一層の検討が望まれる。 |
1537 |
産業応用を目的とした高出力密度高周波誘導加熱用電源の開発 |
平木 英治 |
山口大学【常盤】 |
櫻井 俊秀 |
山口大学 |
スイッチング半導体パワーデバイス試作機の製作が遅れ、期間内での実験的検証が未実施であるが、電気学会産業部門優秀論文発表賞も受賞しており、企業化、特許化への展開が期待される。 |
1538 |
2-ベンズアゼピンを基本骨格とした新しい創傷治癒促進薬シーズの開発と応用 |
上村 明男 |
山口大学【常盤】 |
櫻井 俊秀 |
山口大学 |
安価な材料で環化前駆体の合成を試み成功したことは評価できるが、目的とする化合物の効率的な合成法の開発には至っておらず、生理活性試験も実施されていない。企業化や知財確保に向けて、より一層の検討が求められる。 |
1539 |
気体透過性ダイヤモンドライクカーボンを用いた高感度ガスセンサーの開発 |
本多 謙介 |
山口大学【吉田】 |
櫻井 俊秀 |
山口大学 |
ジボランの検出100ppbにとどまったが、アルシン・ホスフィンに関する記述が望まれる。今後、企業化や知財確保に向け、基本的なDLC電極の電気化学触媒活性等の解析など、より一層の取組みが望まれる。 |
1540 |
黒毛和牛繁殖のためのオス牛での性機能減退の新規診断・治療法の開発 |
角川 博哉 |
山口大学【吉田】 |
櫻井 俊秀 |
山口大学 |
研究は予定通り実施しているが、目標達成にまでは至っておらず、今後、企業化にあたっては、より一層の検討が求められる。 |
1541 |
カルバゾール骨格を有する新規高分子材料の開発と応用 |
鬼村 謙二郎 |
山口大学【常盤】 |
林 里織 |
山口大学 |
本研究は、カルバゾールをデンドリマー化することにより発光特性を高め、光機能材料として活用を目指すものであり、合成に成功したが更なる物性検討が必要であると思われる。今後、企業化に向けて発光の量子収率向上の開発が望まれる。 |
1542 |
反応性プラズマ溶射法を用いたSi系粉末からの透明石英膜の合成 |
崎山 智司 |
山口大学【常盤】 |
森 健太郎 |
有限会社山口ティー・エル・オー |
作製された溶射膜にAr+O2プラズマジェットを照射する新しい手法を考案し、当初の目標を概ね達成したものと評価できる。但し、当該膜の品質評価が行われておらず、成膜時の基板温度が1000℃以上と高いため、これらの課題を克服し、知的財産権を確保することが望まれる。 |
1543 |
ナノ構造マンガン酸化物を活用する高エネルギー密度キャパシタセルの試作 |
中山 雅晴 |
山口大学【常盤】 |
森 健太郎 |
有限会社山口ティー・エル・オー |
当初の計画通りに研究が実施され、一定の成果が得られているが、キャパシタンスの目標値達成に課題が残った。さらに研究推進することで課題をクリアし、企業化を実現することが期待される。 |
1544 |
低温焼成による陶磁器製造プロセスの省エネルギー化 |
小松 隆一 |
山口大学【常盤】 |
森 健太郎 |
有限会社山口ティー・エル・オー |
当初の試験項目はほぼ達成したものと評価される。但し、類似の研究も実施されているようであり、特許出願時に十分な検討が必要と思われる。今後は、実用化に向け、企業との共同研究で研究推進することが望まれる。 |
1545 |
小型水槽における水入れ替え無しの野菜高密度栽培法の開発 |
大成 博文 |
徳山工業高等専門学校 |
加治 哲徳 |
徳山工業高等専門学校 |
マイクロバブル技術について十分に検討されており、作物の根系の発達に大きく影響することなどの成果が得られたものと評価される。今後、研究をさらに進めるにあたっては、作物栽培において最も重要な日照条件への配慮や生育盛期における実験が必須と思われる。 |
1546 |
長方形切欠による噴流制御技術を用いた家庭用エアカーテンの開発 |
張間 貴史 |
徳山工業高等専門学校 |
加治 哲徳 |
徳山工業高等専門学校 |
装置の製作は一応完了しているが、目標の噴流によるエアーカーテンとしての特性についての調査結果は得られていない。今後、企業化に向けて、噴流制御について検討するための均一流れ場を確立し、装置の改良・調整を行うなど、より一層の取組みが望まれる。 |
1547 |
屋根仮設作業の作業性を改善する従来比1/4軽量化足場板の開発 |
原 隆 |
徳山工業高等専門学校 |
加治 哲徳 |
徳山工業高等専門学校 |
当初の目標を概ね達成し、企業の協力も得られ、研究は順調に進んでいるものと評価される。今後、企業化にあたっては、足場板と鉛直枠材(ビテイなど)との接合方法に関する検討が必要であると思われる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1548 |
可視光応答型光触媒用酸窒化物半導体のバンドギャップエンジニアリング |
吉田 岳人 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
研究の方向性は良いが、当初の研究計画が達成されなかった。PLA法による単体GaN結晶の作製が予想以上に困難であったため、目標とする酸窒化物混晶ナノ粒子は創製できなかったが、N2ガスでもGaN結晶ができることを見出したのは功績である。 |
1549 |
非接触磁気歯車の高トルク化と各種伝動装置の非接触高機能化への応用 |
原野 智哉 |
阿南工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校(H22.4.1〜香川高専) |
当初課題であった高トルク化の目標はほぼ達成できたが、伝達効率の向上には歯車伝達による接触型が望まれる。しかし、非接触歯車伝達を目指す本研究の意義は大いにみとめる。現段階では、実用化や真に役立つ知的財産の確保などのレベルには達していない。更なる展開を期待する。 |
1550 |
防虫効果を備えたLED照明装置の開発 |
釜野 勝 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
計画通り研究が実施された。昆虫の誘因性をLEDの色調と周波数により解析した点が非常に期待が持たれる。今後は、研究が生物を対象とした部分が大きいので、積極的に生物系研究者と共同実験を進めて頂きたい。既に本研究に関して特許申請されているが、さらに低誘引で高照度の照明を考慮した特許取得等に向けても有利と思われる。LED昆虫防除装置のに実用化に近づくものと期待できる。 |
1551 |
LED製品開発支援のためのLED最適配置自動計算プログラムの開発 |
上原 信知 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
当初の計画が変更され、輝度シミュレーションプログラムの開発を行い実機との比較を行っている。当初計画の範囲を超えて、照度計算プログラムを開発し検証したり、CADとの連携を確認するなど目的をよく達成している。しかし、企業化に向けた取り組みや知的財産権確保については具体的戦略が乏しい。学会発表が計画されているので知的財産権取得にも努力願いたい。 |
1552 |
レンコンの加工残渣(皮、節)由来ポリフェノール成分を活用した食酢の開発 |
山本 澄人 |
徳島県立工業技術センター |
武知 博憲 |
徳島県立工業技術センター |
レンコン加工残渣のみを主原料とする食酢の製造方法を確立した。しかし、ポリフェノール特徴的成分の特定ができなかった。用いる酵素剤が多量であり、製造コストが合わない。実用化は難しいと判断される。 |
1553 |
和菓子の賞味期限予測のための耐熱性芽胞菌増殖予測モデルの開発 |
岡久 修己 |
徳島県立工業技術センター |
武知 博憲 |
徳島県立工業技術センター |
果糖が砂糖よりも菌増殖抑制効果が高いことを明らかにしたが、和菓子に砂糖の代替として果糖を用いることの可能性に疑問を感じる。しかし、多数の菌の候補株から実験に適した1種を選抜し、和菓子賞味期限予測のための耐熱性芽胞菌の増殖予測モデルが構築できた。実用化の可能性はあるが、検討すべき問題点が多くある。 |
1554 |
年齢性別による体格差体形差の測定分析と、それを生かした家具の開発 |
中瀬 博幸 |
徳島県立工業技術センター |
武知 博憲 |
徳島県立工業技術センター |
当初の実験計画は達成したと評価される。ただ、規格化などの努力が必要であり、またそれをベースとした家具の設計指針が示されることが、企業化の観点から必要である。体格測定とその測定結果に基づく個人向け家具開発のアイデアは面白い。他の家具メーカーにも波及できるような一般化した指標が必要である。実用新案など知的財産権の獲得は可能であろう。検討してほしい。 |
1555 |
がん放射線治療装置・PET診断装置の安全確認イメージセンサーの開発 |
佐瀬 卓也 |
徳島大学 |
塩崎 紀子 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
当初の目標はおおむね達成できた。汎用実用化されるには新たな課題もあり、特許出願のためにもイメージセンサーキットと測定系の更なる改良が必要である。企業化に向けた具体的な展望が乏しい。 |
1556 |
新規エストロゲン受容体活性化制御分子によるホルモン依存性乳癌増殖機構の解明および新規乳癌治療法の開発 |
片桐 豊雅 |
徳島大学 |
斎藤 祐一(H22.4.1〜平岡 功) |
徳島大学 |
同定された乳ガン特異的タンパク質分子ERAP1の機能解析が進められ、臨床医学的に非常に興味ある知見が得られつつある。基礎研究としてユニークな側面はあるが、治療法の開発など臨床応用には遠い。将来新しい乳ガンの治療法となりうる潜在的有用性は充分にあると考えられるが、企業化及び知的財産権確保に向けては、なおいっそうの展開が必要である。 |
1557 |
鉄−ケイ素複合型酸化物触媒の開発と炭化水素類の官能基化プロセスへの展開 |
菊池 淳 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
シリカゲルに金属を担持した触媒の再利用技術に関する基礎的研究であり、提案時の目標は達成できていると思う。「酸素暴露で触媒能を失う」点に全く触れられておらず、この弱点が克服されないと今後の実施予定課題も立てられない。迅速に知的財産権確保を目指していただきたい。 |
1558 |
ガン治療用シードの品質検定システムの開発と応用 |
中山 信太郎 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
装置の有効性についての基本的な検討はほぼ終了している。正常に装着されたシードに対する品質検定装置としては十分な性能を示し、試験機を製作中であるが、臨床使用上の問題点など、実用化に向けて解決すべき課題が残された。がん治療用密封小線源(シード)の放射線強度測定装置の特許は出願・取得済みである。 |
1559 |
熱帯域原産の水草類を利用した高負荷廃水の栄養塩除去支援手法の開発 |
山本 裕史 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
計画通りに実施され、成果も得られている。この方法が定性的には効果があることは示されているが、必要な滞留時間がかなり長く、これを短くすることは原理的に困難と思われる。この手の研究の実用化においては、コスト面が決定的なファクターとなる。完全管理施設内での実施はむずかしく、野外での実施となる。その場合の検討がなされていない。知的財産の確保について積極的に取り組んでほしい。 |
1560 |
D-アミノ酸含有生理活性ペプチド類の酵素的合成法の開発 |
川城 克博 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
計画は概ね実施され、(非タンパク)アミノ酸の酵素的な取り込みには成功しているなど興味あるデータが多数得られている。しかしながら、ジペプチドの合成段階であり、より困難を伴うことが予想されるトリペプチド以上の合成には着手していない。合成の観点からは、生成物の量的な面も含め、分離・精製の方法の確立が、急務である。それがなければ、企業化の意味合いがない。そのための具体案は記載されておらず、知的財産権確保に関する予定はない。 |
1561 |
有用生理活性物質の環境に優しい迅速合成法の開発 |
河村 保彦 |
徳島大学 |
兼平 重和 |
徳島大学 |
当初の目標を達成している。マイクロ波の活用により、反応時間も短く、省エネの観点からも優れた結果が得られている。しかし、合成の効率を上げた事以外には具体的には何も書かれておらず、具体的に何を合成したのかと,時間短縮だけでなく収率がどれほど向上したかを記載して欲しい。知的財産権確保は予定されている。 |
1562 |
層状複水酸化物を用いた高利用率リン酸肥料の開発 |
倉科 昌 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
当初の目標は完全には達成できなかった。リン酸は作物への吸収利用が少ないことから、吸収性の高いリン酸肥料を開発しようとしたが、従来の肥料より優位なものを見出せていない。高効率吸収リン酸肥料の開発は可能性があり、この肥料が作物に良い結果を出せば企業化が可能になるが、得られたデータから類推して、従来の肥料とコストを比較し経済的にプラスになるかは、かなり疑問が残る。今後の進展を期待する。 |
1563 |
魚類飼育養殖由来アンモニア性窒素の除去資源化手法の開発 |
杉山 茂 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
着眼点は素晴らしいが、中心となる実験に用いた試水中のアンモニア濃度が著しく低いためにアンモニアを添加していて、しかも添加量が異常に多く、申請者が目的としている実際の魚類の養殖環境とは全く異質な条件になっている。海水のpHは約8であり、本方法におけるこのpH付近での回収率は極めて低い。このアンモニア除去率では実用化はむずかしい。 |
1564 |
優れた光触媒特性を示す新規薄片状金属酸化物ナノシート触媒の開発 |
中川 敬三 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
計画通り研究は実施された。疎水性有機物の光分解作用は認められるが、親水性有機物に対する効果、耐久性、塗布方法などまだ課題が多い。寿命を考えた時、界面活性剤の太陽光下での安定性の確認が要求される。太陽光に近いスペクトルでの実験が必要。企業化への努力を期待する。 |
1565 |
機能性材料としてのイオン液体ナノカプセルの設計 |
平野 朋広 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
目標とするナノオーダーのイオン液体カプセルが合成され、多孔性の膜形成能が明らかにされた。もう一歩踏み込んで得られたポリマーの構造が確認される実験的事実を記載して欲しい。現在のところ特許も論文もなく企業化への計画も示されていない。知的財産権確保を目指し一層の努力を期待する。 |
1566 |
新しい歯科用ハンドピース拡張デバイスの開発 |
伊藤 照明 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
装置を組み合わせるだけに終わってしまい、実験の積み重ね、精度検証が不十分である。ハンドピース拡張アタッチメント(HA)の開発が未達成である。今後の更なる展開と知的財産権取得への取り組みを期待する。 |
1567 |
省エネルギー二重反転形小型ファンの研究開発 |
重光 亨 |
徳島大学 |
兼平 重和 |
徳島大学 |
設計試作したファンによる性能データの取得を終えた。すでに企業と共同研究を行っており、完成すれば即企業化に移れると考えられる。二重反応形小型ファンは、すでに市販もされていることから、早急に開発を期待する。 |
1568 |
レーザー微細加工による光ジャイロセンサの開発 |
三輪 昌史 |
徳島大学 |
兼平 重和 |
徳島大学 |
フォトニック結晶の設計に時間がかかり、当初の計画より進捗が遅れている。シミュレーション結果のみで、作り上げた物の評価がない。少なくとも動作したかどうかの記述が必要であった。また企業化、知的財産権確保についての視点が弱い。 |
1569 |
レーザートラッピングによる生細胞の健康度センシング技術の開発 |
橋本 修一 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
研究目的の基本であるゼオライト結晶の合成が達成され、薬剤の担持の試みが行われており、今後の展開が期待できる。知的財産権確保についても検討されている。 |
1570 |
透明固体基板の内部微細加工技術の拡張 |
松尾 繁樹 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
シリカガラスの高精度・高効率エッチングについては当初の目的が達成され、三次元微細加工の実現が期待される。有用な技術の開発研究であるが、まだ基礎的な段階で実用化には少し遠いと思われる。 |
1571 |
多点式高精度静電容量計の土木計測への応用 |
上野 勝利 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
安価なセンサーやデータロガーなどの装置の開発に関しては当初の目標を十分に達成している。開発した装置による現位置計測データがやや不足しているため、データの蓄積が急務である。しかし、実用化にもう一歩のところにある。特許等の出願は未定のようであるが、今後は期待できそうである。 |
1572 |
如何なる強風下においても安全に発電可能な直線翼垂直軸風車の開発 |
野田 稔 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
風車・発電特性は測定され、当初の目的は達成されたと判断できる。ただ、強風環境において停止時の特性が議論されていないのが残念である。強風のエネルギーを充分吸収できる風車発電機を狙っているのかどうか、理解が難しい。企業化については充分な記述が無く、知的財産権確保の計画がない。 |
1573 |
安全かつ環境影響低減型有機・無機ハイブリット抗菌剤の開発と応用研究 |
白井 昭博 |
徳島大学 |
兼平 重和 |
徳島大学 |
重大な計画変更が行われている。安全で抗菌作用を有する塗料・シーリング材の開発の重要性とハイジェニアを用いたハイブリッド抗菌剤の開発には一定の評価ができる。しかし、抗菌性及び耐候性試験が不充分と思われる。企業との共同開発が実施されていると判断され、特許出願はしているが、企業化に向けて更なる展開を期待する。 |
1574 |
AgsAを用いた新規蛋白質安定化システムの開発 |
友安 俊文 |
徳島大学 |
斎藤 祐一(H22.4.1〜平岡 功) |
徳島大学 |
当初の目標をほぼ達成している。制限酵素やその他酵素の活性保護効果が見られたことは今後の商品化に向けて明るい材料である。さらに、未検討の酵素も含めて多くの酵素について検討を加え、体系的に評価することで、より商品化に近付くと考えられる。知的財産権確保が計画されている。 |
1575 |
生体内低酸素環境で選択的に機能する蛍光性pHプローブの開発 |
中田 栄司 |
徳島大学 |
斎藤 祐一(H22.4.1〜平岡 功) |
徳島大学 |
研究計画からは少し離れたが、得られた成果は優れている。研究の基盤となる蛍光プローブの開発は興味深い。実用化に向けて今後の努力を期待する。学会発表、論文はないものの、特許出願している。 |
1576 |
昆虫の形質転換技術の応用による薬剤評価システムの開発 |
三戸 太郎 |
徳島大学 |
斎藤 祐一(H22.4.1〜平岡 功) |
徳島大学 |
トランスジェニックコオロギを利用した薬剤の評価システム開発のテーマは、きわめてユニークで興味深い。しかしながら、当初利用予定の発現ベクターが機能せず、実際には計画のほとんどが実施されていない。そこで、当初計画に含まれるもうひとつの課題である、導入遺伝子の部位及び時期特異的な発現誘導システムの開発を主な目標に変更した。この目標に向けての研究は精力的に実施され、成果が順調に得られており、実用化に近付いている。今後は、企業化ならびに知的財産権取得を目指して努力を続けていただきたい。 |
1577 |
農産物由来ポリフェノールのPDE酵素阻害活性に基づいた新規生理活性の探索 |
湯浅 恵造 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
当初目標のうち、ポリフェノールの酵素活性阻害および細胞レベルの抗炎症作用の成果は得たが、特定の炎症性疾患モデル動物を用いた効果に対する検証とその可能性については具体的アプローチに欠ける。マラリア原虫での研究が実施されていない。企業化、ならびに知的財産権確保を目指してもう一度計画を立て直していただきたい。 |
1578 |
視聴者に適応するe-Learning教材実空間配信システムの開発 |
光原 弘幸 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
当初の目標が十分には達成されていない。時間をかければ到達可能と思われる。新しい教育支援システムとして企業化が期待されるところであるが、適応的教材決定部分の実現と検討が不足していることが残念である。デジタルサイネージの検証・実用化により企業化が図れると考える。知的財産権確保に向けても一層の努力を願いたい。 |
1579 |
マイクロ波電力伝送用高周波整流ダイオードの開発 |
大野 泰夫 |
徳島大学 |
兼平 重和 |
徳島大学 |
達成されていない部分はあるが、当初の目標をほぼ達成している。マイクロ波整流用ダイオードとしての方向性が見出されている。横型に関して、期待していた結果が得られなかったのは残念である。今後の基礎的な知識の蓄積に期待したい。マイクロ波整流用ダイオードについては知的財産権確保の検討が進んでいる。 |
1580 |
圧電トランスを用いた小型オゾン発生システムの開発 |
寺西 研二 |
徳島大学 |
兼平 重和 |
徳島大学 |
当初の計画どおり研究は実施された。性能的にはオゾン発生量が目標値に達成していないが、実用化レベルには達している。試作品もできており、企業化の可能性を十分に含んでいる。知的財産権確保の検討がなされており、今後も開発を続けていただきたい。 |
1581 |
フォトニックルーティングのためのPSK光ラベル識別用光集積回路の開発 |
後藤 信夫 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
集積回路を作成するところまではできていないが、理論的な解析を基礎に新たな提案を行っている。研究の1つの目標である理論解析により新たな光ラベル識別回路の提案を行い、その検証実験に積極的に取り組んでいる。まだその検証が達成できていないが、今後の進展が期待できる。企業化までにはしばらく時間が必要であろうが、可能性が高く、知的財産権確保を含めて努力願いたい。 |
1582 |
人に優しい空中3D表示のための可変焦点レンズの開発 |
陶山 史朗 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
当初計画目標には完全には達していないが、試作品の評価は十分に行われており、問題はないと思われる。完成にはまだまだ時間を要すと考えられ、企業化に向けての展望は立てにくい。研究成果のいくつかは特許化できる可能性が高いので、知的財産権確保を含めて今後のご努力を期待する。 |
1583 |
経験の少ない医師でもマスク換気が容易な麻酔用マスクの開発 |
田中 克哉 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
残念ながら、研究成果が応募申請時から大きく進展しているとは言い難い。試作品の作成が遅くなり、臨床試験がまだ行われていない。しかし、マスクの改良が行われ、圧センサーという別の製品開発への端緒が開かれたことは評価できる。 |
1584 |
大腸癌に対するマルチモーダルイメージングプローブの開発 |
中村 教泰 |
徳島大学 |
斎藤 祐一(H22.4.1〜平岡 功) |
徳島大学 |
試験管内の結果のみであったが、当初の実験計画は十分達成している。企業化に向けた可能性が示されている。知的財産権確保に向けて努力を期待する。 |
1585 |
先端医療応用に向けた革新的siRNA腫瘍選択的デリバリーシステムの開発 |
石田 竜弘 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
地道に研究を進められており、成果はまだ十分とはいえないが、当初の研究計画はほぼ達成したと思われる。企業化に向けた展望が示されている。知的財産権確保に向けて努力を期待する。 |
1586 |
抗菌活性天然物を鋳型とする新規抗菌剤の開発 |
宍戸 宏造 |
徳島大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
計画した化合物の合成に成功し、所期の目的を十分に達成している。学術的な意味での成果にはすばらしいものがある。天然物を素材としてMRSAを押さえる可能性のある化合物を見出したことは評価出来る。研究成果の発表は十分であるが、企業化、知的財産権取得についての取り組み方が不十分である。 |
1587 |
多発性骨髄腫由来ガン幹細胞に対する新規バイオマーカーの探索 |
辻 大輔 |
徳島大学 |
斎藤 祐一(H22.4.1〜平岡 功) |
徳島大学 |
計画された研究はほぼ遂行されている。基礎研究結果と一致するかどうか比較検証できれば、診断治療への実用化のステップの展開も期待できる。企業化については、現段階ではまだ基礎研究レベルであり、今後の展望が期待される。知的財産権確保については具体的に示されていない。 |
1588 |
生理活性リゾリン脂質に富む抗潰瘍性サプリメントの開発 |
徳村 彰 |
徳島大学 |
斎藤 祐一(H22.4.1〜平岡 功) |
徳島大学 |
当初目標とした試験項目を具体的に実行している。その結果、予想した実用的効果が確証できる多くの成果を得た。しかし、実施計画のうちニワトリ卵白を省略したこと、有望な素材を選んだにもかかわらず、胃潰瘍試験では一部実施されなかった。企業化の可能性も高く、知的財産権確保についても取り組みが実行されている。 |
1589 |
ヒト唾液タンパク質由来複合ペプチドによる歯周病細菌定着阻害剤の開発 |
片岡 宏介 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
研究は計画通りに実施され、ある程度期待通りの結果が得られたものと判断できる。歯周病菌の付着・定着に関わる唾液タンパク質の結合部位を阻害物質として利用しようとする意図も明確でわかりやすい。ただし、本物質の量産化のコストから見ても、実用化するには方向性が見出せたが、もう少し低濃度での効果が求められるのではないか。知的財産権確保への努力も継続願いたい。 |
1590 |
RNA干渉法を用いた創傷治癒促進・瘢痕形成抑制術の開発 |
泰江 章博 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
計画に従い研究が進められた。その結果、期待通り口蓋の創傷治癒促進効果が認められた。しかし、解析は不十分であり、効果の分子メカニズムの解明には至らなかった。今後の治療薬の開発につながる企業化の具体案は記載されていない。知的財産権確保は困難な見通しである。 |
1591 |
優れた抗菌性を有するティッシュコンディショナーの開発 |
内藤 禎人 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
当初目標がほぼ達成されていると思われる。これからの高齢化社会においては、義歯による快適な食生活の介助がとても重要になる。義歯の安定に欠かせないティッシュコンディショナーに着目し、自然素材の有用性を利用しようとするアイデアは評価に値する。すでに特許出願が行われ、また臨床試験申請が準備中である。企業化に向けた展望では、やはり実際の臨床試験が望まれる。基礎データだけでは不十分で、患者での使用試験が必要であろう。 |
1592 |
神経変性疾患予防食材の開発 |
福山 愛保 |
徳島文理大学 |
富田 基郎 |
徳島文理大学 |
有効成分の培養細胞に対する作用ならびに最適置換基など基礎的研究項目は実施された。しかし、当初目標の有効性の評価実験など一部実験が遂行されなかった。そのため、特許出願はされているが、実用化技術の開発には時間を要すると思われる。 |
1593 |
新規検定法によるシトリン欠損症治療薬の検索 |
佐伯 武頼 |
徳島文理大学 |
富田 基郎 |
徳島文理大学 |
おおむね研究目標は達成出来たと思われる。希少疾患かもしれないシトリン欠損症に対する独自の疾患モデルマウスを用いるアプローチから治療薬の候補となる化合物が見出されている。企業化に向け具体的に企業との共同研究が実施されており、また予定された特許出願も進行中である。 |
1594 |
未利用植物資源の形質転換体の作出と機能性評価 |
西川 和孝 |
鳴門教育大学 |
木下 凱文 |
鳴門教育大学 |
報告書には具体的な含量が記載されていないため、詳細は不明だが、植物資源より生理活性二次代謝物(フラボノイド)の同定に成功したことは評価できる。企業化や知的財産権取得は、このままでは難しいと思われる。報告書の中で、紹介されている他のタツナミソウ属植物での研究に期待したい。 |
1595 |
藍色発色に対する光学的影響を考慮した阿波藍染木材の開発 |
尾ア 士郎 |
鳴門教育大学 |
木下 凱文 |
鳴門教育大学 |
阿波藍染木材を地場の特産品として開発しようとする方向性は評価できる。太陽光下での発色が紫外線照射のそれよりも早いことから、有効波長についての精査が必要ではなか。新規性があり、新しい製品開発の可能性を含んでいるが、現段階では実用化にはかなりの検討が必要であると考えられる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1596 |
ファイバーレーザを用いた微細接合に関する研究 |
宮内 創 |
香川県産業技術センター |
白川 武志(H22.4.1〜佃 昭) |
香川県産業技術センター |
実施計画に沿って,微細接合の最適条件の探索が行われている。ビームの焦点距離や走査速度が重要なパラメータであることを明らかにしており評価できる。企業向けに発信できる研究結果が得られており、具体的な用途に即して特許出願の可能性がある。今後の展開を期待する。 |
1597 |
卵胎生魚であるメバル類人工交配種の生産 |
山賀 賢一(H22.1.4〜栩野元秀) |
香川県水産試験場 |
白川 武志(H22.4.1〜山田達夫) |
香川県産業技術センター(山田様:香川県水産試験場) |
本研究は、不運な点(親魚の養殖メバルの成熟が悪かった、産仔のピーク時に産仔がほとんどみられなかった等)もあり、達成度は低い。しかし、親による産仔状況の相違を把握できたことなど成果も得られている。企業化の可能性を判断するためのデータが不足している。今後は基礎データを取得するために、一層の試験研究の積み重ねが必要である。 |
1598 |
食品・農産廃棄物からの熱水溶性多糖類ニゲランの生産とオリゴ糖への変換 |
田 悟郎 |
香川大学 |
塩崎 紀子 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
当初目標がほぼ達成された。研究成果は、ニゲランを大量に得るための条件が設定できたこと、また、ニゲランを分解する酵素を生産する微生物を発見したこと。しかし、廃棄物を用いたニゲランの生産性は不十分である。2件の共同研究を始めており、企業化への可能性が期待される。知的財産権確保の努力も継続願いたい。 |
1599 |
協調学習支援・緊急時対応を可能とする分散型情報サーバの開発と評価 |
今井 慈郎 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
分散型Web−DB連携情報サーバ群の構築を計画通り実現できたが、評価について不十分である。今後評価方法と手段をさらに検討する必要があると思われる。企業化に向けた展望が殆ど見えず、関連企業と連携を行って、効果があるかどうか、市場があるかどうか、明らかにした方がよいのではないか。製品化や他のシステムとの差別化が望まれる。 |
1600 |
臨床検査としての高感度ガレクチン−9測定法開発と種々疾患における意義 |
有川 智博 |
香川大学 |
長崎 倶久 |
香川大学 |
当初目標のガレクチン9に対するELISA系が確立しており、臨床検体を用いた成果が出始めている。研究成果の論文化もできているが、報告書にはもう少し具体的なデータを含め説明が必要である。当面企業化に向けた具体的取組みはなく、特許出願は計画されていない。 |
1601 |
筋萎縮性側索硬化症における希少糖による治療法の開発 |
板野 俊文 |
香川大学 |
長崎 倶久 |
香川大学 |
当初の計画目標はほぼ達成されたと思われる。ALSモデルマウスでD-アロースの効果を検討し、D-アロースが活性酸素の発生を抑制した。ALS発病前に比して発病後は変異SOD遺伝子発現量は増加したが、SOD活性は不明である。特許はすでに出願されている。 |
1602 |
近赤外線分光法を用いた嗅覚評価法の開発 |
唐木 將行 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
嗅覚の他覚的評価法の開発の達成度では、定性的には可能であるが、定量性には欠ける。測定方法の改良が必要と思われる。副鼻腔炎による嗅覚障害患者の嗅覚を本法で他覚的に評価し、手術前後での変化をとらえた点は評価できる。パーキンソン病の早期診断への応用は、今後の課題である。まだ基礎的データの蓄積が必要であり、企業化は困難と思われる。知的財産権の確保も困難と思われる。 |
1603 |
希少糖D-アロースの癌細胞増殖抑制効果の有効な利用法の開発 |
徳田 雅明 |
香川大学 |
長崎 倶久 |
香川大学 |
予定した計画を実行し、予想した結果が得られた。癌抑制として大いに期待でき、成果は評価できる。企業化に向けて今後の展開が期待される。 |
1604 |
高純度アルギニン特異的蛋白分解酵素の量産系の開発 |
宮田 茂 |
香川大学 |
長崎 倶久 |
香川大学 |
当初目的に沿って、当該有用酵素について、発現量と精製が達成されている。高純度に精製する方法を確立した点はたいへん高く評価できる。しかし、企業化に向けた具体的な共同研究等はなく、特許出願も計画されていない。 |
1605 |
形状記憶合金ワイヤを用いた携帯型点字ディスプレイの開発 |
澤田 秀之 |
香川大学 |
渡辺 利光 |
香川大学 |
当初の目標を達成し、特筆すべき成果が得られた。ただ、点字ピンの駆動機構の耐久性が問題になる可能性がある。本システムに音声認識システムを利用して双方向コミュニケーションが可能であると思われる。実証実験を開始しており、実用化に向けての問題提起は適切である。知的財産権の確保についての検討が十分に行われ、企業化に必要な特許等の出願を3件行っており評価できる。 |
1606 |
Web-DB連携サーバーを用いた中小企業のBCP策定支援システムの開発 |
白木 渡 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
当該システムを使った安否確認の実証実験以外には、計画通り達成されたと思う。有用性の確認ができていないが、プロトタイプの開発には成功しており、実用化の可能性は認められる。知的財産権確保に関しては、システム特許に分類されるので取得は難しいということで、商品化を優先し目指すことは評価できるが、特許取得に向けてチャレンジして欲しい。 |
1607 |
波浪エネルギー吸収型動揺抑制装置の開発と応用 |
末永 慶寛 |
香川大学 |
永冨 太一 |
香川大学 |
申請された実験のうち、モデル実験は行われているが、フィールド実験等が行われていない。カキいかだの様に、いかだに直接釣り下げられているようなシステムの場合、いけすの振動がなくなることは、直接的なメリットと考えられる。本研究の目的を広く考えることにより、養殖業への有効性が考えられる。特許出願は準備されている。 |
1608 |
高性能結晶面を有するTiO2ナノ粒子の開発と色素増感型太陽電池への応用 |
馮 旗 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
数値目標として掲げたうち一部未達成であるものの、TFT応用についてはほぼ達成し、その成果を次の研究課題につなげるとともに、企業との共同研究を開始していることは評価できる。実用化目標に近いエネルギー変換効率が達成されて、企業化標的が明確化されている。本研究成果が特許出願中である。 |
1609 |
干渉露光法を用いた金属ラティス構造の作製とスピン機能の制御 |
宮川 勇人 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
GaAsGd/GaAs多層構造の室温において強磁性が確認されたのは評価できる。目標が達成できれば非常に有用な研究となるが、まだまだその基盤としての研究成果が得られていない。結果を深く考察し、効果的な試作、実験を実施してほしい。企業化標的が明確にされておらず、知的財産権確保について計画されていない。 |
1610 |
人工誘導巣を用いた新規な家屋侵入害虫アリ防除方法の開発 |
伊藤 文紀 |
香川大学 |
Lee YongKyung |
香川大学 |
当初の計画とは、異なる方向へ進んでいる。しかし、方向性はよいので、新たな課題に基づく研究を進めることが必要である。殺虫剤を使用しない外来種のアルゼンチンアリの営巣行動を見事に解析している。企業化はこれからと思われる。今後天然物化学の研究者と共同研究することが望まれる。新規性に疑問があるが、アルゼンチンアリの誘因物質の同定により、物質に関する特許取得が可能であろう。 |
1611 |
食用乳化剤を用いた食べられるナノサイズエマルションの省エネな調製法の開発 |
合谷 祥一 |
香川大学 |
塩崎 紀子 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
安全で省エネのナノサイズエマルション調整法を確立するという当初の研究計画に対し、目標より小さい平均径の調整法ができた成果はあるが、実用化には新たな課題もある。乳化剤/水/食用油の相図を作成し、食用乳化剤を用いた食べられる調製法を開発したことは評価に値する。企業との連携体制構築により実用化の可能性は示されているが、知的財産権取得についての検討はやや不足している。今後の展開を期待したい。 |
1612 |
二珪化鉄熱発電モジュールを利用した充電器の開発 |
相馬 岳 |
香川高等専門学校(高松) |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校(H22.4.1〜香川高専) |
耐久性試験は未達成であるが、他は当初の計画を達成している。ぜひ成果を活用して実用化につないでほしい研究である。ただ、実用化までにはクリアしなければならない課題が多く残されている。知的財産権の確保についての検討は行われている。 |
1613 |
酸化物ナノアイランドを用いた簡易型紫外線センサの開発 |
岡野 寛 |
香川高等専門学校(高松) |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校(H22.4.1〜香川高専) |
研究計画は確実に遂行されており、当初の目標はかなり達成されている。計画段階では想定していなかった「光触媒材料として、酸化ニオブが最適である。」との知見が得られた。紫外線センサとして目標は達成されたが、商品化するためのSSD化や小型化がまだ不明確である。紫外線センサとして特許申請が計画されている。 |
1614 |
人体数値モデルを用いた体内電流の数値解析による低周波治療への応用 |
太良尾 浩生 |
香川高等専門学校(高松) |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校(H22.4.1〜香川高専) |
当初の計画よりシステム構築に時間がかかり、データがほとんど収得出来ていない。しかし、体内電流密度を把握するシステムは構築できたので、それを活用して失禁治療へ応用することが期待できる。企業化の可能性を見出すにはまだ研究結果が不足している。知的財産権確保に向けて新たな展開を期待する。 |
1615 |
マイクロ波―固体触媒を用いたバイオETBEの迅速製造技術開発の検討 |
キタイン アルマンド |
財団法人かがわ産業支援財団 |
加藤 俊作 |
財団法人かがわ産業支援財団 |
マイクロ波―固体触媒を用いてTBAとEtOHからETBEが短時間、高転化率で合成できることを見出しており、今後の企業との実用化研究により、工業化が可能と思われる。特許出願も予定しており、実用化に向けた検討を期待する。 |
1616 |
ヒト常在性真菌の感染性表現型の簡易検出法の開発 |
文谷 政憲 |
徳島文理大学 |
中島 賢一郎 |
徳島文理大学 |
当初の真菌の感染性に関する研究課題がまったく達成されていない。基礎的なデータは有効かもしれないが、実用化のメドがたてられていない。今後も企業化および知的財産権確保のための努力を期待する。 |
1617 |
表面薄膜における反射干渉の位相検出に基づく高感度非標識検出技術の開発 |
大槻 荘一 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
和田 英男 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
タンパク質の量の計測が高感度で達成できたことは、当初目標を下回るとしても将来に大いに期待できる。研究成果は十分ではないが、特定タンパクの検出という点で期待は大きい。今後の検討では感度向上の可能性があり、知的財産権確保に向けて挑戦していただきたい。 |
1618 |
耐塩性・耐アルカリ性を有する銀系無機抗菌剤の開発と持続性向上に関する研究 |
槇田 洋二 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
和田 英男 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
新規銀系抗菌剤の開発研究であり、緻密な計画と実験研究が進められている。水溶性切削油への応用という設定がわかりにくいが、当初目標のアルカリ液濃度液での実験がまだ実施されていない。抗菌剤を他の目標に変更すればさらに利用価値が大きくなるのではと推測される。特許出願予定との記載はあったが、かなり製品化が難しい。切削油の場合、現状は極めて安価な抗菌剤が使用されている。 |
1619 |
抗菌ペプチドの膜結合性評価に基づく高活性化技術の開発 |
福岡 聰 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
和田 英男 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
予定していたデータが得られており、今後の本研究の足がかりが出来た。しかし、抗菌活性の高度化はまったく達成されていない。抗菌ペプチドの作用モデルが提案されているが、それが実際に生かされていないように思われる。共同研究が実施されており、知的財産権確保を期待する。 |
1620 |
バイオ水浄化システムを組み込んだ閉鎖循環飼育の開発 |
山本 義久 |
独立行政法人水産総合研究センター |
岡 雅一 |
独立行政法人水産総合研究センター |
当初目標を大概達成されているが、飼育魚と混在する条件下での試験に少し疑問を感じた。閉鎖循環飼育システムの開発につき、盛り沢山の検討がなされ、且つ、コスト面や経済的価値についても試算されている点が高く評価できる。コスト低減を力説されてはいるが、企業化の可能性が大きいが、まだ資料不足と思われる。 |
1621 |
近赤外領域における受光用有機燐光材料の開発 |
森宗 太一郎 |
香川高等専門学校(詫間) |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校(H22.4.1〜香川高専) |
燐光材料を用いた有機受光素子は優れた特性を持っていることが確認できた。素子破壊対策を立てることにより、実用化が大いに期待できる。国際会議での発表や、他大学との共同研究による研究継続が計画されているが、知的財産権確保に向けても努力を期待する。 |
1622 |
発光デバイス材料の光励起過程評価システムの開発 |
矢木 正和 |
香川高等専門学校(詫間) |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校(H22.4.1〜香川高専) |
光吸収、発光励起、光音響スペクトルの単独測定が可能な光学系が構築されたことは評価に値する。しかし、光音響セルの改良は一部はたせたものの、測定データの解析方法の確立がされておらず、評価システムの構築が完成されたとはいい難い。他大学との共同研究が計画されているが、企業化に向けた展望は不十分である。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1623 |
キウイフルーツのツル(枝梢)の紙への利用技術開発 |
中村 仁 |
愛媛県産業技術研究所 |
門家 重治 |
愛媛県産業技術研究所 |
産業廃棄物であるキウイフルーツのツルを紙に応用しようとする研究は,独創的で研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.製品化には,粘性が紙用途に向いているかどうか,また,変色は大丈夫かなどの問題が残ると考えられます.これらの課題に対して,実証実験で有効性が示されれば,実用化の可能性は高くなると思われます.企業化に必要な,知的財産権確保と今後の特許取得戦略については,充分な検討が行われています. |
1624 |
イオン液体を利用した製紙スラッジの糖化に関する研究開発 |
中河 三千代 |
愛媛県産業技術研究所 |
森川 政昭 |
愛媛県産業技術研究所 |
イオン液体を利用した製紙スラッジの糖化に関して,研究実施計画に記載されている事項は,ほぼ遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.しかし,製造過程で大量のエネルギーが使われている高価なイオン液体を使って,安価なセルロースを回収することが経済的に成立するのかとの懸念もあります.今後,経済性に係わる検討に加えて知的財産権確保の検討も望まれます. |
1625 |
高機能繊維を用いた多層構造織物の開発と液体用フィルター素材への応用に関する研究 |
玉井 浩二 |
愛媛県産業技術研究所 |
石丸 尚志 |
愛媛県産業技術研究所 |
高機能繊維を用いた多層構造織物の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項は遂行されていますが,目標の液体フィルターへの優位性などが出ていません.また,実証データも得られていないという課題が残っております.しかしながら,フッ素樹脂繊維は新しい機能繊維であり,その製織シートは耐熱特性等を生かしたフィルター等への実用化が期待されます.「二重ビーム織機の特色を生かせる実証データが得られれば特許出願を検討する」とありますので,今後の研究進展を期待し,企業化に必要な知的財産権確保を検討されることが望まれます.また,フッ素樹脂の廃棄に伴う環境問題の検討も必要であると思われます. |
1626 |
電磁波を受けて発熱する新規陶磁器製品の研究開発 |
大塚 和弘 |
愛媛県産業技術研究所 |
安岡 史朗 |
愛媛県産業技術研究所 |
電磁波による加熱が可能な陶磁器の開発に関して,当初の目標を上まわる成果が得られたと認められ,事業化の可能性も見出されています.特に,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.製造上の問題として熱疲労に対しての評価や歩留まりの改善などについてさらに検討されることを望みます.また,酸化チタン混練の手法と他の金属酸化物を発熱体として活用した事例との差別化を明確にされることを期待いたします.なお,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については検討が行われているものと考えます. |
1627 |
スイーツなど新規食材用途に適したサトイモ品種の選抜と試作品の開発 |
淺海 英記 |
愛媛県農林水産研究所 |
栗坂 信之 |
愛媛県農林水産研究所 |
スイーツなど新規食材用途に適したサトイモ品種の選抜に関して,スイーツ原料品種選定のためのデータベース化ができたなどの成果が得られたと認められます.スイーツの試作や食味評価も行なわれており,事業化の可能性も見出されています.特に,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.事業化に向けた新たな具体的アクションと更なる研究計画が明らかにされており,今後の知的財産権確保と特許取得戦略についての取り組みも評価できます. |
1628 |
デルフィニウムの省力的採種を可能にする遺伝子の利用技術の開発 |
岡本 充智 |
愛媛県農林水産研究所 |
栗坂 信之 |
愛媛県農林水産研究所 |
デルフィニウムの省力的採種を可能にする遺伝子の利用技術開発に関して,研究実施計画の遂行が不十分で,残念ながら当初の目標を下まわる成果であります.また,実用化の可能性も未だ見出されていません.しかし,本課題は一定の労力・資金・時間を要するものであり,研究期間が短期間であるゆえのリスクはやむをえないと考えます.その中で今後の方向性は示されており,研究推進に向けた新たな具体的アクションと更なる研究計画が明らかにされています.また,知的財産権確保についても可能性の検討がされていることは評価できます. |
1629 |
牛初乳乳清由来の新規創傷治療用製品の開発 |
小池 正充 |
愛媛県農林水産研究所 |
高橋 敏方 |
愛媛県農林水産研究所 |
牛初乳の成分や機能性の分析・評価に関して,研究実施計画に記載されている事項はほぼ遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.しかし,事業化の可能性を見出だすには更なる検証が必要と考えます.実際に製品化が可能であるとしたとき,初乳の確保は容易にできるのか,初乳を集めるのに係る経費はどれくらい必要なのかといった費用対効果を十分に検討し,この点に関して通常の牛乳との比較整理も必要と考えます.着想はすばらしいので,標的となる製品像,事業化にむけた技術課題解決などの見通しを明らかにすることと,医農連携の研究体制を検討すること,知的財産権確保の検討をすることが望まれます. |
1630 |
「愛媛果試第28号」の高品質果実安定出荷のための高鮮度貯蔵技術の開発 |
井上 久雄 |
愛媛県農林水産研究所 |
喜多 景治 |
愛媛県農林水産研究所 |
「愛媛果試第28号」の高鮮度貯蔵技術の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項の一部が遂行されず,残念ながら当初目標にしていた成果が得られていません.包装材の改良により鮮度期間の延長がみられることは高く評価できますが,カワラヨモギ抽出物による処理濃度,処理方法の検討などが行われておらず,取得したデータが不十分であり,実用化の目処が立っているとは言い難い状況であります.現場でこのような手間がかけられるか,あるいは,他の成分との優劣の検討も実用化のためには必要であろうと思われます.また,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1631 |
柑橘類果皮に含まれる脳機能活性化物質の単離とサプリメントへの応用 |
古川 美子 |
松山大学 |
葛谷 昌之 |
松山大学 |
柑橘類果皮からの脳機能活性化物質の単離と機能性成分分析に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ目標通りの成果が得られたと認められます.また,事業化の可能性も見出されています.柑橘類に含まれる低分子が脳を活性化させるかもしれないという着想は素晴らしく,in vitroの系で有効成分の生物活性についてもう少し詳細なデータを蓄積すれば,事業化もそう遠くないと考えます.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略について検討されていることは評価できます.1年以内の特許出願を予定されていますが,今後の研究進展に期待し,早急な出願を希望いたします. |
1632 |
柑橘由来の分岐ペクチンを用いた脂質吸収抑制剤の開発 |
辻田 隆広 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
柑橘由来の分岐ペクチンを用いた脂質吸収抑制剤開発のための動物実験による基礎データ収集に関して,研究実施計画に記載されている事項は,ほぼ遂行されたと認められます.分岐ペクチンのin vivoでの脂肪吸収抑制効果は特定の条件で有効性が認められますが,普遍性を見出すには至っておらず,更なるデータの取得が必要と考えます.放射性同位元素を用いた実験や餌に分岐ペクチンを混合したさらなる実験,実用化のために不可欠な製法改良の検討について,今後の研究進展に期待いたします.また,知的財産権確保と今後の特許取得戦略についての検討も望まれます. |
1633 |
小麦胚芽無細胞タンパク質合成系を用いた免疫活性・成長改善機能性餌料添加剤の開発 |
森田 勇人 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
免疫活性・成長改善機能をもった餌料添加剤の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項は一部を除いて予定通り遂行され,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.新しい可溶性のタンパク質を作出したことは特記すべきことですが,変異タンパク質がマダイの成長速度増進や免疫力向上活性を有するという実験データがなく,更なるデータの取得が必要と考えます.企業と共同研究されている強みを活かし,事業化に必要な技術課題解決に向けて,今後の研究が進展することを期待いたします.また,知的財産権確保と今後の特許取得戦略についての検討も望まれます. |
1634 |
アジュバントを用いた世界初の魚類寄生虫ワクチンの開発 |
北村 真一 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
魚類寄生虫ワクチンの開発に関して,一部当初の目標としていた成果が得られず方向転換することとなりましたが,ワクチン作成のための抗原の安価な供給法が確立されており,これは企業化の観点からは大いに評価できます.しかし,ワクチンの効果には不安定なところがあるように思われます.企業とも連携して事業を展開しておられますが,両者でデータの精査をさらに進めて,事業化に必要な技術課題解決に向けた今後の活動に期待いたします.また,より少量で有効なワクチンの開発を目指して,他種のアジュバンドを検討することも望まれます.さらに,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1635 |
赤血球保護作用を持つ脂溶性高麗人蔘成分の循環改善剤、血液保存剤、貧血治療薬への応用 |
満田 憲昭 |
愛媛大学 |
大久保 憲一 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
高麗人蔘成分の医学・薬学分野での応用に関して,研究実施計画に記載されている事項のうち一部の成分の有効性の検証が未着手ですが,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.未着手の部分についても引き続き検証していくことなどに加えて,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.この研究課題については赤血球変形能のメカニズムに重点が置かれているため,まだ基礎研究の段階でさらに研究を進めてデータを蓄積し,特許出願・事業化の面を検討することが望まれます. |
1636 |
がん特異性とがん病巣集積性に優れる新規細胞免疫療法の開発 |
安川 正貴 |
愛媛大学 |
塩崎 紀子 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
新規細胞免疫療法の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,論文や学会発表も多く,当初の目標を上まわる成果が得られたと認められます.また,実用化の見通しも明らかになっています.特に,レトロウイルスベクターの商品化に向けて企業と事業を推進するなど,実用化に向けた新たな具体的アクションと更なる研究計画が明らかにされています.すでに特許も出願しており,臨床研究に進む段階であり,さらに研究が進展することを望みます. |
1637 |
機能的 small RNA を用いた新規口腔癌治療法の開発 |
中城 公一 |
愛媛大学 |
塩崎 紀子 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
新規口腔癌治療法の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.また,高い実用化の可能性も見出されています.in vitro評価法の確立などいくつか乗り越えなければならない点はありますが,本研究の成果は新しい抗腫瘍医薬品の開発に繋がるものとして期待できると考えます.事業化に向けて企業との共同研究を行っており,今後の具体的アクションと研究計画も明らかにされています.知的財産権確保についても検討がされており,今後の研究進展が期待されます. |
1638 |
局所麻酔薬リドカインによる癌浸潤・転移阻害標的剤の開発とその応用 |
井上 博文 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
癌浸潤・転移阻害標的剤の開発に関して,実用化の可能性が未だ見出されていません.特に,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分です.まだまだ基礎研究の段階で進展が遅いと思われます.しかし,有効薬剤の絞り込みがある程度できており,新規創薬の可能性はあるものと考えられます.今回候補に挙がった化合物に関する知的財産権確保の検討はなされており,今後,戦略的に研究を進められることが望まれます. |
1639 |
口腔扁平上皮癌における新規インテグリン阻害剤の開発 |
荒本 孝良 |
愛媛大学 |
田村 恭弥 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
口腔扁平上皮癌における新規インテグリン阻害剤に関して,研究実施計画の遂行が不十分で,残念ながら当初の目標を下まわる成果であります.ガンマ線やシスプラチンの効果の検証やマイクロRNAの同定などの課題が残っており,実用化の可能性も未だ見出されていません.腫瘍細胞のインテグリンの基礎的研究が十分でなく,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分であると考えます.研究推進に向けた新たな具体的なアクションと研究計画を明らかにするとともに,知的財産権確保についても検討されることを望みます. |
1640 |
天然抗菌分子による点眼薬開発のための眼瞼マイボーム腺の培養と分泌膜小胞の活性化に関する研究 |
永井 彩子 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
天然抗菌分子による点眼薬開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が一部を除いて計画通りに遂行されて,研究は大きく進展したと認められます.しかし,残念ながら実用化の可能性が未だ見出されていません.特に,天然抗菌分子の検討はこれからで,実用化にはかなりの時間を要すると考えられます.しかし,研究推進に向けた新たな具体的アクションと研究計画は明らかにされており,知的財産権確保の検討もなされていますので,着実な研究の進展が望まれます. |
1641 |
プラズマを利用した医療用治療装置の開発 |
野村 信福 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
プラズマを利用した医療用装置の開発に関して,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められ,実用化の可能性も見出されています.研究実施計画の変更に伴い,ワイヤーから同軸ケーブルへの変更に伴う血栓の破壊実験など一部の装置の性能に関する実験が実施されていませんが,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.最も困難と思われるプラズマ発生のキーテクノジーの確立および関連した技術の特許の出願も行われており,今後の特許取得についての戦略も示されている点は評価できます. |
1642 |
体内菅腔縮小用次世代経カテーテルデバイスのクリップ開発 |
高橋 学 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
次世代経カテーテルデバイスのクリップ開発に関して,研究実施計画に記載されている事項は遂行されていますが,一部の項目では残念ながら当初の目標を下まわる成果であると考えられます.いくつかのクリップを試作していますが,どのタイプが臨床応用する上で有望であるかなどの評価や針部,縫合糸の接合などの動作確認がなされておらず,今後の改良点やどのように実用化すれば良いのかという点での検討が不十分であります.実用化に向けては動物実験も必要でありますので,研究者も認めている通り,医療器具開発を目標とした研究体制つくりを見直す必要があると考えます.知的財産権確保の検討はなされておりますので,特許出願に向けて着実な研究の推進が望まれます. |
1643 |
液中プラズマによる化合物半導体結晶の形成法の開発 |
豊田 洋通 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
液中プラズマによる化合物半導体結晶の形成法開発に関して,研究実施計画に記載されている事項は遂行されていますが,一部の事項で残念ながら当初の目標を下まわる成果だと考えます.形成された結晶の純度等が実験的に解明されなければ,実用化は困難であろうと思われます.今後の研究進展で最適条件を見出されることを期待するとともに,企業化に必要な知的財産権の確保や今後の特許取得戦略についての検討も望まれます. |
1644 |
即発γ線を用いたコンクリート構造物の耐久性能診断手法の開発 |
岡崎 慎一郎 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
即発γ線を用いたコンクリート構造物の耐久性能診断手法の開発に関して,研究実施計画の遂行が不十分で当初の目標は十分に達成されていません.しかし,実用化のためにより精度の高い推定法の確立が必要であるとの認識が明確にされている点や,事業化に向けて装置・検出器の開発や推定手法の確立に関して企業との共同研究を実施するなどの点は評価できます.土壁の力学モデルを構築し,定量的に評価する方法を開発することで企業化の具体的見通しも立ってくると思われますので,今後の研究進展に期待するとともに,企業化に必要な知的財産権の確保や今後の特許取得戦略については検討も望まれます. |
1645 |
マイクロ波反応プロセスの実用化技術の開発 |
小島 秀子 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
マイクロ波反応プロセスの実用化技術開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標はほぼ達成したと認められます.ただし,報告内容ではマイクロ波を用いた有機合成技術の特徴あるいは強みが明確でなく,事業化にはそれらを明らかにする必要性があると考えます.マイクロ波加熱と通常加熱とでの顕著な違いのある反応系についての検討などがなされており,更なる研究の推進に期待いたします.マイクロ波有機合成の実用化は期待される研究でありますので,企業化に必要な知的財産権の確保や今後の特許取得戦略についての検討も望まれます. |
1646 |
希土類ガーネット系磁性材料の微粒子化と焼灼療法への応用 |
青野 宏通 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
希土類ガーネット系磁性材料の作製・応用技術に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,高い事業化の可能性が見出されています.特に,標的となる製品像,事業化に必要な発熱機構の解明や磁性材料の生体適合性の検討など技術課題解決などの見通しが明らかにされています.さらに,本材料の優れた発熱特性については研究開始時に特許出願を終えており,外国出願についても充分な検討が行われています.本材料は癌治療への応用の面でも研究の更なるステップが期待されており,臨床実験が待たれます. |
1647 |
交流磁場誘導焼灼療法用の安定した発熱特性を有する無方向性磁性体針の開発 |
猶原 隆 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
安定した発熱特性を有する無方向性磁性体針の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項は遂行されて,高い事業化の可能性が見出されています.特にほぼ完全な無方向性発熱特性の実現は特筆に値する成果と考えます.無方向性磁性体針の実用化に向けた企業との共同研究が継続されており,医学部に所属する共同研究者との協力体制なども明らかにされています.今後,動物実験を経て,医療用機器としての有効性が確認されることを期待いたします.今回の成果はすでに出願済の特許に付加できる新しい成果であり,今後の特許取得戦略についても,充分期待できます. |
1648 |
独自のリン−炭素結合変換反応を用いる機能性物質の創成 |
林 実 |
愛媛大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
独自のリン−炭素結合変換反応を用いる機能性物質の創成に関する本研究課題では,高活性の孤立電子対を持つ取り扱いの難しいホスフィンを合成する新反応の開発とその応用に向けた研究が着実に進められています.リン−炭素結合生成反応に関しては,まだ収率の面や生成物単離,副反応抑制などで課題が残っていますが,技術課題解決の見通しは明らかにされています.また,機能性材料の事業化に向けた研究の継続にあたり,応用課題についての他制度への応募などが検討されています.現時点で特許出願等は予定されていませんが,機能性をもつ化合物ができれば新製法として製法特許取得に繋がるのではないかと期待いたします. |
1649 |
超音波の伝搬映像を利用した複合材接着構造の損傷画像化技術の開発 |
矢代 茂樹 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
複合材接着構造の損傷画像化技術の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果は得られたと認められます.しかし,事業化の可能性が未だ見出されていないのが残念であります.特に,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分であります.新たな技術課題が見出されていますが,研究者が異動されることで,非破壊検査技術の有効性を追求する研究が中断する可能性があることは残念であります. |
1650 |
燃料電池用改質水素燃料中のCO高感度センサの開発 |
山浦 弘之 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
CO高感度センサの開発に関して,@CO低濃度領域は検出感度の可能性が示されたのみで実験的証明はなされていません.A高濃度側で十分な感度と直線的温度依存性を示すものは得られていません.これらの理由で実用化の可能性が見出されているとは思われません.特に,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが不十分であります.なお,これらの技術については,関連する多くの特許化技術が存在すると思われますので,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1651 |
水上パルス沿面放電への音波重畳効果を利用した高度水処理技術開発 |
門脇 一則 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
高度水処理技術開発に関して,水中の難分離有機物の分析技術は評価されますが,残念ながら研究実施計画の遂行が不十分で,0.1mm厚の流水層,超音波重畳,水中有機物の90%以上の分解処理が達成されなかったなど,残念ながら当初の目標を下まわる成果であります.また,事業化の可能性も未だ見出されていないと思われます.特に,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分であります.しかし,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略について検討が行われている点は評価できます. |
1652 |
ネットワークカメラによる移動物体の自動追尾システムの開発 |
木下 浩二 |
愛媛大学 |
尾賀 忠 |
愛媛大学 |
ネットワークカメラによる移動物体の自動追尾システムの開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認めらます.しかしながら,人工画像を用いたシミュレーション実験により,提案されている手法の有効性は確認されていますが,実機を用いたカメラシステムによるデータの取得と解析には至っていない点が課題として残ります.当初計画にはない新たな課題の解決法も提案されていますが,早期に実用化に向けた実証実験の実施と解析,改良が望まれます.さらに,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1653 |
室内・車内空間の揮発性有機化合物(VOC)濃度計測用センサの開発 |
森 雅美 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
揮発性有機化合物濃度計測用センサの開発に関して,VOCセンサの開発までは至っていませんが,当初の目標を上まわる成果が得られたと認めらます.また,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされており,実用化への期待は高いものと思われます.また,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても検討が行われている点は評価できます. |
1654 |
石炭灰を主原料とした有害物質吸着材の開発研究 |
逸見 彰男 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
石炭灰を主原料とした有害物質吸着材の開発研究に関して,研究実施計画に記載されている事項がほぼ遂行され,高い事業化の可能性も見出されています.特に,石炭灰を主原料にして合成された鉄型水和石炭灰が,中間pH領域と強酸性,強アルカリ性条件下で異なる働きをする可能性があることが分かった点は,高く評価されます.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても期待できます. |
1655 |
天然甘味料糖アルコールの簡易含量測定技術の開発 |
渡部 保夫 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
天然甘味料糖アルコールの簡易含量測定技術の開発に関して,研究実施計画の遂行が不十分で,基質特異性の高いグリセロール脱水素酵素が見出されないなど当初の目標を下まわる成果であります.しかし,実用化の可能性は見出されており,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.グリセロールを除いた3種糖アルコールの同時定量は可能であり,戦略次第では企業化へ繋がる可能性があると思われますので,今後の研究進展に期待するとともに,企業化に向けた知的財産権確保の検討も望まれます. |
1656 |
脂肪酸アルキルエステル製造のためのCa系固定触媒の開発 |
川嶋 文人 |
愛媛大学 |
大野 一仁 |
愛媛大学 |
脂肪酸アルキルエステル製造のためのCa系固定触媒の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.また,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.しかし,@脂肪酸エステルの収率が90%以上となること,Aペロブスカイト型金属酸化物触媒においてCaの漏出率を十分に低めることなどの課題があると思われます.また,他の方法との比較も重要になると思われます.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については検討が行われていると思われます. |
1657 |
農薬に依存しないマイクロバブルオゾン水利用による安心・安全な農産物生産技術の確立 |
福元 康文 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
マイクロバブルオゾン水利用による安心・安全な農産物生産技術の確立に関して,一部不十分さはありますが,全体としてはほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.ただし,養液栽培への実用化の可能性は示されていますが,中心課題である土壌処理の検討が不十分です.また,装置の小型化,価格など,実用化に向けては未だ多くの課題があると思われます.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については検討が行われており,今後の研究の進展に期待いたします. |
1658 |
バイオフィルムを用いた海洋生物の付着防止技術の開発 |
早瀬 伸樹 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
海洋生物の付着防止技術の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.しかし,実際の海洋でのフィールド実験で顕著な効果が確認できておらず,データが不十分であると思われます.実用化に向けての更なる検討とあわせて,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1659 |
ディーゼルエンジン排出粒子状物質の低温酸化触媒の開発 |
中山 享 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
ディーゼルエンジン排出粒子状物質の低温酸化触媒の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項がほぼ全て遂行されて,当初の目標に達する成果が得られたと認めらます.しかし,この分野の競争は激しく,既に類似組成物の先行研究もあることから,特許取得可能性の確認と実用化のための実機試験の企画を早急に進めるべきであると思われます. |
1660 |
CPT信号を用いた小型原子発振器の開発と応用 |
福田 京也 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
CPT信号を用いた小型原子発振器の開発に関して,発振器の周波数安定度が当初の目標をクリアできていないなど,一部に達成されていない事項もありますが,全体としてはほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.また,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などが明らかにされています.共同実験を予定している企業側との機密保持契約を締結し,その中に知財権の取扱いを明記する形で対処するなど企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても充分な検討が行われておりますので,今後の事業化への進展を期待いたします. |
1661 |
画像の同時性補償をした超高速度X線フレーミングカメラの開発 |
伊藤 芳浩 |
弓削商船高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
超高速度X線フレーミングカメラの開発に関する本研究は,研究実施計画通りの研究遂行ができずに,残念ながら当初の目標を大きく下まわる成果であります.また,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分であります.この原因としては,当初掲げた2つの目標のうち,ひとつはモンテカルロシミュレーションコードが入手困難となっため,残りのひとつは並列計算プログラムを開発する能力が不足していたために研究期間内に完成できなかったという研究以前の問題にあると思われます.今後の研究加速を期待いたします.また,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1662 |
農業生産に関する省エネルギー技術開発 |
ダワァ ガンバット |
弓削商船高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
農業生産に関する省エネルギー技術開発に関して,研究実施計画に記載されている事項はほぼ遂行されていますが,まだまだ基礎研究の段階で実用化の可能性が未だ見出されていません.この技術開発と平行して,地温を高める方法と室温を高める方法の,どちらが作物生産に経済的に有利であるか総合的な解析が必要であると思われます.また,知的財産権の確保についての検討が不十分であり,さらなる検討が望まれます. |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1663 |
セルロースを用いたレアメタル回収材の開発 |
岡ア 由佳 |
高知県工業技術センター |
本川 高男 |
高知県工業技術センター |
レアメタル回収材の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項の一部が未遂行ではありますが,イオン吸着部の新しい構造を考案するなど,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.標的となる製品像,事業化に必要な技術課題などは明らかにされていますが,追加的技術課題としては,@合成された吸着剤の金属イオン吸着性能評価実験の評価手法,A目的イオン以外が共存する環境下での相互干渉を評価すること,B飽和吸着容量の評価実験,などがあると思われますので,今後の研究進展に期待いたします.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については検討が行われていると思われます. |
1664 |
近傍情報を用いた複数アクチュエータの同調制御法の開発 |
刈谷 学 |
高知県工業技術センター |
本川 高男 |
高知県工業技術センター |
複数アクチュエータの同調制御法の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項の一部が未遂行ではありますが,全体としてはほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.提案の同調制御手法は一般的ではなく,特定機器への適用に限定されますが,安価な商品化が期待できます.ひとつずつのデータ蓄積が行われて,企業化の可能性が見出せた段階と判断いたします.今後の研究進展に期待いたします.なお,知的財産権確保の検討が望まれます. |
1665 |
紫外線カット性・断熱性・耐久性を併せ持つ無機系球状体複合シートの開発 |
澤村 淳二 |
高知県立紙産業技術センター |
関 正純 |
高知県立紙産業技術センター |
紫外線カット性・断熱性・耐久性を併せ持つ無機系球状体複合シートの開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果は得られたと認められます.しかし,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分であります.特に,目的に応じて使われる紙,不織布,機能紙に必要なスペックと目的達成のための他の技術との差別化を明確にする必要があると思われます.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については検討が行われていると思われます.今後の研究進展に期待いたします. |
1666 |
製紙廃棄物を利用した高強度木質ボードの開発 |
近森 啓一 |
高知県立紙産業技術センター |
関 正純 |
高知県立紙産業技術センター |
高強度木質ボードの開発に関して,研究実施計画に記載されている事項はほぼ遂行されていますが,最高曲げ強度,密度と強度との最適条件の達成度は不十分であるなど,残念ながら当初の目標を下回る結果であると考えます.事業化に向けては,圧縮法の見直しと実用化を視点にした試験が必要ではないかと思われますので,これらの点を含めた今後の研究進展に期待いたします.また,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1667 |
促成ニガウリの新整枝法「収穫枝連続更新法」を用いた省力・多収生産技術の確立 |
橋田 祐二 |
高知県農業技術センター |
鈴木 芳孝 |
高知県農業技術センター |
促成ニガウリの省力・多収生産技術の確立に関する本研究は,新技術の開発ではなく,新技術の改善であります.そういった点では,研究実施計画に記載されている事項以上の研究が遂行されて,当初の目標を上まわる成果が得られたと認められます.切り返した蔓から出る芽の適正数と,その1芽当たりの適正着果数を見出したことと,ミツバチを交配に利用した場合の欠点を花粉用株の混植と不良果の人為的除去で解決できたことは,評価できる成果と言えます.一部の農家では,本技術が導入されていますが,特許性が低いとは言え,さらなる知的財産権の確保についての検討が望まれます. |
1668 |
軟X線照射花粉を利用したヒュウガナツの種なし果実安定生産技術の開発 |
廣瀬 拓也 |
高知県農業技術センター |
田中 満稔 |
高知県農業技術センター果樹試験場 |
ヒュウガナツの種なし果実安定生産技術の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標を上まわる成果が得られたと認められます.また,今回の研究で事業化課題が完全に解決されている訳ではありませんが,事業化に必要な技術課題解決の見通しは明らかにされています.しかし,不完全種子も少ない無核果生産が出来れば実用性が期待できますが,不完全種子が多く残る状況では,施設栽培,花粉採取,花粉散布のコスト増に見合うほどの収益増は見込めないと考えられます.こうした点から,不完全種子も少なくする技術開発試験と併せ,種子の少ない系統的探索試験も必要と思われますので,今後の研究進展に期待いたします.また,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1669 |
駆動方向制御が可能な液晶マイクロアクチュエータの開発 |
蝶野 成臣 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
液晶マイクロアクチュエータの開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標を上まわる成果が得られたと認められます.一部新たな課題が発生したものの,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題が明らかにされています.開発中のマイクロアクチュエータを医療機器(胃カメラでの焦点合わせやズーム機能)で用いる際に要求されるストローク,位置決め精度,移動速度などのスペックは,本研究によりほぼクリアできたと思われますが,まだ,耐久性の問題,分子配向処理の簡単化を目指すハイブリッド配向の開発,その際の誘起背流の減少に対する対策,ブレーキ機能の付加,駆動装置として必須な負荷特性の評価など,解決に時間を要する難問が多く残されております.実用化(企業化)までの道程は容易ではないと思われますが,今後の研究進展に期待いたします.なお,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についての進展も期待します. |
1670 |
重度患者も安全・快適に使用できる新型歩行訓練機の開発 |
王 碩玉 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
新型歩行訓練機の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項以上の研究が遂行されて,当初の目標を上まわる成果が得られたと認められます.また,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.既開発品は,共同研究企業で商品化されており,本製品についても商品化に近づいていると思われます.また,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても,充分な検討が行われています.望むらくは,売り上げ増を目指し,他製品との優位性や差別化を図る工夫が必要ではないかと考えます. |
1671 |
SEM中マイクロプラズマ処理装置の開発 |
八田 章光 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
SEM中でのプラズマ加工・処理を行うという斬新なアイデアを用いたマイクロプラズマ処理装置の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項の一部が未遂行ではありますが,基礎的研究としての貴重なデータが得られるなど概ね成果は得られていると認められます.しかし,応用のコーティングやエッチングに対しては時間的制限から目標が達成されず,企業化に対する検討は不十分であります.本研究を企業化シーズとして発展させることにより,将来,事業化への道は期待されますので,他制度の活用を含めて今度の研究の進展を期待いたします.また,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1672 |
減衰可変とエネルギー回生を実現するインテリジェント短下肢装具の開発 |
芝田 京子 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
インテリジェント短下肢装具の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,多くの学会での発表と受賞があるなど当初の目標を上まわる基礎的研究成果が得られたと認められます.また,標的となる製品像,装具のブレーキ以外からのエネルギー回収についても見通しを得るなど事業化に必要な技術課題が明らかにされています.実用化へ向けての装具の構築や医工連携による臨床研究を含めて解決すべき問題点を多く残していますが,新たな具体的アクションと更なる研究計画が明らかにされています.また,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても検討が行われています. |
1673 |
海洋細菌由来抗がん性色素の新しい生理活性 |
榎本 恵一 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
海洋細菌由来抗がん性色素に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果は得られたと認められます.しかし,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分です.一連のプロテインキナーゼに対するヴィオラセインの阻害効果が低く,且つ,特異性も高いことが懸念される点であります.今後の研究進展に期待するとともに,知的財産権確保の検討が望まれます. |
1674 |
走査型誘電泳動法による浮遊腫瘍細胞のワンステップ診断と識別回収 |
古沢 浩 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
浮遊腫瘍細胞のワンステップ診断に関して,当初計画の一部が変更されているものの,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ほぼ当初の目標通りの成果が得られたと認められます.一度電極に近づくと,逃避泳動する周波数に印加電場を変化させても電極に付着したまま離れないことの解決を目指されている点は,具体的であり評価されます.まだ,途中段階であり,完全な企業化の見込みは立っていませんが,研究者は企業化に必要な技術的課題,標的は明確に熟知されているように見受けられます.また,企業化への展開に向けて展示会参加を計画し,企業との共同研究などを検討されています.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略にも期待が持てます.特に,電極に付着したまま離れないことの解決は,特許となる可能性が高いので,今後の研究進展に期待いたします. |
1675 |
プラズマ気相成長法による微結晶シリコン初期成長制御に関する研究 |
古田 守 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
プラズマ気相成長法による微結晶シリコン初期成長制御に関して,研究実施計画に記載されている事項は遂行され,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.また,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.しかしながら,色素吸着量の向上,発光強度の向上など変換効率を上げるための研究課題をより具体的に明確化し,今後の実用化に向けた研究進展を期待いたします.なお,企業との共同研究も検討されていますし,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については,充分な検討が行われていると思われます. |
1676 |
低エネルギー電子線励起用積層薄膜蛍光体のプラズマ処理による高効率化 |
松田 時宜 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
積層薄膜蛍光体のプラズマ処理に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.特に,本研究によりZnO:Zn蛍光体において世界レベルの発光特性が得られており,また,事業化に向けた取り組み,計画が明らかにされてることも評価されます.さらに,事業化に必要な特許等の出願も行われています(出願予定を含む)し,今後の特許取得についての具体的戦略も示されています.現段階では輝度不足と三色の発光に成功していない点が課題として残りますが,希土類に依存しない薄膜蛍光体の開発は,意義深いものであり,実用化に向けての今後の研究に期待いたします. |
1677 |
液晶を使った小型モバイル機器向け超低消費電力アクチュエータの開発 |
三枝 嘉孝 |
高知工科大学 |
門馬 義雄 |
高知工科大学 |
液晶を使った超低消費電力アクチュエータの開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果は得られたと認められます.しかし,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分です.具体的には,開発している液晶を用いたアクチュエータは,現状では「原型」であり,実用化(企業化)するには,動力の取り出し,可動フィルムの移動(回転)速度の制御,必要なトルクの生成など未解決の問題が山積しています.しかしながら,デバイスの小型化,低電圧化,低消費電力化の観点から,液晶アクチュエータ(特に,本研究で取り扱っている「2次元動作」をするもの)の開発は重要であり,継続的な研究が望まれます.今後の研究進展に期待するとともに,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1678 |
ストレスが惹起する疲労を予防する食品の開発 |
川村 美笑子 |
高知女子大学 |
彼末 富貴 |
高知女子大学 |
ストレスが惹起する疲労を予防する食品の開発に関しては,当初の研究実施計画が変更され,Mg欠乏症ラットの研究で終わっている点が残念であります.基礎研究レベルでのマグネシウム栄養素の欠乏とストレス指標ホルモンの変動の関係を明確にすることと,企業化のためにはミネラルトレハの優位性を示す必要があります.そのためには,実験対象にどのような食品素材を用いて比較するかがポイントであり,また,用いた対象素材が妥当かどうかの再検討が必要であるとも考えます.今後の研究進展に期待いたしますとともに,実用化に当っては知的財産権確保の検討も望まれます. |
1679 |
新規ペプチドホルモン・ウロコルチンの腎性尿崩症治療への応用 |
岩崎 泰正 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
新規ペプチドホルモン・ウロコルチンの腎性尿崩症治療への応用に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,ウロコルチン受容体の発現,尿崩症におけるウロコルチンの尿量減少効果及び尿濃縮力に対する効果のいずれもが実証されるなど当初の目標通りの成果が得られたと認められます.また,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされていますし,企業との共同研究の実現など事業化に向けた新たな具体的アクションが明らかにされています.さらに,発明相談会や技術調査が検討されるなど企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても,充分な検討が行われていると思われます. |
1680 |
胸部CT画像によるじん肺自動診断の開発とその臨床応用 |
菅沼 成文 |
高知大学 |
辻本 和敬 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
胸部CT画像によるじん肺自動診断の開発に関しては,塵肺症例を集め,研究グループを形成していることは評価できますが,肝腎の診断アルゴリズムが期待したほど進んでいないことは残念であります.また,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分です.世に隠れたじん肺患者は予想以上に多く存在すると思われますので,医療画像関連の汎用ソフトに組み込まれると本研究成果の価値はさらに大きくなると思われます.企業化に必要な知的財産権確保を含めて今後の研究進展に期待いたします. |
1681 |
複合的光力学診断に基づく人工知能を用いた癌判定内視鏡システムの新規開発 |
井上 啓史 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
癌判定内視鏡システムの新規開発に関して,研究実施計画に記載されている事項は遂行されていますが,臨床での診断精度95%にほど遠い結果しか実験室でも得られておらず,計画の達成度としては不満足であります.標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされていますが,知的財産権の確保についての検討が不十分であり,今後さらなる検討が望まれます.また,臨床診断をブラックボックス化されたニューラルネットワークで行うよりも,必然性のある明示的アルゴリズムを診断根拠とすることが望ましいとも思われます. |
1682 |
ウイルス関連造血器腫瘍におけるウイルスを標的にした新規治療法の開発 |
大畑 雅典 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
ウイルス関連造血器腫瘍の新規治療法の開発に関しては,計画の前段階ともいえる「潜伏感染のタイプ間の差異」という課題に時間を要し,研究実施計画に記載されている事項の一部しか遂行されていません.新たな課題は見出されていますが,動物実験の例証等,重要な計画が実施されていないと判断いたします.また,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分です.具体的には,本治療法に有効なウイルス性腫瘍と薬剤の組み合わせにある程度の目途をつけた点は評価できますが,本治療法の対象が特定の腫瘍に限られているなどの課題があります.今後の研究の進展を期待いたしますとともに,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1683 |
フローサイトメトリーによる白血病細胞増殖機構の解析・治療戦略決定への応用 |
池添 隆之 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
白血病細胞増殖機構の解析に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標である白血病の迅速な予後判定ができる成果が得られたと認められます.特に,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.この成果は,白血病の早期治療,そして効果的な治療法の選択に役立つものと考えられます.本研究については,企業化に向けた展望もあり,知的財産権の確保についての検討も望まれます. |
1684 |
共役輸送担体 SGLT の癌細胞における発現機能解析と糖代謝を標的とする新規抗癌治療戦略への応用 |
田口 崇文 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
共役輸送担体 SGLT の癌細胞における発現機能解析に関しては,がん細胞の種類も少なく,invivoの成績も得られていないなど,研究実施計画の遂行が不十分で,残念ながら当初の目標を下まわる成果であります.さらなる研究で有益なデータを蓄積し,実用化を目指して戴きたく思います.さらには,知的財産権確保の検討も望まれます. |
1685 |
前立腺癌の次世代バイオマーカーの開発と臨床応用 |
田村 賢司 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
前立腺癌の次世代バイオマーカーの開発に関して,研究計画当初の発想で乳癌,卵巣癌,腎癌などで予後に関連する分子である STC2蛋白が,新たな前立腺特異的マーカーとなるのではないかと考えたことは間違っていなかったと思われます.しかし,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分と思われます.具体的には,作製されたSTC2抗体が,ヒト血清で交差反応を起こすため,前立腺癌マーカーとしての実用化が困難であると判明したことです.今後,ヒト血清での交差反応の原因究明を行う予定があり,研究の新たな展開に期待いたします. |
1686 |
末梢神経電気刺激法による静脈血栓塞栓症の予防効果に関する臨床研究 |
池内 昌彦 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
末梢神経電気刺激法による静脈血栓塞栓症の予防効果に関する臨床研究に関して,研究実施計画の遂行が不十分で,症例数が半分以下という当初の目標を下まわる成果であります.統計学的に有意性を示す情報量が不足しておりますし,電気刺激の方法,刺激装置自身にも検討すべき課題があります.これらを充分検討されて,基礎的データの蓄積を望みます.また,医工連携を推進された今後の研究進展に期待いたします. |
1687 |
糖尿病性腎症の早期診断のための新規尿中バイオマーカーの開発 |
井上 紘輔 |
高知大学 |
北添 英矩 |
高知大学 |
糖尿病性腎症の新規尿中バイオマーカーの開発に関して,研究実施計画に記載されている事項はほぼ遂行されています.しかし,当初,目標とした糖尿病腎症のマーカーとしての実用化が難しくなったため,標的となる製品像と実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分といえます.尿中マーカーとしての応用には,安定した測定値が得られることが大前提となります.知的財産権確保を含めての今後の研究進展に期待いたします. |
1688 |
多血小板血漿を用いた皮膚潰瘍の新しい治療法開発 |
高橋 綾 |
高知大学 |
北添 英矩 |
高知大学 |
皮膚潰瘍の新しい治療法の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項は遂行されていますが,残念ながら期待した結果には至っていないと思われます.臨床試験の一部では皮膚潰瘍治療に対する本法の有効性を見出し,症例報告されています.しかし,定性的で情報量が少なく,本法を皮膚潰瘍治療法として定着させるには不十分であると思われます.これを克服するためには,実験方法論をはじめとして,かなりの立て直しが必要と思われますが,既に臨床試験も始まっており,その結果が出るまでは期待を持ち続けてよいのではないかと考えます.なお,実用化に当っては知的財産権確保の検討が望まれます. |
1689 |
物理的刺激が血管平滑筋ミネラロコルチコイド作用に及ぼす効果の評価法の確立 |
次田 誠 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
物理的刺激,即ち伸展刺激に対する細胞内ステロイド代謝系に及ぼす影響を評価する研究に関して,研究実施計画の内容と手法の一部が変更されていますが,物理的刺激が血管壁のステロイド代謝酵素系を活性化することを転写活性レベルで明らかにするなど,当初の目標に至る成果が得られたと認められ,事業化の可能性も見出されています.しかし,実用化に当っては,物理的刺激強度の定量的な検討,タンパク質レベルでの効果発現の検討が必須であり,その医学的な有用性は,臨床研究を待たねばなりませんので,今後の研究進展に期待いたします.また,知的財産権確保の検討が望まれます. |
1690 |
IL-27の分泌制御可能な樹状細胞の作成とその応用 |
谷口 武利 |
高知大学 |
塩崎 紀子 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
IL-27の分泌制御可能な樹状細胞の作成に関して,研究実施計画の一部が実施されていませんが,当初案とは異なる手法を用いてほぼ目標通りの成果が得られたと認められます.しかし,事業化の可能性が未だ見出されていない点は残念です.本方法では細胞外からの分泌制御は不可能でありますので,IL-27産生細胞をモデル動物へ導入するタイミングが今後の検討課題として重要であります.今後の研究進展に期待いたしますとともに,実用化にあたっては知的財産権確保の検討も望まれます. |
1691 |
海藻由来抗インフルエンザ物質の開発 |
津田 正史 |
高知大学 |
北添 英矩 |
高知大学 |
海藻由来抗インフルエンザ物質の開発に関して,活性成分の抽出方法に課題がありましたが,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,巨大複合糖質の分離に成功するなどの成果が得られたことは認められます.自然界,特に海藻中から抗インフルエンザ物質を探索する試みはすばらしいと考えます.しかし,得られた活性成分が極めて微量で,その性質が十分解析されていないという問題点が残っています.活性成分の抽出法を再検討するなど今後の研究に期待いたします.さらに,企業化に必要な知的財産権確保と,今後の特許取得戦略についても検討されることを期待いたします. |
1692 |
ヘリウム4のみを冷媒とする1K以下の小型冷凍機の開発 |
西岡 孝 |
高知大学 |
兵頭 正洋 |
高知大学 |
1K以下の小型冷凍機の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,特筆すべき研究成果が得られたと認められ,事業化の見通しも明らかになっています.特に,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが極めて具体的に明らかにされています.事業化に向けての追加的具体的アクションとしては,市場調査や販路開拓などを含むビジネスモデルの策定が必要と思われます.企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略に関しては,充分な検討が行われていると思われます. |
1693 |
SoC論理設計とレイアウト設計データの継承型ECO設計法の研究開発 |
豊永 昌彦 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
SoC論理設計とレイアウト設計データの継承型ECO設計法の研究開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.しかし,LSI設計用のツールとしての実用化に向けては,関連企業と共同研究を行い,回路の大規模化に対応した試験と改良が必要だと思われます.なお,企業化に必要なECO設計に関する知的財産権確保と,今後の特許取得戦略については,充分な検討が行われています. |
1694 |
金属ナノ構造体を利用した微量検体検出用プラズモンセンサーの開発 |
渡辺 茂 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
微量検体検出用プラズモンセンサーの開発に関して,研究実施計画の記載と異なる手法で,当初の目標を上まわる成果が得られたと認めらます.また,標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.実用化ができれば,ディスポーザブル型センサとして,簡便で経済的な計測法になると期待できます.なお,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても,充分な検討が行われています.生体試料については専門分野研究者との共同研究が望ましいと考えます. |
1695 |
バイオマス由来化合物からのアクリル酸製造 |
恩田 歩武 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
バイオマス由来化合物からのアクリル酸製造に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.特に,優れた選択性と収率を達成されたことは高く評価されます.石油に依存しないアクリル酸合成としての今後の展開が期待されます.しかし,企業化に不可欠な反応物からアクリル酸の単離・精製法の詳細な検討が必要でありますし,重合しやすい高純度アクリル酸の単離に難渋することも考えられますので,今後の研究進展に期待いたします.なお,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については検討が行われています. |
1696 |
植物油を用いた中間育成用養魚飼料の改善 |
深田 陽久 |
高知大学 |
北添 英矩 |
高知大学 |
植物油を用いた中間育成用養魚飼料の改善に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.飼育環境によっては50%の魚油代替率が可能となる成果があったことは高く評価されます.しかし,植物油が従来の飼料より少し優位であるが,特別に優位であるという成果が出ていないと思われますし,季節的に,従来の飼料より悪い結果も出ていますので,魚種別に季節変化に対応したデータを収集する必要があります.さらに,値段などを考えた市場性にも問題が残ります.今後は,共同研究できる企業との試験が必要ではなかろうかと考えます.なお,企業化に必要な知的財産権確保と,今後の特許取得戦略については充分な検討が行われています. |
1697 |
抗生物質に依存しない画期的な微生物分子育種法の開発と有用素材生産への応用 |
芦内 誠 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
微生物分子育種法の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,特筆すべき研究成果が得られたと認められます.特に,EDMSシスエムによる納豆菌でのポリーγ?グルタミン酸の産生量の増加という具体的な成果を得られたこと,そのことにより新奇ベクターシステムの有用性を示したことは高く評価されます.標的となる製品像,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが極めて具体的に明らかにされています.さらに,事業化に必要な特許等の出願も行われ(出願予定を含む),今後の特許取得についての具体的戦略も示されています.研究の進展に期待が持てます. |
1698 |
食品や血液中の機能性β-1,3-1,6-グルカンの特異的定量法の開発 |
永田 信治 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
グルカンの特異的定量法の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.さらに,企業化に必要な知的財産権の確保と今後の特許取得戦略についても,充分な検討が行われています.この研究分野は,バイオ燃料関係の基礎研究にも重要な知見を与えるものであり,今後の展開に期待いたします.しかし,汎用性の高い定量系の開発には,一工夫が必要であり,遺伝子工学手法の利用など考慮すべきではないかとの助言もありました. |
1699 |
健康食品を用いた害虫防除技術の開発 |
手林 慎一 |
高知大学 |
北添 英矩 |
高知大学 |
害虫防除技術の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認めらます.また,事業化に必要な技術課題解決などの見通しが明らかにされています.しかしながら,天敵昆虫への安全性や化学農薬と比した特異性の明確化などが望まれます.なお,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略については,特許出願がなされるなど充分な検討が行われています. |
1700 |
近赤外品質評価スキャナーを用いたインテリジェントスーパードライヤーの開発 |
河野 俊夫 |
高知大学 |
北添 英矩 |
高知大学 |
インテリジェントスーパードライヤーの開発に関して,意欲的で興味深い研究ですが,研究実施計画の遂行が不十分で,残念ながら当初の目標を下まわる成果であります.特に,標的となる製品像,実用化に向けた技術課題解決などの見通しが不十分であります.また,@旨味や香り成分に関して,香り成分はガスクロで分析されているが,食品に含まれる旨味成分は分析されていない.A対象分子に関わるスペクトルを特定せずに解析されている.こうした点から,科学的な論理的根拠を持った手法の検討が望まれるとの厳しい意見もありました.知的財産権の確保についての検討を含め,今後の研究進展に期待いたします. |
1701 |
省エネルギー型生産に適する優良菌床シイタケ菌の開発 |
大谷 慶人 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
優良菌床シイタケ菌の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項のほぼ9割以上の研究が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認めらます.特に,高温成長型2核菌糸の選別,またその菌糸からの子実体の作成などについての成果が得られています.さらに,実用化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても検討が行われています.本課題は,地域の産業育成のために重要であり,継続しての研究が望まれます. |
1702 |
酸化亜鉛を使ったセンサ素子の高速応答のための開発 |
岸本 誠一 |
高知工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
酸化亜鉛を使ったセンサ素子の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.センサ素子の高速化に向けて基礎的な実験データが蓄積され,詳細が検討されていることは評価できます.しかし,標的となる製品像は明らかにされていますが,このセンサの期待されるメリット,従来品との差別化を明確にする必要があります.目標の1秒の応答時間が得られていないので,少なくともデバイ長との関係を明確にする必要があると思われます.企業化に必要な知的財産権確保の検討を含めて今後の研究進展に期待いたします. |
1703 |
土佐漆喰壁の耐震性能評価 |
村本 真 |
高知工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
土佐漆喰壁の耐震性能評価に関して,研究実施計画の一部が遂行されていませんが,実施項目については当初の目標通りの成果が得られたと認められ,高い実用化の可能性も見出されています.新たな企業化ではなく,既に企業化されている分野のさらなる発展に貢献できるものと考えられます.本手法は,非接触による測定なので,実用化されれば利用する人は多いと考えられます.本課題は伝統的な建築技術の耐荷力,耐震性等を科学的に扱っており,得られた成果は安全性確保のみならず本技術のさらなる発展に貢献していると考えます.なお,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても検討が行われています. |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
評価コメント |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1704 |
漆喰と土を用いた新緑化工法の開発 |
伊東 啓太郎 |
九州工業大学 |
波多江 俊一 |
九州工業大学 |
漆喰による壁面緑化の開発による省エネ対策としては十分に意義があると思われる。実用化のためには、費用対効果についての具体的な試算と競合品との比較が必要である。 |
1705 |
ナノ表面複合化技術による可視光応答型光触媒殺菌材料の開発 |
村上 直也 |
九州工業大学 |
小川 勝 |
九州工業大学 |
当初の計画通りに研究をしている。しかし、微生物殺菌試験では活性がまったく見られなかった。殺菌能試験では、陽性対象として殺菌能が認められている酸化チタン光触媒との比較が必要だと思う。調製物と酸化チタン光触媒との殺菌能の比較を基に、仮説も含め研究の内容を再度検討されることを勧める。 |
1706 |
大型構造物の溶接部強化による寿命延伸法 |
西尾 一政 |
九州工業大学 |
長田 純夫 |
九州工業大学 |
レーザ照射による結晶粒の微細化については当初の計画通りの結果が得られている点は評価できる。疲労寿命の改善に関してはそれほどの効果が見られない。実用化にあたっては、特許の出願を含め、改善方策の検討が必要である。 |
1707 |
資源枯渇を配慮した溶射材料設計(普通鋼の表面特殊鋼化技術) |
恵良 秀則 |
九州工業大学 |
長田 純夫 |
九州工業大学 |
溶着金属の耐腐食性の評価はなされているが、基地材料との密着性については組織観察の結果から判断して割愛されている。基地との密着性は、本研究提案の骨格ともいえる項目であり、せん断試験を行ってデータを提示すべきと判断される。 |
1708 |
大腸癌の簡易診断を目指した異常メチル化検出試薬の開発 |
竹中 繁織 |
九州工業大学 |
北井 三正 |
(財)北九州産業学術推進機構 |
メチル化したDNAを直接検出しているのではなく、DNA鎖のAT含量の増加を測定している。測定系として特異性があるのか、更なる検討が必要であろう。大腸癌関連CDH4遺伝子プロモータのAT含量増加が測定できたことは評価できる。大腸癌患者の便から質のよいDNAが取得できるか、また、全ゲノムの中のメチル化の割合または、特定の遺伝子のメチル化をどの程度検出できるかが実用化の鍵となろう。 |
1709 |
緩み難く破損抵抗が高い高強度ボルト締結体の開発 |
野田 尚昭 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
研究開発計画したボルト・ナットの位相差(ピッチ差)の解析しているが、最適条件の導出、特に、振動衝撃試験による実証が必要である。また実用化においては、企業との共同や知財の検討が必要である。 |
1710 |
自己回復性ヒューズ素子のサージ防護デバイス適用に向けた開発 |
大塚 信也 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
当初の最終目標は未達だが、その実現可能性を示すパッケージング素子を開発し、実用化に向けた課題を明確にしている。パッケージング素子の構成に係わる特許出願をし、興味を示している企業との実用化研究が進展することを期待する。 |
1711 |
高機能反発硬さ試験機の開発 |
松田 健次 |
九州工業大学 |
波多江 俊一 |
九州工業大学 |
目標の装置を試作して性能評価し、適用範囲を明確化すると共に、薄膜への適用について検討され、十分な成果が得られているものと評価できる。企業化ならびに知的財産確保についても実現性がある。 |
1712 |
衛星表面帯電モニタの開発を目指した地上民生用表面電位計の宇宙環境適合性能評価試験研究 |
趙 孟佑 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
当初の目標は概ね達成されており、また、企業との共同研究として着実に進捗し、更に、H2Aロケットへの相乗りのメドも立って来ている。知的財産権の確保について検討が行われており、他制度へも発展的に展開していることから実用化が期待できる。 |
1713 |
ナノ多層構造を有する新規機能性顔料の開発と応用 |
安田 敬 |
九州工業大学 |
堀田 計之 |
九州工業大学 |
当初の計画を予定どおりに終了し、目標値も達成し評価できる。意匠性顔料と赤外線反射塗料の試作物の作成も行われており、企業化に向けて期待できる。 |
1714 |
機能性銀ナノ粒子を用いた高感度芽胞検出システムの開発 |
池野 慎也 |
九州工業大学 |
北井 三正 |
(財)北九州産業学術推進機構 |
残念ながら、実サンプルを用いた測定には至っていない。SERSでは芽胞自体が定量可能であり、すでに公知のため、特許性はない。企業化には検出の感度・速度の改善が必要である。 |
1715 |
薬剤添加用微小孔を有する細胞刺激デバイスの開発 |
安田 隆 |
九州工業大学 |
末松 正典 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
当初計画したウェルアレイを試作し、流路材料の変形、ウェル形状の問題点を明らかにし、今後の展開に向け着実に知見を得たことは高く評価できる。今後知的財産確保への検討が強く望まれる。 |
1716 |
人間にとって自然な認識システムを自己組織化する装置の開発 |
古川 徹生 |
九州工業大学 |
小川 勝 |
九州工業大学 |
少ない学習データで手書き数字等を分類・識別する自己組織化アルゴリズムを開発しそのFPGAによるハードウエア化を実現し、当初目標は達成した。具体的な応用と有効性の確認、さらには企業と連携した実用化の観点が望まれる。 |
1717 |
FPGAを用いた超高精度ディジタルハードウェア制御系の開発 |
花本 剛士 |
九州工業大学 |
猪ノ口 博文 |
(財)福岡県産業・科学技術振興財団 |
提案アンプと従来アンプとの性能比較において、着実に装置の性能評価の向上が行われている点は評価できる。しかし、実用化では、未評価の瞬時速度検出や、知財の確保などへの取組みが必要である。 |
1718 |
超音波振動高速回転主軸の実用化基礎開発 |
鬼鞍 宏猷 |
九州大学 |
猪ノ口 博文 |
(財)福岡県産業・科学技術振興財団 |
予想された技術的課題を実験等により定量的に確認した点は評価できる。しかし、主軸の作製がまだ完了しておらず、加工性能の評価にも至っていない。引続き企業側を技術指導することで実用化を目指す展開を望む。 |
1719 |
タンパク質の1ステップマルチラベル化技術の開発 |
神谷 典穂 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
研究報告書の記載が不十分である。タンパク質の1ステップによるマルチラベル化という目標は達成しているが、反応の原理が報告書に記載されていないため、どのようにしてタンパク質のラベル化を行ったか分からず、価格や先行技術との比較を含めて、商品化の可能性を評価しがたい。 |
1720 |
バイオディーゼル燃料生産用リパーゼ固定化シリカモノリスバイオリアクターの開発 |
川上 幸衛 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
新たな方法論での検討であったが、課題解決ならびに今後に向けたデータの取得や具体的な戦略も示されていない。具体的には、エタノール等によるリパーゼの失活は当初より想定されたが、解決していない。また、新たに生成するグリセリンの固定化酵素表面への付着による生産速度の阻害は実用化の可能性を下げる。また、回分試験のみで連続化検討は実施できていない。 |
1721 |
加圧熱水処理法を用いたタケからの機能性食品素材の開発 |
平島 剛 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
研究としては当初の目標を達成している。ただし、企業化を考える場合、エネルギーコストと機能性物質含有飼料とできる見込みを明らかにする必要がある。 |
1722 |
自立性自家応答性遺伝子センサー |
中野 幸二 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
研究報告書の記載が不十分である。研究計画どおりに研究は進み、成果も認められるが、ポテンシオメトリー(電位測定)型遺伝子センサーを構築するために行った機能検査結果が具体的に記載されていないため、実用化への進展が不明である。 |
1723 |
ポルフィセンハイブリッド型環境浄化触媒の開発と応用 |
嶌越 恒 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
研究報告書の記載が不十分である。研究計画は予定通り遂行されているようであるが、触媒の耐用回数の詳細な検討が実用性評価のため必要である。企業との共同研究を通して実用化を目指してもらいたい。 |
1724 |
生体的鉱物学的フッ素不溶化による鉄鋼スラグの循環資源化 |
高橋 史武 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
廃棄物溶融スラグについて実験し、基礎データを取得しているが、鉄鋼スラグについては当初の実験できていない。今後、更にデータを積み重ねる必要がある。 |
1725 |
薬物のナノコーティング技術を利用した経皮免疫系の構築 |
後藤 雅宏 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
研究報告書の記載が不十分である。「経皮免疫の達成を実証した」と報告書に記載されているが、抗原特異的抗体濃度の測定結果について、具体的な記載がなく、どの程度の免疫応答をしたか不明である。 |
1726 |
マイクロリットルサンプルの熱伝導率測定センサの開発 |
高松 洋 |
九州大学 |
出田 光太郎 |
九州大学 |
目標とする成果を充分得ており評価できる。実用化にはまだ時間を要す可能性があるので、実用化のために早急に目標を設定し、その達成を期待する。 |
1727 |
窒化物を利用したステンレスピアノ線の創製 |
中田 伸生 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
強度と耐食性を兼ね備えたステンレスピアノ線を開発することが目的に取組み、伸線加工に問題が生じたが、その改善策について目途がついたことは評価できる。しかし、実用化には、材料特性に対する改善策の影響については今後の検討が必要である。 |
1728 |
酸化マグネシウムの固体塩基特性と環境中の陰イオンとの反応機構 |
笹木 圭子 |
九州大学 |
出田 光太郎 |
九州大学 |
物性測定が難しく、当初の計画を達成できなかった。計測方法の確立と吸着機構の解明を急ぎ、試験データを積み重ねたうえで改めて企業化の可能性や課題等を検討することが望まれる。 |
1729 |
高温融液における非平衡・準安定相その場構造解析装置の開発 |
藤野 茂 |
九州大学 |
出田 光太郎 |
九州大学 |
当初の計画を全て実施し、目標の装置を開発したことは評価できる。しかし、企業化には機能の多様化が必要であり、特許出願を含め、早急な検討を望む。 |
1730 |
水溶性を有する新規高輝度蛍光化合物の創製とバイオ分析応用 |
宗 伸明 |
九州大学 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
ペリレンビスイミドにスルホン基を結合した化合物を合成したと思われる。その結果溶解度が極めて高い目的物が得られた。細胞染色の結果、本化合物に細胞内移行性はないと思われる。通常抗体に蛍光物質をラベルし、細胞内分子特異的染色を行うので、本化合物にさらにイソチオシアネートを結合させ、蛍光染色用試薬として開発する必要があると思う。本化合物は学会発表により、水溶性の特許性は喪失している可能性が高いことを指摘する。 |
1731 |
広域分散配置されたセンサ群による物体追跡システムの開発 |
島田 敬士 |
九州大学 |
前田 真 |
九州大学 |
広域センサ統合という有益なテーマだが、当初目標のセンサクラスタ最適設計がクラスタ間での物体の対応付けが示されているだけで、まだ基礎的な段階と考える。今後、企業化に向けて、実証実験を十分に積み上げることが望まれる。 |
1732 |
新しい多次元歩行データベースの構築および歩容認証システムの開発 |
岩下 友美 |
九州大学 |
前田 真 |
九州大学 |
当初目標は達成し、多次元歩行データベースが個人認証として使えることは示された。一方、実用化に向けての課題等の解決度合いは示されていない。今後の研究において明確にすることが望まれる。 |
1733 |
ペン描画法によるファイバー上DFBフィルムレーザーのセンサー展開 |
興 雄司 |
九州大学 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
ファイバーを固定するホルダーを開発し、DFBレーザー開発システムを完成させている。特許出願は費用面から断念しているが、今後の実用化のステップにおいて技術の進歩があったときには努力すべきである。 |
1734 |
バリア放電オゾン処理による高濃度カーボンナノチューブの水溶化とその応用 |
今坂 公宣 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
比較的簡単な設備でCNTを親水化できることを明確にしたことは評価できる。企業化するためのスケールアップとコストに関する課題があり、知財も含めて検討が望まれる。 |
1735 |
局在光制御を利用した単一波長励起小型プラスチックレーザーの開発 |
渡邉 博文 |
九州大学 |
前田 真 |
九州大学 |
有機色素を用いた導波路レーザーにおいて、深赤、近赤外および青色領域の発光に成功し、当初目的は達成できた。レーザの安定性、小型化の研究を進め、知的財産を確保し、企業化を図ることを期待する。 |
1736 |
微生物毒素を利用した新しい内視鏡がん治療薬剤の開発と応用 |
北田 栄 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
癌移植マウスを用いて、新規抗がん毒素PS2ACの効果を癌部への局所投与で確認しており、実施計画の達成については、ある程度評価できる。毒素であるので、正常組織への投与データも必要と思う。局所投与の結果のみでは、共同開発企業を見出すのは難しく、実用化について問題となる。 |
1737 |
固相分光法のための簡易吸光光度計の開発と応用 |
吉村 和久 |
九州大学 |
出田 光太郎 |
九州大学 |
従来法より非常に高感度の検出が出来る吸光光度計の試作を完成させ、製品化、知財の確保についても対応できていることは高く評価できる。実用化のための検討や特許出願も行われており、企業化が期待できる。 |
1738 |
有機−無機複合型超高活性酸素発生触媒の創製 |
正岡 重行 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
研究報告書の記載が不十分である。人工酸素発生触媒の開発と企業化への可能性を検討する課題であったが、開発の可能性が低く試験内容を変更している上、研究内容は企業化にはほど遠い内容である。 |
1739 |
液/液界面を反応場とする金ナノシートの調製と応用 |
木田 徹也 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
簡単に金ナノシートを作成することができたことは特筆すべき成果であると考えられる。最適化の検討、知的財産の確保を進めるとともに、応用の開発、企業化についても検討することを期待する。 |
1740 |
エアロゾル感染防止のための低温酸化触媒技術の開発 |
永長 久寛 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
光触媒のみでウィルスを酸化分解できることが示された点は評価できる。ただし、Xeランプを用いた実験であるので、きわめて強いUV光での活性を見ていることになる。商業的に使用可能な光源での蛋白分解能を示す必要がある。湿式法(金属表面に溶解した蛋白を塗末)でないと有効に分解できないことは、実用上の制限であり、本触媒の使用用途を見出すことが実用化のためには必要である。 |
1741 |
応用プロセス用大口径・高密度・低アスペクト比化されたヘリコンプラズマ源の開発 |
篠原 俊二郎 |
九州大学 |
直居 哲 |
(独)科学技術振興機構 |
装置アスペクト比0.075でも大面積・高密度のプラズマ生成を実現できたことは特筆できる成果である。電子温度の計測や反応性ガスでの知見を得る等を進め、企業との連携を進めることを期待する。 |
1742 |
金を用いない陶磁器用金呈色顔料の実用指向基礎研究 |
寺岡 靖剛 |
九州大学 |
出田 光太郎 |
九州大学 |
当初の計画をほぼ達成し、耐熱性を持つ金呈色無機顔料を用いて金色を発色させることを可能にした。企業と連携するとともに知的財産の確保もなされており、企業化が期待される。 |
1743 |
難治疾患治療薬を指向したアポトーシス阻害剤の分子設計、合成、機能 |
新藤 充 |
九州大学 |
石川 宗晴 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
ボンクレキン酸誘導体3種の構造活性相関の検討は評価できるが、誘導体の活性はボンクレキン酸のそれとほぼ同じであり、高活性のものを得られていない。企業化の実現性が見出させない。エステル化により、膜透過性が向上し細胞毒性を示すので、毒性を示さない低濃度でのアポトーシス阻害作用の検討が望まれる。 |
1744 |
0.78μm通信帯域−高分子電気光学材料の開発 |
横山 士吉 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
当初の試験項目を予定通り終了し、従来型非線形光学材料に対する優位性を確認でき、特許出願も完了している。しかし、目標のEO定数は大幅に未達である等、実用化に向けての課題も多いようなので、さらなる研究が望まれる。 |
1745 |
ヘテロ結合した活物質微粒子の新規液相合成と長寿命・ハイパワー電池の開発 |
土井 貴之 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
実用化に直接結びつく成果は得られなかったものの、高速充放電反応を達成する活物質の最適な粒子形とサイズが存在するという興味ある成果が得られている。学会発表等で企業のニーズへの適合ができる。 |
1746 |
安価で環境負荷の少ない医農薬原料合成:鉄触媒によるアニリン類の合成 |
砂田 祐輔 |
九州大学 |
坪内 寛 |
九州大学 |
パラジウム触媒から安全、かつ安価な鉄触媒を用いるアニリン誘導体の合成が、申請者らの提案した分子状シランを用いる方法で達成できている点は評価できる。しかし、実用化に向けては知的財産取得と企業との連携を進めてほしい。 |
1747 |
ゾルーゲルプロセッシングによる金属ナノ粒子内包薄膜の創製 |
本山 幸弘 |
九州大学 |
坂本 剛 |
九州大学 |
親水性CNF−P金属内包触媒合成に成功し、一定の触媒活性が確認されたことは評価できる。CNF−P触媒のシート化、実用化レベルの触媒活性と実用上の利点の検証が必要である。 |
1748 |
風力発電普及のための各種GPVデータの有効活用 |
内田 孝紀 |
九州大学 |
山内 恒 |
九州大学 |
GPVデータのフォーマット変換、補間法等の主要技術を開発し、実用化の目処をつけた。一方、乱流統計量データ解析等の周辺技術開発は残念ながら目標未達であるが、企業との共同研究等により加速し、実用化されることを期待する。 |
1749 |
人工歯根膜機能を有する新規インプラントの開発 |
新川 和夫 |
九州大学 |
坂本 剛 |
九州大学 |
本研究提案の成果については学術研究集会で公表されており、提案された研究計画はほぼ予定通りに達成されたものと判断できる。企業化や新たな知的財産の確保に関しても、従来の実績から実現性があると判断されるが、具体的なデータの提示が必要である。 |
1750 |
部分的純スピン流注入によるナノ磁石の新規な磁区構造制御技術の開発 |
木村 崇 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
要素技術の高度化は図られたが、目的としたスピン流注入と磁区構造に関する実験等がなされていない。波及性が期待されるシーズと判断されるが、企業化には更なる研究の積み重ねを要す。 |
1751 |
新規生体材料“蛍光核酸”を基盤とする機能性核酸センサーの開発 |
山東 信介 |
九州大学 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
RNAが基質分子と結合することにより蛍光を発する新しいセンシング法への道を開いたものとして評価できる。企業とタイアップして具体的なターゲットを選択しての研究が開始されようとしており、実用化が期待できる。 |
1752 |
金属ナノ粒子のオンファイバー界面合成による新規触媒材料の開発 |
北岡 卓也 |
九州大学 |
高田 仁 |
九州大学 |
金属ナノ触媒のオンファイバー界面合成、表面露出型ナノ触媒の機能評価を行い、ナノ粒子をペーパー上に合成調整することに成功したことは評価できる。ナノファイバー状態と反応効率を比較すると、10-30%のレベルなので、実用化に向けた効率の向上に期待する。 |
1753 |
高効率な部位特異的硫酸化タンパク質生産法の開発 |
角田 佳充 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
基質特異性のない硫酸転移酵素を改変し、ヒルジンの特定のチロシン基を硫酸化しようとする着目点は評価できるが、酵素基質特異性の改変は本来非常に困難な課題である。その上、研究報告書の記載が不十分で、どのような方針で酵素を改変し、目的を達成しようと計画したのか不明瞭である。 硫酸化が活性発現に必要なペプチドはCCKとヒルジンの2種類が考えられるが、これらのペプチドの医薬品市場を考えたとき、工業化の投資に見合う価値が得られるのかの検討が必要と思う。 |
1754 |
糖尿病性腎症の臨床診断マーカー探索およびスクリーニング系の構築 |
稲田 明理 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
高血糖維持、糸球体硬化などの糖尿病性腎症モデルのとしての有用性は検証できた。今回の成果は、正常血糖持続開始時期を変えても腎症が回復することを実証できたことである。しかし、発症因子探索、マーカー及びスクリーニング系構築には着手されていない。 |
1755 |
水酸基を利用したチタン表面のカルシウム修飾 |
石川 邦夫 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
1項目が手付かずにあるものの、ほぼ達成している点は評価できるが、実用化では、特段の成果が認められない。今後、知的財産となる知見の取得が必要である。 |
1756 |
PET薬剤創出のための多機能性ガリウム錯体の開発と応用 |
向 高弘 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
低酸素領域を認識できる標識リガンドを設計、合成できていること、および合成したGa錯体がマウス体内でも安定であることは評価できる。大部分が排泄されるので、感度の高いPETにおいてさえも特異性の高いイメージング画像が得られるのか明確ではないが、企業化の可能性が見出せた。 |
1757 |
大型動物用生体レドックス複合共振器システムの開発と応用 |
市川 和洋 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
共振器の方式・形状・効率・感度についての実験検討結果をもとに、実験動物の大きさに合わせた複合共振器を作成して検証を行い、その有用性を実証した。すなわち、大腸炎モデル動物において良好な生体レドックス画像が得られた。当初の目標を十分達成している。 |
1758 |
がん微小環境の生体レドックス分子イメージングを指向したリポソームの開発と応用 |
兵藤 文紀 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
既に開発したリポソームの改良を中心としてある程度目標を達成している。今後、実験動物での評価を進める必要がある。複雑な構造の体内診断薬になるので、無菌化や各構成要素および製剤の安全性試験など、実用化には多額の費用を要すると思われる。 |
1759 |
シート状電荷移動錯体を用いたプラスチック電子回路の基礎的検討 |
安達 千波矢 |
九州大学 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
将来の有機半導体エレクトロニクスの基本となる貴重なシーズ技術が発掘された。原理検証の段階であるが、企業との共同研究の開始、特許の共同出願もなされており、今後の展開が期待される。 |
1760 |
高い波長選択性を有する狭帯域応答有機フォトダイオードの創製 |
横山 大輔 |
山形大学 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
具体的な成果・データの記載がなく、実用化の可能性を評価するのは困難である。基礎技術の確立に向けてさらなる研究が望まれる。 |
1761 |
次世代PCB配線におけるBGA引き出し整列配線技術開発 |
梶谷 洋司 |
北九州市立大学 |
大田 俊彦 |
(財)北九州産業学術推進機構 |
BGAのための整列回路の自動生成に成功し、BGAからの引出し技術とバスの平面配線技術の開発を進めたが、成果を客観的に評価出来る数値データを提示する必要がある。 |
1762 |
殺菌機能性を有する高強度アルギン酸塩膜の開発 |
森田 洋 |
北九州市立大学 |
加藤 さとみ |
(財)北九州産業学術推進機構 |
Cu添加TiO2光触媒の殺菌効果が最大10万倍に増加する等、研究成果が十分具体的に示されている。計画以上の研究の進展が伺え、今後の企業化等の戦略も明確に示されている。 |
1763 |
小学生用読書評価ツールの開発と実証 |
氏間 和仁 |
福岡教育大学 |
坂本 好夫 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
読書評価用ソフトウエアを開発し、データ取得の妥当性を示すことができた。一方、そのデータの分析にもとづき、読書障害者をどのように支援できるか等を検討し、実用に展開してほしい。 |
1764 |
せん断型微小疲労き裂進展試験装置の開発と応用 |
松永 久生 |
福岡大学 |
田中 洋征 |
福岡大学 |
疲労試験機を作製し、ほぼ研究計画通りの成果が得られている。開発した疲労試験機については、知的財産権の出願がなされており、商品化に向けて成果の広報にも積極的に取組んでいることから企業化への進展が期待できる。 |
1765 |
ヒトリラキシンの合成およびその抗体を用いる新規定量法の確立 |
安東 勢津子 |
福岡大学 |
坂本 弘明 |
福岡大学 |
合成ペプチドを用いてタンパク質の抗体を産生したとき得られるのはポリクローナル抗体であり、これはロットや免疫方法によりばらつきが多く、安定した力価をもつ抗体は得られないことが多い。ましてやこれを定量に使うのは難しい。製品化にはモノクローナル抗体取得につなげる道筋が必要と考える。 |
1766 |
超音波照射による光触媒の抗がん作用の確認および実用化研究 |
立花 克郎 |
福岡大学 |
坂本 弘明 |
福岡大学 |
モデル動物の癌組織への酸化チタンの直接投与と超音波照射の併用によって抗腫瘍効果が示されたことは進展である。実用化のためには現時点のデータで知財確保が可能か検討を要する。 |
1767 |
麻薬性鎮痛剤の耐性形成の仕組みの解明と耐性抑制剤の開発 |
高野 行夫 |
福岡大学 |
松山 拓郎 |
福岡大学 |
計画された(1)慢性痛モデル動物の作成と、(2)モルヒネ依存性とバゾプレシン受容体との関連解明については達成された。製薬企業との共同研究で、バゾプレシン受容体を介したモルヒネ耐性形成抑制作用がある物質を見出したことは進歩である。まだ脳移行性などの問題があるが、共同研究で解決していただきたい。 |
1768 |
糖鎖の機能を基盤とした分子設計による新規抗ウイルス活性化合物の探索 |
壬生 伸子 |
福岡大学 |
松山 拓郎 |
福岡大学 |
分子モデリングやNMR、熱分析に労力を費やしているが、これらの検討結果がどのように抗ウイルス作用に関連しているのか明確になっていない。 知的所有権や企業化に結びつくような強い抗ウイルス活性をもつ化合物を得るには至っていない。 |
1769 |
民間伝承植物成分のガン治療薬およびガン発症予防薬としての可能性 |
藏元 佑嘉子 |
福岡大学 |
田中 洋征 |
福岡大学 |
概日リズムを利用した投薬法は現在広く試みられている。しかし、この生薬成分にも概日リズムを考慮した投薬が有効である事を明らかにしたことは評価できる。計画していた有効成分の同定は未だ着手されておらず、同定にはかなりの時間を要すると考える。また、なぜ混合剤でなければならないのか説明が不十分である。 |
1770 |
小型薄型高トルク遊星歯車減速機の開発 |
山本 耕之 |
久留米工業大学 |
田中 邦明 |
株式会社久留米リサーチ・パーク |
構造の変更が耐久性の問題で試作できず、効率も当初目標には達しなかったが、効率は着手前より大幅に向上するとともに、原因や今後の継続計画がはっきりしているが、実用化には時間はかかるだろう。研究の継続を期待する。 |
1771 |
高変換効率を有する色素増感型太陽電池の開発と応用 |
能智 紀台 |
九州共立大学 |
福田 隆三 |
(財)北九州産業学術推進機構 |
当初計画通りの実験がなされ、従来法に比べて最大出力は向上しているが、変換効率が目標を達成したのか明らかでないのが残念である。従来法に対する優位性を明確にするためには、変換効率についての評価が必要と考えられる。 |
1772 |
プロテアーゼ活性化受容体2の機能を修飾するDNAアプタマーの開発 |
木田 豊 |
久留米大学 |
池田 敬史 |
株式会社久留米リサーチ・パーク |
実施計画は目標を達成している。しかし、細胞レベルの試験で、作製したアプタマーEEL-4のヒトPAR-2アンタゴニスト活性が低い。DNA鎖の安定化で改善する計画だが、そのための化学構造探索は大きな労力を要し、共同研究先を探すのは困難であろう。 |
1773 |
セレウス菌産生嘔吐毒素セレウリドのアプタマーによる新規検出方法の開発 |
東元 祐一郎 |
久留米大学 |
池田 敬史 |
株式会社久留米リサーチ・パーク |
セレウリドの検出ができるようになったことは評価できるが、得られたアプタマーのKDは10-7 mol/Lと高い。実用化のためには、より親和性の高いアプタマーを作製し、検出感度を改良する必要がある。 |
1774 |
マイコプラズマ特異抗原を使ったマイコプラズマ肺炎診断キットの開発とその臨床応用 |
桑野 剛一 |
久留米大学 |
池田 敬史 |
株式会社久留米リサーチ・パーク |
ポリクローナル抗体を用いてELISAを構築しているが、、ポリクローナル抗体はロットや免疫方法によりばらつきが多く、安定した力価をもつ抗体は得られない。これを定量に使うのは難しい。診断用ELISA構築のためには多くの労力を必要とするがモノクローナル抗体の取得が必要と考える。 |
1775 |
超音波を利用した送電線監視装置の実用化開発研究 |
谷口 泰敏 |
福岡工業大学 |
宮崎 賢 |
福岡工業大学 |
設定した実験条件の下での送電線の傷の検知に成功したことは評価できる。しかし、実用化には一般的な条件下での測定が必要であり、また知財についての対応も必要である。 |
1776 |
身体動作の制約を補う多自由度操作デバイスの開発 |
榊 泰輔 |
九州産業大学 |
藤本 敏樹 |
九州産業大学 |
手指に装着して操作感が軽い、実用的インタフェースの提案し、研究計画に沿って適切に行われており、妥当な成果である。一部の未実施の項目について、目標の定量化を含めた今後の展開を期待している。 |
1777 |
接着歯冠修復用新規ガラス線維強化型コンポジットレジン (FRC) の開発 |
清水 博史 |
福岡歯科大学 |
石川 宗晴 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
審美性があり、かつ薄くても実用に耐えうる新規歯科用FRCを開発するという試みであるが、「金属材料と同等の強度を有する」という目標の実現には至っておらず、知財の確保の可能な材料、被覆材の開発を期待したい。 |
1778 |
DNA/キトサン/人工脂質複合体のインジェクタブルGTRへの応用 |
井上 勇介 |
福岡医療短期大学 |
田村 明美 |
福岡歯科大学 |
医療用新素材として展開が期待される。研究計画はほぼ実施されているが、実用化するには至っていない。動物実験で強い炎症反応が生じており、何らかの工夫が必要と思われる。医薬品としてインジェクタブルなペースト状DNA/キトサン/人工脂質複合体を製造するには、無菌化が必須であるが、どのようにして実施するかの実証も不可欠である。 |
1779 |
ペプチドリガンドによるタンパク質分離・解析用次世代型TLCシステムの開発 |
治京 玉記 |
中村学園大学 |
太田 嘉孝 |
(財)福岡県産業・科学技術振興財団 |
リガンド分子設計と担体への結合までに全精力を注がれている。今後の可能性はあるが、実現と企業化にはまだかなりの道のりがある。ただし、共同研究先としての企業があることは次への進展につながる。 |
1780 |
天然成分を用いた新規食品の保存性向上に関する研究 |
笈木 宏和 |
久留米工業高等専門学校 |
石川 宗晴 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
開発した手法は保存性向上の手法としての新規性は低いが、食品自体は新規である。既に店頭での販売もしており、評価できる。製造方法(加熱時間)を検討し、安定した保存特性を確立してもらいたい。 |
1781 |
テラヘルツ分光計測によるゴム評価法の開発 |
平川 靖之 |
久留米工業高等専門学校 |
末松 正典 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
ゴム中のフィラー分散状態を解析する新しい試みとして評価できる。実用化には装置の簡略化や知的所有権の確保などの検討が望まれる。 |
1782 |
低温プラズマ技術による高感度可視光応答性光触媒微粒子の開発 |
山田 憲二 |
北九州工業高等専門学校 |
米倉 英彦 |
(財)北九州産業学術推進機構 |
Cu担持層のキャラクタリゼーションができていることは評価できるが、合成条件の検討粒(実験粒)が少なく、実用化には新しいポイントが必要である。 |
1783 |
導電性ダイヤモンド電極を用いた有機電解反応によるアルカンの部分酸化に関する研究 |
藤本 大輔 |
有明工業高等専門学校 |
大田 信一 |
(財)福岡県産業・科学技術振興財団 |
実験結果を受けて当初の予定を修正して取組んだ点は評価できるが、ダイヤモンド電極がむしろ劣っている結果であり、今後の研究の見直しが必要である。 |
1784 |
ヤーコン由来の新規天然化合物による実用美白素材の開発 |
楠本 賢一 |
福岡県工業技術センター |
水城 英一 |
福岡県工業技術センター |
ヤーコン中に含まれるある物質がメラニン合成に関与するチロシナーゼの分解を促進する事を明らかにし、従来の美白剤であるアルブチンと作用機序が異なることを明らかにしている。構造も同定した。ヤーコンからのその物質の収量は経済的に十分なのかは今後解明していく課題である。アジアをターゲットとした特許出願をするべきと考える。 |
1785 |
天然植物からの有用成分高効率抽出技術の研究開発 |
林 伊久 |
福岡県工業技術センター |
長田 純夫 |
九州工業大学 |
目標を十分に達成していると同時に、企業化への組織づくりも適切である。発展的な研究開発への申請も視野に入っており方向性としては極めて良い。実用化のためには課題抽出とその検討が必要である。 |
1786 |
高配向カーボンナノチューブ組織体を利用した光電変換素子の開発 |
白木 智丈 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
CNTを用いた光電変換効率の向上に関し一定の成果は上がっているが、得られた光電流値が示されておらず、実用化への道が明らかにされていないのは残念である。さらなる試験の積み重ねが望まれる。 |