No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
62 |
高温で安定動作する高効率GaN電力変換トランジスタの開発研究 |
橋詰 保 |
北海道大学 |
堀田 大介 |
北海道大学 |
革新的な電力変換素子の開発が急務であり、ジュール損失を劇的に低減すること、高温での安定動作を実現して冷却システムを不要とすることが求められている。窒化ガリウム(GaN)は、これらの課題をクリアできる材料であり、本試験研究では、「多重台形チャネル構造」をAlGaN/GaNへテロ構造に適用し、構造設計・シミュレーション・系統的な評価により、300℃までの高温領域で特性変動の極めて少ないデバイス構造の実現を目指す。 |
236 |
マイクロ・ナノバブル技術を活用した半導体ウエハ、冶工具の洗浄技術開発 |
浅野 俊之 |
茨城県工業技術センター |
津田 征夫 |
株式会社ひたちなかテクノセンター |
半導体製造における異物など汚染物質の洗浄に関わる有機溶剤の使用量増大とその排液処理などの洗浄コストおよび環境負荷の増大が問題となってきている。そのため、マイクロ・ナノバブル技術を半導体ウエハや製造用冶工具類の洗浄に応用し、有機溶剤を大幅に削減した洗浄技術を開発するとともに半導体ウェハ・治具洗浄試験装置を試作し、半導体製造における有機溶剤の使用量を画期的に削減するとともに排液処理負荷の軽減および製造コストの大幅な低減を図るものである。 |
372 |
スパッタ法によるシリコン上酸化物バッファ層を用いた強磁性薄膜積層化の検討 |
秋山 賢輔 |
神奈川県産業技術センター |
森山 芳樹 |
神奈川県産業技術センター |
シリコン(Si)基板上に高結晶品質なマグネシア(MgO)等の酸化物エピタキシャルバッファ層を量産可能な薄膜作製プロセスであるスパッタ法にて作製し、スピントロニクス用の強磁性薄膜(Fe3Si)をモノリシックに成長させて積層化技術を検討する。絶縁性をもった厚さ50nm程度のMgO薄膜等のバッファ層としての有用性を検証し、Si基板上あるいはワイドギャップ半導体である炭化珪素(SiC)基盤へのFeやFe3Si等のスピントロニクス材料の積層化の基盤技術を確立する。 |
410 |
CoSix/Siによる超高速・広帯域(可視・赤外)光電変換素子の開発と応用 |
安井 孝成 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
CoSix(膜厚数nm)とSi(下層)から構成される薄膜光電変換素子の開発である。Si表面上の自己組織化CoSix/Si界面で発生する高速光誘起キャリアを利用し、赤外?可視域の光発電素子の実現を目指す。赤外域の量子効率改良により赤外?可視光を光電変換するワイドバンド太陽電池が可能で,地球温暖化要因(赤外線)を低減しつつ電気に変換できる。微量のCoとSiおよび電極材料による薄膜構造で、希少元素を多量に必要とせず、光素子や高速素子で多用される化合物半導体の代替素子としても期待される。 |
419 |
Si(111)面上GaSb系へテロエピタキシーによる低価格化赤外光素子 |
内富 直隆 |
長岡技術科学大学 |
松浦 康次 |
長岡技術科学大学 |
Si(111)基板上にSb系半導体へテロエピタキシーを行いGaSb/AlGaSbおよびInを含む関連した多重量子井戸構造を作製し、その赤外発光・受光素子としての可能性を明らかにし、Si(111)基板を採用した低価格な光デバイスの実現を目指す。Sb系半導体の転位密度の低減のために超格子の採用やバッファー層の最適化を行う。また、選択エピタキシャルの導入によるSi半導体との複合化についても検討を行う。 |
475 |
新しい電極構造を用いたn型有機トランジスタの開発 |
藤原 明比古 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
有機トランジスタは、柔軟性や耐衝撃性にすぐれておりユビキタス社会の電子デバイスとして期待されている。実際に駆動素子として用いるためには、p型とn型双方のトランジスタを用いる必要があるが、p型に比べn型トランジスタの性能が劣っている事が問題となっている。本研究では、新しい電極構造を用いる事で電極の接合問題を改善し、ディスプレー等に応用可能な性能のn型有機トランジスタの開発を目指す。 |
562 |
均一組成化合物半導体結晶作製新規技術の実用化 |
岡野 泰則 |
静岡大学 |
鈴木 孝典 |
静岡大学 |
化合物半導体の結晶育成において、溶液に電場等を印加することで溶液状態を制御して、組成の一定な結晶を育成する技術を開発する。シミュレーションにより得られた条件を実際に結晶育成に応用することで効果を実証する。 |
645 |
無欠陥歪み超格子半導体による小型ハイパワースピン偏極電子源 |
竹田 美和 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
ナノ磁区構造観察可能なスピン偏極電子顕微鏡の高性能化が期待されているが、申請らは歪み超格子フォトカソードによるスピン偏極電子源を開発し、世界最高性能を実現している。本課題では、半導体レーザー光の波長域で励起されるように、超格子構造の最適化と歪み制御によりバンドチューニングを行う。また、歪み補償型超格子の採用により結晶を無欠陥化し、量子効率を向上させる。これにより、汎用性の高い小型ハイパワー偏極電子源を実現する。 |
662 |
分離閉じ込め構造中に埋め込んだ分散量子ドット広帯域光源の開発 |
渕 真悟 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
分散量子ドットを用いた広帯域光源を開発している。これまでに、キャップ層で埋め込んだ分散量子ドット発光ダイオードを作製し、近赤外線領域で広帯域な発光を得ることに成功している。しかしながら、実用化のためには、試料端面からの光出力が不十分である。そこで、光導波路構造を作製し、光取り出し効率を向上させることが考えられる。本研究では、光導波路構造の基本構造である分離閉じ込め構造を作製することによって、試料端面からの光出力の増大を試みる。 |
718 |
薄膜フォトダイオードと薄膜トランジスタによる人工網膜 |
木村 睦 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
薄膜トランジスタは、フラットパネルディスプレイの駆動素子として広く使用されてきた。本研究では、これまでなかったイメージセンサとしての応用を試みる。特に網膜の機能として、センシングエリアにおけるデバイスレベルでのリアルタイムな画像処理の実現を目的としており、世界的にも初めての開発である。将来展開として、ロボットの自律制御システムの視覚入力素子、エリアスキャナ、X線テククタや埋込型人工網膜への応用も期待される。 |
1017 |
柔軟な知能情報処理のためのフレキシブル連想メモリLSIの開発とその応用 |
小出 哲士 |
広島大学 |
三原 博道 |
広島大学 |
入力データとメモリ内の参照データ間の最小距離検索処理は画像処理、物体認識、並びにパターンマッチングに代表されるような認識システムにおける基本的かつ重要な処理であり、この機能のコンパクトなLSIハードウェアによる実現が強く求められている。本研究では、このような機能を実現する高速かつ低消費電力な連想メモリLSIを開発し、パターンマッチング処理が必要なアプリケーションへの応用について研究を行う。 |
1076 |
動画像圧縮を高速で実現するH.264/AVC CABACエンジンの開発 |
宋 天 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
本提案は、順次処理しかできないと考えられていたCABACエンジンを、「適切な予測」により数ビットの並列処理ができるように考案したもので、従来手法と比べ、およそ3倍の高速処理を実現したものである。本手法を用いれば、従来は困難とされてきた高解像度アプリケーションがリアルタイムで処理できることがシミュレーションにより確認できた。なお、これまでの研究成果は学術論文にまとめるとともに特許出願中である。 |
1099 |
先端半導体パッケージ信号伝送解析ツールの開発 |
丹治 裕一 |
香川大学 |
田村 英樹 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
電子システムは電子部品をプリント基板上に実装し構成されている。ここで,集積回路とプリント基板を結合するものがパッケージである。パッケージは年々複雑化しており、電磁ノイズの影響によるディジタル信号の誤伝送がシステムの誤動作を引き起こす。しかしながら、解析するための効率的なソフトウェアは存在せず、信号の誤伝送は設計において十分には考慮されていない。そこで、本研究では信号伝送を効率良く解析するソフトウェアの開発を行う。 |
1122 |
微小共振器構造をもつ有機半導体レーザーの開発 |
近藤 久雄 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
有機ELなどで見られるように、有機材料を電子・光デバイスへ応用する研究開発が盛んに行われている。有機半導体レーザーもその一つであり、物質選択の多様性、製造過程の簡便化、加工の柔軟性など、これまでの無機半導体レーザーにはない優れた特徴をもつ。本研究課題では、有機半導体薄膜の両面に誘電体多層膜鏡を配置した微小共振器構造を開発し、これによりレーザー発振の閾値を低下させ効率を高めることを目指したものである。 |
1168 |
水中レーザー照射法を用いた半導体デバイスプロセス技術開発 |
池上 浩 |
高知工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
我々は、水中でレーザー照射を行う方法を用いて、薄膜の表面平坦性を維持しつつ熱処理が可能な水中レーザーアニール技術、高生産で低損傷なレーザー微細加工技術の開発を行っている。本研究では、これらの技術を半導体プロセス技術に適用する為、量産対応の高繰り返しレーザーを用いて企業等より提供を受けた試料のデモンストレーション処理を行ない、量産対応技術として実証すると伴に成果の発表を行い、これらの技術の有用性を確認する事を目的とする。 |
1186 |
湿式プロセスによる高効率高分子素子の開発 |
永松 秀一 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
現在の有機ELディスプレイを搭載した携帯電話やテレビは、真空蒸着などの乾式プロセスにより製造されている。本研究は、さらなる低コスト化を図るために、発光性高分子を用いた有機ELデバイスにおいて、高い発光効率を示すポリフルオレンについて、簡便な湿式プロセスによる高効率なELデバイスを開発する。 |
1199 |
フィボナッチ数列により最適化された超低消費電力・高速DACの開発 |
Pokharel Ramesh |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
従来のデジタル回路では、CML(current mode logic)や3次元実装によりインダクタンス結合やソフトウエアからの最適化も提案されているが、消費電力がもっとも重要になるアナログ回路、例えばDAやAD変換回路の設計には低消費電力は半導体デバイスの微小化に伴い実現されている。本研究では、フィボナッチ数列を応用した新しいトランジスタ最適化手法により、次世代無線通信用超低消費電力・高速DA変換回路を開発する。 |
7(B) |
有機EL駆動用高性能高耐久性有機薄膜トランジスタの試作開発 |
小川 智 |
岩手大学 |
近藤 孝 |
岩手大学 |
シラン系自己組織化単分子膜(SAMs)を絶縁膜と有機半導体との界面に化学修飾し、その上に垂直に組織化された分子平面の垂直軸方向に伝導チャンネルが形成されるプリンタブル有機半導体をその構造制御により配置、または薄膜単結晶が作製可能であれば単結晶有機半導体分子として配置し、有機ELの表示素子に有機薄膜トランジスタを搭載した、これまでに実用化されていない表示モデルを試作開発する。 |
23(B) |
超臨界流体を利用したSi融合三次元集積回路形成要素技術開発 |
近藤 英一 |
山梨大学 |
菅原 幸雄 |
山梨大学 |
これまでの真空主体のプロセスに替えて超臨界流体を利用し、Si 基板上に分散しているメモリー、ロジック、MEMS/RF コンポーネント、センサ類を融合し、Si 集積回路の超小型多機能化を実現するための要素技術開発に関するものである。超高アスペクトのチップ貫通配線作製技術を完成を狙って高度化を図るとともに、高アスペクト構造内被覆絶縁膜、キャパシタや圧電MEMS 向けの酸化物堆積技術の可能性を検討する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
64 |
ニードル型半導体ダイヤモンド電子源のパルス動作特性の把握 |
金子 純一 |
北海道大学 |
堀田 大介 |
北海道大学 |
本提案は、超小型バーナ火炎(マイクロフレーム)を複数配列することで任意の燃焼「面」を形成し、電気ヒータでは困難な「簡便で高温度な均一の加熱(燃焼)面」を提供するものである。本提案技術は既存加熱技術であるヒータに比べて総合エネルギー変換効率が高く、省エネルギーに資する。既に我々は平らな燃焼面形成に成功しているが、本試験研究では配列最適化を通じてこれを「任意燃焼(加熱)面の創製」へと拡張し、革新的熱源としてのシーズ基盤を確立する。 |
91 |
ナノインデンテーション法を用いた金属間化合物の機械的特性評価技術の開発 |
田中 大之 |
北海道立工業試験場 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
電子部品のはんだ接合部分等の界面において生成する金属間化合物の挙動は、接合界面の長期信頼性設計に大きな影響を与えており、金属間化合物の機械的特性の評価を目的としている。本研究ではナノインデンテーション法を用いて通常の引張試験法等では評価が困難な錫系金属間化合物の機械的特性評価技術を検討する。 |
105 |
高耐熱性銀薄膜を応用した新規透明導電膜の開発 |
川村 みどり |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
ディスプレイデバイスにはITO等の透明導電膜が必要不可欠であり、近年さらに、各種ITO代替酸化物やITO/メタル/ITO膜に注目が集まってきている。研究者は、熱処理を施しても良好な表面形態及び電気的特性を有する銀薄膜をこれまでに作製してきている。そこで本研究では、その高耐熱性銀薄膜を有機EL素子等における新規な透明導電膜として用いるための、基礎的な特性を検討する。 |
138 |
新規ナノコンポジット薄膜を活用したサーミスタ素子の開発 |
山口 明 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
1つの素子で温度補償を行うことができる高周波回路用サーミスタの開発が求められている。しかし、低抵抗で大きな抵抗温度係数を有する等の、要求される特性に応えるものはまだ見いだされていない。そこで申請者らが製法を確立し、既に予備試験にてサーミスタとしての目標値に近い性質を示すことが明かとなったナノコンポジット薄膜を用い、作製条件や組成等を最適化し、安価で優れた性能を有する高周波用サーミスタの開発を目指す。 |
148 |
ZnO系薄膜を用いた高感度紫外線パネル検出器の開発 |
道上 修 |
岩手大学 |
大島 修三 |
いわて産業振興センター |
本研究では、紫外線照射で電気抵抗が大きく低下する窒素(N)ドープZnO薄膜を用いて、マトリックス状の受光部を持つ光導電型紫外線パネル検出器の可能性を追求する。縦横の配線には、低抵抗のZnO系透明導電膜を使用する。受光部は、紫外線応答する高抵抗薄膜を縦横の配線の交差部に介在させた積層構造となっている。本実験では、積層膜形成による問題点及びマトリックス検出器の計測上の問題点を明確にし、ZnO系検出器の開発を図る。 |
149 |
トリアジンチオールを用いた新規配線技術の開発 |
馬場 守 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
電子デバイスの作成には、パターン露光と現像処理で薄膜上に作成したレジストをマスクとしてエッチング液で薄膜に所望のパターンを施す微細加工技術が用いられる。しかし、この方法では、エッチング時に基板にダメージを与えることがある。本応募課題は、トリアジンチオール有機ナノ薄膜技術と微細加工技術との融合により、環境に優しい有機エレクトロニクスのための迅速で安価な微細加工技術などの次世代電子デバイス基盤技術を開発することを目的とする。 |
161 |
アセチルアセトン亜鉛をMO-CVD原料としたa軸配向ZnO透明トランジスタの開発 |
羽賀 浩一 |
仙台電波工業高等専門学校 |
山口 一良 |
科学技術振興機構 |
本試験では、独自の製法により作製した昇華特性が安定なアセチルアセトン亜鉛(Zn(C5H7O2)2)ファイバーをMO-CVD原料としたa軸配向ZnO 透明トランジスタ(TFT)を開発することを目的とする。具体的には、本ファイバー原料を用いてZnO 薄膜の表面平坦性を向上させ、TFT の高速化に最適な配向面を有するa軸配向ZnO 薄膜を作製し、それを透明TFT の作製プロセスに応用してデバイスの基本特性である移動度、on/off 比の向上を確認する。 |
162 |
テーパースロットアンテナを用いた300GHz帯SBD検出器アレイの開発 |
鈴木 哲 |
仙台電波工業高等専門学校 |
羽賀 浩一 |
仙台電波工業高等専門学校 |
本試験では、ショットキ・バリア・ダイオード(SBD)とテーパースロットアンテナ(TSA)を組み合わせた1次元アレイの開発を目指す。具体的には、5素子のアレイ検出器を製作して300GHz 帯で検出実験を行い、TSA の指向性、検出器感度、素子間のクロストーク、イメージングの空間分解能、時間領域計測への応用など、実験的に明らかにする。 |
201 |
液晶レンズを用いた光ピンセット装置の開発 |
河村 希典 |
秋田大学 |
三浦 喜一 |
あきた企業活性化センター |
強く集光したレーザ光を微粒子(〜μm)に照射することで光の放射圧が発生する。この光放射圧を利用することにより微粒子を焦点位置に捕捉・操作する光ピンセット技術がある。本研究課題では、焦点距離、光偏向機能、干渉効果及び楕円形状の屈折率分布特性すなわちアナモルフィックレンズ特性を有する液晶レンズを試作し、機械的制御系を一切必要としない新規な光ピンセット装置の開発を目指すことである。 |
216 |
高感度多機能磁気力検出システムの開発 |
大嶋 重利 |
山形大学 |
小野 浩幸 |
山形大学 |
永久磁石を用いて非破壊非接触で超伝導薄膜の臨界電流密度(Jc)や磁性薄膜の磁気特性(μ)などを評価できる、高感度多機能磁気力検出システムを開発する。平成19年度に、超伝導薄膜の電流密度測定システムを試作したが、そのシステムの感度をより向上させ、超伝導薄膜の正確なJc評価や磁性薄膜のμの測定も可能となるように改修する。さらに、小型・軽量・コンパクトなシステムとなるようにデザインする。 |
218 |
RTD線路を用いた超高周波電圧制御発振器の開発 |
楢原 浩一 |
山形大学 |
村山 朋也 |
山形大学 |
本試験では、共鳴トンネルダイオードを周期装荷した伝送線路(RTD線路)を用いた「サブミリ_テラヘルツ波発振器」の開発を目的とする。RTDピーク電圧に満たないパルスエッジは指数関数モード、一方ピーク電圧を越えたエッジは正弦関数モードで伝搬する。両モードの速度整合のために、パルスは自励的な往復伝搬を開始する。この現象を用いた発振器の動作原理を試作評価により確認することが主たる課題である。 |
240 |
薄型熱発電式ユビキタス電池の開発 |
鵜殿 治彦 |
茨城大学 |
相澤 淳一 |
茨城大学 |
本研究は体温から100℃程度の低熱で発電する小型の熱電電池を開発する。この電池は手に触れるだけで発電し、半永久的に使える電源として活用できる。現在、優れた熱発電材料として、BiTe・Sb/Se系があり、この材料でそれなりの性能を確保できるが、これら元素の埋蔵量は少なく、また、毒性による規制の恐れがある。そこで我々は、資源量が豊富で安全性が高いMg2Si系の熱発電材料を用いて熱電電池の開発を進める。 |
255 |
大容量ブロードバンド通信向け超低歪み高速信号伝送ケーブルの開発 |
安永 守利 |
筑波大学 |
上原 健一 |
筑波大学 |
今後の大容量ブロードバンド通信には低歪み信号伝送ケーブル技術が不可欠である。一方、従来技術の延長では低歪化が困難になりつつある。本試験では、従来とは発想を180度逆転した全く新たな手法により信号歪みの低減を試みる。具体的には、伝送経路中にノイズを故意に発生させ、このノイズによって信号波形の歪みを整形する。波形整形のためのノイズの組み合わせ問題を解くためには、遺伝的アルゴリズムを用いる。 |
266 |
マイクロ分析デバイスの細胞機能評価への応用展開 |
鈴木 博章 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
細胞の機能評価に用いる試薬などは高価であるが、極めて微量(nL〜pL)の細胞や試薬で機能解析を行うマイクロデバイスが実現されれば、効率的な評価が可能となるだけでなく、動物実験代替にもなりうる。本研究では、MEMS技術を応用し、@動物細胞を培養または採集し、Aサンプリング機能、試薬注入機構、pH調節機能等を有し、B細胞の代謝に関わる化学物質の濃度変化を検出する新型マイクロデバイスの技術を確立する。 |
376 |
実装自由度を高める光端子ビルトイン光素子モジュールの開発 |
三上 修 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
面発光レーザ(VCSEL)やフォトダイオード(PD)などの光デバイスを実装する際の最大課題である高効率化かつ低コスト化を実現するために、「光端子ビルトイン光素子モジュール」を開発する。本モジュールは、光硬化性樹脂より成るキューブ型のモジュール構造を有し、キューブ内の所定の位置にビルトインされた光入出力用の「光接続端子」、および電気信号入出用の「電気端子」を具備する。 |
422 |
液晶配向印刷法によるLCD作製技術の確立 |
木村 宗弘 |
長岡技術科学大学 |
松浦 康次 |
長岡技術科学大学 |
液晶表示素子を作製するには、液晶分子を基板上で配向させる必要があるために、その処理法として「ラビング法」と呼ばれる機械的な手法が長年採られてきた。しかし、発塵や静電気の発生が問題となっており、代替法として光配向やイオンビーム法等が検討されている。本研究では、印刷法をベースに液晶の”配向”を対向界面に印刷転写することによって界面分子配向を形成する手法を確立する。マスタードラム側及び基板に適切な条件を与えることによって、プレティルトも付与できる。LCDだけではなく、光学フイルムや電子ペーパー製造技術に応用できる、画期的な要素技術を提供するものである。 |
431 |
多孔質柱状酸化チタン薄膜によるエレクトロクロミック素子の実用化研究 |
本保 栄治 |
富山県工業技術センター |
谷野 克巳 |
富山県工業技術センター |
中周波電圧を印加するスパッタ法によって作製した多孔質柱状酸化チタン薄膜に機能性色素を吸着した構造で電圧をかけると着色するエレクトロクロミック素子を開発した。この素子はナノサイズの柱が整列した薄膜を利用することから、着色効率が良く、非着色時の光の透過率が高い。また、微細表示や多色化が可能である。本研究では実用化のために、反射率を制御する調光ミラーや透過型・反射型の情報表示板を試作・評価する。 |
461 |
画像処理機能を搭載する高速・高解像度イメージセンサの実証システムの開発 |
秋田 純一 |
金沢大学 |
中村 尚人 |
有限会社金沢大学ティ・エル・オー |
高速カメラとFPGAボードの組み合わせによりVisionChipを模擬し、画像処理アルゴリズムと処理回路の最適化設計によってオプティカルフロー算出を実証するシステムを構築する。VisionChipとは、カメラと画像処理機能を同一チップ上に集積した、画像処理システムの小型化・低価格化と高速化の両立が可能な高機能撮像素子である。本研究では、従来のVisionChipでは実現が困難であったVGA解像度、毎秒200フレームの画像処理を、申請者が考案した列並列構成により行うVisionChipを対象とする。 |
515 |
ポリイミド/CNT複合体の微細加工技術と電極・電子部品応用 |
伊東 栄次 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
本技術は耐薬品性や耐熱性に優れたポリイミドをナノインプリント技術と異方性エッチング技術により微細加工し、電極開口部にカーボンナノチューブ(CNT)とポリイミドの複合体を埋め込む技術を提供するものである。電界電子放出源として4V/μm 以下で1mA/cm2 を実現し、直径5μm のビアホールにおいて10Ω以下の立体配線を実現することを目標とする。 |
523 |
広い直線範囲と低温ドリフト特性を持つ渦電流変位センサの開発 |
水野 勉 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
磁性めっき線を用いた渦電流形変位センサのコイルの構造と励振周波数を検討することで、温度ドリフト(温度変化に起因する出力電圧の変動)の低減を図る。従来技術の1.5 倍のL0/D((L0:出力電圧の直線範囲、D:コイルの外径) を有し、かつ従来技術と同等の温度ドリフト±1%/F.S.以下を目標としている。 |
536 |
高磁束密度・高保持力を有する新規ナノ磁石材料の開発と応用 |
劉 小晰 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
本研究は、磁気ヘッド、磁気センサー、MEMS などの微細な電子デバイスにおいて主に磁界発生に用いられるFeCo 薄膜を用いた高性能ナノ磁石の開発技術についてのものである。その特性は従来のCoCrPt材料の(BH)max の2倍以上、飽和磁束密度が2.4 T、 保磁力が3 kOe 以上、角型比が0.95 以上の優れた特性を示すナノ磁石の実現を目標とする。室温下で生成できることを特徴とする。 |
539 |
CoFeB磁性薄膜を用いたGHz帯薄膜伝送線路整合器の低損失化 |
中山 英俊 |
長野工業高等専門学校 |
坪井 開 |
長野県テクノ財団 |
本技術は、将来のICモジュール化に対応した薄膜技術で作製される小型集積伝送線路整合器の開発により、携帯通信機器の電子回路の小型化の要求に応えるものである。特に、CoFeB 磁性薄膜を使用することにより、従来の伝送線路に対して数分の1のサイズに縮小できる特徴を有する。さらに低損失化のため。スリット加工の効果の実証と目標性能の達成を目標とするものである。 |
604 |
テルビウム添加ファイバによる高効率グリーンレーザー発振の実現 |
大石 泰丈 |
豊田工業大学 |
山下 勝次 |
豊田工業大学 |
510〜570nmの緑色波長帯は半導体レーザーを作製するのが困難であることが知られている。このため、たとえばNd:YVO4結晶からのレーザー光を非線形光学結晶の第二高調波発生(SHG)によって532nmに変換することでグリーンレーザー光が得られている。この方法では、高価な非線形結晶が劣化する問題がある。本研究では、緑色で発光するテルビウム(Tb)イオンを添加した光ファイバを用いて効率的で安価なグリーンレーザーの実現を目指す。 |
715 |
マイクロ波自由空間法による水分計測システムの開発 |
張 陽軍 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
水分量測定は工業・農業など多くの分野で必要である。本研究は実用化に適したマイクロ波自由空間法による水分計測システムを目的とする。従来のマイクロ波自由空間法に用いられているホーンアンテが高価で大型であり実用的には不利である。本研究は、安価で小型であるマイクロストリップアンテナに着目し、10 GHzで共振するアレーアンテナ化を図ることでアンテナ感度を高め、自由空間法による実用的な含水率測定システムを開発する。 |
720 |
白物家電向け組込みサーバの開発と応用 |
野中 誉子 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
本課題は、組込み機器標準開発プラットフォーム上にリアルタイムOSを実装した環境で動作するHTTPサーバ、FTPサーバ/クライアント、NTPサーバ/クライアントアプリケーションを開発し、白物家電の情報通信機能強化を支援することを目指す。さらに、開発したサーバを白物家電に組み込むことで生まれる新しいサービスを想定しながら、アプリケーションの省リソース化や専用化についても検討する。 |
780 |
環境に優しい小型冷却システムの研究開発 |
坂本 眞一 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
現代社会では必要不可欠とされているコンピューターやサーバーなどに代表される電子機器は、小型化,高性能化が急激に進んでいるが、それらに反比例して発熱密度は増加し、深刻な環境問題となっている。それらの問題を解決すべく、我々は熱エネルギーと音エネルギーの相互変換現象である熱音響現象を応用し,冷却有害な物質を用いることなく,ファンのような騒音を発生させることもない,環境に優しい小型冷却システムの開発を進める. |
813 |
超廉価太陽電池の開発 |
鈴木 晶雄 |
大阪産業大学 |
本田 豁彦 |
大阪産業大学 |
透明導電膜はフラットパネルディスプレイ、タッチパネルや太陽電池の透明電極などに広く使われている。この透明導電膜のほとんどはITOで主要材料はインジウムであり、供給不足と価格高騰で代替材料が求められている。また、地球環境保護の観点から安価な太陽電池の開発が求められ、コスト削減にはこの高価なインジウムがボトルネックとなっている。そこで、これまでの透明電極の研究を総合し、集中して超廉価太陽電池の開発を目指す。 |
857 |
微量・微細電気信号分析用の信頼性・生体親和性ナノアレイバイオチップの創製 |
李 恵りょん |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
生体親和性・絶縁性特質を持つ無機材料と生体内の安定性な機能性生体材料を用いて、絶縁性・親水性・化学結合界面特徴を持つ電気化学用ナノウェルバイオチップの構造体を製作する。また電気的な信号での分析により修飾してないままで観察できるデジタルバイオチップを目指す。この集積化したナノウェルバイオチップはナノ空間制御による選択的・特異的な分子認識が可能な特質を持つため、典型的なアナログ医療から未来型個人向けのデジタル医療産業への可能性が高い。 |
877 |
極性ナノ分域をもつイオン秩序型誘電体の創製と機能開拓 |
森 茂生 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
最近我々は、LuFeCuO4において、室温を含む幅広い温度範囲において大きな誘電率をもつリラクサー的な挙動を示す誘電体であることを見出した。この物質の誘電特性は、本物質に含まれる三角格子上でのFe3+イオンとCu2+イオンの規則配列に起因しており、イオン変位を伴わない新しい誘電体である。本研究では、異なる価数の陽イオン(例えばFe3+とCu2+)を幾何学的なフラストレーション構造上に規則的に配列させることによって電気双極子が生じさせ、誘電疲労を伴わない安定した誘電特性をもった誘電体材料を創製することを目的とする。 |
913 |
マイクロ弾性表面波流体素子の開発と超小型合成プラント応用 |
才木 常正 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
マイクロ流路内で化学反応場を誘起することで、著しく反応性能を向上できることが知られている。そこで、我々はマイクロ流路チップ上に弾性表面波(SAW)による能動的流体ポンプを製作し、連続流体の駆動に世界で初めて成功した。本課題では、SAWを用いて流体素子の基本である高効率なポンプと混合機の研究開発を行い、デスクトップタイプの超小型化学合成プラントに応用する事を目標とする。 |
923 |
段差被覆性に優れたIr系薄膜形成技術の開発 |
藤澤 浩訓 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
1トランジスタ-1キャパシタ(1T-1C)型の不揮発性強誘電体メモリ(FeRAM)の高集積化のためには三次元立体強誘電体キャパシタの形成技術の確立が急務である。本申請課題では,1T-1C型FeRAMへの応用を目的として、段差被覆性に優れたIr系電極薄膜形成技術(有機金属化学気相堆積法)の開発に取り組む。 |
935 |
微細線幅導体回路印刷方法によるITOフィルム代替材料の開発 |
山下 宗哲 |
和歌山県工業技術センター |
前畑 進 |
わかやま産業振興財団 |
現行のITO膜の代替材料を目的とし、導電性ペーストを用い厚膜でかつ微細線幅の配線を格子状のような部分的に孔のあるパターンで樹脂フィルムへ印刷し光を透過しかつ導電性のある膜を開発する。作成したフィルムの電気的特性・光学特性を測定し、表面・断面観察により配線形状・フィルム損傷を評価する。プロセス温度・配線パターン・基板材料の最適化を行うことで目標を達成する。 |
982 |
極性な電子秩序とその崩壊で室温で動作するメモリー素子の開発と応用 |
池田 直 |
岡山大学 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
室温にある電気分極を持つ電子の規則配列構造の崩壊と再凝集過程について詳細な検討を行い、この現象を応用した電子素子の原理動作提案を行う。このため,(1) RFe2O4バルク試料について化学当量比と酸素欠損量をパラメータとした多量の試料生産を行い、同時に (2)電子秩序強誘電性崩壊条件近傍にある非線形電気伝導特性の精密な再現条件を解明する。 |
1328 |
酸化チタン・導電性高分子複合膜による光で充電できる蓄電池の開発 |
野見山 輝明 |
鹿児島大学 |
中武 貞文 |
鹿児島大学 |
本課題では、従来の太陽電池と蓄電池の組合せではなく、酸化チタンと導電性高分子の複合膜中で酸化チタンの生成する光励起キャリアを導電性高分子に蓄電させることで光蓄電を行う。現状で蓄電容量40μAh、光蓄電効率(入射光エネルギーと蓄電エネルギーの比)は0.05%である。導電性高分子の組成や構造を最適化することで、平成20年度の達成目標を容量500μAh、光蓄電効率0.5%以上とする。 |
14(B) |
次世代高速通信用超高性能弾性表面波デバイスを実現する基盤技術の開発 |
橋本 研也 |
千葉大学 |
平 隆臣 |
千葉大学 |
通信機器に弾性表面波素子が多用され、Cu電極/15oYX-LiNbO3基板構造がその性能を格段に向上するものと期待されている。本研究では、その構造を元に、温度特性改善と共に一層の小型化・損失低減を可能とする新素子構造を実現し、実用化を見据えた工学的基盤技術を構築することを目的とする。まず、理論解析により最適素子構造を決定する。これと並行して素子構造の作成プロセスを実現する。そして、最適素子構造を利用した超高性能素子を実現し、その有効性を実証する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
27 |
ランダム配向膜を用いた液晶可変光変調器 |
角田 敦 |
千歳科学技術大学 |
大沼 友一郎 |
千歳科学技術大学 |
スメクチック液晶の加熱記録方式は、高コントラストと自己保持性を有するため、光通信システムにおける光変調器等に有効である。しかし従来、透過光が不連続に変化する過程が不可避で、適用が妨げられていた。本提案はこれを克服する新規な記録素子として、新規な配向膜と全透過を回避する新記録方式を使用する。これにより、安価で低電力な光変調器を開発し、各家庭に至る光ファイバ通信システム(FTTH等)に有益に寄与できる。 |
42 |
災害時構造物モニタリングのための無線センサネットワーク制御の研究 |
藤原 孝洋 |
函館工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
長期間稼動することが要求される無線センサネットワークでは、ノードの電源を定期的にON/OFFし、電力消費を軽減するための制御方式が研究されている。一方、災害時に橋や建物等の構造物の損傷を把握するためには、常時計測可能なセンシングシステムが必要である。この連続した計測と省電力化という相反する要求は、センサネットワークを活用する上で重要な課題である。本研究は、センサネットワーク制御のための基礎的な知見を得るとともに、災害時に構造物が受ける被害をモニタリングするための方式について検討する。 |
85 |
コマンド予測型次世代3次元モデリングツールの開発 |
安田 星季 |
北海道立工業試験場 |
綿貫 幸宏 |
北海道中小企業総合支援センター |
3次元CADは、多機能化に伴いコマンドの数が膨大になってきているため、操作性が悪くなっている。そこで本課題では、人工知能的な学習アルゴリズムによりユーザーの操作履歴を学習し、同ユーザーが操作しやすい作業環境を構築できる3次元モデリング支援ソフトを開発する。 |
256 |
超高速知的メディア処理の体系化およびそれらの組み込みハードウエア開発 |
延原 肇 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
超高速処理実現のボトルネックである乗算・除算および実数型の変数を使わずに、ハード化に対する親和性の高い比較演算・加算および整数型の変数のみを用いて、知的メディア処理の各種アルゴリズム:ウェーブレット変換、ニューラルネット、ファジィ、セルオートマトン等を定式化および融合し体系化する。さらにFGPAを用いて、これらの体系をハードウェア化し、超高速知的メディア処理体系を実現するとともに、携帯電話や携帯ゲーム機器などへの知的モジュールの組込みを目指す。 |
274 |
肌画像の特徴量を利用した肌年齢推定方式と肌老化予防への対応応用 |
春日 正男 |
宇都宮大学 |
荘司 弘樹 |
宇都宮大学 |
本研究は、身体的特徴である肌情報を用いて年代を推定することを目的とする。肌の年代推定のための新たな特徴量としてフラクタル次元を応用し、肌年齢や人種、性別などの推定に用いる特徴抽出手法を提案し、その実用化を試みる。提案する方法は、比較的簡易な方法で実現できる実用的な方法を開発し、この方法により肌画像から肌年齢を推定する。このための肌画像処理アルゴリズムとその処理装置の開発を目指している。 |
310 |
携帯電話向け高精度分散型話者照合システムの開発 |
黒岩 眞吾 |
千葉大学 |
多田 順一 |
千葉市産業振興財団 |
現在、携帯電話での音声の品質劣化の問題を回避するために、携帯電話端末上で音声の特徴分析を行い、サーバー側で認識を行う「分散型音声認識(DSR)システム」の実用化が始まっている。本研究では、同様の構成で携帯電話に導入可能な「高精度分散型話者照合システム」の研究開発を行う。基本的な手法としては、申請者が開発した高精度ノンパラメトリック話者識別法を用いる。本研究課題では、高速化を行い実用に耐え得る応答時間を達成すると共に、より強力な詐称者判別法を開発する。 |
330 |
携帯端末用高性能省電力並列プロセッサシステムのLSI化評価 |
曽和 将容 |
電気通信大学 |
李 瑩玉 |
株式会社キャンパスクリエイト |
プロセッサでは性能を高くしようとすると消費電力が大となり、プログラム長が大、ハードが複雑となり携帯用とはあい入れないものになってしまう。そのためブレークスルー的なイノベーティブなアプローチが不可欠である。本課題では、FPGAを中心に行われてきたパラレルキュープロセッサのLSI化を目指すと同時に、最適化を通して実用的なコンパイラの完成度を高める。そして、省電力でハードウエア量が少なく、プログラム長が半分でパソコンの2〜4倍程度の性能を持った高性能なプロセッサとその基盤ソフトの実用化をめざした検証試験を実施する。 |
356 |
映像要約とプライバシー保護機能を備えたモニタカメラシステムの開発 |
北澤 仁志 |
東京農工大学 |
島村 太郎 |
東京農工大学 |
近年、犯罪の捜査や抑止のため多数のモニタカメラが使用されるようになった。撮影される映像は極めて多量なため必要な部分を探すのに長時間を要し、また、大きな記憶容量が必要となる。更に、プライバシーの問題も浮上しつつある。本研究は、最小数のフレームで状況を把握するキーフレーム抽出と、移動物体の自動マスキングと復元機能を備えたモニタカメラシステムを実現し、システムの構築や運用コストの削減、プライバシー保護と犯罪捜査の両立に資することを目指す。 |
434 |
携帯情報端末を用いた高信頼性個人認証装置の開発 |
高野 博史 |
富山県立大学 |
定村 茂 |
富山県立大学 |
携帯電話などのモバイル情報端末を利用した様々なサービスはネットワークを介して提供されるため、新たなセキュリティ技術として生体認証技術が重要視されている。そこで本研究では、モバイル環境で虹彩認証を行う上で問題となる虹彩画像の回転変化に影響されず、生体と偽造を識別できる信頼性の高い虹彩認証アルゴリズムを最適化することで処理速度を向上させ、携帯情報端末に搭載する個人認証ソフトウエアを開発する。 |
435 |
空書きによる文字入力のための文字認識技術の開発 |
中井 満 |
富山県立大学 |
定村 茂 |
富山県立大学 |
手や指を振って空中に書いた文字をコンピュータで認識する技術と、それを応用した文字入力インタフェースを開発する。本課題の手法は、書き込む面がなくても手に装着したセンサの信号から手書きによって文字を入力することができる。これまでに、手のひらなどの平面に筆跡を見ないで書いた文字の認識を実現した。これを3次元空間に拡張してデータを収集し、空中での手の動きによる文字の認識・入力システムの開発を行う。 |
463 |
音声による難聴者との携帯型コミュニケーション支援システムの開発 |
船田 哲男 |
金沢大学 |
分部 博 |
金沢大学 |
難聴者と音声を通して手軽にコミュニケーションできるようにすることを目的とし、発声者の1音節ごとの発声内容を機械で自動認識して漢字混じりの文字列に変換し、ディスプレイ装置上に視覚情報として提示する携帯型の支援システムを開発する。したがって、難聴者は対話している相手の発声内容を文字で理解できる。発声者がつぶやきで発声することによる肉導音NAM にも適用できるようなシステムを意図している。 #NAM・・・Non Audible Murmur |
474 |
新しい表現豊かな音声合成方式 |
赤木 正人 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
最近の合成音声の品質の向上は目覚しいものがあるが、未だに自然性および表現の多様性はヒトが発した音声に劣る。合成音声の自然性を向上させ、特定話者の朗読調の合成音声だけではなく様々な表現ができる音声合成システムを新たに構築するため、任意の話者の音声から、他人の声、性別・年齢を操作した声、歌声など多様な声質への変換が可能な音声変形・合成システムを作成する。本システムは、表現豊かな音声合成のために、声質に関係する音響特徴を自由に高精度に変換し再合成を行うことを可能とする。 |
485 |
リカレントニューラルネットを用いた日本文連続音声入力システムの開発 |
荒木 睦大 |
福井大学 |
巽 信夫 |
福井大学 |
連続音声入力による曖昧な日本語文を高精度に解析する自然言語処理技術が期待されている。本研究は、リカレントニューラルネットを用いて、@連続音声から音節認識候補ラテイスを構成し、音声の韻律情報(アクセント情報)並びに構文情報を用いて音節文を絞込む方法、A日本語の単語マルコフ連鎖モデル、意味的情報並びに単語のアクセント位置情報を用いて漢字かな混じり文候補の同音異義語誤りを検出訂正する方法を確立する。 |
502 |
広帯域音響光学変調素子を用いた簡易なRGB光同時変調システム |
垣尾 省司 |
山梨大学 |
還田 隆 |
山梨大学 |
128°YカットLiNbO3上に、ブラッグ角でX字型に交差させたプロトン交換チャネル光導波路とSAW励振用電極を形成した音響光学変調素子を用いて、光の三原色の各レーザー光に対して、同一駆動パワー、同一駆動周波数でほぼ同一の変調効率が得られる広帯域可視光変調素子を開発すること、この素子を利用して極めて簡易なRGB光同時変調システムを構築することを目的とする。 |
567 |
歪み補正ができる既存ドキュメントの電子化 |
山下 淳 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
ステレオカメラを用いることで、既存書籍を画像として取り込む場合に発生する幾何学的歪・光学的歪を補正してドキュメントを電子化するシステムの構築を目的とする。 具体的にはドキュメント画像の形状情報を用いて幾何学的歪と光学的歪を補正することで均一な色の紙面画像を再構築する。 |
603 |
超高密度リライタブル磁気ホログラムメモリの開発 |
林 攀梅 |
豊橋技術科学大学 |
冨田 充 |
豊橋技術科学大学 |
本研究開発は、記録材料に希土類鉄ガーネット材料などの無機透明強磁性体を用い、ホログラムを微細な磁区のパターンとして記録することで、カートリッジ不要で書き換え可能な新しい超高密度(磁気)ホログラムメモリを実現しようとするものである。既に数ミクロン程度の厚いイットリウム鉄ガーネット膜を用いて、0.1%に達する高い回折効率をもつホログラムの記録・再生・消去に成功している。本研究はこれらの成果を踏まえ、メモリとして重要なホログラムの多重性やビットエラーレート(BER)、S/Nなどの基礎性能を探求することで、将来的にはコンシューマ市場への投入ができるホログラムメモリを世界に先駆け実現しようとするものである。 |
661 |
ドライバの高次意図理解による予防安全技術革新 |
鈴木 達也 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
本研究では、観測された運転行動データに基づいた個々のドライバの判断機能の数理モデル化を目指す。具体的には、個々のドライバの「判断」を、連続変数である認知情報から「する」・「しない」を表す二値情報へのマッピングとして捉え、ロジスティック関数を用いてその確率的数理構造を表現する。さらに得られた判断の数理モデルに対して、「判断のエントロピー」を新たに提案し、個々のドライバの持つ判断のあいまいさ(判断能力)を定量的に評価する。 |
664 |
直感的な触行動に基づいたモジュール型触覚インターフェースの開発 |
向井 利春 |
理化学研究所 |
泉名 英樹 |
理化学研究所 |
近年、機械が高性能化しており、マンマシンインタフェースの重要性が高まっている。特に、人間共存ロボットでは、人間にとって自然で直感的なインタフェースを持つことが求められる。触覚を使うことにより、「叩く、撫でる」などによる感情の伝達、および、ロボットの多くの関節を「手とり足とり」操作する触覚による動作指示が可能となる。本研究では、これらをロボットで実現するためのモジュール型触覚インタフェースの開発を目標とする。 |
701 |
顔部品の高精度動き解析技術を用いた聾人サポートシステムの開発 |
山内 寛紀 |
立命館大学 |
五十川 二美 |
立命館大学 |
人物の唇形状を高精度に検出する技術を確立してきた。この技術を発展させて「読唇」を可能とするシステム開発を目指す。まず、日本語の母音識別から始める。不特定話者認識を目指すので、唇形状変化の個人差が大きい。これを解決するため、年齢、性別等でカテゴリライズを行った母集団学習により認識精度を高める。聾人サポートだけでなく、音声認識システムと協調させたマルチモーダルシステムとすることで、知能ロボットの普及に貢献する。 |
793 |
非接触型触覚インタフェースの情報認知特性の研究 |
小谷 賢太郎 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
本研究は先行研究によって開発した空気噴流による触覚提示装置を応用したアレイ形状の非接触型触覚インタフェースを構築し、文字・図形情報を提示し、ヒトが効率よく情報を認知するために、文字や図形の情報を伝達するための最適な提示条件を実験的に求める。さらに、本インタフェースの情報認知速度と伝達効率を明確にし、視覚障害者のための情報提示装置への応用を狙いとして、福祉機器分野への参入を目標とする。 |
904 |
タンパク質構造データマイニング |
大川 剛直 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
タンパク質機能部位の特徴的パターンを網羅的に定義できれば、個人に固有の生体内機能を、ゲノムデータをもとに計算機処理で明らかにでき、個人別医療の実用化に向けて大きな一歩を踏み出すことが可能となる。そのためには、タンパク質の構造・相互作用・ダイナミクスを考慮したデータマイニングが必要となる。そこで、結合時の原子移動パターンを計算し、これを構造データに適用することでダイナミクスを扱うとともに、相互作用に基づくクラスタリングを構造の類似度評価に反映させることで、両者を総合的に考慮した特徴パターン抽出を実現する。 |
905 |
リップリーディングの統合による脳性麻痺発話障害者の話し言葉の認識 |
滝口 哲也 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
脳性麻痺障害者は、筋肉の緊張により不随意運動が生じ発話スタイルの変動が大きく、発話内容を健常者が聞き取る事は非常に困難である。本試験研究では、代表研究者がこれまでに研究してきた発話障害者の音声特徴量抽出法を基にして、自由な話し言葉の認識を実現するために画像処理によるリップリーディング手法との統合を実現し、実際に発話障害者における音声コミュニケーションツールとしての有効性を評価するものである。 |
919 |
無歪み高分解能ホログラフィック顕微鏡の開発 |
佐藤 邦弘 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
レンズを通さずに広い視角の物体光波面を直接的に分割記録する方法、および分割記録した広視角光波面から広い奥行きを持ち高分解能でかつ無歪みの3次元像を再生する方法を開発する。また、高精細CCDを用いて微小被写体をホログラムとして記録する装置を試作し、ホログラフィによる3次元像の記録と再生の実験を行って無歪み高分解能3次元顕微鏡開発の可能性を示す。 |
952 |
初心者のための古文書学習支援システムの開発 |
加藤 聡 |
松江工業高等専門学校 |
糸原 保 |
島根県 |
近年,生涯教育がますます盛んになっており、その一つとして古文書を扱った古典文学や歴史の学習がある。古文書はくずし字で書かれており、古典文学や日本史を専攻する大学生や大学院生においても、くずし字の読解技術の修得にはかなりの時間を要する。そのため、一般の人にとって古文書の読解は極めて困難である。本課題では、現代手書き文字認識の技術を用いることにより、“初心者”が読解困難な文字に対する読みの候補文字を複数個提示することにより古文書学習を支援するシステムを構築する。 |
990 |
情報保障用 マスク型音声認識静音マイクの開発と応用 |
佐藤 匡 |
吉備国際大学 |
原田 亮二 |
吉備国際大学 |
社会における情報保障のニーズは年々高まっている。最も有効だと考えられる音声認識による情報保障については、利用者の近くで情報保障提供者がリスピーク(復唱)方式で音声認識を行うのが現実的である。だが、リスピーク音声が周囲への騒音となること、周囲の音声を誤認識してしまうことなど、音声認識精度に直接影響を与えるマイクについて有効なものがないのが現状である。本研究では、これを解決するマイクを検討する。 |
1059 |
マルチスペクトル画像による低コントラスト欠陥検出技術の開発 |
柏木 利幸 |
徳島県立工業技術センター |
福田 和弘 |
徳島県立工業技術センタ− |
微弱で微小な低コントラストの欠陥を、マルチスペクトル画像を用いて検出する技術を開発する。微弱な欠陥には高感度の、微小な欠陥には高解像度の撮像系が必要であるが、現存するマルチスペクトルカメラでは不十分である。そこで、高性能ラインセンサカメラを用いて、1スキャンで4バンド狭帯域スペクトル画像が得られるマルチスペクトルラインセンサカメラを製作する。さらに、これを用いたマルチスペクトル欠陥検出アルゴリズムを開発し、実部品の低コントラスト欠陥検出への適用も検討する。 |
1065 |
BGA ICのコンタクト不良検出用センサの開発 |
橋爪 正樹 |
徳島大学 |
牧野 正 |
徳島大学 |
BGA(Ball Grid Array) IC を使った電子回路の製造時にIC とプリント配線板間にオープンやショート等の「コンタクト不良」が発生する。本課題ではその不良を電気的に確実に発見する回路である「不良検出用センサ」の開発を行うことを目的とする。本課題ではそのセンサ開発だけでなく、それを実回路の検査に適用し、そのセンサの応用製品である検査装置を開発した場合の実用性の調査も行う。 |
1124 |
故障励起関数に基づく高性能LSIに対する高効率故障検査ツールの開発 |
高橋 寛 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
次世代の携帯電話用、デジタル機器用、および車載用の高性能LSIでは、信頼性確保のためのテストコストの増大が極めて深刻な問題である。本研究では、テスト記憶容量およびテスト印加時間等検査機器の制限がある中で、多様な故障モデルを高効率・高確率で検出できる「欠陥検出向けテスト集合生成ツール」の実用化を目指している。本研究の基本的なアイディアは、故障の励起条件に着目することである。 |
1136 |
トランジスタ不良に伴う遅延故障に対する故障検査法の開発 |
樋上 喜信 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
近年の高速LSIでは、動作タイミングに影響を与えるような物理的欠陥が問題となっている。特にトランジスタの不良に伴う遅延故障は、故障動作が多岐に渡り、故障検査が困難である。そこで本研究では、トランジスタ不良に伴う遅延故障をトランジスタレベルではなく論理レベルで故障動作をモデル化し、それを効率よく検出するような故障検査法を開発する。ここでは特に、多くの企業、研究所で利用されている縮退故障用テストパターン生成ツールを応用した、テストパターン生成法を開発する。 |
1188 |
データ圧縮と情報検索アルゴリズムの融合 |
坂本 比呂志 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
本研究課題において,圧縮データ上のパターン照合と,索引構造による高速な情報検索アルゴリズムを融合した新しい情報検索手法の開発を行う.従来の索引構造は複雑な検索が可能な反面,大規模データに対する索引構築は計算コストが非常に高く実用的ではない.そこで,索引構造にデータ圧縮の技術を組み込んだ圧縮データ上の索引構造を実現し,これまで困難であった大規模半構造データに対する高速検索の理論の確立とシステムの実用化を目標とする. |
1230 |
超高速非線形データ照合法の応用展開 |
内田 誠一 |
九州大学 |
直居 哲 |
科学技術振興機構 |
非線形データ照合とは,2つのデータ(例えば画像)を適切に非線形伸縮させながら重ね合わせ,比較・照合する手法である.本課題は,超高速非線形データ照合法の実用に向けた応用展開を目的とする.具体的には,解析的DPマッチングと呼ばれる,動的計画法に基づいた最適照合法を用いて,画像認識・理解分野における重要課題の一つである,環境映像中の人物検出・追跡処理の高速化について試験する. |
1247 |
高ダイナミックレンジ動画像の圧縮に関する研究 |
奥田 正浩 |
北九州市立大学 |
米倉 英彦 |
北九州産業学術推進機構 |
一般のイメージセンサの欠点である@狭いダイナミックレンジ、A撮影時の”白飛び”や”黒潰れ”等を抑え、従来の圧縮手法ではカバーできない輝度範囲を取り扱うことを可能にした高ダイナミックレンジ動画像の圧縮技術に関する研究開発を実施する。本研究は、車載カメラ、監視、コンピュータグラフィクス、高精細写真などへの応用が期待され、将来的にはシステムLSIアーキテクチャーを構成する専用マイクロプロセッサーの設計も視野に入れる。 |
1252 |
時空間勾配解析に基づく実時間音声分離システムの開発 |
寺本 顕武 |
佐賀大学 |
原 尚道 |
佐賀大学 |
本研究は、未知の複数の音源が混在する場、例えば複数の人が同時に話しかけるような空間で、話者を特定しながら聴取できる実時間音声分離システムを開発するものである。そのために、音圧の空間勾配を検出するマイクロホンおよび周辺回路の作成を行い、作成した音圧勾配観測型マイクロホンユニットと時空間勾配解析にもとづくブラインド信号分離手法を組み合わせた実時間音声分離システムを実現する。 |
50(B) |
ハンドヘルド型血行測定システムの開発と実証評価 |
藤居 仁 |
九州工業大学 |
針江 俊策 |
飯塚研究開発機構 |
レーザースペックルフローグラフィーをベース技術として高機能シングルチップマイコン等を新たに導入することによりデバイスの一体化を図り、小型かつ簡便に皮膚表層の血行を測定できるハンドヘルド型血行測定システムを開発する。これにより、運動効果判定用としての商品化が可能になると共に、介護現場において寝たきり高齢者の下肢血行不良や褥瘡の予防、末梢循環機能の診断などに役立つ携行可能な皮膚表層血行測定器の実用化につながる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
75 |
システムLSI用 ループフィルタ省略型 位相同期回路の開発・研究 |
池辺 将之 |
北海道大学 |
中村 雅人 |
北海道大学 |
本提案型PLL(位相同期回路))は、特性が簡略化され、ループフィルタ(LPF)を省略できる特徴がある。従来型PLLに比べ、回路の20〜30%の小面積化、低消費電力化が可能である。また、ディジタル制御化も容易である。システムLSI搭載を目標とし、ピコ秒オーダーの高精度周期比較器を用いた完全な不感帯除去、プログラマブルなディジタル制御によって高速な位相同期(ロック)機構(μsecオーダーもしくはそれ以下)を実現するPLL回路構成の見通しを得る。 |
133 |
近未来居住環境における木質系磁性電波吸収建材ボードに関する開発研究 |
岡 英夫 |
岩手大学 |
中戸川 明広 |
岩手大学 |
本研究では、磁気エレクトロニクス・木材工学を効果的に融合化させた磁性木材の木質・電波吸収調和機能を有する木質系磁性電波吸収ボードの最適設計法を確立するものである。 近未来居住空間におけるGHz帯域電波吸収環境要求を踏まえた室内情報ワイヤレスシステムによる周波数・電磁界空間分布と木質材のぬくもりなどの居住性双方の機能が調和した違和感のない木質系電波吸収調和技術の確立を目的としている。 |
235 |
皮膚電気刺激によるヒューマンインターフェイスの開発 |
二見 亮弘 |
福島大学 |
森本 進治 |
福島大学 |
本研究では、皮膚表面電極を用いた電気刺激パルス列をモールス信号で変調することによる、視聴覚を占有しない「古くて新しい」ヒューマンインターフェイスの実用化を目指す。具体的には、電極インピーダンス計測に基づく感覚強度の安定化、刺激波形変調方法の選択に基づく情報伝送効率の最適化、視聴覚など異種感覚からの影響の検討を行う。さらに、本研究成果に基づく文字列呈示システムを試作し、評価する。 |
336 |
家電機器の消費電流を画像化し機種・状態判別を行う手法の開発 |
伊藤 雅仁 |
東京工科大学 |
山岸 勉 |
東京工科大学 |
家電機器の消費電流波形をコンセントで観測、サーバに送信し、電流値の強弱を濃淡とし、交流1周期を1ラインとした2次元画像として記録し、家電の利用時に電流値をサーバに送信し画像の類似度を用いた検索を用いることで、速やかに使用されている家電の機種・状態を特定する。家庭内のどこでどの家電がどのような状態で使用されているのか特定でき、消し忘れの防止や宅内外からのリモコン操作を可能とする。 |
353 |
光ファイバ網を利用した防災用光給電センサの開発 |
田中 洋介 |
東京農工大学 |
島村 太郎 |
東京農工大学 |
地下街、高層ビルなど、都市の密集地域は、地震、火災、ガス爆発など、各種の潜在的な危険に晒されている。危険を未然に検知し、大災害を回避するには、多種多様なセンサを多数配置したセンサ網が必要になる。本研究では、既設光ファイバ網に取り付けることでセンサ網を構築できる光給電式センサノードを開発し、センサ網での基本動作確認を行う。特に、低電力かつ、温度、圧力等様々なセンサに対応できる汎用性の高いセンサ網の実現性を実証する。 |
466 |
誘導熱プラズマによる新・高速表面窒化処理 |
田中 康規 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
誘導熱プラズマは不純物濃度の低い超高温状態を実現できるため、超高速材料プロセスへの応用が期待できる。申請者らは、この誘導熱プラズマの機能性・制御性をさらに高めるために、これまでに誘導熱プラズマを維持するコイル電流に変調を加えるパルス変調誘導熱プラズマ(PMITP)、さらに任意波形変調誘導プラズマ(AMITP)を世界で初めて開発した。本研究では新開発した上記変調高熱流誘導熱プラズマを用いた超高速表面窒化処理技術の開発を目的としている。 |
589 |
間歇水冷による太陽電池の発電効率向上に関する実用化開発 |
佐藤 義久 |
大同工業大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
太陽電池は表面温度が1℃上昇すると発電効率が約0.5%低下する。太陽電池の表面を間歇水冷し、水の気化熱を利用して太陽電池の温度上昇を抑えると同時に、冷却に要する電力を最小限に抑える間歇水冷方式が有効であることを実験室レベルで確認した。本研究では、実用規模の太陽電池実験装置を設計・製作し、自動間歇水冷装置と組み合わせた実用化開発研究を実施する。 |
651 |
負電圧印加による電子パッケージ材の金型への付着抑制 |
梅原 徳次 |
名古屋大学 |
堀 伸一 |
名古屋産業科学研究所 |
電子デバイスのパッケージング工程ではエポキシ樹脂と金型材の優れた離型性が求められている.本応募課題では電子デバイスのパッケージング材料として最も用いられる樹脂材料をモデル金型上で硬化させ、その後はく離させた場合の最大はく離荷重に及ぼす電圧印加の影響を明らかにし、負電圧印加による新たな電子パッケージ材金型の付着抑制手法を提案、実証する。 |
680 |
磁気反発振動加速度スイッチの開発と応用 |
西村 一寛 |
鈴鹿工業高等専門学校 |
冨田 充 |
豊橋技術科学大学 |
身の回りの振動において、設定値以上の振動を加えると動作する振動のリミットスイッチである。その構造は、同極を向かい合わせた永久磁石とその間のどちらかの磁石に鋼などの磁性体を吸着させたもので構成する。このときの磁性体によって、反発から吸着への構造変化を引き起こす現象を利用する。身の回りに存在する振動を受けて、この構造変化を引き起こし、吸着させたときに導通させることによってスイッチとなる。 |
704 |
交流電圧出力巻線を備えた一方向通電形のブラシレスDCモータによる電動発電機システムの開発 |
小松 康廣 |
立命館大学 |
今岡 陽子 |
立命館大学 |
技術内容は、小形・安価・軽量の可変電圧・可変周波数の単相電源として動作する電動発電機システムの開発に関するものである。なお、その電動機の駆動には直流電源を用いる。本装置の目的は、市販のインバータに比して安価で故障しにくく、動力も利用できる電動発電機システムを開発し、中国の奥地での無配電地域などに供給し、市販家電製品を利用できるようにすること、あるいは最近検討されているDCマイクログリッド系統におけるDC/AC電力変換システムとして供給することである。実施内容は、交流電圧出力巻線を備えた、一方向通電形のブラシレスDCモータシステムの開発である。目標は広い出力範囲において総合効率を85%以上とし、小形化することである。 |
747 |
多重散乱を利用した簡易なシステムによる室内レーダイメージング |
阪本 卓也 |
京都大学 |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
超広帯域レーダは高い距離分解能を有するが、目標位置の推定ためには高指向性アンテナ走査や複数アンテナ・送受信機を用いたアレイシステムが必要となり高コストとなる。本課題では多重散乱を利用した信号処理により、単一アンテナ・送受信機のみを用いた簡易な構成で目標位置の推定を実現することを目的とする。本課題では室内の多重散乱の性質を利用し、室内の人間の位置を数フレーム毎秒程度の頻度で得られるシステム実現を目標とする。 |
786 |
ナノインプリント用ガラス状炭素モールドの開発と応用 |
清原 修二 |
舞鶴工業高等専門学校 |
辻 正 |
舞鶴工業高等専門学校 |
ナノインプリント用のモールド材料として、高硬度・耐磨耗・低熱膨張係数などの特異な性質を有するガラス状炭素が最も適している。そこで、本研究で開発した手法でナノオーダーのガラス状炭素モールドを開発する。また、開発したモールドを用い、ダイヤモンドマイクロモータやギアを作製し、これを用いて医療用マイクロ・ナノロボットの開発を行う。本研究で開発されたマイクロ・ナノロボットが医療機関で有効に活用されることが期待される。 |
956 |
電圧サージ抑制スナバを用いたリカバリレス昇圧チョッパ回路の開発と特性評価 |
山本 真義 |
島根大学 |
丹生 晃隆 |
島根大学 |
現在市販されているハイブリッドカーでは、高効率化、高出力化のため、高電圧によるモータ駆動が導入されている。この高電圧発生用回路として低損失、低ノイズ実現可能なリカバリレス昇圧チョッパ回路が提案されているが、ダイオードの電圧サージの問題が付随してくる。この問題に対し、ダイオードの耐圧、部品点数を最小限に抑制しながら、リカバリレス昇圧チョッパ回路のダイオードサージ電圧を低減可能な新しいスナバ回路を提案し、その効果に対して実験機による有効性の検証を行う。 |
994 |
定周波高効率直流電力変換器の映写用電源装置への実応用化 |
三島 智和 |
呉工業高等専門学校 |
野地 英治 |
くれ産業振興センター |
本研究課題では,昨今急速に需要が伸びるハイテク家電の薄型テレビや映写用機器(プロジェクタ)の光源負荷に適する電力変換装置の省エネ化・高性能化に焦点をあて,その消費電力を低減し,より小型・軽量,静粛性を備えた高機能電源装置の実現を目指す。この電源装置として,研究代表者がこれまでに独自に考案した高周波スイッチングモード直流電力変換回路(DC-DCコンバータ)を応用する。 |
1069 |
LSI内部のビアオープン故障の検査入力生成法の開発 |
四柳 浩之 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
近年のLSIの高集積化・多層化にともない、内部配線においては層間のビアが多数用いられている。ビア欠陥によるオープン故障が発生した際には、隣接配線の電圧等による影響を受けるが、対象となる故障数および故障現象数が膨大で検査が困難である。本研究では、ビアオープン故障の検査に関して、実ICのレイアウトから検査入力生成の対象とするビア数の削減を行い、効率的な検査入力生成法についての開発を行う。また、擬似オープン故障を挿入するIC試作により実ICにおける評価を行う。 |
1075 |
UV-LEDによる光触媒酸化作用を用いた果実の汎用型鮮度維持装置の開発研究 |
川上 烈生 |
徳島大学 |
牧野 正 |
徳島大学 |
UV-LEDと酸化物系光触媒テクノロジーを融合した最先端エレクトロニクスを導入し,制御性の優れた果実の汎用型鮮度維持装置の開発を目指す.そのために,まず,単一波長のLED紫外線強度の変化に対し,光触媒反応により生成されるラジカルが果実鮮度へどのように影響するのか明らかにする.具体的には,熟成を早めるエチレンの完全酸化に着目し,これを制御することにより汎用性の高い鮮度維持装置を開発する. |
1161 |
アナログLSIの動作モニター型故障検出システムの開発 |
橘 昌良 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
アナログ回路の故障検出を回路の動作中にも行える機構の開発を目的とする。この機構は特別なテストモードを利用して回路のテストを行うのではなく、AMS(Analog-Mixed-Signal)システムでアナログ回路の動作状態を監視するプローブ回路(アナログ回路)とその出力から動作異常を検出するシーケンサ(デジタル回路)の組み合わせにより、回路の動作状態での動作異常の検出を行える回路を提案し、LSI 化しその有効性を実証することを目標としている。 |
1264 |
省エネ加速のための高速ディジタル制御汎用スイッチング電源の開発 |
黒川 不二雄 |
長崎大学 |
森 紅美子 |
長崎大学 |
情報家電機器間で相互に情報を交換してエネルギーの制御をするためには、エネルギーを扱っている電源部を自由にコントロールすることが不可欠である。そのためには、これらの機器の電源部の制御を従来のアナログ制御から急いでディジタル制御に変えることが重要である。これを実現するために必要な、電流のピーク値を制御する高い技術の新しい方式を提案し、試作回路を作る。 |
53(B) |
真空紫外光によるポリイミド樹脂の表面改質技術の開発 |
横谷 篤至 |
宮崎大学 |
石川 正樹 |
宮崎大学 |
真空紫外光の高フォトンエネルギーを利用したポリイミド樹脂の表面改質技術の開発を行なう。平成18年度シーズ発掘試験「真空紫外光によるポリイミド樹脂の表面改質技術の開発」で得られた成果を基に企業との共同研究を展開する。作製条件等諸条件が既知のポリイミド樹脂の供給を受けることで、従来存在した作製試料の品質のばらつきを抑えた新しい安定的な真空紫外光照射によるポリイミド樹脂の表面改質技術の開発を目指す。 |
54(B) |
光電界電離を用いる超短パルス高強度真空紫外レーザーの開発 |
窪寺 昌一 |
宮崎大学 |
石川 正樹 |
宮崎大学 |
本研究では、これまでに実用的なレーザー光源が存在していない真空紫外域において、光電界電離法を用いることにより実用的な卓上型の真空紫外増幅器を高性能化し、波長変換により生成したパルス幅サブピコ秒の超短パルスシード光をこの増幅器で増幅することにより、卓上型の超短パルス高強度真空紫外レーザーを実現することを目的としている。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
12 |
手書き作図基盤ソフトウェアシステムSKITの汎用化試験 |
佐賀 聡人 |
室蘭工業大学 |
鈴木 雍宏 |
室蘭工業大学 |
ペンによるスケッチ入力だけで本格的な幾何作図を完了できる基盤的手書き図形認識技術として我々が提案したSKIT (SKetch Input Tracer)の実用化を目的として、SKITの操作性向上および汎用的利用環境の整備を行い、さらに試作版SKIT(第2版)をWebサイトで公開する。このことにより広く国内外の一般ユーザおよび産業界関係者がSKIT技術の真価を体感できる環境を整え、本格的な製品化へ向けて産業界からのフィードバックを得られる状況を創出する。 |
106 |
既存データが少量でも分類可能な文書分類技術の開発と応用 |
前田 康成 |
北見工業大学 |
有田 敏彦 |
北見工業大学 |
本研究は特許公報のように既に既存のジャンルが定義されていて、新規の文書について既存ジャンルのどれかに分類する文書分類技術を対象とする。通常、分類精度を向上させるためには多くの既存データ(学習データ)が必要であるが、本研究では統計的決定理論に基づきベイズ流の分類方法を採用することによって既存データが少ない場合でも高い分類精度を目指すものである。 |
243 |
中性子プロファイル解析による材料評価システムの開発 |
鈴木 徹也 |
茨城大学 |
中澤 哲夫 |
茨城大学 |
大強度陽子加速器の本格稼動に伴い、新産業・新材料の創生が期待されている。本提案は中性子回折により材料内部のミクロ組織情報を直接測定し、材料の強度、寿命に関連の深い内部応力、集合組織、結晶粒径および転位密度などのデータを一括して得る測定及び解析システムを構築するものである。測定されたプロファイルを集計し集合組織を表示するとともにプロファイル解析を行う。また実測データと比較することで解析技術の向上を図る。 |
337 |
紙媒体上の手書きメモの自動整理・共有システムの開発 |
井上 亮文 |
東京工科大学 |
辻 文代 |
東京工科大学 |
印刷資料に手書きでメモを追記することは頻繁に行われているが、電子化による整理・共有ができていない。本課題では4色ボールペン、普通紙、ADF付きスキャナ、という身近な物品のみで、そのような手書きメモの自動整理・共有システムの開発を目的とする。ユーザは印刷資料の上から4色の線や図形でマークを重畳する。この紙をADF付きスキャナでスキャンする際にマーク部分を画像として抽出し、それらを見出しとしたWebコンテンツとして再構成する。 |
439 |
音響・画像・映像分野での飛躍的発展を目指した符号化・ソフトウエアの開発 |
広林 茂樹 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
申請者が発明した高い周波数分解能を有する信号解析法NHA(Non-Harmonic Analysis)を用いて新しい符号化技術を開発するために、音に代表される1次元信号、画像等の2次元信号、映像などの3次元信号の周波数解析を行う為の基盤ソフトウェアの開発を行う。 |
449 |
GPS携帯電話による多言語対応型避難誘導システムの開発 |
唐 政 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
本研究では、研究者が持っている『世界最大の文字圧縮率の文字フォント圧縮技術』と『携帯電話の中国語文字フォントを用いた4件の携帯システム技術の開発』の実績を基に、衛星から信号を直接受信して位置を特定でき、インターネットや基地局や地図データなどに依存しない独自のGPS携帯電話避難誘導システムの開発、更に避難場所のデータを中国語や韓国語などの外国語に対応させた試作品を開発する。現状は、実用化されている携帯電話の避難誘導システムの多くは、インターネットに接続して避難場所までの経路などをダンロードすることで機能するものである。しかし、災害時に確実に接続できる保証はなく、新潟県中越地震では携帯電話の基地局大部分がダウンし、携帯電話すら繋がらなく大混乱となった。 |
495 |
マニピュレータ高速経路計画アルゴリズムの3次元実装 |
田村 信介 |
福井大学 |
巽 信夫 |
福井大学 |
マニピュレータの経路計画にはアームの数の指数乗に比例する計算量が必要であると考えられており、従来は発見的な方法が用いられていた。従ってバックトラックが発生して探索に必要な時間が予測できない、あるいは経路が存在するのに発見できないなどリアルタイム応用には適さなかった。本研究では開発済みの計算量がアーム数に比例する完全アルゴリズムを3次元空間での経路計画向けに実装する。この成果によって、障害物配置の複雑さなどに関係なくあらかじめ予測した時間内で確実に経路が発見できるようになる。 |
600 |
実用的な三次元形状モデル検索システムの開発 |
青野 雅樹 |
豊橋技術科学大学 |
野中 尋史 |
株式会社豊橋キャンパスイノベーション |
三次元CADに代表される三次元形状モデルの膨大な資産を有する製造業では、過去に開発した類似モデルを有効に活用し、開発コスト・期間の削減することが求められている。そのために、類似モデルを高精度に検索する技術が必要とされているが、現状では、困難である。本課題では、我々が開発した「多重フーリエスペクトル」特徴量を用いた、三次元モデルの検索アルゴリズムの実用性を検証し、その商用システム化を目指す。 |
601 |
要因抽出技術を用いた実用的パテントマップ自動作成システムの開発 |
増山 繁 |
豊橋技術科学大学 |
上松 正和 |
株式会社豊橋キャンパスイノベーション |
特許技術をその課題や解決手段・効果などの観点から分類し、可視化したパテントマップ(特許地図)は、官公庁・企業等の技術戦略策定や、競合他社や業界全体の技術動向分析、自社の保有知的財産評価を行う上で、重要なツールとなる。本申請では、申請者らが開発済みである、(A)文書より要因を抽出する技術と、(B)自動分類技術を組み合わせることで、特許文書を解析しなければ得られない「技術要素」等の分類情報を可視化したパテントマップを、特許対象分野のシェアなどと比較し、時系列をおって自動作成するシステムの開発を行う。 |
675 |
ゲノム複製異常に基づく疾患タイプ分類・予測のためのソフトウェア開発と検証 |
竹内 一郎 |
三重大学 |
八神 寿徳 |
三重大学 |
マイクロアレイと呼ばれる技術の発達により数千〜数万種類の遺伝情報を計測可能となった。これまでのマイクロアレイ研究の主流は遺伝子の発現量を解析することであったが、最近、アレイCGH法という技術が開発され、ゲノムの複製異常に関する情報が取得可能となった。本研究では、アレイCGHによって計測されたゲノム複製異常に基づいて疾患タイプの分類・予測を行うためのバイオインフォマティクス手法を開発する。 |
699 |
ソースコード変更の検索を可能とするソフトウェア開発環境の構築 |
丸山 勝久 |
立命館大学 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
本提案では、ソフトウェア保守支援において、ソースコードに対して過去に実施された変更の履歴を収集し、それらを検索可能とする技術の確立を目指す。変更を検索可能とするためには、過去の編集操作を単純に記録するだけでは不十分であり、保守者が入力する検索キーワードと比較できるレベルに、編集操作を抽象化する必要がある。本研究では、編集された構文要素の空間的距離と編集操作の時間的距離に基づき、編集操作を抽象化する仕組みを確立する。 |
706 |
マルチメディア個紋の情報検索技術の開発 |
川越 恭二 |
立命館大学 |
五十川 二美 |
立命館大学 |
個人家紋のように、メロディや画像、文字列等のマルチメディア個紋へ関心が高まっている。しかしマルチメディア個紋の中でも画像個紋についで関心の高いメロディ個紋において、好みのメロディに類似したメロディ個紋の抽出は困難であった。従来のメロディ検索はメロディの一部の特徴を類似比較するため、検索精度に問題があった。本研究では全体の雰囲気を考慮し、文書の類似検索手法をメロディ検索に適用する。これにより従来に比べて高い検索精度を実現し、メロディ個紋への適用と実用化の見通しを得る。 |
714 |
モーションデータベースを用いたオン・デマンド型動作生成・制御システム |
曽我 麻佐子 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
モーションキャプチャシステムで取得したリアルな人体動作を、幅広い分野において手軽に活用することを目的とし、様々な場面に応じてCGコンテンツを容易に作成・制御できるシステムを開発する。本試験では、(1)様々な場面を想定したMocapデータ取得とデータベースの構築、(2)オン・デマンド型CGアニメーション生成システムの基盤構築、 (3)リアルタイムCG制御モジュールの追加を行う。 |
716 |
異種マルチ染色体を持つ遺伝的アルゴリズムによる印刷原版レイアウトの最適化 |
藤本 好司 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
本研究は従来の遺伝的アルゴリズム(GA)を異種マルチ染色体を持ったGAに拡張し、印刷原版のレイアウトの最適化を行うことを目的とする。本研究ではこの応用課題を対象として、この応用に効果的な異種マルチ染色体の表現形式を定義し、これに対する新しい遺伝的操作(交差、突然変異等)を提案し、その効果を実データに基づいて評価する。印刷原版のレイアウトでは印刷用紙の空白部分を削減し、無駄な印刷を最小限に抑え、紙資源の有効利用を目標とする。 |
717 |
ファジーマッチングに基づく多言語音声の同時認識方法の開発 |
南條 浩輝 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
多言語TV放送への字幕付与支援を目的として、主・副音声(通訳音声)を利用した音声認識手法を確立する。各言語の音声(主・副音声)の対応する発話を柔軟に対応づけた上で、それらを同時にかつ情報を補完しあいながら処理する音声認識を確立し、各言語の音声認識精度を高めて字幕付与支援に貢献する。 |
851 |
複雑時系列データの医療用多次元データベースシステムの開発と検証 |
猪口 明博 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
従来の多次元データベースは,ファクトと次元が1対n関係にあるデータに対して適用されてきたが,診療録情報はm対n関係にある情報が多く,情報を落として分析する必要があった.本課題では,病院情報システムに蓄積されたデータに対し,意思決定支援や傾向分析,診療プロセス解析を行うために,複雑な構造をもつ時系列医療データを多次元分析するための分析法について研究を行い,経験に基づく医療ではなく,根拠に基づく医療であるEvidence-based Medicineの実践に貢献できるシステムの実現を目指す. |
938 |
視覚言語を用いたVRシステムにおける美しい曲面創成システムの開発と応用 |
原田 利宣 |
和歌山大学 |
湯崎 真梨子 |
和歌山大学 |
本研究ではデザイナがVRシステム上で美しい空間曲線を創成し、またそれらを用いて美しい曲面を創成するシステムの開発を目的とした。具体的には、@デザイナがVRシステム上で美しい空間曲線を創成する。A創成した空間曲線をH型やロ型に配置し、美しい曲面を創成する。B創成した曲面を構成する空間曲線の曲率や捩率を微調整し、求めるべき美しい曲面を得る。その結果、現状よりも効率よく美しい曲面を創成する。 |
939 |
絵文字をコミュニケーションに用いる電子思い出ノートの開発 |
宗森 純 |
和歌山大学 |
湯崎 真梨子 |
和歌山大学 |
本研究では、電子思い出ノートを開発する。これは、思い出ノートを単に電子化しただけではなく、絵文字などを用いて言葉の異なる人の間でもコミュニケーションをとれるようにしたものである。電子思い出ノートではデジカメの写真に手書きや絵文字で書き込みを行う。本システムは一般の人が旅館や観光スポットで使うことを想定し、指で直接操作できるテーブルトップインタフェース上で動作させる。 |
941 |
肉声メディアによるウェブ教材用遠隔受講者確認システムの開発 |
西村 竜一 |
和歌山大学 |
湯崎 真梨子 |
和歌山大学 |
本研究では、Web教材を用いた教育システムに向けて、遠隔受講者の本人確認を実現するシステムの試作・実験を行う。具体的には、以下の二項目を実施事項とする。(1) 音声認識・音声対話インタフェースを技術的な基盤とした上で、肉声を入力メディアとするインタラクティブな手順による受講者本人確認手法を設計する。 (2) 音声入力Webシステムと提案手法を融合し、インターネット上で展開可能なプロトタイプシステムを実装する。 |
1030 |
eラーニングのためのテキスト読解促進機能 |
平嶋 宗 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
本研究では、eラーニング教材の中心的な利用手段である読解を対象として、学習者が電子的なテキストに対して行なうマーキング活動を、あらかじめ教材の一部として用意した”正解としてのマーキング”と照合することで、マーキングの適切さを評価し、その評価を学習者に返すことで、自身の読解をについて再吟味する契機を与え、より質の高い読解を促す機能を設計・実装するとともに、正解マーキングデータの作成法の開発とフィールドテストを行う。 |
1056 |
LED看板や照明におけるLED最適配置計算プログラムの開発 |
上原 信知 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
LEDを用いた看板や照明において、必要とする照度に対していかにLEDを配置するかという部分は、技術者の経験と勘に頼っているのが現状である。そのため、照度過多、照度不足や照度むらといった問題がおきがちである。本研究課題では、LEDの最適配置を理論的に計算で割り出す方法を確立し、配置データからCADデータを出力することでLED看板や照明の開発コストを低減することを目的とする。 |
1088 |
マルチメディア・コンテンツ検索のための高速汎用検索ライブラリの開発 |
北 研二 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
本研究課題では、マルチメディア・コンテンツに対する特徴量を計算機内部で表現する際に頻繁に用いられている「多次元ベクトル形式」および「多次元ベクトルの重み付き集合形式」の2つに対し、きわめて高速に動作する汎用的なライブラリを研究開発する。本ライブラリを用いることにより、膨大な画像データや映像データ等に対する検索システムを容易に作成することが可能となる。 |
1090 |
マルチフレーム型超解像による合成開口レーダ画像の高分解能化 |
伊藤 陽介 |
鳴門教育大学 |
木下 凱文 |
鳴門教育大学 |
本課題では、合成開口レーダ(SAR)画像の分解能を向上させ、より詳細に地上物体を識別可能とする処理方法を考案し、ソフトウェアとして構成することを目的とする。人工衛星による地球観測は、同一地域をほぼ同じ条件で実施可能なため異なる時期に観測した画像を精密に位置あわせできる。同一地域を観測した複数のSAR画像をマルチフレーム画像に対応させた超解像を適用しSAR画像空間上の分解能の向上効果を検証・評価する。 |
1102 |
LEGO教材による問題解決型のプログラミング演習支援のフレームワーク |
富永 浩之 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
LEGOロボットの制御プログラミングを題材とし、ゲーム大会を取り入れた問題解決型のグループ演習を提案する。小中学校から高校大学まで、教育目的と授業計画に柔軟に対応できるフレームワークを構築する。教材DBや運営サーバを開発する。ソフトウェア開発手法に基づくプログラミング演習に重点を置き、短期集中型の出張授業を実施する。プロジェクトベースのマネジメント能力を高める要素を取り入れ、企業での新人研修への適用も目指す。 |
1117 |
直交表を用いたソフトウェアテスト工数削減法と支援ツールの開発 |
阿萬 裕久 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
ソフトウェアの信頼性を保証するためには十分なテストが必要不可欠である。しかしながら、あらゆるパターン・組み合わせでテストを行うことは不可能であり、限られた時間と人的資源の中で効率的なテストの実施が常に求められている。本試験ではソフトウェアの構造を解析し、そこに直交表の概念を適用することで少ないテスト件数で高い網羅性を実現していく可能性の検討、並びにその作業の円滑化を図るためのツール試作を行う。 |
1163 |
LSI故障診断システムの研究・開発 |
真田 克 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
LSIの故障箇所候補の特定のためのソフトウエアの研究である。診断はレイアウトデータからリーク故障候補となる特異形状を特定し、回路に埋め込み、貫通電流回路網を特定し、この網のトランジスタ(Tr)の動作点解析から算出されるインピーダンス値(Im)を付加することで電圧値を算出し、実故障と一致する候補を特定する技術である。SPICE と同等の診断精度、1/100以下の診断時間及び、簡易な操作を目標とする。 |
1245 |
対話式幾何学を基礎とした知的娯楽ソフトウェアの開発 |
濱田 龍義 |
福岡大学 |
坂本 好夫 |
九州システム情報技術研究所 |
対話式幾何学ソフトウェアとは、コンパスと定規の役割をシミュレートするソフトウェアである。本研究では、対話式幾何学ソフトウェアに備わっている幾何学的図形構成方法を活用して、平面曲線やフラクタル図形の描画インターフェースについての研究を進める。また、関数論や微分方程式系等に表れる数学的概念を可視化する手段について定式化を行う。最終的には得られた成果を元に知的娯楽ソフトウェアとしての製品化を目指す予定である。 |
27(B) |
人体形状に適合した編地の3次元モデリングおよび変形予測手法の研究 |
太田 幸一 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
3次元計測した身体等の装着部位に適合し、身体に対する適切な圧力・伸縮性分布を持つニット製品をコンピュータ支援により設計する手法を開発する。身体の装着部位の形状に適合した編地の3次元モデルを作成し、別途作成した身体の装着部位3次元モデルデータに対してマルチフィジックスシミュレーション技術を使用し、編地と身体装着部位との間に発生する圧力などの力学的相互作用の予測計算を行う。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
13 |
構造用温度補償リアルタイムFBG歪センサシステムの開発 |
佐藤 信也 |
室蘭工業大学 |
鈴木 雍宏 |
室蘭工業大学 |
土木・建築分野における事故を未然に防ぐための歪み常時監視システムを低コストで構築できる新しい計測手法を確立する。本研究で提案するFBG歪み計測法は、光スペクトラムアナライザで反射スペクトルを測定する従来のFBGセンサシステムよりも、小型かつ高速なシステムを安価に構築することが可能となる。 |
14 |
浮上性粒子の粒径分布測定装置の開発 |
小幡 英二 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
沈降法による粒径分布測定は時間と熟練を要する。また、短時間で測定できる機器類は高価である。安価でかつ簡単に粒径分布を測定する方法として浮力秤量法を考案した。特に測定が困難な浮上性粒子の粒径分布測定装置を設計・作製し、粉体粒子の粒径分布を測定する。粒径分布測定装置の設計・操作理論の検証、他形式の粒径分布測定装置との比較および評価を行うものである。 |
21 |
多数非劣解集合からの設計支援システムの実現 |
渡邉 真也 |
室蘭工業大学 |
鈴木 雍宏 |
室蘭工業大学 |
多目的最適化により得られる非劣解集合は、多変数、多目的かつその解候補の数も多数存在するという特徴がある一方、解空間全体から見て「他の解と比較して一意に劣っていない」という特徴を持つ有用性の高い部分空間でもある。本申請課題では、そのような非劣解集合から問題の特徴量および傾向を抽出し、設計者の求める情報を対話的に提供する設計支援システムの実現を試みる。本システムでは、設計者が嗜好する解を選択するための支援というよりも、最適解を設計するためのプロセスに関する情報を提供することを目的とする。 |
44 |
低輝度高視認性発光表示機器の開発に向けた視認性評価技術に関する研究 |
村田 政隆 |
函館地域産業振興財団 |
澤谷 拓治 |
函館地域産業振興財団 |
EL素子は、大面積化も可能な非常に薄い面発光素子で、湾曲面への適用性にも優れているのだが、LEDに比べ低輝度のため、利用が進んでいない。また、これらの発光素子の高輝度化は消費電力も多く、用法によってはエネルギーロスを招く。本研究では、発光表示機器の効率的な省エネルギー化を目指し、視認性に着目した再現性がある低輝度高視認性評価装置を試作して、画像処理を利用した評価方法について実験的検証を行う。 |
57 |
凍結路面μの非接触光計測に関する研究 |
城戸 章宏 |
北海道自動車短期大学 |
能戸 正 |
北海道自動車短期大学 |
路面状況が交通事故発生に及ぼす影響は著しく、特に寒冷地ではブラックアイスバーンがもたらす追突事故の増加が深刻な問題となっている。従って、前方の路面ミューなどの情報をドライバーにリアルタイムで伝達できれば事故を減少しうると考えられる。本研究では、画像計測あるいはレーザ計測によって路面ミューを非接触で計測する手法を開発するものであり、車載可能なセンサとすることを最終目的として視野に入れた各種の実験を行う。 |
58 |
微小コロイド粒子を用いた細胞膜分子の定量化技術の開発 |
岡嶋 孝治 |
北海道大学 |
堀田 大介 |
北海道大学 |
原子間力顕微鏡(AFM)技術を用いて、生細胞の細胞膜分子の組成と濃度を定量化する技術を開発することを目的とする。カンチレバー探針の先端に取り付けた微小コロイド粒子と細胞膜の接触面積を精密に制御し、単位面積あたりの平均細胞膜分子数を定量化する技術について研究する。 |
63 |
発光測定の信頼度確立を目指した標準発光ビーズの開発 |
近江谷 克裕 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
生体物質測定技術として発光分子プローブがイムノアッセイの検出や細胞内の生体分子の定量に活用されつつある。本研究開発では発光測定の信頼度の向上を目指した標準化を推進する技術基盤の構築を目標に、臨床検査の現場等で活用できる標準発光ビースの開発を目的とする。具体的には各種ガラスビーズと融合した発光プローブを作成、最適化し、実用レベルの標準発光ビーズを作成する。 |
71 |
ポンプを搭載したハンドヘルド液体クロマトグラフィーシステムの開発 |
石田 晃彦 |
北海道大学 |
佐藤 完二 |
科学技術振興機構 |
微小分析デバイスに関する申請者らの研究成果と新型の超小型送液技術を応用することにより,ポンプから検出器までの液体クロマトグラフィーシステムの構成要素ほぼすべてを手のひらサイズの小型基板上に集積した分析デバイスを開発する。これにより,溶媒使用量の大幅な削減と処理能力の増大を図ることを目的とする。本研究では,溶媒の種類や流速など各種分析条件に適用できるようデバイス設計を行うことにより,超小型液体クロマトグラフィーシステムの実用化への道を拓く。 |
145 |
電磁超音波現象を用いた内部応力診断技術の開発と応用 |
長田 洋 |
岩手大学 |
牧野 平 |
岩手大学 |
板状の磁性体に縦波超音波を印加すると、超音波による伸縮部に発生する磁気異方性磁界が試料の表面から漏洩する。この漏洩磁束は、材料中に存在する応力に応じて変化するため、その変化を観測することにより、試料内部の応力分布を知ることができる。本研究は、構造物にキズが発生する前段階の疲労の状態を検出する技術であり、構造物の安全性を非破壊で検査する新しい技術を提案できることが期待できる。 |
165 |
近赤外領域超広帯域パルス光源の開発 |
上杉 直 |
東北工業大学 |
野澤 壽一 |
東北工業大学 |
高繰り返しナノ秒パルスレーザ光をGeO2添加高非線形単一モード光ファイバへ励振して安定な1.4μ帯〜1.7μm帯における広帯域強度平坦スペクトルを発生し、低励起入力での小型広帯域測定用光源を開発する。また、波長多重用高密度分波器を挿入することにより、狭スペクトル多チャンネル光源を実現するとともに、PPLN材料の位相整合特性評価、差周波発生によるTHz発生など種々の応用への展開の可能性を明らかにする。 |
182 |
微小流路内におけるマルチ細胞の捕集固定技術の開発 |
西澤 松彦 |
東北大学 |
田村 光彦 |
科学技術振興機構 |
本研究は、マイクロ流路内壁の特定位置に細胞が付着できる場所を造る機能と、さらにその場所へ細胞を捕集し押し付けて固着させる機能、を搭載したマイクロ流路チップを開発と、これら2つの機能を連動させる事による細胞チップの作製である。具体的には、(電気化学バイオリソグラフィー/誘電泳動)機能搭載マイクロ流路系の構築、誘電泳動による細胞捕集効率向上検討、少量サンプルからの細胞捕集条件の検討、2種の細胞の捕集固定条件の検討を行なう予定である。 |
230 |
近赤外分光法を用いた細菌汚染血小板製剤検出法の開発 |
大戸 斉 |
福島県立医科大学 |
大野 健一 |
科学技術振興機構 |
細菌汚染された血小板製剤が患者へ輸血されると敗血症を発症することが報告され、死亡する可能性もある。世界的に細菌検査システムが考案され一部導入されているが、簡便に検出する有効なシステムはいまだ確立されていない。本研究は非侵襲的な測定が可能な近赤外分光法とケモメトリックス(数学的・統計学的手法による解析)を用い、細菌汚染された血小板製剤中の生化学的変質やスペクトル測定条件の解明を行い、迅速に細菌汚染の有無を自動判定する「血小板製剤細菌汚染非侵襲検査システム」を構築する。 |
245 |
中性子線量計校正に用いる中性子検出器の小型軽量化技術 |
原野 英樹 |
産業技術総合研究所 |
岡田 三郎 |
産業技術総合研究所 |
原子炉等放射線施設の中性子測定では、精度と信頼性を保証するため、使用する中性子線量計の校正が極めて重要である。校正に用いる基準中性子検出器は広い範囲の中性子エネルギー(keV〜MeV)領域で一様な感度を有する必要がある。この性能を満たすため一般には、据置型のロングカウンタが用いられるが、本研究では新構造に基づく小型かつ軽量で中性子検出器を設計・試作し、現場可搬型の校正装置として実用化を目指す。 |
289 |
モル質量・粒子径の絶対測定装置の開発 |
高橋 亮 |
群馬大学 |
小暮 広行 |
群馬大学 |
バイオメディカル分野を中心とする諸分野において,液相中に懸濁するナノ粒子のモル質量および粒子径を迅速かつ精密に絶対評価する技術の開発が望まれている.本研究ではナノ粒子懸濁液からの光散乱・回折・屈折現象を微小セルで同時に絶対測定する装置を開発する.開発する装置の中心技術はセル容量10mLの超小型高速干渉計で,従来の技術と比較してモル質量および粒子径の計測精度を1桁以上向上できる. |
293 |
ナノワイヤ探針カンチレバの作製と高アスペクトパターンの三次元計測 |
曾根 逸人 |
群馬大学 |
小暮 広行 |
群馬大学 |
半導体デバイスの微細化に伴い、作製した回路パターンの形状をより高精度に計測する技術が求められている。原子間力顕微鏡(AFM)は、三次元形状をナノメートル分解能で計測可能であるが、測定結果に探針形状が重畳されることや、微細パターンでは探針が入らないことがあるため、先鋭な探針が必要とされている。そこで、本研究ではAFMカンチレバの探針先端にナノワイヤを成長させる高アスペクト探針作製法の確立を目指す。また、作製した高アスペクト探針を用いて、半導体デバイスの高アスペクトパターンの三次元計測を試みる。 |
295 |
ロンキールーリングを用いた遠距離用レーザー流速計の開発 |
天谷 賢児 |
群馬大学 |
小暮 広行 |
群馬大学 |
ロンキールーリングと呼ばれる光学素子にレーザー光を通すと、縞状の明暗を空間内に形成することができる。この中を小さな粒子が通過すると、周期的な散乱信号が発生する。この信号をとらえて、周波数を求めればその周波数と縞間隔から粒子速度を求めることができる。本応募課題ではこのようなレーザー光を用いて、数メートルから十数メートル離れた位置の流れの速度を求めることができる遠距離用のレーザー流速計を開発する。 |
370 |
インプロセス計測のための光MEMS粘性センサーの開発 |
田口 良広 |
慶應義塾大学 |
二見 精彦 |
慶應義塾大学 |
本研究は、有機薄膜等のコーティング工程における粘性率をインプロセスで計測可能な超小型のセンシングチップを光MEMS技術を用いて開発することを目的としている。提案するセンサーには、非接触で試料の粘性率を測定可能な光学デバイスと、インプロセス計測で問題となる外部振動や試料の蒸発に起因する液面低下などの外部擾乱を大幅に低減可能な光学制御デバイスが集積されており、従来技術では不可能であったインプロセスでのリアルタイム粘性モニタリングが可能となる。 |
380 |
皮膚中の水分量分布解析による健常性診断手法の開発 |
八木原 晋 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
誘電分光システムと皮膚測定用電極からなる皮膚診断装置を新たに試作し、皮膚組織の正確な水分量や分布の測定から皮膚中の水の量や状態に関する解析を行い、健常性を評価するシステムを開発する。皮膚表層内の2次元分布だけでなく、深さ方向も含めた3次元分布計測・解析を行うことでより正確に得られる皮膚組織内の水の量や状態の分布から、皮膚表層(角質層)バリア機能の健常性評価や組織の異常性の検出システムの構築を目指す。 |
411 |
非接触インライン計測へ向けた3次元動画顕微鏡の開発 |
塩田 達俊 |
長岡技術科学大学 |
松浦 康次 |
長岡技術科学大学 |
物体の3次元形状を高速かつ精密に計測する技術の開発が、製品検査・医療・生命科学などの多くの分野から期待されている。本課題ではこの要求に役立つ3次元動画顕微鏡を開発する。本計測器は光周波数コムを光源とした光学干渉計による3次元形状を観測する手法であり、従来の白色光源を用いた手法とは全く異なる。具体的には、従来の顕微鏡の100倍の速度で、ミクロン精度の3次元像を観察できる計測器を実現する。 |
414 |
溶液X線散乱法による柔軟な鎖状生体高分子の構造解析システムの開発 |
関 安孝 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
病因の究明や薬剤の設計には,ターゲットとなるタンパク質や核酸,糖鎖などの生体高分子の構造を原子分解能で決定する必要がある。ところが,ターゲットとなる生体高分子が特定の構造に折れ畳まれない場合には,既存の構造解析法は適用できない。本研究では,溶液X線散乱プロフィルの超精密計算と分子モデリング計算の融合により,解鎖状態にある生体高分子の構造特性を高速・高精度で解析できるシステムを開発する。 |
453 |
撮影画像法に基づく亀裂検出を包含した構造物ヘルスモニターシステムの開発 |
畝田 道雄 |
金沢工業大学 |
南 宏之 |
金沢工業大学 |
現在、橋梁等の大型のものから、電子デバイス等の小型のものを含めた各種構造の健全性を@正確に、A簡易に計測できるシステム及び装置が求められている。本研究では、デジタルカメラを用いた撮影画像法に基づく構造物ヘルスモニターシステムを開発することを通じて、(I)非接触計測、(II)全視野(多情報量)計測、(III)簡易(安価・短時間)計測を可能にすることを目的としている。そこで本申請研究では解析時間を大幅に短縮できるとともに、ノイズ除去フィルタを搭載した亀裂検出までをも包含する当該システムの開発を行うものである。そして、本研究では本システムの実用化に向けた検討を推進する。 |
459 |
次世代安全運転支援システム開発を目指した新規運転ストレス評価法の検討 |
山越 健弘 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
交通事故防止に対する技術は、すでに多くの試み、そしてその実用化がなされているが、申請者が目指している“運転者の生理情報”、その反映である“運転ストレス”に着目した安全対策はまだ新しく、具体的な前例は国内外を通して皆無である。 その理由としては、運転最中という動的状態下で、生理状態を如実に反映する生体情報を取得するという難しさにある。本提案はその問題の解決を図り、実用化に結びつけることを目的とする。 |
469 |
ノイズ電流源分布推定・可視化システム |
八木谷 聡 |
金沢大学 |
中村 尚人 |
有限会社金沢大学ティ・エル・オー |
電子機器から漏洩する電磁界ノイズの発生源の位置と形状をリアルタイムに可視化するシステムを開発する。機器周辺でセンサを動かして電磁界ノイズの空間分布を計測しながらその様子をビデオカメラで撮影すると、ノイズ波源の位置と形状が逆問題として推定され、PC画面上でビデオ映像に重ね合わせて表示される。ここでは特に低周波(MHz以下)の磁界ノイズを発生する電流波源を対象とする。 |
470 |
原子分解能を有する液中三次元イメージング技術の確立 |
福間 剛士 |
金沢大学 |
奥野 信男 |
金沢大学 |
本研究では、液中において原子スケールの分解能で3次元のイメージングを可能とする技術を確立する。これにより、生理溶液環境中の生体試料表面で生じる水和現象などの、3次元的な挙動を直接分子レベルで可視化できる。方法としては、これまで申請者が開発してきた2次元原子分解能を有する液中原子間力顕微鏡(AFM)技術を基盤として、それを3次元で利用可能とする。 |
477 |
地上での超低レベル放射線測定を可能とする新遮蔽材の探索と反同時計数法の最適化 |
小野 真宏 |
若狭湾エネルギー研究センター |
祝 一裕 |
若狭湾エネルギー研究センター |
本研究では、228Raを用いた年代測定には不可欠である超低レベル放射能を地上で測定可能とするため、バックグラウンド計数を低減できる新遮蔽材と反同時計数法の最適化の組み合わせによる新規測定技術の開発を目指す。現在、超低レベル放射能測定が可能な施設は、金沢大学低レベル放射能実験施設尾小屋地下測定室など、ごく限られた地下施設のみであり、これを地上で測定できる技術の開発を行う。 |
499 |
食品や環境中の有害微生物検出を目的とした高感度DNAバイオセンサの構築 |
末 信一朗 |
福井大学 |
蓑輪 泰造 |
福井大学 |
微生物の検出は培養法が一般的であるが、時間を要すること、感度が低いこと、ごく一部の微生物しか検知できないなど多くの問題がある。一方、遺伝子増幅(PCR)法は、特異性、感度などが優れているが、増幅物の検出方法が難しく発癌性のある特殊な試薬を必要とする。そこで耐熱性酵素を検出素子とした電気化学的検出法に基づいた食品・環境中の有害微生物のDNAレベルで測定できる迅速・簡便・高感度なバイオセンサを構築する。 |
525 |
レーザ光を用いた実時間表面形態計測法の開発 |
石澤 広明 |
信州大学 |
清水 信孟 |
長野県テクノ財団 |
レーザスペックル計測システムの精度、妥当性および汎用性など実用化の課題を検討するため、触針式表面粗さ計測による表面粗さとレーザスペックルの特徴との対応関係を検証する。この際、レーザ光の使用波長、あるいはスペックルパターンの特徴抽出法を最適化する。また、表面に異物が存在する場合のレーザスペックルパターンを対比させることで短時間、非接触で工業製品等の異物を実時間で計測するシステムを検討する。 |
530 |
超解像を用いる高精度な超高速動き計測装置の開発 |
田中 清 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
本技術は、高速度ビデオカメラで撮影された低解像度画像群から「動き」に関する情報を抽出することで、動き情報を基にした解像度補完を行い、解像度を飛躍的に向上する技術に関するものである。 |
535 |
簡易耳型計測システムの開発と応用 |
堀場 洋輔 |
信州大学 |
坪井 開 |
長野県テクノ財団 |
補聴器などの製作において、対象者の耳型を作成する方法として、従来の型取りではなく、光切断法をベースに非接触で耳形状計測を行うことで、苦痛のない耳型作成を可能にする計測技術である。 |
564 |
画像を用いた遠距離高精度位置計測法の開発と応用 |
橋本 岳 |
静岡大学 |
出崎 一石 |
静岡大学 |
画像を用いたステレオ距離計測において、距離の増加により著しく増大する量子化誤差を、従来の同様手法に対し約一桁の精度向上を行うことができた。この技術の実用化のために、計測対象に最適化したカメラ条件を求める。 |
565 |
圧電結晶を用いたセンサ・アクチュエータ一体システムの研究 |
近藤 淳 |
静岡大学 |
出崎 一石 |
静岡大学 |
圧電結晶表面を伝搬する表面弾性波を利用して、表面の液滴を自在に駆動するシステムを構築する。この液滴駆動面に微小電極を用いた電気化学センサ等を設けることで、微少量の液滴を用いたマイクロ化学反応システムの実現を目指す。 |
594 |
化学反応場を利用したヒト血清脂質の高感度迅速分析システムの開発 |
石田 康行 |
中部大学 |
古田 昭男 |
中部大学 |
有機アルカリ試薬共存下での化学反応場とガスクロマトグラフ分析をカップリングした計測手法を利用して、ヒト血清中に含まれる脂質脂肪酸成分を、数μ!のごく微量の血清試料を用いて検出できる、新規の高感度分析システムを構築する。さらに、開発した分析方法により、人の健康状態と密接に関係しているドコサヘキサエン酸(DHA)などの多価不飽和脂肪酸を含む、一連の血清脂肪酸成分を、試料前処理を行わずに迅速かつ簡便に分析することを試みる。 |
617 |
高度ペプチド分析のための高性能分離システムの開発 |
北川 慎也 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
現在、ペプチドに関する研究が精力的に進められており、そのベースとなる高感度・高精度な高度ペプチド分析手法の開発が切望されている。それらの研究では多種多様な混合物を試料としているため、分離分析技術が不可欠である。本研究では、液体クロマトグラフィー分離に対して電圧印加を行い(電気泳動効果を追加する電気クロマトグラフィーと呼ばれる手法)、不均一場での電気泳動現象を利用した高性能ペプチド分離手法の開発を行う。 |
618 |
機器実働時に発生する局所応力・ひずみ測定システムの開発 |
三宅 卓志 |
名古屋市工業研究所 |
淺尾 文博 |
名古屋市工業研究所 |
ラマン散乱ピーク波数がひずみに依存して移動する高分子材料を測定対象にコーティングし、これをμmオーダの空間分解能を有する顕微ラマン分光法で測定することにより部品に発生する局所応力が測定可能なシステムを開発する。現場で実部品に容易にコーティングできる高分子材料とし、また照射・集光部を光ファイバを用いて分離し、遠隔型とすることにより、実稼動時の部品の破壊起点近傍の応力・ひずみを測定可能とする。 |
625 |
土壌中有害元素オンサイトレーザー濃度計測システムの開発 |
吉川 典彦 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
レーザーフォーカスして試料をプラズマ化し,その発光スペクトルから,土壌中の微量有害元素濃度を決定する方法は,簡便で迅速な計測を可能にする.汚染箇所でのオンサイト・迅速計測が可能でコンパクトな装置の開発を目指し,試験土壌粒子作成・供給装置等の試作を含め,その基盤技術を確立する.濃度決定には標準添加法を用いる.Hg,Cd,Pb,As,Cr,F,B,Se等について,出来るだけ多くの元素の環境基準値以下の測定下限界値を達成して,計測法を最適化し,高精度な迅速オンサイト計測システムを確立する. |
630 |
電子デバイス内電場分布直接測定法の開発 |
佐々木 勝寛 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
電子デバイスの微細構造解析には、空間分解能の高い電子顕微鏡が良く用いられる。しかし、デバイス内の、電場・磁場の様相を高い空間分解能でとらえる技術は、限られた条件でしか開発されていない。本研究では、研究代表者が開発した、従来型透過顕微鏡内で、微細構造観察と同時に電場・磁場の空間分布を定量的に測定可能な影像歪法を用い、電子デバイス、たとえば電界放出電子ディスプレイ(FED)やプラズマディスプレイパネル(PDP)などの電極周囲の電場分布を直接測定し、電極形状開発に必要な電場分布と、デバイス劣化に伴う電場分布変化を直接測定することを試みる。 |
647 |
半導体結晶成長評価のための新らしい回折計の開発 |
田渕 雅夫 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
X線回折測定の一種、X線CTR(crystal truncation rod)散乱測定は、原子層単位で原子分布を評価できる。本研究では、これまで行ってきた半導体結晶成長装置と容易に組み合わせ可能なX線CTR散乱測定法の開発を推し進め、新たに設計された導入するスリット系の導入によって、測定精度と測定されるスペクトルの質を大幅に向上するとともに、多様な測定モードでの測定が可能な装置とすることを目的とする。 |
653 |
ナノ厚さ薄膜の高分解能可視化法 |
福澤 健二 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
フォトレジスト、酸化シリコン絶縁膜などナノ厚さの液体・固体薄膜の形成・分布制御は、マイクロ・ナノテクノロジーのキーとなる技術である。そして、この形成・分布制御のための有効な評価法として、ナノ薄膜の分布をリアルタイムに動的観測する手段が強く求められている。この観測法には、高分解能でかつ非接触な動的観測が要請されるが、従来技術ではこれらを満たすものがなく、面内分解能(解像度)としては高々数μm程度であった。本課題は、考案したナノ薄膜を直接可視化する光学的方法により、動的でかつ高分解能(サブμm)な観測法を確立しようとするものである。 |
657 |
炭素系硬質薄膜のFTIRその場分析手法を用いた表面酸化に伴う摩耗評価試験方法の新規開発 |
野老山 貴行 |
名古屋大学 |
堀 伸一 |
名古屋産業科学研究所 |
硬質炭素薄膜表面の酸化度合いと摩耗量の定量的な評価のためには表面に吸着する気体分子や官能基が重要であり,これらを定量的に分析可能な環境制御型FTIRを用いた表面吸着官能基の分析と摩擦試験を同時に行い,摩耗量と吸着官能基の定量評価を行うことが理想的である.高感度多重反射測定法で行うためGeプリズムを基板材料として用い,表面に数nmの薄膜を成膜し吸着官能基量と摩耗量の測定を行い,評価手法の確立を行う. |
670 |
近赤外光を発するスーパーオキサイド検出用発光プローブの開発 |
寺西 克倫 |
三重大学 |
中野 昭彦 |
三重県産業支援センター |
血液内や生体組織内の活性酸素の化学発光検出では、被検体からの光透過性をあげるために色素成分の除去を行う必要がある。このような煩雑な操作を簡略化したり、リアルタイムでの活性酸素の検出を目的に、新規な化学発光プローブの開発を目指している。本研究では、生体のスーパーオキサイドシグナルを生体成分による吸収が低く、生体組織からの光透過性が高い光波長800 nm前後の近赤外光シグナルに変換する化学発光プローブの開発を行う。 |
676 |
ナノ磁性評価のための電界放出型高輝度スピン偏極電子源の開発 |
畑 浩一 |
三重大学 |
伊坪 明 |
三重県産業支援センター |
近年、電子スピンの自由度を電子デバイスの動作に応用するスピントロニクスの分野が注目されている。この分野の今後の発展のためには、磁性体のスピン物性を計測・評価する新規分析手法の開発が求められており、その評価プローブとしてスピン偏極電子線が期待されている。そこで本研究は、フェルミ準位でのスピン偏極度が100%であると理論予測されるハーフメタル強磁性体を陰極材料に用いて、電界放出型高輝度スピン偏極電子源の開発を行うものである。 |
687 |
高信頼性を実現する新規静電気放電試験機の開発に向けた研究 |
山本 典央 |
滋賀県工業技術総合センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
あらゆる電子機器は、携帯電話の電磁波や雷サージ等、様々な電磁環境に曝され、常に誤動作や故障の危険性と隣り合わせである。そのため、電子機器の開発時には、各種電磁ノイズ耐性試験が実施され、特に身近に発生する静電気放電(ESD)に対する耐性は重要視されている。しかし、現行のESD試験規格では、試験結果の再現性に乏しいという問題点がある。そこで、これらの原因を詳細に探求し、再現性の高い(=高信頼性を有する)新たなESD試験機の開発と、試験方法の提案に向けた研究を実施する。 |
710 |
気相と液相が混在する混相流の可視化計測技術の開発 |
塩見 洋一 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
気相と液相が混在する気液二相流、その中でもスラグ流を主な対象として、レーザーを用いてその光に励起した蛍光粒子を用いて流れの液相部を可視化し、得られた画像を画像処理して液相速度の定量的把握を行う。また、高速現象への対応として、可視化映像を高速度ビデオにより取得する。さらに、汎用熱流体解析ソフトの気液間の相間関係式を改良するために、ソースコードから修正して、数値シミュレーションを行い、その改良点の評価を行う。 |
719 |
イオンプローブによる燃焼診断技術の開発 |
野口 佳樹 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
(辞退) |
723 |
分光計測用白色パルスレーザ光の安定化技術の確立 |
永原 哲彦 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
白色パルスレーザ光は、様々な分光計測手法へ応用が可能である。微細構造ファイバ中では、低エネルギーのレーザを用いて高効率に白色パルスレーザ光を発生することが可能である。このような白色パルスレーザ光を用いた分光計測の実用化には困難な点がある。効率の高いファイバ中で入射パルスレーザの雑音が増幅されるからである。入射するパルスレーザを安定化することで、雑音の少ない白色パルスレーザ光を発生することを提案する。 |
724 |
二次元電気泳動におけるタンパク質スポットの自動精密解析システムの開発 |
岸本 通雅 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、癌手術後の病理検査の段階における癌病態診断に必要なタンパク質発現状態を詳細に解析できる新規二次元電気泳動解析システムを構築する。そのため本研究では最も鋭敏な銀染色法に於いて、現像時の経時変化を精密に解析し、タンパク質の重なりや微小ポットの検出を可能にする方法、さらに各時点のスポットの正確な対応付けについても検討する。また分子間アフィニティーを利用した各種濃縮方法の利用も検討し、タンパク質検出感度を上げると同時に、その操作によるタンパク質定量測定精度への影響も検討する。 |
730 |
光学異性体の分離性能を10倍以上に向上するHPLC用分離媒体の開発 |
池上 亨 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本課題の目的は従来の光学分割用HPLC の分離性能を遥かに上回る分離を提供する媒体(カラム)の作出にある。現在用いられている粒子充填型カラムの分離性能は、理論段数で評価すると最大3万程度であり、多くは1 万段以下である。本課題で使用するシリカモノリスは、空隙が大きく、液体の輸送効率が高い担体である。このカラム長を10 メートル程度とし,光学分割の識別部位として修飾した分離系を作成することで、理論段数30 万段の発生を可能にし、現行のHPLC による光学分割の分離性能を10 倍以上に高めることが目標である。 |
768 |
食品中抗酸化性物質総量の簡易型測定器の開発 |
湯浅 義三 |
京都微生物研究所 |
井上 壽 |
けいはんな新産業創出・交流センター |
近年、健康や食の安全への関心が高まる中で、加齢とともに体内で発生する活性酸素等による酸化ストレスが老化の促進や生活習慣病に関与していることが明らかになるにつれ、食品中に含まれる抗酸化性物質が注目されている。しかし、食品中の抗酸化性物質の測定には、多額の経費と時間を要することから日常的に消費者への情報にはなり難い。そこで我々は、オゾン水を抗酸化性物質のイニシエーターとする食品中抗酸化性物質総量の測定法を考案し、生産者や消費者が簡単に取り扱える安価な簡易型測定器の開発を目指す。 |
789 |
自動化プレス加工のための製品排出監視技術の開発 |
安室 喜弘 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
中小企業における多くのプレス工場では、金型や各種製造機構を開発による材料効率向上と作業の自動化を、独自に図っている。しかし異常を検知する監視技術も自動化されなければ効果が低い。本研究では製品排出を常時監視し、異常検知の際には自動停止させるシステムの実現を目指し、異常検知に必要な光学式の距離計測技術の確立を目的とする。稼働している既存のプレス機に対し、据付けるだけで適応できる可能性を示すものである。 |
791 |
超音波分解と質量分析をオンライン化した新規な高分子分析法の開発 |
荒川 隆一 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
本研究は、超音波分解(ultrasonic degradation, UD)と質量分析(MS)を結合した超音波分解質量分析法を具体化して、@ 合成高分子の迅速・簡便な同定およびその構造解析を行う技術を確立し、A 新規な超音波分解液体クロマトグラム質量分析(UD-LC-MS)装置に用いる低流量フロー(μL/min)系の超音波分解セル(μUD)を商品化することを目標としている。 |
826 |
テラヘルツ・プロファイロメトリーの開発 |
安井 武史 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
表面形状測定(プロファイロメトリー)は工業製品の品質評価を始めとした様々な分野で幅広く利用されているが、従来の光学的手法では表面が粗面の物体(金属粗面、樹脂製品など)を計測することは強い光散乱のため困難であった。本研究では、光波と電波の境界に位置するパルス状テラヘルツ波の自由空間伝搬・コヒーレントビーム・超短パルス特性いった特徴に加え、波長が極めて長いことに起因する低散乱性を利用することにより、粗面物体の表面形状測定が可能なTHzプロファイロメトリーを開発する。 |
827 |
高次多光子顕微蛍光イメージング装置の開発 |
伊都 将司 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
本課題では、一般的なフェムト秒Ti: Sapphireレーザー(発振波長800 nm付近)を単純に集光するだけでは達成困難な、数十fsのパルス幅を顕微鏡下で実現し、それを用いた高次の多光子誘起蛍光イメージング装置の開発を行う。自作の近赤外フェムト秒レーザー(発振中心波長>1000 nm)を光源として用い、対物レンズ透過後の光パルス幅の伸長を最小限に抑える。作製した近赤外多光子レーザー顕微イメージング装置の実用化に向けて、その応用可能性(種々の試料に対する適用性)を検討する。 |
836 |
有機薄膜の1/fノイズ検出とセンシングへの応用 |
山田 亮 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
本研究では、有機薄膜に電流をながした際に生じるノイズを利用した、新たなセンシング方法を開発する。ノイズには物質と有機伝導層の相互作用から生じる状態のゆらぎに関する情報が含まれることから、単なる電流モニターよりも多くの情報を含んでいる。このため、ノイズを利用することで、高感度検出、あるいは複数の匂い源の同時検出など、これまでのセンサには見られない出力特性が得られると期待できる。 |
843 |
ナノ粒子のフロー磁気質量分析法の開発 |
諏訪 雅頼 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
'現在、タンパク質やDNA、nm- umサイズの微粒子については計測手法が限られており未だ分析が困難な状況にある。例えば従来の質量分析法では分子量が数十万を超えるものについてはイオン化により破壊され、その測定が不可能である。本研究では、駆動力に磁気力を用いる事で、イオン化が不要で、磁化率の測定も可能な、完全非破壊質量測定法を開発する事を最終的な目標とする。本研究課題では、磁化率と質量を同時に取得する磁気質量分析法の分析対象をnmサイズにまで拡張する。また種々の顕微分光法と組み合わせ、より多くの分子情報が得られる計測法を構築する。 |
855 |
電磁超音波センサとSH波を組み合わせた配管肉厚検査法の開発 |
平尾 雅彦 |
大阪大学 |
中村 邦夫 |
大阪大学 |
配管の減肉検査は発電プラントをはじめとする各種プラントの保全管理において最も重要な課題のひとつである。本課題ではSH波(Shear horizontal wave)とよばれる超音波を利用して従来法に比べて簡便かつ安価な検査手法を開発する。SH波とは板の内部を伝ぱする超音波の一種であり、板厚によって伝ぱ速度が変化する。SH波を配管の一定距離だけ伝ぱさせて伝播時間を計測すると、減肉箇所を通過するときに伝播時間が変化するので、この時間変化から減肉評価を行う。 |
875 |
脂肪酸分析用新規キャピラリーカラムの開発 |
山本 公平 |
大阪府立大学 |
金澤 廣継 |
大阪府立大学 |
脂肪酸組成分析にはガスクロマトグラフィー(GC)が不可欠である。現在、この分野のGC用カラム種はPEG系の中極性カラムとシアノシリコン系の強極性カラムが汎用されている。本申請では、従来全く注目されなかった弱極性カラムでもこの分野に使用可能であるという事実を基に、その極性を若干高めた混合液相カラムを試作・検討し、初心者でも容易に用いることのできる脂肪酸分析用新規キャピラリーカラムの開発を目指す。 |
879 |
生体高分子の構造解析用アルカリ金属導入装置の開発 |
早川 滋雄 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
ポストゲノムとしてのたんぱく質などの生体高分子の解析には、高感度分析法である質量分析法による解離手法の開発が不可欠である。アルカリ金属をターゲットとして用いる電子移動解離がリン酸化ペプチドの解析に有用であることが、申請者の研究で明らかとなった。この解離手法を近年利用の盛んな飛行時間型などの高感度質量分析装置で使用可能とするために、現在用いているボールバルブに代わるアルカリ金属の高輝度ビームを真空へ導入する方法を開発する。この開発を生体高分子分析に有用な質量分析装置と結合させることにより、極微量での生体高分子の構造解析を可能とする。 |
906 |
キャリブレーションフリー視線計測装置の開発 |
長松 隆 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
従来の視線計測装置では、ユーザ毎に眼球の形状が異なることなどに起因する個人依存のパラメータを決定するキャリブレーションが必要であり、通常、5〜20程度の基準点をユーザが事前に注視する必要があった。本課題では、キャリブレーションなしで視線計測が出来る装置の開発を目的とする。一般に、眼球の幾何学的な中心軸(光軸)と実際の視線(視軸)は、数°ずれている。ステレオカメラを利用して両眼の光軸を求め、それを基に両眼の視軸がディスプレイ上で交わることを利用して、ディスプレイ上での注視点を求める手法を開発する。 |
917 |
半導体のナノ評価に向けた走査型過渡容量顕微鏡の開発 |
吉田 晴彦 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
半導体デバイスの特性を決める重要な要因のひとつに界面トラップがあり、その低減化及びナノメータスケールでの均一化が求められているが、有効な評価技術が開発されていないのが現状である。本課題ではミクロンスケール以上で広く用いられている過渡容量評価法とナノメータスケールでの評価が可能な走査型プローブ顕微鏡技術を融合し、ナノメータスケールでの界面トラップ評価が可能な走査型過渡容量顕微鏡の開発を目標とする。 |
940 |
位相シフトデジタルホログラフィにおける三次元空間光波位相の超高精度検出法の開発 |
森本 吉春 |
和歌山大学 |
湯崎 真梨子 |
和歌山大学 |
位相シフトデジタルホログラフィは、非接触かつ全視野で変位分布を計測できる手法である。この手法において精度向上を行うためにはスペックルの影響を除去する必要がある。その際に問題となるのが計算時間の長さである。本研究では、各画素から物体までの光路で決まる光の複素振幅を計算する高速計算アルゴリズムを開発する。これによって、高速に精度よく変位分布計測ができる手法を構築する。 |
942 |
フレッシュコンクリートに対する瞬時水セメント比評価装置の開発 |
村田 頼信 |
和歌山大学 |
湯崎 真梨子 |
和歌山大学 |
コンクリートの水セメント比(W/C)は、コンクリート構造物の強度に大きく影響を与える因子でありながら、施工現場において打込み前に適正な検査など行われていないのが現状である。そこで本研究課題ではフレッシュコンクリート中のW/Cを短時間に簡便かつ適正に推定し評価可能な装置の開発を目的とする。フレッシュコンクリート中に超音波を透過させ、音速・吸収・周波数特性・非線形性などから総合的なW/Cの評価を検討する。 |
976 |
環境有害物質のハイスループット毒性評価試験法の開発研究 |
森 泉 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
環境汚染が社会問題になっている中で、汚染物質の検出・毒性の評価の迅速化が求められている。これまでの生体毒性評価試験は1日に数十検体がせいぜいであったが、本研究では蛍光プローブを導入した細胞を用い、1日に1万検体の毒性評価試験ができるハイスループット化を達成する。また、本技術の迅速さを利用し、試験細胞をプローブに固定化し、汚染現場で測定可能な生体毒性検出技術を開発する。 |
984 |
コンクリートの磁気的リアルタイム水分量検査方法の開発 |
塚田 啓二 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
低周波磁場照射によって生コンクリートから発生する磁場を計測する高感度磁気計測システムを開発する。この装置により、従来出来なかった建築現場での生コンクリートの水分量をリアルタイム計測可能とするものである。生コンクリートには対象の水の反磁性特性による信号のほか、磁気的特性が異なる砂鉄などの強磁性体などの信号が混在している。これらの信号を分離し、しかも環境磁気雑音中で計測できる高感度磁気計測方法を開発する。 |
1001 |
空気伝播型センサーを用いたガイド波欠陥検査技術の開発 |
問山 清和 |
広島県立総合技術研究所 |
野地 英治 |
くれ産業振興センター |
空気伝搬型超音波センサーを使い、非接触で広範囲を高速に欠陥検査するガイド波検査技術を開発する。同センサーはもともと送受信効率が悪い。さらにガイド波の分散性による空間分解能劣化のため実用化されていない。そこで独自の信号処理と、効率の良い広帯域空気伝播型センサーを適用して、ガイド波信号のSN比と空間分解能を大幅に改善し、革新的な非破壊検査装置の実用化を目指す。本研究の成果は、光学フィルムの欠陥検査、圧延材、CFRP等の検査など、多くの薄板材等の検査に適用が期待される。 |
1107 |
対消滅反応に着目した地雷探査のための可搬型陽電子検出器の開発 |
天造 秀樹 |
詫間電波工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
爆薬中の窒素から放出される10.8MeV高エネルギーγ線によるエネルギー付与と対消滅の同時発生事象に着目することで、地雷埋設土壌に含まれる窒素以外の元素からの低エネルギーγ線による事象観測を大幅に減少させる。これによりシンプルで可搬型検出器でありながらも従来の手法よりも大幅に短時間で埋設爆薬の有無を確認できる可能性を持つ新技術を開発する。 |
1141 |
造船組立作業における効率的なブロック配置アルゴリズムの開発 |
田房 友典 |
弓削商船高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
本校がある地域産業界には造船企業が多くあり、建造工程の効率化によって建造船数の増大が急務となっている。建造工程効率化の一つに、次のブロックの移動先を計画する造船ブロック配置作業がある。現在、数名の担当者が現場を歩き回り、ブロックの工程数とその位置を紙面に展開していおり、熟練したスキルと迅速な判断が必要である。本研究は、造船ブロックを効率的に配置するアルゴリズム開発を行う。開発するアルゴリズムをWebアプリケーションに組込み、ブロックの移動先を即座に指示・支援するシステムを構築する。 |
1149 |
バッテリー残存容量・余寿命を推定するモデルベース検出センサーの開発 |
豊田 幸裕 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
電気自動車、ハイブリッド自動車のエネルギー管理の観点から、バッテリー残存容量(SOC)の推定技術および余寿命推定技術が不可欠なものになっているが、いまだに確立したものはない。そこで本研究では、電動2輪車への適用を事例として、SOCの挙動を推定するために、電流・電圧とSOCの関係を表す状態空間モデルを使用し、実測電流・電圧時系列データを用いたSOCの推定 および寿命推定アルゴリズムを確立し、DSPicマイコンに搭載した試作器の開発を目指す。 |
1197 |
光触媒及び放射線誘起表面活性の定量測定装置の開発 |
川口 俊郎 |
九州産業大学 |
藤本 敏樹 |
九州産業大学 |
光触媒はセルフクリーニング・空気浄化等の働きで、また放射線誘起表面活性は防食・電熱向上等の効果で知られている。これらの性能は光や放射線の照射によって生じた反応中間体の多寡に拠っている。これまで性能評価には反応中間体の量を直接測定する方法はなかった。本研究では、研究代表者が開発した磁気浮上電極電離箱(特許第3817537号)を用い、反応中間体の電荷を直接測定する方法・装置を開発する。 |
1209 |
生体内フリーラジカル反応画化のための造影剤開発 |
山田 健一 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
我々はこれまで、種々のニトロキシルラジカルがフリーラジカルなどの鋭敏に反応することに着目し、疾患モデル動物の発症メカニズム解析を行うための造影剤として利用してきた。一方で、新規合成経路にて種々のニトロキシルラジカルを開発している。そこで本研究課題では、これらの技術を組み合わせ、疾患モデル動物の発症進展に関与するフリーラジカル反応の画像解析を行うための造影剤開発を目標とする。 |
1213 |
電界誘起酸素エッチングによる探針先端の原子レベル先鋭化 |
水野 清義 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
タングステン針は、電解液中での電気分解を用いた研磨法によって比較的容易に先鋭化することが可能で、走査プローブ顕微鏡の探針や電子顕微鏡の電界放出電子源として用いられている。代表研究者らは、真空中、酸素雰囲気において高電界を加えることにより電界蒸発を行い、針先を3 nm の曲率半径に先鋭化する手法を見出した。本研究では、得られた針を用いて走査プローブ顕微鏡の観察を行い、高性能探針として実用化を目指す。また、電界放出パターンを測定し、電子源としての性能評価を行う。 |
1214 |
(生き物の)非平衡力物性計測システムの開発 |
水野 大介 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究では、試料の非平衡度や力生成等、非平衡物質の総合的な力学機能を制御しかつ計測することができる新しいレオメータを開発する。具体的には、1)マクロレオメータを使用して生体試料に非平衡な力学刺激を加えつつ、2)Active/Passive マイクロレオロジー計測により試料の非平衡度と(非平衡環境下で定義された)力学物性を同時に計測することができるシステムを開発する。 |
1222 |
有機ELを光源とするマイクロチップ用蛍光検出システムの開発 |
中嶋 秀 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究は,手のひらサイズの一枚の基板上に微細な流路と有機発光ダイオード素子を作製し,試料中の各成分を光化学固定法などの表面修飾法を利用してマイクロチャネル内壁に固定した種々のレセプタータンパク質との相互作用により分離した後,マイクロチップに集積化した有機EL 素子を光源とする蛍光検出システムにより検出する、小型で安価なオンサイト測定用分析システムを開発するものである。 |
1244 |
ロボットによる管状構造物の全方位パノラマ画像計測 |
松岡 毅 |
福岡大学 |
坂本 好夫 |
九州システム情報技術研究所 |
双曲面ミラーとカメラを組み合わせて水平360度を撮像できる、全方位カメラとよばれるビジョン装置がある。全方位カメラ2台を移動台車に登載し、下水管などの管状構造物の内面をステレオ観測/検査するロボットを開発する。このロボットによって、歪みがなく距離情報を付加した管内面パノラマ画像を容易に得ることができる。開発にあたり、すでに基本的な技術の習得は行っているから、本研究では実用化を目指した場合の諸問題を明らかにし、これらを解決したい。開発したロボットを用いて模擬環境での動作試験を行い、ロボットの実用性を確認する。 |
1249 |
大気中水蒸気量のリモートセンサーの開発 |
内海 通弘 |
有明工業高等専門学校 |
梅本 光政 |
有明工業高等専門学校 |
大気中水蒸気の計測は気象庁の観測網によって行われているが、レーザレーダのようなアクティブな計測が最近注目されている。これまで気象庁などでは高価なTi3+:sapphireレーザを使ったものなどが研究段階にあり、実用化研究が行われている。これらは、専門家が計測に従事しない限り計測は無理な段階にある。本課題で提案する方法は安価な半導体レーザを用いて大気中水蒸気密度分布を計測するレーザレーダである。安価であるため各県の気象台に設置でき、汎用機を目標にするものである。 |
1257 |
NMRによる食品中の骨分の検出技術の開発 |
野間 弘昭 |
産業技術総合研究所 |
犬養 吉成 |
産業技術総合研究所 |
食品加工ラインで異物の検出に現在利用されている装置として、金属探知器、X線検出器がある。ところが、金属でなく、X線に透過しやすい、微細な異物の検出については十分に対応できていない。これに対し、我々は食肉加工ラインで問題となっている骨分の検出に、NMR(核磁気共鳴法)による検出が有効であることを明らかにしてきた。本プロジェクトにより、感度特性等を検証することで、加工ラインで測定できるNMR装置のスペックを確定する。 |
1261 |
生薬成分に対するモノクローナル抗体を機軸とした簡易分析キットの開発 |
森永 紀 |
長崎国際大学 |
石川 宗晴 |
科学技術振興機構 |
海外からの輸入に依存している漢方薬や健康食品の原料である生薬は、産地や採取時期による品質の不均一性が大きく、品質管理は不可欠である。本研究では、生薬成分に対するモノクローナル抗体を用いて、イムノクロマトグラフィー法を利用した迅速、簡便かつ高感度な発色型の簡易分析キットの開発を目標とする。検査時間も20分程度と短い本分析キットの開発により、中小メーカー、研究機関、生薬輸入業者、生薬問屋などでの品質管理に貢献できる。 |
1292 |
電磁現象を利用した原子力発電プラント内における鋼管減肉検査手法の開発 |
後藤 雄治 |
大分大学 |
後藤 茂治 |
大分大学 |
原子力発電所や高速増殖炉「もんじゅ」で使用されている鋼管の減肉や外面欠陥を、鋼管の内面から非接触で高速検出が可能となる手法の開発を目的としている。鋼管の内側から鋼管外面欠陥を検出出来る電磁気センサの開発を行う。 |
1305 |
円形シフト法による三次元マイクロPIV(微小流動計測)の試験研究 |
川末 紀功仁 |
宮崎大学 |
石川 正樹 |
宮崎大学 |
マイクロスコープの前に設置した合わせ鏡を回転させることで、撮影する画像に円形のシフトを加え、計測点が描く円形の軌跡より三次元位置を判断する計測器を試作する。撮影される軌跡を解析することで、計測点の三次元的な位置に加え、計測点の運動や変位状態を計測する。水中で運動するトレーサ粒子を計測することで、微小流体の三次的な状態を把握できるようになる。 |
16(B) |
高精度・高分解能な手ブレ計測・補正評価システムの開発 |
西 一樹 |
電気通信大学 |
比企 春夫 |
電気通信大学 |
カメラ撮影時に生じる手ブレについて、動画テストパターンに対する撮影画像を解析することで手ブレの様子を3次元的に測定でき、これにより手ブレ補正装置の性能評価が簡単かつ精密に行える技術を開発している。本課題では、手ブレ検出精度の向上・測定許容範囲の大幅な拡大を図ることで、カメラ・レンズメーカーにとって実用的な手ブレの定量化手法および補正装置に対する評価手段を提供する。 |
26(B) |
3次元顕微メスバウア分光装置の開発 |
吉田 豊 |
静岡理工科大学 |
大隅 安次 |
浜松地域テクノポリス推進機構 |
マイクロキャピラリーレンズを用いた2 次元位置敏感型メスバウア分光装置(“顕微メスバウア分光装置”)とマイクロチャンネルプレート(MCP)を利用した“深さ敏感型内部転換電子メスバウア分光装置”を組み合わせ、表面から約200nm まで数10nm ごとの深さの関数で鉄原子の3 次元分布を直接観察できる装置(“3 次元顕微メスバウア分光装置”)開発する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
19 |
高感度磁気センサを用いた配管等の厚み遠隔測定法の開発 |
中根 英章 |
室蘭工業大学 |
花岡 裕 |
室蘭テクノセンター |
工業プラント等において、圧力容器や配管の板厚などの計測は安全性確認の立場から、必須の要件であり、法令上も規定されている。しかし、このような容器や配管、通常、断熱材や塗料層などで覆われ、材料表面への直接計測は不可能な場合が多く、従来の超音波法や渦電流検査法では直接接触あるいはそれに近い状態でないと測定が不可能であった。本課題では高感度磁気センサを用いることにより、断熱材や塗装層などが存在しても、材料の厚みなどの形状測定を可能とする試みであり、非破壊検査技術上、画期的な手法を提示し得ると考える。 |
24 |
前走車両方位検出センサの開発 |
永草 淳 |
十勝圏振興機構 |
飛川 剛 |
十勝圏振興機構 |
国内外で市販されているマイクロ波ドップラモジュールを応用した、低コストで精度が高く、かつ短時間計測が可能な、前走車両方位検出センサの実用化研究を目的とする。実用化のためには前走車方位走査機構の開発や、車両姿勢や相互位置関係等の変化を考慮した検出領域の検討が必要である。本年度は、農地での利用を前提とした車両方位検出センサを試作し、翌年度以降にフィールドでの実証試験が可能な状態とする。 |
107 |
普及型車載凍結路面検知システムの試作開発研究 |
堀 彰 |
北見工業大学 |
百瀬 雅将 |
北見工業大学 |
寒冷地域の交通路では路面凍結は大きな問題である。特に季節の変わり目には、道路は平地では無積雪でも山間部では凍結するため、スリップ事故が多発し長距離交通の障害となっている。そこで路面凍結状況を検知するセンサーを開発し、道路情報システムの凍結予測情報等の高精度化に役立てる。さらにセンサーを車載型にして、道路監視車による路面状況観測・凍結情報提供を行い、最終的には一般車輌にも搭載した路面凍結状況検知システムの開発を目指す。 |
159 |
ハーフメタル・ナノ粒子との樹脂コンポジット磁気抵抗素子の開発 |
鈴木 勝彦 |
宮城工業高等専門学校 |
引地 智 |
みやぎ産業振興機構 |
スピン偏極率が-100%のFe3O4 粒子とスピン偏極率100%のCrO2 粒子による樹脂コンポジット磁気抵抗素子における成分比による磁気抵抗の特性変化制御の技術の開発をすることを目的とする。具体的には、Fe3O4 ナノ粒子とCrO2 マイクロあるいはナノ粒子の成分比を変えて、樹脂を充填剤とするコンポジット原料を作製し、調整原料の圧力−抵抗変化、SEM 観察、磁化測定、コンポジットの磁気抵抗測定、抵抗の温度変化測定を行い、作製条件を検討する。 |
223 |
防災温度センサ用鉄シリサイド系熱電変換モジュールの開発 |
安野 拓也 |
いわき明星大学 |
坂本 美穂子 |
いわき明星大学 |
本実験では、高い起電圧の利用とはんだ付け性の改善により防災温度センサ用のFeSi2系熱電変換モジュールの開発を目指す。具体的には、放電プラズマ(SPS)法による焼結・接合により表面にAgをコーティングしたモジュールの作製、起電圧測定を行う。さらに、温度センサとして最適な形状のモジュールとなるように熱-電気連成解析を行い、温度分布と電位分布のシミュレーションにより複数の形状を選定する。防災温度センサとしての実証評価も行う。 |
385 |
緑色を基点とした色調変化型光学酸素センサーチップの開発 |
朝倉 則行 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
これまで、白金ポルフィリンのリン光と酸素分子との反応を利用して、赤から青に色調変化する酸素センサーの開発に成功している。しかしながら、赤色および青色は人間の視覚的な感度が弱い色調であるため、より直感的な色調変化型酸素センサーの開発が望まれる。本研究課題では、人間の視覚において高感度な緑色を利用した色調変化を引き起こす酸素センサーの開発を行う。 |
403 |
高感度表面プラズモン励起光検出水素ガスセンサの開発 |
馬場 暁 |
新潟大学 |
福田 健 |
株式会社新潟ティーエルオー |
新たなクリーンエネルギーの実用化に向けて、水素エネルギーを安全に利用するために、水素ガスを高感度かつ選択的にすばやく定量的に検出する必要が求められており、これらの条件すべてを満たした上で小型・低コスト化が望まれている。本研究では、水素選択性があり、かつ表面プラズモンが局在しているパラジウム薄膜を用いて、高感度で選択性のある表面プラズモン励起光検出型水素ガスセンサの開発を行う。 |
444 |
広帯域・高ダイナミックレンジが可能な高性能デジタル超音波センサの開発 |
前澤 宏一 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
本応募課題は、高周波動作が可能な周波数変調ΔΣAD変換方式を用いて、超高性能なデジタル超音波センサを開発するものである。具体的には、コンデンサマイクロフォン自身をマイクロ波発振器の共振器として用い、超音波信号を直接高周波のFM信号に変換する。このFM信号を、周波数変調ΔΣAD変換器に通すことによりデジタル化を行う。これにより、メンブレンの変位が直接デジタルデータに変換され、従来不可能だった超高ダイナミックレンジ、超広帯域が可能になる。 |
460 |
生体内磁気ビーズ計測の低侵襲極細針形磁気センサの測定限界の研究 |
山田 外史 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
生体内の磁気情報の計測法として、超極細な針形状の磁気センサを信号源の極近傍に挿入することにより、低侵襲、簡便な手法で高感度に極近傍磁界を検出することを提案する。本手法を生体計測として具体化するため、100-200μm幅、20-50mm長さのセラミックの針形状の先に数十μmサイズの巨大磁気抵抗効果センサを付けたセンサ構造を作成し、生検体の内部の磁気情報を針治療のように計測するシステムを構築し、針形状の磁気センサの応用として生体内に注射した磁気微粒子の濃度、分布を計測する。 |
508 |
雑音に強いワイドレンジ超音波センサの開発 |
丹沢 勉 |
山梨大学 |
鈴木 通夫 |
株式会社山梨ティー・エル・オー |
超音波を用いて距離計測を行う際、長距離計測用の信号と短距離計測用の信号を混合して発射し、反射音からこれらを取り出して独立に計測することで、単一センサで広い範囲の距離計測を可能とする超音波センサシステムを構築する。 |
538 |
光ファイバを用いた建築構造物の高分解能ヘルスモニタリングシステム |
佐野 安一 |
長野工業高等専門学校 |
坪井 開 |
長野県テクノ財団 |
光ファイバグレーティングはその反射波長が歪により変化するため反射波長を計測することにより歪計測が可能である。複数のファイバグレーティングを1本の光ファイバに描画すれば歪の分布計測が可能となる。これを建築構造物に適用したものが建築構造物のヘルスモニタリングシステムである。本研究ではセンサの波長領域での狭帯域化を図ることにより歪検知能力の高いモニタリングシステムを研究する。 |
585 |
半導体レーザの自己結合効果を用いた高精度微小振動センサシステムの開発 |
山田 諄 |
愛知工業大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
半導体集積回路の細線化やMEMS等ナノ技術の進歩に伴い、製造過程において従来無視されてきたnm程度の微小振動を非接触で測定できる微小振動センサシステムの開発を目的とする。半導体レーザ光を対象物に照射したとき、散乱光の一部がレーザに戻りレーザ共振器内の光と干渉し、出力光が僅かに変化する自己結合効果を利用する。本センサシステムは、簡単な構成で小型、安価であるが、外部振動にも強く非接触でnm程度の微小振動検出が期待できる。 |
635 |
気道内肺機能測定を可能にするカテーテル実装型流量センサの開発 |
式田 光宏 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
本テーマでは、経気管支的に気道内肺機能測定を可能にするカテーテル実装型流量センサを開発し、これにより肺疾患に対する早期発見が可能となることを目指す。具体的には、内視鏡処置具用カテーテル内にセンサを実装し、これを気道内に挿入し、肺内部の気管支局所にて呼気吸気を評価できる流量センサを開発することを目的とする。本事業では人工呼吸器を用いて周波数数Hzの往復流に対するセンサ特性を明らかにすることを目標とする。 |
709 |
赤外線位置・移動センシングシステム |
木股 雅章 |
立命館大学 |
工藤 真弓 |
立命館大学 |
デジタル画像処理することなく発熱体の位置と移動の検出ができる新しい赤外線センシングシステムの開発を目的とする。この目的を達成するため、本研究の代表研究者が考案したIRPSD (Infrared Position Sensitive Detector)をセンサとして用い、このセンサ出力から必要とする情報を抽出するためのアルゴリズムと、このアルゴリズムをプリント基板上のハードウエアで実行する回路システムを設計、製作するとともに、応用シナリオを考慮した光学系の設計を行い、システムの実用性を実証する。 |
734 |
面発光レーザの帰還光応答特性のセンサ応用に関する研究 |
裏 升吾 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
単一モード垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)に偏光方向を回転させて光帰還させると劣勢モードの発光パワーが大きく変化する。本研究では、この発光パワー変化の応答特性を測定し、回転センサへの応用可能性を検討する。センサデバイスの画期的な微小化が期待できる。回転スピンドルに1/4波長板とミラーを設置して偏光を回転させて帰還させる構成を基本とし、VCSEL動特性の帰還光条件への依存性、実装トレランス、遠隔システムへの拡張性などを調査研究する。 |
862 |
極低温汎用温度計の開発 |
四谷 任 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
過剰な窒素を含む金属窒化物はアモルファスに近い乱れた結晶構造を有する。そのため薄膜の電気抵抗の温度依存性に局在効果が出現し、電気抵抗は温度の減少とともに半導体的に増加する。この局在効果は極低温まで存在するため、室温からmKに至る広い温度範囲でリーズナブルな抵抗温度係数(感度)を有する温度センサの開発が期待できる。本研究では、室温からmK域まで合理的な感度を有し、再現性の高い薄膜温度センサの開発を行う。 |
883 |
分子鋳型を用いる高精度リアルタイムセンサーの開発戦略に関する研究 |
長岡 勉 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
食品製造や医療などの現場においては検査対象物質の種類が日々増大し、大きな負担となっている。このような状況の下、化学センサーの重要度が増している。この研究で開発する分子鋳型センサーは、対象物質の種類が変わっても同一の作製手順で対応できる技術である。本課題では、この新手法を用いた化学センサーの実用化を目標とし、特に食中毒の予見に有効とされるATPセンサーや職の安全で重要視される農薬センサーの実現を目指す。 |
929 |
化学修飾金属蛋白質の光電子移動を利用した蛍光性CO2センサ素子の開発 |
高島 弘 |
奈良女子大学 |
藤野 千代 |
奈良女子大学 |
臨床における血液中の二酸化炭素分圧分析は、患者の呼吸状態を的確に把握するために重要である。現在、安価、簡便、高感度に、患者からのサンプリング後その場で評価出来る分析法の開発が望まれている。本課題では、高感度検出が可能な蛍光分光法でCO2 分圧を直接評価することを可能とするバイオセンサ素子の構築を目的とし、金属酵素であるカルボニックアンヒドラーゼとその活性中心へ結合する発光プローブとの光誘起電子移動反応を利用した、蛍光オン-オフ制御システムの構築を行う。 |
954 |
光学的機能測定と併用し、光学測定領域内複数点から生体電気を同時計測する為の動物実験用透明電極の開発 |
伊藤 眞一 |
島根大学 |
中村 守彦 |
島根大学 |
膜電位の光学的測定法は多数ヶ所から膜電位を同時に記録出来る優れた測定法であるが、光学シグナルが非常に小さい為、呼吸や心拍動などに由来するアーティファクトの影響を大きく受ける。我々は電極を用いて直接記録した膜電位を指標として、ソフトウェア処理によりアーティファクトを大幅に減らすことに成功した。光学測定に影響を与えず、同時に測定領野内数ヶ所の膜電位を直接測定する目的で、透明導電体であるガリウム添加酸化亜鉛を用いた動物実験用透明電極を開発する。 |
987 |
残留農薬検出用バイオチップの開発 |
永谷 尚紀 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
現在、食品に残留する有機リン系農薬が問題となっている。有機リン系農薬は、酵素アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害する。この酵素の活性は、基質をアセチルチオコリンとすることによって生成物であるチオコリンを電気化学的に測定することが可能であり、高感度に残留農薬の検出が可能である。しかしながら、簡便に検出する手法には至っていない。そこで、酵素、電極を配置したバイオチップを作製し、簡便に残留農薬が測定可能であるか検討を行う。 |
1003 |
カメラ画像による光透過高粘性流体の異物検出の高精度高速化に関する研究 |
河野 進 |
広島国際大学 |
濱田 高義 |
くれ産業振興センター |
高粘性流体中の異物検出は従来目視で行っている。異物検出の自動化を行うとき、この流体に固形物が含まれていると異物が固形物の下にあるとカメラ画像での検出は難しい。流体や固形物が光を透過する場合、この性質を用いて固形物の下や内部にある異物を検出する。本研究では光透過高粘性流体に異物が混入している場合を想定し、異物自動検出装置の実用化に不可欠な高検出率・高速検出かつ低価格な異物検出手法を確立する。 |
1055 |
新規表面プラズモンセンサーの開発と応用 |
山口 堅三 |
阿南工業高等専門学校 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
生体分子相互作用の解析には、非標識でリアルタイムに測定可能な表面プラズモン共鳴法が用いられている。バイオメディカル分野では、生体分子がナノサイズであることから高感度化と利便性の向上が求められている。これを実現する手法として、表面プラズモンとウィスパリング・ギャラリー・モードの技術を融合させた新規デバイスモデルを提案し、バイオセンサーや光デバイスへの応用を図る。本課題では、数値計算で構造を決定し、単一センサーチップの作製とその評価である。 |
1148 |
CPT信号を用いた高感度磁気センサーの開発と応用 |
福田 京也 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
三準位原子とレーザー光による量子干渉効果はCoherent Population Trapping(CPT)現象と呼ばれる。CPT共鳴を利用した原子発振器の発振周波数は外部磁場環境の影響に敏感であるため、高感度な磁気センサーとして利用可能である。本研究ではガラスセルに封入されたセシウム原子のCPT信号を観測し、小型で高感度な磁気センサー装置への応用可能性を探る。 |
1166 |
汎用・安価で実用性の高い紫外線センサの開発 |
岸本 誠一 |
高知工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
高感度の紫外線センサは、近年太陽光の有害性(UV-B)が指摘されていることなどから様々な分野においてそのニーズが高まっている。 酸化亜鉛はその物性から紫外域に光電効果を持つ材料として注目されており、ガリウムを高濃度添加することにより、光電流が飛躍的に大きくなることを見いだした。本研究ではこの機構を明らかにし、酸化亜鉛薄膜を使った透明紫外線センサの実用化をめざす。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
25 |
たわみを抑制したブームスプレイヤーのアーム形状の開発 |
佐藤 典彦 |
十勝圏振興機構 |
飛川 剛 |
十勝圏振興機構 |
三次元CADによる応力解析のシミュレーションを活用し、農薬散布作業に使用されるブームスプレイヤーのたわみを抑制したアーム形状を開発するものである。データの信頼性を確認するために試作機による実測も行い、これらの設計手法が新規開発に有効であることを実証する。 |
253 |
球面加減速機構の開発 |
矢野 智昭 |
産業技術総合研究所 |
山崎 宏之 |
産業技術総合研究所 |
1台で多自由度の動きを実現する球面モータは3台のモータを1台の球面モータで置き換えることができるためシステムの小型・軽量化や省資源・省エネルギー効果が期待できる。一方、球面モータ単体では出力軸の可動範囲を広く取ることが困難である。本研究では球面モータの出力トルクを2倍以上に増幅し、かつ出力軸の可動範囲を広くとれる球面加減速機構を開発する。 |
277 |
直噴エンジン用超磁歪式インジェクタ適用試験 |
小林 一光 |
小山工業高等専門学校 |
山下 信 |
小山工業高等専門学校 |
排気・燃費向上に対応したガソリン直噴エンジン用インジェクタを想定し、1kOeの印加磁界で、nsec、1000ppmの高速応答変位量と発生力が得られる粉末冶金法超磁歪素子をインジェクタ駆動部に適用し、噴射量供給レンジ30以上を目標に使用環境の高温場で連続作動耐久性の成立と低コスト化を課題として適用試験を実施する。 |
278 |
河川水門制御用油圧シリンダ容積可変機構実用化のための性能向上策の検討 |
桜井 康雄 |
足利工業大学 |
枝村 一弥 |
東京都 |
河川水量調整用水路の水門開閉用油圧システムのコスト低減、省エネルギー化の観点から、シリンダ容積を可変としたシリンダ内圧力一定機構の開発を目指している。提案した機構は、作動油の温度が32℃までなら、実用化の目標圧力上昇値0.1〜0.2MPa/1℃に抑えることが可能であることが明らかとなった。本研究では、この機構の改良により、温度の上限値を夏場を想定した50℃程度まで引き上げることを目標とする。 |
304 |
中小製造業向けバーチャルトレーニングシステムの開発と応用 |
綿貫 啓一 |
埼玉大学 |
石井 博之 |
埼玉大学 |
本研究では、高度な技術や高品質などが要求される製品の製造工程における技能伝承を効果的に行うため、その際に必要となる設計・製造知識および力覚情報等を連携して技能伝承・教育支援を行うためのバーチャルトレーニングシステムを提案し、開発する。さらに、高付加価値製品の製造知識を創出するための対話支援システム、視覚情報や力覚情報を融合した没入型仮想共有環境システムの実用化に向けた開発・実証検証を行う。 |
312 |
設計過程を大幅に短縮化する簡易非弾性解析技術の開発 |
小林 謙一 |
千葉大学 |
平 隆臣 |
千葉大学 |
新型高速炉の開発には、安全性、信頼性確保と共に設計費用の削減が強く求められている。本課題は、弾性解析をベースにした簡易非弾性解析法の開発・検証であり、熱過渡荷重による弾塑性クリープ状態や構造不連続部の弾塑性状態に適用すると共に、軸力、曲げ、応力集中が重畳した構造モデルを用いて実験的に検証する。課題遂行により、高精度詳細設計を最終段階に限定し、初期設計工程を大幅に削減した設計プロセスが実現できる。 |
315 |
超小型衛星の姿勢制御用ベアリングレスリアクションホイールの研究開発 |
朝間 淳一 |
東京理科大学 |
末永 雅英 |
東京理科大学 |
現在、世界各国で1辺が100mm程度の超小型衛星CubeSatの研究開発が進められているが、宇宙空間での姿勢制御は行われていない。これは、制御動力部となるリアクションホイール(RW)が大きいためである。さらに、ホイールを支える軸受部では、真空空間での摩擦熱による金属融着、摩擦による消費電力の増加、耐久性が問題となる。そこで、回転子の非接触磁気支持が可能なベアリングレスモータをRWに適用する。本研究では、限られたスペースに配置可能な小型ベアリングレスRWシステムの実現を目的とする。 |
320 |
微小物体操作のための圧電素子を用いた多機能デバイスの開発と応用 |
舘野 寿丈 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
微小物体の大気中での操作では、静電力などによる付着力の影響により正しく把持することが困難で、一般に複雑で大型の機械が必要となる。そこで、搬送機能と把持機能とを一体化させることで、小型で容易に位置決めする装置を開発する。圧電素子の高応答特性と高発生力特性を利用して、一種類のアクチュエータで搬送機能と把持機能との両方を小型に実現する多機能デバイスを作成し、産業用機械に応用する。 |
323 |
電場誘起流動を用いたナノダイヤモンドによる微細精密加工技術の開発 |
小原 弘道 |
首都大学東京 |
宗木 好一郎 |
首都大学東京 |
液中に配置された微小電極に高周波数の交流電場を印加することで、電極近傍の局所領域に積極回転するマイクロスケールの電場誘起流動が形成される。この流動をナノダイヤモンド溶液中に積極的に形成・制御することによって、微小領域の三次元加工可能な微小工具として機能させる新たな微細精密加工技術を確立することを目標とし、加工に重要となる電場誘起流動の形成最適条件、流動場構造評価、ならびに基礎加工特性を評価する研究である。 |
324 |
新規電動歯ブラシを中心とした要介護者の口腔衛生改善に関する研究 |
水沼 博 |
首都大学東京 |
尾形 佑美子 |
首都大学東京 |
介護施設では3食ごとに要介護者の上下の歯を1本ずつ丁寧に磨く時間はなかなかとれず、より短時間に安全に使用できる介護用歯ブラシが求められている。本研究では、自分で歯を磨けない要介護者を対象として、@短時間に効率よく口腔内を洗浄する電動歯ブラシを研究開発し、Aその電動歯ブラシの効果を学術的に実証する、ことを目標としている。歯ブラシの効果を明確にするための口腔衛生状態の定量化手法についても研究開発し、開発歯ブラシの商品化実現のための裏付けデータを収集する。 |
343 |
パラレルメカニズムを用いた非球面形状高精度加工機の開発 |
武田 行生 |
東京工業大学 |
奥村 勝司 |
東京工業大学 |
本研究は、レンズなどの非球面形状を高精度にしかも高速に加工するために、大きな作業領域と高い精度という相反する要求事項を高いレベルで同時に実現する新たな運動機構の設計法を開発し、その有効性を実験的に検討するものである。具体的には、大きな作業領域に対応した粗動運動に微動運動を加えることのできる構造の新たな3自由度パラレルメカニズムを提案して、その最適設計法を開発し、試作・実験による検討を加える。 |
412 |
電磁場-力学場の相互作用を応用した新型高サイクル熱疲労試験装置の開発 |
岡崎 正和 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
本研究では、電磁場-力学場の相互作用を積極的に応用した新規概念の高サイクル熱疲労試験機を開発するとともに、これを用いて耐熱材料の高サイクル熱疲労寿命を評価し、通常の疲労破損との相違点・類似点を明らかにしながら、破損規準と破損の材料強度学的考え方を提示することを目的とする。これにより、流体振動、燃焼振動、機械的振動に誘起・重畳された破損現象の解明につながる。 |
533 |
圧電セラミック単板の複合振動モードを用いた超音波モータの開発 |
番場 教子 |
信州大学 |
坪井 開 |
長野県テクノ財団 |
超音波モーターにおいて、従来のランジュ板振動子を用いたステータ部に対して、短形板振動子につける電極形状の工夫により単板で1次縦振動及び2次たわみ振動を同時に励振させ、ステーターとして動作させることができる、構造が単純で更なる小型化が可能な構造及びその最適制御法の開発 |
537 |
Siウェハやガラスなどの易損基板の非接触ハンドリング装置の開発 |
磯部 浩已 |
長岡技術科学大学 |
坪井 開 |
長野県テクノ財団 |
ガラスやシリコンなどの各種基板(面積に比べて厚さの非常に薄いもの)を移送する時に、基板損傷のリスクをゼロにできる完全非接触ハンドリング技術を開発する。接触搬送と同程度の加速特性を実現するため、強い非接触把持力を発生する振動板の設計・開発を行い、ハンドリングシステムの可能性を卓上型の実験装置で検証する。 |
546 |
可動フィンを持たない風向制御装置の開発 |
菊地 聡 |
岐阜大学 |
荒賀 年美 |
岐阜大学 |
現在、エアコンなどには風向制御のために可動フィンが取り付けられているが、本研究はコアンダ効果を利用することによって、フィンレスの風向制御システムを開発するものである。吹き出し口に曲面壁を設け、簡単なバルブ操作により任意の壁に沿った風向を得るものである。本目標が達成できれば、フィンなどの障害物が無くなるため送風機の消費エネルギーを小さくでき、送風機の小型化やファンの回転数の低下による低騒音化につながることが期待できる。 |
569 |
超音波振動を用いたリニアボールガイドの摩擦力制御による高速・高精度位置決め |
大岩 孝彰 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
リニアボールガイトに超音波振動を付加することによって、転がり精子摩擦力を減じスティックモーションを除去する。さらに、減速時には転がり摩擦力を増大させて運動方向の減衰性をたかめ、振動の抑制を図ることによって、リニアボールガイドで駆動される位置決め装置の製定時間を短縮させ、かつ高精度化を目的とし、摩擦力制御のための最適な超音波印加パターンの解明を行う。 |
598 |
多機能ナノ加工・計測システムのためのダイヤモンドAFMプローブの開発 |
柴田 隆行 |
豊橋技術科学大学 |
冨田 充 |
豊橋技術科学大学 |
将来のナノテクノロジーを支える革新的な製造技術として,ナノメートルレベルの微細加工(機械的除去加工,電気的加工など)が行え,かつ原子間力顕微鏡(AFM)としてのナノ形状計測・表面物性評価機能を同時に有する次世代の“ナノ加工・計測システム”の実現を目標とし,本研究では,高硬度・耐摩耗性を有するダイヤモンドAFMプローブの開発およびその製造プロセス(量産技術)を確立する. |
614 |
準剛体回転流による精密微粉分級における分級機形状の最適化 |
土田 陽一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
本研究は、流体(液体)に不溶な、粒度分布をもつ各種の微粉体を、乱れを発生させることなく任意の高遠心力場を生成できる準剛体回転流(完全な層流)中で、粒子に作用する遠心力と流体抗力の差を利用して、極めて高い精度でサブミクロンの多産物分級を実現する湿式遠心分級方式の開発をめざしている。この高精度微粉分級技術は微少流量・高速回転という流れの生成条件に由来して少処理量向きであるが、高精度を維持したまま連続・多産物分級が可能な高効率型に拡張して実用化をめざすことが本課題の目標である。このために、分級性能と分級機形状の関係を解明して、分級機形状を最適化する。 |
646 |
環境制御型電子顕微鏡下でのナノロボット操作による単一細胞硬さ計測システム |
中島 正博 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
細胞一個体周辺の極微小空間での環境を制御・計測するためには、微細なツール・デバイスを生体試料へ応用する技術が求められている。本研究では、高分解能観察可能な環境制御型電子顕微鏡下で、3次元的かつ実時間ナノロボット操作技術により、生体試料が含水状態で局所的な操作・計測を行うシステムを構築することを目指している。これにより、単一細胞レベルの解析や活性などに関する新たな知見や診断等に関する応用が期待される。 |
728 |
構造物表層の定量的欠陥診断を効率化する熱伝導ホログラフィ法の開発 |
増田 新 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
赤外線カメラで撮影した構造物表面の温度画像から、剥離など表層内部の空洞欠陥の存在位置および形状を再構成する実用的な定量的診断技術を開発する。温度画像を無限平板モデルに周期的に埋め込むことによって熱伝導モデルを大幅に単純化し、安定した逆解析を可能にする。定常熱伝導モデルから非定常熱伝導モデルへの拡張を行うとともに、画像の境界付近に出現する虚像の除去、正則化パラメータの適応的決定、さらに欠陥厚さの検出について検討を行う。 |
739 |
クリーンルーム用多孔板吸音材の研究と消音装置の開発 |
宇津野 秀夫 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
超微細加工が行われる環境では、機器や試料の微振動が加工精度に影響する。微振動の原因には地盤振動の外に、機器が発する音圧による周囲機器の励振があるがグラスウールなどの吸音材は繊維や薄膜で構成されるため、クリーンルームのような清浄な環境下では使用できない。そこで本研究では多孔板を用いたクリーンルーム用の吸音材を提案し、消音ボックスに適用して音圧低減効果を実証し、その音圧低減効果を予測する設計技術を確立する。 |
818 |
超広域湿度センサを用いた湿度制御による過熱水蒸気処理装置の高性能化 |
伊與田 浩志 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
過熱水蒸気や高湿度空気を、乾燥や食品加工等における熱風(処理雰囲気)として積極的に利用するためには、高温・高湿度下での使用が可能で安価な湿度の測定装置が必要不可欠である。本研究では、耐熱性材料を用いた超広域湿度センサの開発と実用性の評価をおこなうとともに、同センサを用いた制御システムの導入により、室内空気から過熱水蒸気に至る広域な温湿度制御が可能な処理装置の開発を目指す。 |
924 |
超弾性形状記憶合金を用いた高速磁気駆動トルクアクチュエータの開発 |
日下 正広 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
近年航空産業では、軽量化による燃費低減への要求がますます高まっており、小型軽量アクチュエータの適用が期待されている。本研究では、高い負荷能力を持ちかつ超弾性効果により大変形能を有する形状記憶合金に着目し、これと磁場下で磁力を発生する強磁性材料を最適形状に複合化することにより強磁性形状記憶合金複合材を作製し、小型・軽量でかつ高負荷能力、大変形能を有する高速磁気駆動トルクアクチュエータに適用する。 |
965 |
高精度放電加工実現のための静電吸着を利用した新しい加工油の浄化法 |
岡田 晃 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
放電加工技術においてその更なる高精度化を実現するために静電吸着を用いた新しい加工油の浄化法を提案する。静電吸着法は従来のフィルターを用いた浄化法とは全く異なり水分も除去することができる。本研究では、まず静電浄油の電気的特性の評価を行ない、静電浄油を用いた放電加工特性の解明する。またその放電加工状態を評価しながら安定化を図り、静電浄油を用いた高精度加工の実現を目指す。 |
1000 |
ユニバーサルデザイン開発技術による次世代背負い型機械フレームの開発 |
中村 幸司 |
広島県立総合技術研究所 |
野地 英治 |
くれ産業振興センター |
主に農林、園芸作業に用いられる既存のエンジン付き背負い型機械は、荷重が肩に集中し痛みや傷害を発生させている。また、機械が作業者の動作に追従せず揺動することにより作業がしにくく、負担を増している。本研究では、身体負担の軽減と作業性の向上を実現するため、腰部、肩部の支持方法等により、身体や作業動作にフィッティング(適合)し、体格差や作業特性にアジャスト(調整)可能な次世代背負い型機械フレームを開発する。 |
1015 |
多孔質絞り制御による新規静圧空気ベアリングの開発 |
山田 啓司 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
多孔質絞り静圧空気ベアリングは大負荷容量・高安定性という特長を有している。従来は、多孔質焼結体を研削加工によって形状精度を確保した後、ラッピング(研磨)によって仕上げられている。これは研削加工時に発生する多孔質体の目つぶれ状態を制御できないために、通気性を回復し、多孔質絞り効果を調整することが目的であった。 本研究課題では、研削加工時の目つぶれを任意に制御して多孔質体を研削加工によって仕上げることで、ラッピング工程を経ずに多孔質絞り空気ベアリングを製作する技術を開発する。 |
1054 |
摩耗ゼロ・高効率を有する磁気歯車の高トルク化と各種伝動装置への応用 |
原野 智哉 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
鋼材製歯車をネオジム製リング磁石でサンドイッチし、磁気による引力あるいは斥力をかみ合い歯面間等に発生させることにより、摩耗ゼロ・高伝達効率・メンテナンスフリー・無潤滑であり、高トルクおよび高減速比の非接触ウォーム歯車対および非接触平歯車対(さらには遊星歯車機構)の開発を行う。 |
1098 |
疾病媒介蚊幼虫駆除のための超音波殺虫装置の開発 |
村主 節雄 |
香川大学 |
白石 宏志 |
四国産業・技術振興センター |
感染者が年間8億人のマラリアや3億人のフィラリアなどの疾病媒介蚊の幼虫コントロールを対象としたフィールドで有効な超音波を応用した搬送性のある殺虫装置を開発する。この装置は国内およびソロモン諸島・ニューギニアなどの外国における我々の調査経験から広範な地域を対象とするため搬送性が重要である。そのためには小型である必要性と殺虫効率を上げるためには大型化が望ましい点が相反している。この両要因の最も理想的な解決点および殺虫効率の向上を目指して装置の開発を行う。 |
1160 |
スラリーアイス製造技術を利用した新たな凍結濃縮装置の開発 |
横川 明 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
調味液(鰹だし汁、昆布だし汁等)及び果汁の風味、芳香、旨味に共通する低沸点成分を保持したまま、高効率、低コストで濃縮する新たな凍結濃縮システムを開発する。このシステムは、真水氷微粒子と、調味液または果汁の濃縮液が混合したスラリーアイス充填層からの真空・超音波併用脱液装置と、本代表研究者らがこの度新たに開発した、真水氷層の高速間接掻取り式スラリーアイス製造機とを組合わせた簡便なものである。 |
1204 |
口内法X線撮影シミュレーションシステムの改良と応用 |
岡村 和俊 |
九州大学 |
京谷 香菜子 |
九州大学 |
歯科におけるX線撮影技術を向上させるには、理論のみならず、体感することが必要であるが、X線を利用する特性上教員の立ち会いが不可欠であることもあり、自由時間の練習も難しいのが現状である。本システムは患者を想定したモデルに対するフィルム・X線照射筒の任意位置づけ時の画像をX線を使用せず得られるため、学生の自己学習装置となりえるものであり、本研究は、センサー部分を汎用性の高いものにするものである。 |
1288 |
金型用PCDの超精密鏡面研磨技術の開発とSiCウェハへの応用展開 |
峠 睦 |
熊本大学 |
野田 耕右 |
熊本大学 |
本研究は難加工材であるPCD(多結晶ダイヤモンド)の超精密鏡面研磨技術の開発をめざす.PCDの優れた耐摩耗性を生かし,金型への応用が行われている.使用目的に応じて,稜線の鋭利さやアール形状の高精度化と鏡面加工が求められている.そこで,石英定盤を用いたMCP研磨に紫外線照射を援用し,加工変質層が無く粗さ0.1nmRaが達成できる超精密研磨技術を開発する.さらに,これらの加工技術を単結晶SiC基板の研磨に応用展開する. |
1293 |
高効率・低抵抗特性を有する新方式熱交換器の開発に関する試験研究 |
山田 英巳 |
大分大学 |
森岡 勝彦 |
大分大学 |
従来からの平行配列管群と異なる新たな管群配置について詳細な熱伝達分布を実験的に明らかにすることにより円管からの平均熱伝達率が大きくなる具体的な配置条件を見出し、この最適配置条件の下で管群を流れ方向に積層させることにより、熱伝達特性に優れ、かつ管外流体の流動抵抗を大幅に改善できる、シンプルなフィンレス管群配置構造の新たな熱交換器の開発を目指している。 |
2(B) |
高密度基底状態原子発生源を活用した次世代窒化膜形成装置の実用化研究 |
福田 永 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
ギガヘルツ帯高速通信機器に化合物半導体デバイスが使用されている。この分野は日本が最も得意とし、世界市場を支配している。一方、シリコン市場と比較すると市場規模が小さいため生産効率が悪く、かつ特性を満足できず歩留まりを低下させている。この様な状況下で、本研究は次世代化合物半導体デバイス(HFET, MMIC等)の表面絶縁膜として不可欠なシリコン窒化膜を基板(GaAs, GaN等)上に低温(200℃以下で無損傷・無歪を目標)で堆積できる次世代半導体製造装置の開発を行う。 |
33(B) |
3次元セミアクティブ免震制振台の開発 |
松久 寛 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
MR(Magneto-Reologiacal Fluid)ダンパを用いたセミアクティブ制御機構を組み込み制振機能を持った地震に強くかつ自身の動きによる振動を制振できる3次元免震台免震台を開発する.ハードウェアとしては,平行リンクを使用した水平維持機構付き3次元免震台を用いる.セミアクティブ制御では,支持機構のばね定数および減衰係数を時々刻々最適に変化させることによって,地面の振動を遮断する免震機構と対象物にかかる力による振動を抑え,過渡振動を早く減衰させる. |
49(B) |
DMFC燃料電池用バルブレスマイクロポンプの高性能化 |
宮崎 康次 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
開発してきたバルブレスマイクロポンプの吐出し圧力を向上させ,DMFC燃料電池にメタノールを供給するポンプへの適用を目指す.本ポンプは単純形状であるため,ポンプ性能予測が容易である.吐出し圧力向上の設計を通して,実用化の壁である自給機能についても同時解決を目指す.燃料電池に適用するため,アクチュエーターの改善を含めた省電力化や,燃料電池の携帯化に向けたマイクロポンプのさらなるマイクロ化にも挑む. |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
17 |
多自由度球面超音波モータの高トルク化の研究 |
青柳 学 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
円環振動子を用いた多由度球面超音波モータの高トルク化を図り、ロボットの関節駆動アクチュエータとして応用することを目的とする。本モータは2出力を有し、基本動作の確認および球状ロータの位置検出・制御は実現できているが、実用的な駆動トルクに不足している。本開発課題としては、球状ロータと接触するステータの摺動面形状の改良および回転要素間のトルク合成などを試み、トルク伝達特性の向上を図る。 |
81 |
硬野菜加工作業のロボットによる自動化技術の開発 |
和田 充雄 |
北海道大学 |
中村 雅人 |
北海道大学 |
農産物の中でも野菜を一口大に小分けカットする食品加工の機械化・省力化のニーズが高まっているが、南瓜に代表される硬野菜の乱切りカット作業は、従来の機械加工では球形状面からの小分け加工にどうしても難点が残り、未だ人手に頼る作業となっている。そこで、本研究では、実作業における熟練者の人間工学的評価に基づき、ロボットマニピュレータを用いて熟練者の技に倣った自動小分け加工システムの開発を行い、硬野菜加工作業を省力化する実用技術の基礎を確立する。 |
86 |
張力制御によるキャスティング型作業システムに関する研究 |
浦池 隆文 |
北海道立工業試験場 |
鈴木 耕裕 |
北海道立工業試験場 |
産業用ロボットやクレーン・パワーショベル等の作業システムは、構造や移動経路の状態により、作業可能な範囲が制限される。本課題では、特に屋外での作業範囲拡大を目指し、投釣や投縄に類するキャスティング機構を用いた、投擲型作業システムに関する研究を行う。同機構は、作業機を投擲するための剛体リンクと、飛行を制御するための紐状リンクにより構成される。作業機を正確に目的地へ到達させるため、位置や姿勢等の状態をリアルタイムに計測する手法を確立し、これらを用いた張力による飛行制御機構の開発を行う。 |
262 |
ワイヤー操舵によるトレーラの後退走行技術 |
瀧川 具弘 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
本研究の目的は、運転制御を車両の運動特性データを装備したコンピュータを通じて行うことで、「経験」や「スキル」を要する農作業を容易化するシステムを提案することにある。つまり、運転者が直接操舵するのではなく、運転者の入力を仮想の目標入力ととらえることで、制御器が目標達成をアシストするワイヤー操舵を提案する。今回の申請では、この技術によって、トレーラに代表されるけん引式車両の後退走行を初心者でも実施できることを示す。 |
375 |
人腕の粘性特性を考慮したパワーアシストシステムの開発 |
稲葉 毅 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
操作しやすいパワーアシストシステムを実現するには、作業者から見たシステムの特性を適切に設定する必要がある。例えば重量物をある目標位置まで運搬・設置する作業の場合、システムの粘性を適切に変化させると非常にやりやすくなる。しかし、望ましい粘性変化パターンは作業内容や個人差で変化し、調整には試行錯誤を必要とする。本研究ではこのパターンを人腕の粘性特性に着目することで自動調整する新たな制御手法を開発する。 |
418 |
スーパーハイビジョン用光ディスクトラッキング制御系の開発 |
大石 潔 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
近年実用化が進められている超薄型光ディスクは,小型大容量で且つ情報転送レートが高いため,放送用データアーカイブを保存する媒体として期待されている。Blu-Ray Discの厚さの1/10で約7倍の容量を持つこの超薄型光ディスクは,スーパーハイビジョン規格の250Mbpsの毎分15000回転を達成する唯一の媒体として期待されている。従来技術では不可能であった光ディスクの15000回転でのデータの記録・再生を本研究では可能にし,スーパーハイビジョンのためのトラッキング制御系を構成する。 |
456 |
安全性を最重視した遠隔無線通信ネットワークロボットの試作開発 |
滑川 徹 |
金沢大学 |
奥野 信男 |
金沢大学 |
力覚情報のフィードバックを行なう双方向遠隔制御ロボットは、作業性能の改善と操作者の安全性の確保に極めて有効である。本研究では高い信頼性を持つ遠隔制御ネットワークロボットの開発と制御技術の構築を行う。具体的には、変化する通信遅れに対しても安定なフィードバック協調制御則、操作者とロボットの位置と力を変化可能なマルチスケール制御手法、汎用無線通信ネットワークを用いた制御法、の試作開発を目的とする。 |
484 |
時変感情・個性を有する患者ロボットと看護医療評価システムの研究 |
見浪 護 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
看護学生の看護技術は人間相手の実習不足から卒業時点での能力と卒業直後に求められる看護師の技術能力との間の乖離が大きくなってきており、医療事故などの原因となりつつある.従来型の医療トレーニング用シミュレータは,人体の基本的特徴を表現できる機能を持たず,人間相手の行為を実感できるトレーニング用ロボットは世界的に見当たらない.本研究は看護や医療行為に対して瞬時に生態模擬反応を発生させることが可能なロボットシステムを開発して、限りなく臨床状況に近づけた看護技術(特に倫理的問題や身体侵襲を伴う看護技術)のトレーニングとその評価という点に特色がある. |
520 |
機動性、位置制御性が容易な屈曲形水中推進機構の開発 |
小林 俊一 |
信州大学 |
清水 信孟 |
長野県テクノ財団 |
本研究は機動性、位置制御性が容易な屈曲形水中推進機構を開発することを目標とする。同機構の体軸に多くのフィンを用意し、それらを揺動させることによって水の受ける力の方向を変化させ、屈曲運動したままで前後・左右・斜め方向(全方向)への移動を実現する。フィンの制御方法を確立して実験機を試作し、さらに、実用化の可能性確認へのデータ提供(特にフィン制御技術)のため、フィールド実験を行うものである。 |
526 |
空気ばね定数を操作量としたアクティブ除振装置の開発 |
千田 有一 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
パッシブ型除振台の空気ばね定数を操作量とし、適切に制御することによって減衰効果を付加する制御技術であり、固有振動数の粘性減衰比が0.7程度のほぼ振動が発生しない除振台の開発を行う。 |
798 |
双方向性ブレイン・マシン・インターフェース開発の基盤研究 |
稲瀬 正彦 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
本課題は、脳とコンピュータの間で双方向性に情報をやりとりするブレイン・マシン・インターフェースの開発を目指す。認知課題遂行中の動物の大脳皮質活動を多点電極で記録し、脳内情報表現を解読する。解読した活動パターンを微小電流刺激により大脳皮質に再現する。このときの動物の課題遂行能力を検討し、解読や再現の信号処理機構を改善していく。結果は、運動や感覚・認知機能を補助する人工システムの開発に応用できる。 |
1104 |
超高密度微粒子配列の光ピンセットによる自動生成 |
田中 芳夫 |
産業技術総合研究所 |
和田 英男 |
産業技術総合研究所 |
DNAチップなどの静的マイクロアレイに代わり、微粒子を利用する動的アレイが注目されている。本研究では、ポリスチレン球などのマイクロビーズを対象に、実時間画像処理技術による微粒子認識技術と、レーザ光を用いる微粒子操作技術である光ピンセット技術を融合することで、各種アレイ型センサとして機能する格子状の動的微粒子アレイを自動的に作成するための制御技術について試験研究を行う。 |
1215 |
ロボット群による大規模建造物の自動レーザ計測システムの開発 |
倉爪 亮 |
九州大学 |
前田 真 |
九州大学 |
代表研究者が独自に開発した複数ロボットを利用した高精度な位置同定手法である協調位置同定法(Cooperative Positioning System:CPS)と移動可能な小型レーザ計測装置を組み合わせ、計測位置を測量精度で自動的に測定することで、多くの人手を要し処理コストも高い後処理の不要な3次元GISマップや大規模歴史遺産の3次元モデルを自動作成する大規模自動レーザ計測システムを開発する。 |
17(B) |
スマート構造技術に基づく大容量磁気ディスク装置の実用化研究 |
梶原 逸朗 |
東京工業大学 |
中村 寛 |
東京工業大学 |
磁気ディスク装置(HDD)の大容量化を実現させるため、本研究では磁気ヘッドをスマート構造化して広帯域にわたる振動を抑制し、その位置決め精度を向上させる.デバイスおよび媒体に関わる技術がHDDの高密度化に貢献しているが、最終段階での記録密度を決めるのは、ヘッドの駆動制御技術である。そこで、最適化技術を駆使してMEMS構築を見据えたスマート磁気ヘッドを開発し、次世代の大容量化につながる制振性能を達成させる。 |
55(B) |
トルクセンシングかつ高速回転可能な3自由度能動回転球関節の開発 |
余 永 |
鹿児島大学 |
中武 貞文 |
鹿児島大学 |
本課題は、代表研究者が平成18年度シーズ発掘試験に採択され試作・開発したシンプルな構造をもつ3自由度能動回転球関節技術に基づき、代表研究者が先行して考案した回転トルクセンシング技術を適切に組み合わせ、高速回転可能な3自由度能動回転球関節技術を新規に開発することを目的とする。まず、能動回転球関節を試作し、次いで、関節の高速回転可能な制御方法を確立し、高精度の高速回転性能とトルクセンシングの特性確認試験と評価を行い、本関節機構技術の有効性を検証する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
3 |
熱伝導率の小さい極低温信号伝達用ケーブルの開発と評価 |
久志野 彰寛 |
旭川工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
医療、材料分析、自然科学等の幅広い分野で、超伝導センサに代表される極低温検出器を用いた計測が行われようとしている。その実用化には多数の検出器を並べて計数効率を高める必要がある。ただし配線増による極低温への熱流入が新たに大きな問題となってくる。本提案では、極低温からの信号伝達用ケーブルの熱伝導率をより小さくする製造法を検討し、実際に製造したケーブルの熱的特性の測定を通じ、その実用化の見通しを得る。 |
11 |
水素をプローブに用いた新しい累積疲労損傷検出技術の開発 |
駒崎 慎一 |
室蘭工業大学 |
石坂 淳二 |
室蘭工業大学 |
本研究課題では、水素をトレーサーに用いた新しい累積疲労損傷検出技術の開発を目的とする。具体的には、系統的に疲労損傷を付与した原子力圧力容器用鋼の水素放出スペクトル測定を行って、疲労履歴(ひずみ範囲、疲労サイクル数、温度)と水素パラメータ(水素放出のピーク値およびピーク温度、水素放出量など)の関係を定量化して、き裂発生以前の極初期の累積疲労損傷を計測・評価するための技術を開発する。 |
20 |
衝撃強さを向上させた摩擦圧接継手作製法の開発 |
田湯 善章 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
摩擦圧接法によって作製された継手は原理的に接合面が平らになりやすく、比較的衝撃強さが低いと言われる。そこで、摩擦圧接面の形状を変えることにより継手の衝撃強さを向上させることが目的である。また、汎用の旋盤に圧力制御装置を備えた治具を取り付けて摩擦圧接を行い、十分な強度を有する継手の作製法とともに汎用設備の有効利用について検討する。 |
124 |
低放射化金属ガラス創製における製造手法の新展開 |
古谷 一幸 |
八戸工業高等専門学校 |
野呂 治 |
弘前大学 |
低放射化鋼とは、耐熱ボイラー鋼を基に原子炉用材料(特に核融合炉用構造材)として改良された鋼であり、高レベル放射性廃棄物にならず、放射線のダメージに強く、かつ高い高温機械特性などを有している。本研究は、(独)日本原子力研究開発機構が開発した低放射化フェライト/マルテンサイト鋼であるF82H鋼を双ロール急冷法等により金属ガラス化することに加え、溶射法等による金属ガラス化の可能性を新たに探ることで、F82H鋼の有する耐食性や機械特性等を大幅に向上させることを目的とする。 |
169 |
原子レベルで表面形状を制御したナノ物質のための金属テンプレート |
吉見 享祐 |
東北大学 |
井元 尚充 |
東北大学 |
NiAl金属間化合物の特異な熱的性質を利用して、NiAl単結晶の表面に熱処理のみで大きさ・密度・形状を原子レベルで制御した無数のナノ孔を作り出し、ナノ物質を捕獲し固定化するための金属製ナノテンプレートへ応用するための作製技術の確立を目標とする。105nmのナノ物質を効果的に捕獲・固定化しナノ計測に供するために、本研究ではナノ孔の平均サイズを5010nmに制御するための最適条件を探索し、テンプレートを作り上げるための作製プロセスの提案を行う。 |
257 |
実用可能なTi-Ni-Zr-Nb高温形状記憶合金の開発 |
宮崎 修一 |
筑波大学 |
角井 修 |
筑波大学 |
高温変態を示す形状記憶合金は、Ti-NiにPd, Pt, Auなどの貴金属やZr, Hfなどの元素の添加で可能であるが、これらはいずれも加工が困難で圧延加工や線引加工ができないため実用化に成功していない。本研究では、80℃以上で200℃までの温度範囲で使用できる加工可能な実用高温形状記憶合金の開発を行うことを目的とし、Ti-Ni-Zrに第四元素としてNbを添加した合金系を調べる。 |
393 |
生体用高強度低弾性チタン合金の開発 |
村山 洋之介 |
新潟工科大学 |
福田 健 |
株式会社新潟ティーエルオー |
高齢化社会を迎え、人体に害のない合金元素だけで弾性率が人骨に近く、なおかつ強度の十分あるインプラント材料の開発が望まれており、現在、Ti-Nb系合金を中心に研究開発が進められている。しかし、Nbは希少で高価な金属である。そこで、本申請研究課題では、Nbに比べ廉価であるCrをとりあげ、Ti-Cr系合金で、Ti-Nb系合金に匹敵ないし上回る高強度低弾性な性質を発現させ、廉価で高機能なインプラント材料を開発することを目標としている。 |
425 |
医療用多孔質チタン合金の開発と応用 |
青柳 成俊 |
長岡工業高等専門学校 |
目黒 正義 |
にいがた産業創造機構 |
放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering : SPS)装置を用いた、チタン合金ポーラス材製造とその複合化技術に関するものである。SPS焼結したチタン合金ポーラス材中に医療用高分子であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)を真空含浸させて、チタン合金ポーラス材/PMMA複合材料とする。本複合材料の組織と力学的特性評価を行い、医療用途素材に応用展開したい。 |
443 |
形態・整合性制御による高温強度に優れる新規軽量材料の開発 |
松田 健二 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
本研究者の成果である、合金の化学組成と熱処理条件の最適化により@形態制御とA整合性制御の組合せの最適化を図ることにより、高温強度に有効な強化相を効率よく生成し、自動車用エンジン周りなどの高温使用に耐えうるアルミニウム合金の開発を目的とする。目標は、250℃時効において、最高硬さ100HV以上、引張り強度250MPa、全伸び5%以上を目指す。 |
447 |
押出加工が可能な超伝導軽量ハイブリッド線材の開発 |
池野 進 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
本研究は、超伝導特性及び熱伝導特性に優れたMgB2超伝導押出線材を、熱間押出し課程で直接複合化して線材化できる技術を構築する。特に高品質でかつ作業工程の簡便な超伝導線材の作製を目指す。この押出材は、押出加工で造形用のバインダーや特殊な雰囲気制御を必要としない方法であり、線材やテープ材への加工が容易なこと、転移温度が金属間化合物の中で最も高いことや重量が軽いこと更に安価なことから種々の製品の応用が期待でき、経済的、実用的なメリットも多い。 |
587 |
ねじり押出し法を利用した高延性難燃性マグネシウム合金の創製 |
千野 靖正 |
産業技術総合研究所 |
渡村 信治 |
産業技術総合研究所 |
難燃性マグネシウム合金(Mg-Al-Ca系合金)は温暖化ガスを使用せずに大気溶解できる合金であり、新世代の商用マグネシウム合金として注目されている。一方、マグネシウム合金加工材には特有の集合組織が形成され、それが素材の延性を劣化させている。申請者は難燃性マグネシウム合金の一次成形法に “ねじり押出し法”を適用し、その集合組織や機械的特性を調査し、優れた延性を示す難燃性マグネシウム合金押出し材を創製するための手法を開発する。 |
597 |
表面ナノ結晶粒化に基づく新規窒化処理技術の開発 |
戸高 義一 |
豊橋技術科学大学 |
松井 一雄 |
豊橋技術科学大学 |
本研究では、表面ナノ結晶粒化による反応性・拡散能の向上に着目した 新規 窒化処理技術 の開発を行う。従来の窒化処理では、窒化層の薄さと脆さが問題となっている。これらの欠点を克服して、より高品位な窒化処理材を開発することを目的とする。具体的には、@ 表面ナノ結晶粒化後に窒化処理を行うことで厚い窒化層の形成、A 窒化物をナノ結晶粒組織に分散することによる靭性の向上、B 低温・短時間の窒化処理を実現する。 |
681 |
希薄水素混合バイオガスの有効利用に向けた高効率水素分離精製技術の開発 |
南部 智憲 |
鈴鹿工業高等専門学校 |
中野 昭彦 |
三重県産業支援センター |
本研究課題では、金属ニオブが低い水素分圧下においても高い水素透過能を示す性質に着目し、微生物の水素発酵などで得られる水素を希薄に含む混合ガス(バイオガス)から水素のみを高効率に分離・精製するための新規ニオブ系水素分離膜合金の開発を目指す。この目的を達成するために、種々のニオブ系合金について水素圧力、固溶水素濃度、水素透過速度および水素脆性を定量的に評価し、ニオブを水素分離膜として利用するために重要となる基礎的物性データを収集する。 |
740 |
クラスレート系熱電変換材料の開発と熱的および機械的特性評価 |
岡本 範彦 |
京都大学 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
中温度域において良好な熱電変換特性を示すクラスレート系化合物のさらなる熱電変換特性向上を図り、無次元性能指数(ZT)=1.5 を超えるクラスレート系熱電変換材料の開発を目指す。また、実用化に向け、クラスレート化合物単結晶の弾性定数、熱膨張係数および圧縮試験による破断応力などの基礎物性データを得て、熱電モジュールに発生する種々の熱応力を評価する。 |
777 |
プラズマ誘起電解法によるナノ粒子の連続製造システム |
伊藤 靖彦 |
同志社大学 |
南 了太 |
同志社大学 |
プラズマ誘起電解法とは、溶融塩電解の陰極または陽極でプラズマ放電を発生させることで、電気化学的に金属のナノ粒子を生成する方法であり、これまでの研究でAg、Ni、Fe、Alや高融点金属であるTi、W、Ta、Nb、Zrなど多種多様な金属のナノ粒子化に成功している。現状で、粒径数十nmの金属ナノ粒子を製造できることを確認しているが、形成直後にわずかに生じる2次粒子化の抑制が課題となっている。本研究では粒子の連続回収装置を試作し、その課題克服に取り組む。 |
850 |
化合物熱分解法によって作製されたロータス型ポーラスアルミニウム合金の軽量化衝撃吸収部材への応用 |
中嶋 英雄 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
一方向に並んだ気孔を有するロータス型ポーラス金属は制振性、吸音性、衝撃吸収性などの特性をもつ軽量化材料として注目されている。従来のロータス金属の製法は、高圧容器や暴爆性水素を必要とし、量産化や実用化の障害になっていた。この難点を克服するために、ごく最近、我々は水素化物などの熱分解を利用した革新的なロータス型ポーラス金属の製法を発明した。本研究では、この方法を連続鋳造法に適用し、ロータス型ポーラスアルミニウム合金の量産化の製法を開発すると共に、低コスト化を目指した自動車体などへの軽量化衝撃吸収部材の開発を行う。 |
865 |
選択的レーザ焼結法による高品質人工骨のオーダーメード造形技術の開発 |
中本 貴之 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
藤田 直也 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
整形外科分野の代表的インプラントである人工骨は、その特性として負荷に耐える強度、骨に近い低弾性率、骨組織との親和性などが要求されている。一方、選択的レーザ焼結法(SLS法)は、薄く敷き詰めた金属粉末にレーザを照射して焼結し順次積層していくことで複雑形状を迅速に造形する加工法である。本研究は、上記特性を有する高品質な人工骨をSLS法によって作製する試みで、人の体格や症状に応じたオーダーメードの人工骨の迅速提供を目指す。 |
868 |
マグネシウムとチタンの長所を活かした次世代型軽金属材料の開発 |
井上 博史 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
低密度・高比強度のMg合金は様々な産業への応用が期待されているが、耐食性に乏しく、高温での成形加工が必要である。代表研究者はこれまで、AZ31Mg合金表面に軽量で耐食性・意匠性の良好なTiを圧延接合したAZ31Mg/Tiクラッド板を開発し、AZ31Mg単板よりも優れた成形性を見出してきた。クラッド板の特徴をさらに活かすには、成形性に劣る高強度Mg合金への適用が有効である。本課題では種々のMg合金におけるTiの最適な圧延接合条件や熱処理条件を検討するとともに、比較的低温で高速成形が可能な高性能クラッド板の創製を目指す。 |
876 |
貴金属ナノ粒子のエコロジカル生産技術 |
小西 康裕 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
無機ナノ材料の合成・生産におけるソフトパスを実現するために、貴金属イオンに対して還元・析出機能をもつ微生物を利用して、常温・常圧における貴金属ナノ粒子の生産技術を創成する。還元バクテリアを用いて貴金属ナノ粒子の合成実験を行い、粒子性状、粒子生成場、細胞への粒子析出パターンに影響を及ぼす合成条件を明らかにする。また、バイオ合成粒子の効果的な回収方法、粒子の大量生産に相応しい反応器の形式・操作方法など装置設計指針を確立する。 |
885 |
高強度・高延性Ti-TiC系ニューコンセプトニ重複相材料のin-situ合成と応用 |
津田 大 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
チタン基合金のなかでTi-Al-V 合金は最も優れた機械的性質を有しているが、V は非常に高価な元素であり、Al は人体に有害であると懸念されている。そのような状況の中、我々は低コストかつ無害な元素であるC およびN に着目した。ここではTi-C-TiN 混合粉末の圧粉体を(Ar ガスあるいは窒素ガス下で)反応アーク溶解し、一挙にTi マトリックスにTiC 粒子が分散した複合材料をin-situ(その場)で合成することを試みる。ここで用いる化合物粉末TiN 中のN(窒素)はTi およびTiC の両方に固溶すると考えられ、これによりTiC 粒子の微細組織には興味ある変化がもたらされることがごく最近の研究により明らかになった。すなわち、ここで合成された粒子中ではTiC と金属Ti が共存するのである。このような複相材料の合成、微細組織観察および特性評価を通じてこれまでにない新規Ti 基あるいはTiC 基材料の開発を目指す。 |
887 |
複合照射還元によるナノ微粒子生成制御法の開発に関する研究 |
堀 史説 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
金属イオン水溶液への超音波及び放射線照射還元でナノ微粒子を生成できる事が知られているが、超音波では構造制御が容易だが大量生産が難しく放射線照射ではその反対である。これら2つの相反する性格の還元法を複合的に行う事により大量に構造制御する方法を確立することを目指す。その方法として微量な超音波還元により微粒子の核を生成しながら放射線などの照射を行い、照射パラメータを制御して成長する微粒子の構造などの制御を試みる。生製した微粒子はサイズや構造を調べ、それらと照射のパラメータの相関を見出し、時間と生成率(量)及び粒子の構造等について検討する。 |
890 |
高磁歪金属ガラスの開発と応用 |
網谷 健児 |
東北大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
逆磁歪現象を利用したセンサには高磁歪化合物が用いられるが、脆く、引張方向には弱いため種々の問題を有している。一方、従来の非晶質合金は優れた機械的特性を有し、磁歪材料のニッケルと同等の磁歪を示す合金もあるが、リボン形状しか得られずセンサ材料として実用的ではない。本課題は、金属ガラスの優れた機械的特性と、市販の非晶質合金を超える磁歪特性を兼ね備え、かつ実用化に耐えうる新たな高磁歪金属ガラスを得ることを目標としている。 |
916 |
水の磁気処理による銅管の孔食抑制技術の開発 |
花木 聡 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
近年、水の磁気処理が配管における孔食の発生を抑制できる例が報告されている。しかしながら、このような効果がなぜ得られるのかは理論的に解明されていない。本課題では磁気処理水中で銅管材料の分極試験を実施する。これにより銅管の耐孔食性に及ぼす磁気処理の効果を電気化学的に定量化し、孔食の抑制に最適な磁気処理条件を探索する。さらに、得られた知見に基づき、銅管の孔食抑制を目的とした磁気処理装置を設計、開発する。 |
921 |
レーザ・プラズマ軟X線によるSi結晶化薄膜の作製と基礎評価に関する研究 |
松尾 直人 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
本研究は、非晶質Si(a-Si)へのレーザ・プラズマ軟X線(LPX)照射による低温結晶化過程の中の核形成機構の解明に関する。具体的には集光させた高輝度LPXをa-Si薄膜に照射することにより200℃程度の低温でナノメートル寸法の微結晶粒(次段の粒成長における擬似結晶核となる)を形成し、連続して低輝度のLPX照射を行い既に形成されている微結晶粒を成長させ、新規結晶化法としても確立する。特にまだ明確になっていない擬似結晶核形成過程の物理を解明し、200℃以下で核形成/粒成長過程を制御することを目標とする。 |
1189 |
低コスト2軸配向金属基板を用いた高性能次世代超伝導線材の開発 |
松本 要 |
九州工業大学 |
末松 正典 |
科学技術振興機構 |
高温超伝導体を用いた次世代超伝導線材は、その性能を最大限に引き出すために2軸配向化することが必要である。それには金属基板を2軸配向化し、この上に超伝導体をエピ成長させるRABiTS法が低コスト法として期待される。本研究では、従来よりも低コストで強度や生産性に優れた合金にニッケル外層めっきを行い、これを2軸配向化させ、新機能を有するRABiTS用基板を開発し、次世代超伝導線材の低コスト化を目指す。 |
1194 |
ボロン含有低コスト型組成の新規チタン系合金の開発と恒温加工性能の評価 |
萩原 益夫 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
Ti-22Al-11Nb-2Mo-1Fe合金は高温強度特性、靭性に優れた低コスト型組成のチタン系軽量耐熱合金である。用途目標はジェットエンジンのタービンブレードである。本研究は、結晶粒の微細化による恒温加工性能の向上を目的に、本組成合金に微量のボロン(B)を含有させた合金を新たに開発する。この新規合金を対象に、温度、歪速度を変化させて恒温圧縮試験を行い、応力‐歪曲線の形状、試験片の変形形態などから恒温加工性能の改善効果を評価する。 |
1228 |
窒素を合金元素として活用した省資源型高強度チタン合金の開発 |
土山 聡宏 |
九州大学 |
坂本 剛 |
九州大学 |
一般に窒素はチタン合金を脆化させる元素として知られているが、「結晶粒微細化」、「結晶粒等軸化」、「二相間窒素分配制御」、「軟質β相微細分散」に関する蓄積技術を活用することで、延性を損なうことなく、一般的なチタン合金を上回る強度特性を有する高強度・省資源・廉価型の新しいチタン合金が製作可能である。本課題では、高価な稀少金属元素の代替として、安価な「窒素」を合金元素として活用した省資源型高強度チタン合金の開発を目指す。 |
1256 |
高溶接強度実現のための新規マグネシウム高強度溶加材の開発 |
佐藤 富雄 |
産業技術総合研究所 |
安部 英一 |
産業技術総合研究所 |
近年の地球環境・温暖化問題や高齢化・福祉介護問題の一つの解決策として、実用金属材料で最軽量のマグネシウム(Mg)合金を輸送機器や福祉介護機器等の各種部材に広範に応用して軽量化を促進することが挙げられる。そこでの課題は部材同士の接合、特に溶接技術である。本研究では、Mg合金のアーク溶接において母材強度の90%以上の継ぎ手効率を達成するために、新規組成の高強度溶加材を開発する。 |
1274 |
低希土類含有量に基づく高性能磁石膜の設計開発 |
中野 正基 |
長崎大学 |
森 紅美子 |
長崎大学 |
「本成膜手法」は、磁性膜の代表的な成膜手法であるスパッタリング法とは異なり、10-8Torr台の高真空中での成膜が可能である。そこで、「枯渇資源が注目されているDyやNdなどの希土類元素」の含有量を極力低減させた磁石膜の開発ならびにそのデバイスへの応用研究を提案する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
141 |
8の字形3次元微小振動を利用した金型鏡面研磨システムの開発 |
水野 雅裕 |
岩手大学 |
近藤 孝 |
岩手大学 |
工具先端に8の字形3次元微小振動(数百Hzの振動数)を与えることのできる工具振動システムを開発した。8の字形3次元振動の方位は、コンピュータ制御により3次元空間において自由に変えることができる。こうした振動を用いることで、微細なクロスハッチを被研磨面に与えるような研磨が可能になる。本研究では、10nmRa(算術平均粗さ)レベルの粗さを得ることを目標として、8の字形3次元微小振動による基本研磨特性を明らかにする。 |
144 |
球状黒鉛鋳鉄とステンレス鋼の摩擦攪拌接合(FSW)法による複合化技術の開発 |
中村 満 |
岩手大学 |
菅原 隆平 |
岩手大学 |
摩擦攪拌接合(FSW)は、ツールと呼ばれる棒状の工具を高速で回転させながら材料と接触させ、材料との摩擦熱と塑性流動を利用して接合する画期的な複合化法である。本手法での研究は低融点材料のAl合金やMg合金等はすでに実用段階に入っている。しかし、高融点金属である鉄鋼材料におけるFSWの研究報告例はほとんどなく、応用例も少ない。本研究では、鋳鉄材料(FCD)とステンレス材料(SUS304)の複合化を行い、固相接合による構造材料への応用化についての研究開発を行う。 |
229 |
ステンレス製部品の高精度・省エネルギー型バリ取り技術 |
緑川 祐二 |
福島県ハイテクプラザ |
大河原 薫 |
福島県ハイテクプラザ |
本試験では、電解砥粒研磨技術を応用し電極工具を製作することで、低電力で安全性を向上した効率的なバリ取り技術を開発することを目的とする。具体的には、エンドミル加工の切削の際、側面のエッジ部に発生するバリを完全に除去し、エッジがシャープな形状で、表面粗さは研磨面程度である0.7μmRz(最大高さ)以下に仕上げることを目指す。このためバリ取り用電極工具の材質と形状を検討し、電極工具中心とワーク中心が一致する機構を開発して、最適な加工条件を確立する。 |
360 |
キャビテーションピーニングによる鉄鋼材料における表面欠陥の無害化 |
高橋 宏治 |
横浜国立大学 |
片桐 望 |
横浜国立大学 |
表面欠陥は鉄鋼材料の疲労強度を大きく低下させることが知られている。本研究では、キャビテーションピーニングにより材料表面に圧縮残留応力を導入することにより、材料の疲労強度を向上させるとともに、表面欠陥を疲労強度上無害化する手法を提案する。高い表面精度、疲労強度および信頼性が要求される自動車部品等への応用を目指す。 |
369 |
微視的凹凸を利用した金属製密閉型高効率細胞培養装置の開発 |
小茂鳥 潤 |
慶應義塾大学 |
中村 克己 |
木原記念横浜生命科学振興財団 |
医薬品開発や細胞療法を行うためには、様々な細胞を短期間に培養する技術の開発が望まれている。そのための自動細胞培養装置は現存するが、コスト面で満足とは言えない.申請者の最終目標、自動細胞培養装置の開発にある。その第一段階として本申請では、微視的凹凸加工を施した金属表面上で細胞培養を実施することにより、これまでより、(@) 活性の高い細胞を、(A) 短期間で大量培養することのできる技術開発を目指す。 |
421 |
張出し成形に優れた高強度・高延性マグネシウム板材の開発 |
本間 智之 |
長岡技術科学大学 |
吉野 好男 |
にいがた産業創造機構 |
Mg合金はその軽量性から自動車等燃費向上が不可欠な分野への応用が進んでいる。これまでAZ31合金等の商用展伸材が広く用いられてきた。しかし、Mg合金は室温での変形能が乏しく、板形状の加工も困難であった。この難加工性Mg合金中の析出物や再結晶を制御することで、結晶粒径10μm以下の板材の開発に成功している。この板材を用いて張出し成形を行い、三角錐台構造を組み上げ、新幹線、ロケット、航空機等のフレーム材への応用を狙う。 |
529 |
粉末成形法を利用した新しいコーティング法の開発 |
中山 昇 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
金属ベースの粉末を圧縮とせん断により表面にコーティングする技術である。常温でコーティングできることから結晶粗粒化などによる物性悪化を防ぎ、また、低コストで材料利用率の高いプロセスが期待できる。 |
559 |
小型高性能モーター開発のための金属粉末マイクロ波磁気加熱の研究 |
田中 基彦 |
自然科学研究機構 |
佐藤 元泰 |
自然科学研究機構 |
マイクロ波磁場は磁性金属とその酸化物粉末を高いエネルギー効率で加熱、焼結物は連続非晶質の優れた素材特性をもつ。車載用モーターは小型・高性能が要求され、マイクロ波焼結非晶質の利用で従来を超える磁気特性が期待される。しかし加熱電力の吸収式や種々材料の加熱特性など応用上必要なデータが欠如している。本研究では、マイクロ波磁気加熱特性のデータを実験で取得、分子動力学法等で理論的に理解し、連続非晶質を再現性よく安定的に作り出し将来の製品開発につなげることを目指す。 |
591 |
機械構造用鋼の革新的連続焼きなましプロセスの開発 |
土田 豊 |
大同工業大学 |
中野 昭彦 |
三重県産業支援センター |
冷間鍛造を行う自動車部品などの機械構造用鋼には、軟質化と耐割れ性が要求される。このため、セメンタイト球状化熱処理が行われている。しかし、この熱処理はバッチ式で長時間を要し非効率であるため、処理時間の短縮、連続化などプロセスの高効率化を目指す。本研究では、セメンタイトの球状化プロセスを根本的に見直し、さらに鋼の軟質化だけでなく、耐割れ性(加工性限界)を評価し、機械構造用鋼の冷間鍛造に対する前処理プロセスとしての合理的かつ高効率な連続熱処理とその最適操作条件の確立を目指す。 |
626 |
シュベルトマナイトによる有害アニオンの低エミッション磁気回収法の開発 |
興戸 正純 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
シュベルトマナイトを用いると、水溶液からアニオンを吸着除去できる。しかし、微粒子であるシュベルトマナイトを濾過する方法では容易に目つまりが生じ処理液からの分離が工業化のネックになる。そこで人工的にシュベルトマナイトとマグネタイトを複合化し、且つ安定化させ、低磁場でも磁気分離可能なパウダーを合成する。これにより、工業廃液中の有害アニオンであるリン酸、亜リン酸、クロム酸などを有効に除去安定化できる。 |
674 |
自発的溶融・凝固プロセスによる大気中Al接合法の開発 |
川上 博士 |
三重大学 |
新原 英雄 |
三重大学 |
本研究は融点以下の温度で目的とする接合部が自ら液化・等温凝固するプロセスを利用して,アルミニウム(以下Al)接合法を開発することを目的とする.Alは,埋蔵量が最も多い金属で,高リサイクル性等によりサステナブル社会構築に寄与する金属である.Alは酸化膜によって接合が阻害される材料であるが,大気中での接合にて良好な継手強度を有する接合体を得ることを目標とする. |
711 |
伝統工芸としての彫金加工を再現するNC加工技術の研究 |
河嶋 壽一 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
伝統工芸品には人間が直接に関わった跡があり、これが人の感性に訴えかけることにより、満足感が与えられる。本研究では、伝統工芸品である社寺装飾金具を対象として、文様などを彫金加工する工程の機械化を進めることを目的とした。6軸制御NC工作機械と空圧式振動工具とを組合せ、空圧式振動工具によって被加工物の表面を叩いて塑性変形を生じさせることにより、人間の技を再現できる基礎的な加工技術を開発する。 |
866 |
電気的手法による難削材の超精密切削加工面の性状改善に関する研究 |
本田 索郎 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
藤田 直也 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
単結晶ダイヤモンド工具による超精密切削加工は、高機能光学部品の加工技術として一般化している。しかしその加工材料は無酸素銅、アルミニウム合金、無電解ニッケルリンめっき膜等に限定され、鉄系材料やチタン・モリブデン等の機能性材料に関しては、主にダイヤモンド工具の急速な熱化学的摩耗のため、良好な加工面を得ることができない。本研究では、加工中にダイヤモンド工具と被削材間に外部から電気的作用を付加することによって、加工面性状の改善を図る。 |
978 |
超精密マイクロ砥粒加工技術による樹脂成形金型のエアベント形成への応用 |
大橋 一仁 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
樹脂成型金型には樹脂注入時の空気および樹脂から発生するガスを排出するための微細なエアベントが不可欠であるが、金型の形状によっては既存の機械加工技術でエアベントが加工不可能な場合があり、加工できた場合でもバリ取り作業が必要となる。本課題では、基板への機械的なマイクロパターニングに成功している吸引キャビテーション援用砥粒加工法により、金型にナノレベルの表面粗さでミクロンサイズのエアベントを形成する技術の確立を目指す。 |
997 |
鋼板の摩擦攪拌点接合用工具の長寿命化・低コスト化への挑戦 |
坂村 勝 |
広島県立総合技術研究所 |
槙野 勝昭 |
ひろしま産業振興機構 |
自動車製造工程における接合時の省エネルギー化やクリーン化の観点から、スポット溶接の代替技術として摩擦撹拌点接合が注目されている。しかし、自動車用材料の大半を占める鋼については、工具の耐久性の問題から実用化が進んでいないのが現状である。学会レベルでは鋼の接合についての研究事例が示されているものの、1本数十万円という非常に高価な工具を用いている。これに対して本研究開発では、工具の形状や工具の思想そのものを見直すことにより、鋼の接合に適用できる、1本数千円レベルと安価で、かつ、工具寿命1万打点を有する工具の開発を行うことを目的としている。 |
1191 |
大型構造物の施工時強化仕上げ法 |
西尾 一政 |
九州工業大学 |
長田 純夫 |
九州工業大学 |
溶接が必ず適用される大型構造物(鉄橋、高速道路、高層ビル等)に含まれる熱影響部の結晶粒は必ず肥大化しており、強度や靭性を著しく劣化させる。本研究においては内部歪みを有する金属材料は急速加熱冷却により再結晶するという知見に基づき、溶接施工後(供用前)にその熱影響部にYAGレーザーを照射し、数百ミクロンに肥大化した結晶粒を5ミクロン以下に微細化し、大型構造物の寿命を現在の数十年から2倍以上に延命を図る。 |
1238 |
極小径光ファイバプローブを用いた微細三次元形状測定器の開発 |
村上 洋 |
鹿児島大学 |
平田 敬一郎 |
福岡県工業技術センター |
近年の加工技術の進歩に伴い、微細金型や微細ノズル、マイクロ部品などの微細形状を測定する重要性は増加している。高アスペクト比を持つ微細形状を精度よく測定するためには、測定力が低く小径で高アスペクト比のプローブが必要である。そこで、微細形状の測定が可能なプローブとして、極小径光ファイバの接触式プローブを用いることにより、低測定力・検出機構が簡便で微細形状を高分解能で測定可能な装置の開発を目指す。 |
1240 |
PCD製マイクロ研削工具の開発とナノメータ研削への応用 |
天本 祥文 |
福岡工業大学 |
宮崎 賢 |
福岡工業大学 |
近年、レンズのサイズは微細化する傾向にあり、レンズ金型の仕上げ加工に既存の研磨技術が使えなくなる可能性が出てきた。そこで本研究では、超硬合金製のサイズが1mm以下の金型を、粗さ10nmRz以下の非球面レンズ形状に短時間で成形できる、焼結ダイヤモンド(PCD)製のマイクロ研削工具を開発することを、狙いとして取り組むこととした。この研究成果は、家庭用白色電球に完全に置換されることが見込まれる白色LEDの金型にも、適用される可能性が極めて高い。 |
32(B) |
高濃度Mo表面層を有する高温鋼圧延用工具の開発 |
秋山 雅義 |
京都工芸繊維大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
平成19年度シーズ発掘試験課題「鋼表層へのMo粉末プラズマ溶接による高耐食性表面の創製」で溶接割れ抑制条件が明確となったことを踏まえ、その技術を高温鋼加工用工具に対して適用し、同工具の長寿命化に挑戦する。具体的には、鋼管圧延等の管熱間加工に用いられる工具にこの技術を展開しながら、Mo以外の元素として、高温での潤滑作用を発現すると言われているNb等を加えて、従来工具の表層部にプラズマ溶接を行い、従来の寿命を凌駕する工具を開発する。 |
42(B) |
高信頼性金属半導体ナノ複合材料の開発 |
八重 真治 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
シリコン表面にめっきを行うことで、従来にはない高い密着性を持つ金属薄膜をMEMSなどに用いられる複雑な形状の母材に均一に成膜する、高信頼性金属半導体ナノ複合材料を開発する。平成19年度シーズ発掘試験11−118「新規ウェットプロセスによる高密度垂直磁気記録媒体の製造」の成果を踏まえて、製造法を確立する。 |
46(B) |
板材成形シミュレーションの高精度化のための材料パラメータ同定システム |
吉田 総仁 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
板材プレス成形・スプリングバック(成形後の弾性回復)の高精度のシミュレーションのためには材料の弾塑性挙動を正確にモデル化しなくてはならない。本研究では、板材の「引張り試験+繰返し塑性材料データベース+簡便プレス成形モデル実験」を使って、最適化理論による逆解析で材料パラメータを自動的に同定する実用的でユーザフレンドリーなシステム(実験装置+ソフト)の開発を行う。 |