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平成19年度シーズ発掘試験 研究概要一覧(分野別Index)


【電気・電子分野】   【建築・土木分野】   【農水・バイオ分野】
11 半導体デバイス   41 建築・土木構造、設計   71 紙、繊維
12 電子デバイス   42 建築・土木材料   72 農業
13 通信技術(装置)   43 都市・交通   73 林業・水産・畜産
14 情報処理技術(装置)   44 建設施工   74 食品
15 電力技術       75 バイオテクノロジー
16 電気・電子応用       76 化粧品
17 ソフトウェア        
         
【物理・計測分野】   【金属分野】   【生活・社会・環境分野】
21 計測・分析技術   51 金属材料   81 エネルギー
22 センサ   52 金属加工   82 廃棄物処理
23 光デバイス   53 選鉱・精錬   83 リサイクル
24 プラズマ・放電       84 防災
25 振動・音響       85 生活
26 応用物理       86 健康
         
【機械分野】   【化学分野】   【医療・福祉分野】
31 機械装置   61 無機・セラミック   91 治療薬
32 制御・ロボット   62 有機化学   92 診断薬
33 機関   63 高分子化学   93 治療技術(装置)
34 運輸   64 複合材料   94 診断技術(装置)
    65 表面加工、成膜   95 人工臓器・医用材料
        96 福祉・介護
         
        【標記分野以外】
        00 その他


課題のNo.については採択時のプレス発表と同一です
 申請書の「課題の技術分野」に記入された「主分野」で分類しています
 研究者、コーディネータはH19年9月における情報を掲載しています



 半導体デバイス:27件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
83 ハイブリッド車用PWMインバータ駆動IPMSMの効率最適化制御に関する研究 村田 年昭 北見工業大学 鞘師 守 北見工業大学 本研究はPWMインバータ駆動IPMSMドライブシステムのハイブリッド車への応用を目指して、ドライブのモデリングと最大効率運転のアルゴリズムを確立することにある。鉄損を考慮したモデルにより効率最適化制御系のフィードバックゲインを求める。このフィードバックゲインをC言語で書かれた制御アルゴリズムに読み込み、最大効率運転特性を把握する。鉄損分抵抗の同定がキーポイントになるので、磁気エネルギーモデルによるダイレクトトルク制御系を構成し、鉄損分抵抗の推定に関して、インバータ運転の特性を求める。
88 銀薄膜微細構造の作製とサイズ効果の検討 川村 みどり 北見工業大学 内島 典子 北見工業大学 現在の銅配線においては、更なるダウンサイズ化に伴う線幅の減少に起因した、急激な配線抵抗の増大が問題視されてきている。一方、銀は金属中で最も低抵抗であり、またEM耐性にも優れるとの研究結果は報告されているが、新規配線材料を目指した基礎的な研究は十分行われていない。そこで本課題では、銀薄膜の微細構造を作製し、そのサイズが抵抗率へ及ぼす影響を調査する。
124 世界最高性能有機薄膜トランジスタの開発 小川 智 岩手大学 近藤 孝 岩手大学 近年、アモルファス状態での有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタのキャリアー移動度が1 cm2/Vsを超えるものが報告されている。しかしながら、それらは、無機半導体におけるアモルファスシリコンでの性能を追従するものに過ぎない。本応募課題の目的は、無機半導体におけるポリシリコングレードのキャリアー移動度(100 cm2/Vs)を超え、これまでに誰も実現することができなかった世界最高性能の有機薄膜トランジスタを開発するものである。
148 変形可能なガラス基板上へのダブルゲート微結晶Si TFTを利用したインバータの試作 原 明人 東北学院大学 小野澤 瑞大 仙台市産業振興事業団 変形可能なガラス基板上にプラナー型自己整合メタルダブルゲート微結晶Si 薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、移動度50cm2/Vs の低温 poly-Si TFT に匹敵する電流駆動能力を有するTFT を低コストで実現することを目指す。さらに回路の基本となるインバータを試作してその特性・性能を把握する。
153 デバイス特性揺らぎにRobustな20GHz動作超高速ロジック回路の開発 遠藤 哲郎 東北大学 大野 健一 科学技術振興機構 本試験では、Current Control-MOS Current Mode Logic(CC-MCML)回路という独自技術を用いて、20GHz動作速度にて安定に動作させることができるロジック回路技術を開発することを目的とする。具体的には、回路シミュレータを用いて、デバイス特性揺らぎの影響で数GHzレベルに留まっていたロジック回路の動作速度を20GHz帯域まで高速化することを目指す。
156 ナノパルスレーザを用いた単結晶Ge加工変質層の完全修復技術の開発 閻 紀旺 東北大学 峠 竹彌 東北大学 本試験では、パルス幅が数ナノ秒の Nd:YAG レーザ第2高調波を加工面に1回照射するだけでGe加工変質層における相変態や転位などを一括して完全な単結晶構造に修復する技術を開発することを目的とする。具体的には、単発レーザ照射による深さ方向の結晶構造変化および変質層除去特性の検討、面方向の変質層修復特性および最適照射条件の検討を行なう。
299 超高速性・広波長帯域性を有する2光子吸収型全光スイッチの試作 坂東 弘之 千葉大学 金田 欣亮 千葉県産業振興センター 現在,1Tbit/s以上の超高速光通信を可能とするため,光信号を電気信号に変換せず,制御光にて直接スイッチングする全光スイッチの開発が期待されており,各種基礎研究が産学官で精力的に行われている。本研究は,現在の光スイッチ技術において他方式に比べ優位性のある最新技術の「2光子吸収」技術を用いる。その実用化に向け2光子吸収型全光スイッチのプロトタイプの試作とそのデバイス特性を調べることを目的とする。
369 超高速・低電圧動作ポテンシャル制御量子井戸光スイッチの開発 荒川 太郎 横浜国立大学 永井 義人 横浜国立大学 次世代光ネットワークにおいて光スイッチはキーデバイスの一つであり、動作の高速化、低動作電圧化が求められている。本課題では、通常の半導体量子井戸とは異なる特殊な構造を有するポテンシャル制御量子井戸を利用した超高速・低電圧動作の光通信波長帯2入力2出力光スイッチを開発する。本量子井戸の巨大な電界誘起屈折率変化特性を用いることにより、従来、その応用範囲が極めて広いにもかかわらず実用化が困難であった超高速・低電圧動作の電界屈折率型半導体光スイッチの実現を目指す。
381 三極型高周波プラズマCVD法による32nm 世代LSI用カーボンナノチューブ配線の作製技術の開発 庄 善之 東海大学 田巻 一彦 神奈川科学技術アカデミー 2010年に実用化が予定されている32nm世代の大規模集積回路(LSI)では,配線材料として カーボンナノチューブ(CNT)の使用が提案されている.本研究では,代表研究者が開発した三極型高周波プラズマCVD法を用いて,大面積のSiウエハー(300mm)上の配線部分に,400℃台で,CNTを作製する技術を開発する.その結果,32nm世代のLSI開発に必要なCNT配線の作製技術を確立する.
385 超臨界流体を用いた熱CVDによる高アスペクト比ホールの埋め込み技術の開発 秋山 泰伸 東海大学 加藤 博光 東海大学 超臨界流体を利用し、高アスペクト比を要するホールの穴埋め技術の開発であり、半導体材料に関する研究である。半導体の高集積化において、三次元の高アスペクト比の凸凹上への配線、絶縁体あるいはその他半導体材料を凸凹上に均一に成膜する技術の開発が要求されている。そこで、本研究では超臨界流体を用いた熱CVD装置を試作し、次世代半導体に要求される高アスペクト比でナノスケールの穴埋めや均一成膜の達成を目的とする。
435 高精度CMOS基準電圧発生回路を用いた温度センサの開発 松田 敏弘 富山県立大学 山田 惠宣 富山県立大学 集積回路(LSI)で最も広く使用されているCMOS技術を使用し、LSIに内蔵可能な低コスト・高精度の温度センサを開発することを目指す。申請者らの特許である基準電圧発生回路を微細CMOS技術に応用し、しきい値電圧の差を利用したコンパクトで高精度な温度センサを、実用化のための実証デバイスとして試作・評価する。
501 10GHzを超える高速クロック分配を実現するキャビティシステムの開発 加藤 初弘 山梨大学 鈴木 通夫 山梨ティー・エル・オー 本提案は、チップ上に形成したキャビティ内に、きわめて高い周波数(>10GHz)の定在波を安定して共鳴させることで、通常の配線では分配困難な超高速クロックの分配をULSI上で実現する手法に関するものである。本検討では、これまでに得られた解析結果を元に実際にキャビティを試作し、その駆動方法について検討するとともにその実際の共鳴状態を計測して、本方式の基礎的な実証を行う。
505 超臨界流体を利用した三次元集積回路配線形成技術の開発 近藤 英一 山梨大学 菅原 幸雄 山梨大学 本提案は、CO2超臨界流体内での反応によりCu酸化物を、きわめてアスペクト比の高い穴などの部分まで堆積させる技術である。本計画では、成膜速度向上をはかるため、原料の検討とこれにかかる設備の改造を行った後、堆積評価を実施し、超臨界流体を利用した三次元集積回路用貫通配線形成技術の開発を行う。
554 酸化物半導体を用いた紫外・可視領域受発光素子開発 中村 篤志 静岡大学 出崎 一石 静岡大学 本提案は、ZnOを用いた発光ダイオードを形成するにあたって、p型ZnOをリモートプラズマによる不純物ドープと表面処理により安定化し、用いる電極材料、構造について低接触抵抗とするべく検討を行うものである。形成したZnOの物性から、良好な電気的接合が期待できる材料を絞り込み、発光輝度・寿命の向上に必要な電極材料の選択及び電極構造の最適化を目標として条件設定を、解決することで表示・照明素子実現への足がかりとする。
555 熱電デバイス用均一組成SiGeバルク単結晶成長技術の開発 早川 泰弘 静岡大学 斉藤 久男 静岡大学 本提案は、溶液から結晶を成長させる際に、意図的に熱パルスを加えて不純物を導入することで結晶成長速度を計測し、この結果を元に、成長中の溶液、結晶の組成が一定となるような結晶育成環境を整えることで、均一組成領域の長い熱電デバイス用のSixGe1-x バルク単結晶成長技術を開発するものである。今回は、組成を一定に保つ冷却速度を求めるとともに、成長速度に影響する温度勾配の効果についても検討する。
628 高密度分散量子ドット埋め込み構造を用いた広帯域光源の開発 渕 真悟 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 分散量子ドットを用いた広帯域光源を開発している。既に、分散量子ドットから十分な広帯域発光を得ており、又、光出力の増大を目的として、高密度InAsP分散量子ドットの形成に成功している。しかし、キャップ層成長のために昇温すると、InAsP量子ドットが肥大化し発光しなくなる。本研究では、高密度InAsP量子ドットを肥大化させずに埋込む方法として、二段階成長キャップ層を用いる。そのために、キャップ層材料や具体的なガスフロー・温度シーケンスを検討する。
631 多元系溶媒による3C−SiC結晶の低温溶液成長 宇治原 徹 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 SiCは次世代パワーデバイス用材料として期待されるが、その実用化においては、基板結晶の高品質化と同時に、これまであまり研究が行われていない低温安定3C-SiC相基板の実現が重要である。高品質結晶や低温安定相の成長には、溶液法が有効であるが、基板結晶サイズを作製するには、低温でかつ高速成長が必要となる。本研究開発では、多元溶媒により溶液成長による3C-SiCバルク結晶の実現を目的とする。
643 縦型マイクロチャンネルエピタキシーを利用した結晶基板作製技術の開発 成塚 重弥 名城大学 松吉 恭裕 名城大学 当研究室が提案する独創的な転位低減化結晶成長技術であるマイクロチャンネルエピタキシーを縦型に展開し、太陽電池用結晶基板を安価で量産性の良く作製する手法を開発する。選択成長マスクパターンを作製した基板上に、縦型マイクロチャンネルエピタキシーにより、厚さ100ミクロン程度の板状の結晶構造を配列的に成長する。この板状の結晶構造を分離取り出すことにより、そのまま太陽電池用基板として使用できる。本手法を用いれば、無駄ならびに労力が大きい切削研磨という過程無しに、膜厚がそろった半導体結晶基板を効率よく量産することが出来る。
644 GaN系窒化物半導体による高性能電力変換素子の開発 岩谷 素顕 名城大学 松吉 恭裕 名城大学 本研究課題では、ワイドギャップかつ、2 次元電子ガスという量子構造が適用可能な、GaN 系III 族窒化物半導体による高性能電力変換素子実現を目指す。特に本研究課題では、電力変換素子として、実用化のキーテクノロジーであるノーマリーオフ型を実現するために、本研究グループが開発したp型GaN層をゲート部分に用いる接合型FETを用いることによって、高性能デバイスを実現することを目的に研究を実施する。
798 半導体中の遷移金属不純物の除去方法開発 白井 光雲 大阪大学 清水 裕一 大阪大学 半導体デバイスプロセスでは、プロセス中に混入する遷移金属不純物がデバイスの特性を劣化させる。この問題を解決する方法の一つとして、デバイス領域から十分離れた領域に適当なドーパント原子を入れ、このドーパント原子に遷移金属不純物を吸い取らせるゲッタリング法が取られている。デバイススケールが小さくなるにつれ、このゲッタリング収率に対する要求がより厳しいものとなっている。本研究では、より高いゲッタリング収率をもつ不純物原子の組み合わせを理論的に予測し、実験的にその効果を検証することによって新しいゲッタリング法を開発するものである。
809 有機スピンバルブ素子の開発 夛田 博一 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 21世紀のユビキタス社会の一翼を担う材料として有機物に期待が寄せられている。印刷などの簡便な方法で,素子および回路の描画が可能であり,さらに,炭素や酸素などの軽元素で構成されるため,スピン−軌道相互作用が小さく,高いスピン輸送能が期待される。本研究ではこの長所を活かし,フレキシブルなスピントロニクス素子の実現に向けて,磁性材料/有機半導体界面の構造および電子状態を制御し,スピン注入および輸送過程を明らかにする。
817 金属性と半導体性カーボンナノチューブの分離装置の開発 脇坂 嘉一 大阪大学 内田 国克 大阪大学 カーボンナノチューブ(CNT)は構造によって金属的にも半導体的にもなること、電子材料、光学材料として優れた特性を持つことから、様々なデバイスへの応用が研究されている。しかしながら、現状では金属性と半導体性CNTを選択的に製造できないため、CNTの優れた特性を生かしたデバイスを作製するためには両者を分離する必要がある。本課題は金属性と半導体性CNTの電気的特性の違いを利用したCNT分離装置の開発を行う。
889 高感度および低LERを有するEUVレジストの開発 渡邊 健夫 兵庫県立大学 瀧澤 精一 兵庫県立大学 極端紫外線リソグラフィ(EUVL)技術は、2010以降の線幅32 nm世代の半導体微細加工技術として期待されている。EUVレジストの開発の課題は、感度5 mJ/cm2以下かつ線幅バラツキ(LER)3 nm(3s)以下を同時に満足するレジストを開発することである。感光剤(PAG)をベースレジンに直接合成する所謂PAG内包型の化学増幅系レジストの開発を進める。併せて、EUV光による2光束干渉露光系により評価を行い、要求仕様を満足するレジストの開発を進める。
940 水蒸気プラズマ処理によるGaN発光ダイオードの高効率化技術の開発 上浦 洋一 岡山大学 梶谷 浩一 岡山大学 本研究は,最近申請者らが開発して成果を上げた水蒸気リモートプラズマ処理(H2O RPT)技術を活用して,GaN系半導体発光ダイオード(LED)の発光効率増大を図る技術を開発することを目的とする。これまでの研究で明らかになった発光増強を阻害する具体的要因として,@ LEDの積層構造とMg濃度や膜厚などの特性,A オーミック電極の特性,の2項目を設定し,これらの特性の最適化を図ることにより発光効率の増大を目指す。
1048 電子・スピン情報伝達磁性薄膜半導体材料の開発と応用 高橋 尚志 香川大学 福井 次郎 香川大学 負の電子親和力(NEA: Negative Electron Affinity)を有する半導体(GaAs)表面上に、鉄などの強磁性多層薄膜を成長させた系での、電子・スピン情報を含めた電子デバイス開発を目的に、表面電子状態を調べる。表面組成および表面形状は本学実験室MBE装置のオージェ分光装置において行う。特に本課題では表面上の薄膜の存在・膜厚による電子状態とフェルミレベルの変化を明らかにする事を目的とする。
1093 触媒微細構造制御による多結晶シリコン膜の結晶核密度制御と高品質・低温形成技術 古田 守 高知工科大学 都築 俊夫 高知工科大学 多結晶シリコンは、ディスプレイ用薄膜トランジスタや薄膜太陽電池といった情報通信・環境エネルギー技術に不可欠な材料である。本研究は、金属誘起結晶化(MIC)による多結晶シリコン薄膜の固相成長において、触媒金属の微細構造制御によるシリコン結晶核密度制御と、多結晶シリコン薄膜の大粒径化に関する研究である。本研究の結晶化技術は、多結晶シリコンを活性層に用いた高性能薄膜トランジスタや太陽電池への応用を目的とするものである。
1238 ガラス基板上への2軸配向シリコン薄膜の作製手法の開発 土井 俊哉 鹿児島大学 中村 恵造 鹿児島大学 本研究では,液晶ディプレイや有機ELなどのフラットパネルディスプレイ上に,プロセッサやメモリなどの動作速度の速い回路を搭載するために必要な単結晶シリコン薄膜をガラス基板上に作製する技術の開発を行う.ガラス基板上にイオンビームを特定の方向から照射しながら,バッファ層を形成することで単結晶のように結晶方位が3軸とも揃った2軸配向膜を形成し,その上にシリコンをエピタキシャル成長させることで単結晶のような2軸配向膜シリコン薄膜を得る.

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 電子デバイス:24件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
151 ユビキタスネットワークのための超小型・高性能・位相直線・超低損失弾性表面波フィルタ・信号処理デバイスの基礎的研究 山之内 和彦 東北工業大学 野澤 壽一 東北工業大学 GHz帯の位相直線性、低損失、広帯域、シャープカットオフの超小型の弾性表面波フィルタを圧電基板上に作製したアップ方向及びダウン方向の一方向性分散型すだれ状電極を用いて実現するとともに、移動体通信・UWB通信システムなどに応用する研究を行う。
167 ナノ狭窄電子系STTマイクロ波発振器の研究 土井 正晶 東北大学 平泉 健 東北大学 超微細磁性薄膜のスピントランスファートルク(STT)効果を利用した、直流電流駆動型マイクロ波発振器に関するものであり、研究代表者らが提案しているナノ狭窄電子系構造体を用いることで、これまでにない簡素なGHz帯発振器を実現するための基礎検証を行なうものである。具体的には、導電チャネルの分布と品質(純度)の評価、マイクロ波計測用発振素子の作製、スピン電流駆動マイクロ波発振の計測を行なう。
183 平板回路型液晶ミリ波位相変調器の開発と応用 能勢 敏明 秋田県立大学 竹内 武 秋田県立大学 周波数資源の確保、超広帯域化、機器の小型化と共に、直進性がもたらす省エネ性等の優れた性質からミリ波帯の利用が期待されているが、技術的に難しい未開拓の周波数領域である。優れた位相変調器の実現は、ミリ波利用の重要な課題の一つである事から、良好な高周波回路として知られているCPW型平板回路と液晶材料とのハイブリッド化により、低電圧・低消費電力を特徴とする使い易い液晶ミリ波位相変調器の実現を目指す。
200 超伝導フィルタ用ロッドトリマーの電動駆動システムの開発 齊藤 敦 山形大学 近藤 健夫 山形大学 近年,移動体通信の著しい発展と相俟って超伝導フィルタの実用化が急速に進んでおり,既に受信用基地局マイクロ波超伝導フィルタは商用化の段階に入っている.しかし,フィルタのばらつきを回復する適当なトリミングシステムが確立されておらず,歩留まりが悪くコスト高となっている.本試験では,ステッピングモータ方式による新しいトリミングシステムを開発することが目的である.具体的には,小型ステッピングモータの低温,真空中動作確認,ロッドトリマーの駆動システムの開発,超伝導フィルタのリモートトリミングシステムの開発を行なう.
201 新しい超伝導臨界電流密度測定システムの開発 大嶋 重利 山形大学 近藤 健夫 山形大学 小型の強力な永久磁石を用いて、高温超伝導薄膜の臨界電流密度(Jc)を測定するシステムを開発する。特にJcの面内分を測定できるシステム、各測定点のデータを自動的にコンピュータに取り込むソフトを開発し、Jcマッピング自動測定システムを完成させる。面内分布を測定するシステムは、測定端子を移動させる手法と試料を移動させる手法の2つが考えられるので、最良の方を採用する。
204 超音波放射圧を用いたマイクロ攪拌・マイクロ空冷システムの開発 広瀬 精二 山形大学 加藤 博良 山形大学 本試験では、放射圧を利用して非接触で浮上・回転する超音波モータの原理を拡張応用して、2種類のアクチュエータ(移動・回転デバイス)の実現を目指す。具体的には、マイクロ撹拌デバイスについては液体中への回転屈曲波の励振、液体の回転スピードの測定、撹拌・混合実験を行なう。マイクロ空冷デバイスについてはロータの設計・製作、風量の測定、冷却効果の検証を行なう。
205 透明フレキシブル有機無機接合ダイオードを用いたイメージセンサの研究 廣瀬 文彦 山形大学 高橋 政幸 山形大学 代表研究者は透明でn型である酸化チタンをフレキシブル基板上へ形成する技術を開発し、それをp型のポリマー有機半導体に接合させることで完全フレキシブル透明ダイオードの試作に成功している。さらにその光感度特性として、人工太陽光照射に対して従来のSi太陽電池の性能をはるかに超える20mA/cm2の高い光電流を出力することを見出している。本研究で、上記の特徴を有するフレキシブル透明ダイオードのイメージセンサとしての適用性を評価し、実際にダイオードアレイ素子を試作してイメージングデバイスとして実証することを目的とする。
273 強誘電体ポリマー単純マトリックス型メモリの非破壊読み出し技術研究 山本 亮一 群馬県立群馬産業技術センター 上石 洋一 群馬県 強誘電体ポリマーのフッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体(VDF/TrFE)薄膜を単純マトリックス電極で挟んだ構造の固体不揮発メモリ技術に関し、非破壊読出し技術の研究を行う。この技術では信号強度に懸念があるが、本研究ではVDF/TrFE薄膜に適した信号検出方法の研究を、シミュレーション、及びモデル素子を用いた実験の両面から検討を行う。
304 次世代高速通信用超高性能弾性表面波デバイスを実現する基盤技術の開発 橋本 研也 千葉大学 平 隆 臣 千葉大学 Cu電極/LiNbO3基板構造は弾性表面波素子の性能を格段に向上するものと期待されている。本研究では、これを元にして、温度特性改善や損失低減を可能とする新素子構造を実現することを目的とする。まず、理論解析により最適素子構造を決定すると共に、構造を実現する作成プロセスを実現する。そして、超高性能弾性表面波素子の実現により、その有効性を実証し、実用化に資する工学基盤の構築を目指す。
390 巨大電荷制御トランジスタを用いたセラミックスエレクトロニクス 徳光 永輔 東京工業大学 松下 近 東京工業大学 低コストで基板を選ばず様々な場所に集積化でき、透明でかつフレキシブルなセラミックス材料で構成される演算素子、メモリ素子を開発する。Bi2Nb2O7等の高誘電率材料、または(Bi,La) 4Ti3O12等の強誘電体をゲート絶縁膜に用い、それらが誘起する大きな電荷量で、インジウム・スズ酸化物、In-Ga-Zn-O等の導電性酸化物チャネルの導電率を制御する新コンセプトのトランジスタ素子を開発する。
410 周期的空間勾配のある強磁場下での反磁性有機微小球の微細配列手法の開発 福井 聡 新潟大学 中津 普門 新潟大学 ポリスチレンなどの有機高分子材料のサブミクロン微小球を基板上に規則的に精度良く配列することができれば,光学用素子等としてのニーズがある。ポリスチレン等は弱い反磁性であり,強磁場に対しては反発する性質を持つ。本研究では,この性質を利用して,超伝導マグネットによる強磁場下で,有機微小球を基板上に配列させる手法を研究する。
464 分岐網創成法による電子基板発熱冷却チャンネル網の設計法の開発とその応用 山崎 光悦 金沢大学 平野 武嗣 金沢大学 生物に見られる分岐網形態創成メカニズムを擬似した分岐網生成アルゴリズムを活用して,最適な熱吸収・廃熱チャンネル網形態設計に適用し,分岐網の試作・性能評価を通じて従来の設計・製造プロセスでは実現が困難とされてきた高度な冷却性能実現の可能性を実証する.
466 超小型・超高速画像処理機能を持つ高解像度イメージセンサ 秋田 純一 金沢大学 高田 律子 金沢大学ティ・エル・オー 小型かつ低価格な視線検出装置の実現を目的とし、画像を取得する撮像素子と信号処理回路を同一チップに集積することで、VGA程度の高い解像度と毎秒500フレーム程度の高速処理性を両立できる視線検出用の高機能イメージセンサの実用化に向けた要素回路の基礎検討を行う。これにより、コンピュータ等の有用な入力手段として期待されながら、従来は学術研究などの特殊用途に限られていた視線情報の広範囲な利用が可能になると期待される。
511 高飽和磁化・高透磁率FeCo薄膜の強磁性共鳴周波数の高周波化とその応用 劉 小晰 信州大学 藤井 國久 信州大学 本提案は、FeCo合金/Co合金薄膜構造による新規な軟磁性薄膜の特性、実用プロセスに負荷される温度に対する体制を評価し、インダクタとしての性能の基礎特性を評価してその実用性能の第一歩を把握するものである。高飽和磁化Msを持つ体心立方Fe70Co30と高異方性磁界Hk を持つ六方晶Co合金を積層化し、薄膜インダクタ用磁芯材料として提案する。
515 GSM携帯電話用磁性薄膜/誘電体薄膜ハイブリッド高次スプリアスフィルタの開発 佐藤 敏郎 信州大学 藤井 國久 信州大学 本研究は、携帯電話からの不要な電波の輻射を抑制するフィルタに用いる材料に、新たに開発した磁性薄膜/誘電体薄膜複合材を用いることで、大幅な小型化とフィルタの集積化を可能にするハイブリッド高次スプリアスフィルタの開発に関するものである。本研究では、実際にフィルタを設計、試作し、パワーアンプモジュールに組み合わせて実性能の評価による有効性確認を行って、モジュール集積化への可能性を探る。
517 高分子/カーボンナノチューブ複合体を用いた超高性能電界電子放出源の開発 伊東 栄次 信州大学 藤井 國久 信州大学 本提案は、電気泳動法を利用して露出した微細電極表面上に配向・起毛したCNTを成長させる技術に関するものである。本計画では、高分子膜で覆われた電極表面を直径数100nmから数μmの微細パターンにより一部露出させ、従来より細かい1μm程度のパターンでCNTを成長させ、CNTの配向度の確認と電界放射特性の測定を通し、NEDO目標値をベンチマークとした電界放射源としての特性評価を実施する。
800 レーザー直接描画法による液晶微細配向制御技術の開発 尾ア 雅則 大阪大学 多田 英昭 大阪大学 液晶デバイスの機能・特性を決定する液晶分子配向制御技術として、現在実用化されているラビング法に代わる新しい液晶配向方法を提案し実用化する。従来のラビング法では、一様な配向しか実現することができないが、本提案手法では、レーザー直接描画法により、任意の領域・方向の微細グレーティング構造を作製し、サブミクロンサイズの領域で任意の方向の液晶配向を実現できる。
803 オールウェットプロセスによるフレキシブルディスプレィ素子の開発 大森 裕 大阪大学 多田 英昭 大阪大学 有機ELにより薄型でフレキシブルなディスプレィが実現できる。従来、透明電極としてITO(酸化インジュ―ム、酸化スズ)が用いられているが、導電性ポリマー材料を用いて溶液プロセスで形成すれば素子作製が容易になる。本研究は、溶液プロセスで成膜可能な透明な導電性ポリマー材料で電極を構成し、イリジューム錯体系燐光材料による高効率なフレキシブルな有機ELディスプレィを実現することにある。
810 微分スペクトルイメージング用波長可変フォトニックフィルタ 奥山 雅則 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 対象物の反射スペクトルの波長微分像を得る微分スペクトルイメージングが特徴抽出や高度情報認識において有効である。波長可変フィルタの透過スペクトルを変えて撮影した2枚の画像の差分によりスペクトルの波長微分を行ない、対象物の持つ赤、緑、青の色のみならず波長分布を反映した特徴的な二次元画像が得られる。この波長可変フィルタを誘電体、透明導電体、強誘電体の多層膜フォトニック素子により作製し、その特性改善を図る。
884 PBII法を用いたNIL用高硬度・高剥離性を有するF-DLCモールドの開発 神田 一浩 兵庫県立大学 元山 宗之 兵庫県立大学 ナノインプリントリソグラフィー(NIL)は、数十nmスケールのパターンを容易・低コストで形成できるために、LCD部材・燃料電池などの様々な先端産業分野で注目を集めている。本課題はこれまでNILの量産化にネックとなっていた耐摩耗性と高剥離性を満足するモールド離型材の決定版として、Plasma-Based Ion Implantation(PBII)法により、フッ素を含有したダイヤモンドライクカーボン(F-DLC)を用いるモールドの開発を行う。
938 新原理誘電性を応用する特異な電子材料の開発 池田 直 岡山大学 梶谷 浩一 岡山大学 電子の規則配列に起源を持つ新原理強誘電体について、動作条件を確定し実用化への戦略を明確化する。このため,(1) RFe2O4バルク試料について化学当量比と酸素欠損量をパラメータとして強誘電特性発現条件を明確化し、同時に (2)電子秩序強誘電性崩壊条件近傍にある非線形電気伝導特性を応用した特殊な機能性電子素子を提案する。
1131 SiC表面自己改質によるグラフェンの形成 田中 悟 九州大学 古川 勝彦 九州大学 近年,グラフェンは次世代超高速電子デバイスとして大きな注目を浴びている材料である.2次元電子物性の有用性が報告されつつあるが,実際のデバイス応用にあたり作製法に関するブレークスルーが必要である.グラファイトをテープで剥がす手法が主に用いられているが,デバイス作製のみならず物性測定においても大きな困難を伴うことは明らかである.本研究では,SiC表面グラフェン化のメカニズムを探求し,それにより最適グラフェン層を形成することを目的とする.
1225 スパッタリング法による高濃度希土類ドープガラスの試作 前田 幸治 宮崎大学 武藤 弘之 宮崎大学 希土類の発光を利用した薄膜は平面型光増器幅材料の候補として有望である。本試験研究では高濃度の希土類を添加できるカルコゲナイド系ガラスを候補として、大面積の薄膜作成可能なスパッタリング法を用いて、強い発光を示す薄膜を作成することを目標としている。これまでの研究により、エルビウムを添加したガラス薄膜の発光は確認できたが、組成の制御が不十分であった。そこで、本試験研究では、発光寿命の長い薄膜ガラスを作成する。
1250 非晶質炭素薄膜における導電性制御技術の開発 山里 将朗 琉球大学 伊良部 忠男 琉球大学 非晶質炭素薄膜は高硬度,高電気絶縁性を有し,光透過性がよく,化学的に不活性で低摩擦,耐摩耗性があるなど,優れた物性を有している.そのため,保護膜等のコーティング膜として応用されている.しかし,電気伝導性制御が難しいことから電子デバイスへの応用はほとんど進んでいない.本研究では,電子デバイス作製の基盤技術となるドーピングによる導電性制御を目指すものである.そのため,デドープ現象の解明や,欠陥密度の低減,膜構造制御技術の確立を目的とする.

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 通信技術(装置):13件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
33 高品質・広帯域ホワイトノイズ発生器の開発と応用 高田 明雄 函館工業高等専門学校 東藤 勇 苫小牧工業高等専門学校 従来のホワイトノイズ発生方法では、装置が大掛かりになるためコスト高が避けられないが、電子回路のカオス現象を利用すれば、回路が簡単になり二桁程度のコストダウンが見込まれる。申請者は、特定の電子回路において、カオス現象とホワイトノイズ発生との間に強い相関関係があることを見出しており、回路が安定状態からカオス状態へ容易に移行する条件等について実験および非線形解析の両面から検討し、実用化の見通しを得る。
146 パーソナル通信用小型・薄型マルチバンドアンテナの開発 塩川 孝泰 東北学院大学 宮尾 俊三 仙台市産業振興事業団 一点給電マルチバンドアンテナによる小型・薄型の移動通信用アンテナの開発に向けて、高比誘電体基板を用いた場合の、特に、低周波数域の狭帯域化の問題、及び、反射板を有するスロット系アンテナにおける薄型化の問題に関する研究開発を進める。
234 短波長・短距離光通信用ナノフォトニッククリスタルファイバの開発と応用 小峰 啓史 茨城大学 中澤 哲夫 茨城大学 クラッド中に多数の空孔を設けたフォトニッククリスタルファイバ(PCF)は1.5μm帯光通信用ファイバとして従来のファイバにはない特性を実現できる可能性がある.情報量増加に伴い青色波長域でのPCF利用が考えられるが,石英ガラスの伝送損失が大きいためあまり検討されてこなかった.しかし,CPU内の光配線化など短距離光通信にPCFを利用することで情報量増加に伴う様々な課題が克服できる可能性がある.本研究では短波長・短距離光通信を想定したナノスケール空孔を有するPCFを作製するための技術シーズを開発する.
494 マルチ血糖測定器・マルチ携帯キャリアに対応するSMBGデータ送信方式の開発 森川 博由 福井大学 巽 信夫 福井大学 本試験研究では、国内メーカ5社の血糖測定器、3キャリアの携帯電話に対応可能なSMBG(Self monitoring of blood glucose:血糖自己測定)データ送信方式を技術内容とする。その目的は、何処の会社の血糖測定器、何処の会社の携帯電話でも使えることにより、ユーザの利便性と経済性を高め、高齢者でも容易にSMBGをデータベースに送信できる方式を開発し、それを糖尿病治療、療養指導に活用することである。
562 分布増幅光ファイバ伝送路の高感度多重散乱光干渉量測定法の研究 相田 一夫 静岡大学 名和 英夫 静岡大学 本提案は、光ファイバ内で生じる二重レーリ散乱や離散反射等が原因となり発生する多重散乱光干渉量 を高感度・高確度で評価できる測定法を確立するものである。これまでの研究から、試験光として周波数変調されたレーザ光を用いることで多重散乱光干渉量を計測できることが計算されており、今回、評価用伝送路を作成するとともに、改良された試験光を用いて実際の計測特性を評価しその有効性を実証する。
614 計測・制御のためのキロヘルツ帯電力線通信方式の高信頼性化 片山 正昭 名古屋大学 山田 義憲 名古屋産業科学研究所 電力線通信で、キロヘルツ帯(10kHz〜450kHz)を用いて、計測・制御での利用に耐える高い信頼性を実現する技術の試験開発を行う。このために電力線の信号伝送特性・雑音特性について長期間の多点連続観測を行い、定常的特性だけでなく、信頼性を低下させる原因となる単発的な伝送性能低下現象の抽出を行う。さらに、電力線特有の性質を活用した適応符号化・変調および適応復調・復号を行う通信システムの提案・評価を行う。
640 大容量光リング連接ノードシステムの開発 佐藤 健一 名古屋大学 近藤 良治 名古屋大学 通信ネットワークノードで信号を光信号のまま分岐/挿入並びにルーティングを行う光リング網同士を接続する、超大容量リング間連接ノードシステムの開発を行う。現在インターネットトラフィックの指数関数的な増加に対応するため、北米、日本において光リング網が大規模に導入されつつある。本研究は、そのリング網を接続するノードシステムに関するものである。新しいアイデアに基づくシステム構成により、従来の構成と比べて40-80% 程度の大幅なハードウエア規模の削減が可能となるノードシステムを開発している、今回、そのキーとなる波長パス並びに波長群を統合して合分波できる新しい素子の機能検証を行い、提案ノード構成の実現性を実証する。
742 多周波数選択機能を持つフィルムの開発と応用 辻 幹男 同志社大学 蔵野 慎介 同志社大学 携帯電話や無線LANなど使用周波数帯域として複数の帯域を利用する状況下では、1枚のフィルムにこれらの帯域で電磁波を選択的に透過あるいは反射させる機能をもたせることが重要となる。本研究ではフィルム面上に周期的に配列された任意形状導体共振素子により、そのような機能の実現を図っていく。具体例として、無線LANに使用される2.4GHz帯と5.2GHz帯について、これらの帯域だけを可能な限り選択的に分離できるフィルムの開発を行う。
994 超小型・広帯域マイクロ波アンテナを目指した左手系複合材料の開発 蔦岡 孝則 広島大学 松井 亨景 広島大学 マイクロ波通信等に利用される小型で広帯域な材料アンテナの開発を目的として,マイクロ波領域で負の透磁率スペクトルを有する左手系メタマテリアルの開発と,ヘリカルアンテナ等を用いた材料アンテナへの応用に関する基礎的検討を行う。負の透磁率材料として酸化物磁性体及び金属磁性体微粒子を用いた粒子分散型複合材料を用いて,材料のマイクロ波透磁率,誘電率スペクトル及びアンテナの放射特性等の測定,解析を行い,同時に電磁界シミュレーションにより材料特性とアンテナ特性を評価する。
1007 他局による干渉を抑圧する光CDMA方式の性能評価 松元 隆博 山口大学 森 健太郎 山口大学 本研究では、研究代表者らが提案している光ZCZ(zero correlation zone)符号を光符号分割多元接続(CDMA)方式に適用することで、従来、一般的に使用されている光直交符号を用いた光CDMA方式よりも多数のユーザによる多元接続を実現できる光CDMA方式の実現を目指す。光ZCZ符号とは、ゼロシフト及びその前後の、あるシフト範囲の相互相関値がゼロをとるような特性をもち、かつ系列数が数学的上界を満たす符号である。 本研究では光CDMA方式に一般的な光直交符号と光ZCZ符号を用いたときの通信性能の比較を行う。具体的には、それぞれの方式を伝送路上に加わる雑音による干渉、多元接続による他局による干渉、及びビット間干渉に対する耐性を計算機シミュレーションとFPGAによって試作した送受信機によって性能評価を行ない、問題点を解明するとともに対策を研究する。
1072 UHF帯を利用した長距離無線ICタグ用アンテナの開発と実用化 松永 真由美 愛媛大学 小谷 哲哉 愛媛大学 物流や図書館、病院のデータ管理を高速化するシステムとして期待されているUHF帯の長距離無線ICタグに最適なアンテナの開発を目的としている。本提案は、小型化が難しいUHF帯で、あらゆる角度から読み取りが可能かつ長距離通信可能なアンテナを電磁界シミュレーションにより設計し、電波試験により性能評価と改良を行う。また、開発したアンテナは長距離無線ICタグに実装し物流管理システムなどを想定した実用化実証実験を行うことで実用化を目指す。
1087 無電極放電ランプによる可視光通信の研究と開発 岡本 太志 弓削商船高等専門学校 津田 雄造 西条市産業情報支援センター 従来の無線や赤外線通信の課題を克服し、次世代無線通信として注目されているものに可視光通信がある。その光源としてLED、蛍光灯があるが、これらの光源には、一長一短がある。LEDは点滅応答性がよく、多くの情報が送信できるが、高出力が得られなく、使用範囲が限定される。一方蛍光灯は、比較的高出力が得られるが、点滅応答性に難がある。本研究は、これらの欠点を解消できる光源である無電極ランプを用いることによる可視光通信の拡大を研究目的とする。
1163 小型衛星のための高速通信無線モジュールの開発 田中 卓史 福岡工業大学 直居 哲 科学技術振興機構 近年、主衛星の打ち上げに相乗りして小型人工衛星が上げられている。これら小型衛星と地上局との通信は主にアマチュアのパケット無線が用いられる。 この方式は既存のアマチュア無線機器が使えて便利が良いが、データの転送速度が低く、衛星で撮影した画像などの多量のデータは上空通過中に一度に送ることができない。この研究は高速のアマチュア無線帯を用いて、約100倍の速度で衛星データを送ることを目指して、衛星用高速通信無線モジュールを開発する。

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 情報処理技術(装置):39件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
6 ユーザーインタフェースに用いるための視線検出装置の開発 長崎 健 公立はこだて未来大学 鈴木 孝司 公立はこだて未来大学 視線を用いたインターフェースを構築するとき,従来の装置では事前にキャリブレーションが必要になる.そこで,本課題では,ユーザーとシステムの操作から,自動的にキャリブレーションを行うことを目指す.ユーザーがシステムに対して操作するとき,視線は操作対象を注視しているので,この特性を利用し,キャリブレーションを行う.
19 Database AMPACを有効に活用した生産支援システムの開発 湯浅 友典 室蘭工業大学 花岡 裕 室蘭テクノセンター 現在,企業内に蓄積されてきた貴重なノウハウや技術情報が技術者と共に失われようとしている.本申請課題では,従来データベース化が困難であった,機械オペレーターなどの人に蓄積されてきた経験や知識,中でもトラブル発生時の原因と対策情報を,Database AMPACを用いて系統的に分類整理することで標準的な知識集約型データベースを構築し,次世代知能生産システムの開発につなげることを目的とする.
66 車両軌跡の解析による高効率配送支援システムの開発 奥田 篤 北海道立工業試験場 鈴木 耕裕 北海道大学 多積雪地域では、降雪や除排雪により道路上の積雪状態が頻繁に変化するため、降雪期に配送効率を維持することが難しい。特に、大型車両を用いる場合は、経路の選択肢が少ないため、運転手が配送先付近の地理をどの程度知っているかによって、配送効率が著しく変化する。本研究では、走行経路を収集して動的地理情報を評価することで、配送先付近の地理に慣れていない運転者でも効率的に配送を行える配送支援システムを開発する。
67 降雪環境に対応可能な画像照合を用いた視界状態検出方法の開発 三田村 智行 北海道立工業試験場 鈴木 耕裕 北海道大学 吹雪などによる視界の悪化は、車両走行の安全性に大きな影響を与えるため、視界情報は道路管理や車両運行管理などにおいて重要である。しかし、視界情報を得るために使用されている視程計は高価なため設置箇所が限られ、吹雪時は計測値と視認性が一致しない場合もある。そこで本課題では、イメージセンサと画像処理を用いた小型で安価なシステムを用いることにより、降雪に対応した視界状態の検出方法を開発する。
117 ギガイーサインタフェースを有する小型軽量全方位映像伝送システム 柴田 義孝 岩手県立大学 岸本 輝昭 岩手県立大学 本研究は新型映像伝送システムの実用化を目指すものである。具体的には、小型軽量の全方位映像カメラにギガビット/秒クラスの高速イーサネット・インタフェースを装備して任意の場所に取り付け、一度に360°の広範囲高精細映像の高速リアルタイム配信を可能とするもので、画面上の任意の領域の切出し・拡大機能や人物の抽出・追従機能を付加することにより、多地点TV会議、広域防犯監視、車載での全周囲映像確認表示等への適用が期待できる。
118 生体情報を活用するセンサネットワーク防犯システムの開発研究 瀬川 典久 岩手県立大学 岸本 輝昭 岩手県立大学 日常生活において強盗などの凶悪犯に襲われた場合、普通の人は極度の緊張に見舞われ、とっさに防犯ベルを押す等の行動を取るのは難しい。また、防犯ベルを押す等の行動が犯人に知られると報復を招く恐れがある。本研究は、このような問題を解決するものであり、@人間に超小型の脈波センサを取り付け、A脈波の変化から人の緊張度を検出し、B検出情報をセンサネットワークで通信して外部に異常状態を伝えるシステムを開発することを目指す。
161 ハード・ソフトウェア最適分割による高度組み込みシステム設計開発 堀口 進 東北大学 熊谷 望 東北大学 近年,携帯電話,情報家電, ディジタルオーディオなどに組込まれる機器は,画像や音声などの多彩なメディアへの対応や,ネットワークやセキュリティ機能も求められている.本シーズ応用研究では,ハードウェア量や処理時間などの拘束条件に対してハードウェアとソフトウェアの最適分割手法を考案することにより高度組み込みシステムの構築方式を確立し、組み込みステムの容易な設計開発を行なうことを目的とする.
216 パターン分類手法を用いた動映像での影の除去 愼 重弼 会津大学 本杉 常治 会津大学 移動物体の追跡, 車ナンバープレート抽出, 映像画質の改善など多様な映像処理に関する研究で影は物体領域を正確に探知することを大きく妨げるものの一つである。影は移動中の人の領域として認識されることが多く、これは人の位置情報に対する誤差を増加させる. 今まで影除去に関する研究は少なく、かつ大部分の場合色情報のみを使っていることから, 明暗の差が多い場合効果的に除去されない. 本研究では映像領域間の相互関連情報を用い、影を効果的に除去することを目標にする.
217 自然言語を用いたWeb検索のためのインテリジェントツール Klyuev Vitaly 会津大学 本杉 常治 会津大学 ユーザーがWebを検索・閲覧するのをサポートするツールは多数あるが、必要とする情報を見つけ出すことは依然として難しいのが現状である。ネット上にあるデータの過半数は英語で書かれており、ある調査によれば、その比率は65%以上にもなる。価値のある科学的な研究結果・成果の多くは英語で公表されている。研究者、技術者がインターネット上で研究について検索するのを助けるために、いかにして汎用のサーチエンジンによって取得される不要な情報を減らすか、が本提案の目的である。
300 画像処理による「ひよこの雌雄鑑別システム」(羽識別法)の開発 呂 建明 千葉大学 金田 欣亮 千葉県産業振興センター 鶏の効率的飼育のため、孵卵後のひよこの迅速な性別判定が必要である。鑑別方法には肛門鑑別法と羽毛(or翼羽)鑑別法がある。前者は肛門の微小な違いを識別し、わずか220名の有資格者の職人的技巧に頼っている。後者は羽形状の違いを識別する方法で、前者ほどの訓練は必要でないが、単調かつ神経を使うため人材確保が難しい。本研究では、羽毛鑑別法に画像処理技術を用いた雌雄鑑別システムを(株)ヤマモトと共同開発する。
327 機能と形状の関係性に基づく物体認識手法の開発と応用 長井 隆行 電気通信大学 須藤 慎 キャンパスクリエイト 物体を認識する際に重要なのは、物体の見た目だけでなく、その機能や使い方である。本課題ではこれら3つの要素(見た目、機能、使い方)の関係性を確率モデルでモデル化した物体の学習・認識手法を確立し、これを計算機やロボットに実装することを目的とする。これは、物体を単にパターン認識するものではなく、「理解」する枠組みであると考えており、ロボットの物体理解や理解に基づく物体(道具)の使用が可能となる。
329 耐ビット反転とプログラム進化を可能にする宇宙機用CPUの開発と応用 高玉 圭樹 電気通信大学 須藤 慎 キャンパスクリエイト 本研究では,人工衛星をはじめとする宇宙機上のコンピュータシステムにおいて根源的な問題であるSEU(Single Event Upset)に着目し,(i)宇宙線によってメモリのビット反転が起こってもハングアップしないCPU,ならびに,(ii)そのビット反転をプログラムの突然変異ととらえ,より良いプログラムへの進化を可能にするメカニズムを考案する.特に,開発するCPUはシールド不要,多重化不要,現在のハイスペックCPUを利用可能であり,「安く」「小さく」「速い」宇宙機用CPUの実現が期待できる.
331 携帯端末用高性能省電力並列プロセッサシステムの実用化評価 曽和 将容 電気通信大学 李 瑩玉 キャンパスクリエイト モバイル端末に「パソコン以上の性能と通信環境」を実現するキー技術として,「並列FIFOコンピューティング」という新しい計算モデルによるコンピュータシステムに関する研究である.省電力でハードウエア量が小,プログラム長半分でパソコンの2倍程度の性能を持った高性能なプロセッサとその基盤ソフトを設計し,出願,または取得した9件の特許をもとに実用化を目指した検証実験を実施する.
336 衛星情報を用いた沿岸域での漁場予測システムの開発と応用 山崎 秀勝 東京海洋大学 馬場 文雄 東京海洋大学 漁業における漁場予測は過去の漁獲データに基づく経験知と現地での魚群探知機に頼っているのが現状である。当該開発試験は、地球観測衛星データと二層モデルを用いて現場の水温構造を推定する方法と三次元水理モデルによるコンピュータシミュレーションを併用し、沿岸域の海洋構造を予測する方法を開発する。さらに当該開発システムに過去の漁獲データを導入し、多獲性浮魚類(アジ・サバなど)の好漁場位置の推定方法を立案する。
386 物体を通すスクリーン及びそれを活用したコンテンツの試作と評価 濱本 和彦 東海大学 加藤 博光 東海大学 本システムは,伸縮性があり短冊状の白色膜材でき,物体を通過させることができるようにしたスクリーンとプロジェクターからなるシステムである。スクリーンを通過する物体の通過情報とそれに対応して生成された映像により通過物体と映像を融合させ,バーチャルリアリテイの世界に新たな可能性を提供する。物体のスクリーンへの通過特性,投影映像の乱れ等の試験・評価,本システムの特長を活かしたコンテンツの試作と評価」を行う。
416 ハプトグラフに基づく個人認証技術の開発研究 桂 誠一郎 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 インターネットをはじめとする情報通信技術が発達するにつれ、個人認証技術の開発はますます重要視されている。その中で、代表研究者は人間の感じる触覚情報を可視化する「ハプトグラフ」の開発に世界で初めて成功している。「ハプトグラフ」により、署名を行う際に生じる触覚情報を可視化し、個人の持つ特有の癖を抽出することが可能になる。本研究では「ハプトグラフ」を筆記作業に応用し、筆圧情報の解析に基づく新しい個人認証方法の確立を目的とする。
437 筆順誤りの癖を指摘する漢字筆順判定システムの開発 中井 満 富山県立大学 定村 茂 富山県立大学 パソコンを用いた手書き漢字学習のための高度な筆順判定システムを開発する。既存の筆順学習は手本の文字をなぞる手法が主流であるが、提案システムでは自由な位置に書いた文字の筆順を探索し、漢字の部品(偏旁冠脚など)の組合せ構造に基づいた筆順誤りの規則を抽出することにより、ユーザに筆順誤りの癖を効果的に指摘することができる。本課題では筆順判定精度による評価、および筆順学習システムの実装による評価を行う。
438 ユビキタス環境を想定した虹彩による個人認証装置の開発 中村 清実 富山県立大学 定村 茂 富山県立大学 これまでに開発されている虹彩認証装置には、「ユビキタス(モバイル)環境での使用は不可能」、「虹彩の写真などを用いた偽造に未対応」という課題が残されている。そこで本研究では、ユビキタス環境で認識率を低下させる原因となる虹彩画像の回転変化量を高速で補正することにより高い認識率を維持し、さらに、虹彩の輝度変化を計測することで生体と偽造を識別できる信頼性の高い小型虹彩認証装置の開発を行う。
440 影の動的変化にロバストな顔動画像認識処理技術の開発 塚田 章 富山商船高等専門学校 安田 匡一郎 中部科学技術センター これまでに代表研究者らは、画像処理により実時間かつマーカーレスで顔の部位を認識し、仮想的なメークを施すメークアップシミュレータを開発した。本課題では、それらのシーズを基に、環境の変化やユーザーの動きによって生じる影の影響の除去技術を確立し,いつでも、どこでも、誰にでも手軽に使用できる高性能なメークアップシミュレータの開発を目標としている。
495 匿名セキュリティシステム技術の確立 田村 信介 福井大学 巽 信夫 福井大学 計算機システムによる各種サービスでは多くの個人情報が蓄積されており、互いに関連づけられると想定できないようなプライバシーの侵害につながる。このような弊害を無くす目的で中立機関を仮定せずに、匿名での各種サービス利用を可能にする技術を確立する。具体的には、1)匿名認証、匿名取引、匿名通信などの機構に関して開発している技術の欠点を改善し、2)上記機構を実装してプログラムサイズや実行時間、開発容易性などを確認する。
547 ソース逆問題に基づく動画像信号の高効率符号化・復号化アルゴリズムの開発 山谷 克 名城大学 PERNOT CYRIL 名城大学 多くのデジタル画像信号はブロック単位で符号・復号化処理されている。本研究では、ブロック境界での画像信号の特性に着目し、処理ブロック内部を偏微分方程式の解で予測することによって高効率なデジタル静・動画像圧縮を実現する。我々の提案する手法では、従来の技術と比較し、画像信号内に含まれる幾何学的な特性が精度よく表現されるため、同じデータ量でより高品質な復元画像が期待できる。
568 表情画像を用いたリアルタイム心理状態推定技術の開発 野須 潔 東海大学 加藤 博光 東海大学 本提案は、コンピュータ画面を見ている人やビデオゲームを享受している人等の顔をビデオカメラで撮影し、その顔表情から心理状態をリアルタイムでかつ高い確率で推定するものであり、顔表情解析プログラムに、新たに顔画像から特徴点を自動的に解析・抽出するプログラムを開発して実現する。映像提供→顔表情撮影→心理状態の推定→映像制御等のループは組めるので、アミューズメント等で新たなコンテンツ提供も可能になる。
584 OK量子化理論を用いた新しい画像圧縮符号化法の研究 輿水 大和 中京大学 鈴木 勝也 中京大学 ブロードバンド時代となり動画像などの大容量の画像・映像コンテンツの高品質伝送・蓄積が必須な状況を迎えている。このような時代背景を受けて、本申請者が提案した、画像濃度値の確率密度関数の復元性を保証する量子化原理(OK量子化法)を基盤とした画像圧縮符号化方式(OKQ圧縮符号化方式)の構築を目的とする。そのために、@JPEGなどの画像圧縮符号化法との基本的性質を比較実験的に明らかにする、A符号化・複合化アルゴリズムを試作する、B圧縮率と画質との関係を詳細に明らかにする、Cこれらを元にOKQ圧縮符号化方式の基盤を実現する。以上より、表題の「OK量子化理論を用いた新しい画像圧縮符号化法」を確立することを目標とする。
672 能衣装のデジタルアーカイブ化及び新作デザインの試作シミュレーション CAI KANGYING 立命館大学 柳瀬 圭志 立命館大学 無形文化財のデジタルアーカイブ化においては、光学特性の忠実な再現にまでは至っていない。能衣装は複数の光学特性を持っており、光学特性を観測するためには無数の光源・視線方向の組み合わせた条件が必要である。本研究では、能衣装の各種の光学特性を視線方向の固定下で獲得した画像から忠実にモデル化し再現することを目的とする。能衣装のデジタルアーカイブ化及び新作デザインの試作シミュレーションを目標とする。
673 レオロジー物体の変形シミュレータの構築 田中 弘美 立命館大学 柳瀬 圭志 立命館大学 医用画像処理やコンピュータグラフィックスの分野においては、柔軟物体の変形シミュレーションが技術的に重要な課題であり、変形シミュレーションに適した高精度なリアルタイムの表現手法が必要となる。しかしながら、レオロジー物体の変形シミュレーションを高速かつ高精度に行う技術は未だ確立されていない。そこで、本研究では、レオロジー物体の変形シミュレーションを高精度にリアルタイムに行う技術を提供することを目的とする。
676 小型表示装置における虫眼鏡式ユーザインタフェースの実現 野中 誉子 龍谷大学 山内 一寿 龍谷大学 携帯電話や携帯音楽プレーヤなど、小型表示装置を備えた端末の高機能化に伴い、表示すべき情報も増加しており、限られた表示面積に効率よく情報を提示する必要がある。そこで、小型表示装置を備えた端末を虫眼鏡に見立てて動かすと、表示される出力画面があたかも虫眼鏡で見える正立像のように変わる「虫眼鏡式ユーザインタフェース」の実現を目指す。まず、実際のユーザの操作から検出すべき端末の動きを検討し、複数センサを組み合わせた端末の動き検出システムを開発する。ついで、自然な操作感となるように、検出した端末の動きを表示画面に対応づけ、入出力を一体化する。
735 言語資源と分類タグ付与技術を利用した高機能意見分析分類システムの開発 金丸 敏幸 情報通信研究機構 中村 升一 テレコム先端技術研究支援センター 本課題では、Web文書などの電子的な大規模自然言語テキストから意見情報を抽出し、言語資源を利用して意見情報の詳細な分析・分類を行うシステムを開発する。話し手の主体的な評価を反映した副詞辞書などの言語資源と、文書への分類タグの付与技術を組み合わせて、意見文の分類に最適な分類タグの付与を行う。これにより、抽出した意見文の多面的な分類・分析を可能にする。また、評価や意見の分類タグに応じて、分類結果をより理解しやすくする強調表示なども行う。
736 数値・固有名詞に基づく大規模自然言語テキストの情報分析と可視化 村田 真樹 情報通信研究機構 中村 升一 テレコム先端技術研究支援センター Web文書、特許、論文、新聞などの大規模な自然言語テキストの情報を、数値・固有名詞をもとに分析し、分析結果を可視化する、高度テキストマイニングシステムを開発する。情報の分析のために、複数文書に出現する単語出現分布表を効率よく可視化する技術、数値情報、固有名詞などの重要表現を自動抽出・可視化する研究も行う。可視化には、複数のグラフを効率よく同時に示す技術開発も行う。
748 音楽独習システムの開発 柳田 益造 同志社大学 南 了太 同志社大学 本研究は、作・編曲から各種楽器の演奏ならびに携帯電話系の音楽情報処理に至るまでの音楽分野全体の学習・教育を総合的に支援するシステムの開発とその実用化を目指すものである。具体的な学習支援内容としては、古典和声法、そのポピュラー音楽への拡張、歌詞からの作曲法、与えられた旋律への和声付与、ジャズ編曲(ピアノ用ドス・マノス編曲、ギター編曲)、標準編成吹奏楽譜の小編成用への変換、ピアノの運指評価とそれに基づく練習課題の生成、などを含む。
780 体積走査法に基づく3次元立体ディスプレイ装置の開発と応用 宮崎 大介 大阪市立大学 三刀 基郷 大阪市立大学 研究代表者が考案した体積走査型3次元立体ディスプレイの開発を行う。この手法では、2次元ディスプレイにおける表示像の実像を光学系により空中に形成し、その像をミラースキャナにより高速に移動させる。2次元ディスプレイに3次元物体の断面像を表示し、走査に合わせて断面像を高速に順次切り替えると、目の残像作用により断面像の重なりとして3次元像が形成される。3次元的な光の分布を実際に形成しているので、焦点調節、眼球の輻輳といった生理的な要因を満たした自然な立体感を実現できる。
831 大規模原本データベースの高速画像検索に基づく文書・画像の実時間改竄検出 黄瀬 浩一 大阪府立大学 阿部 敏郎 科学技術振興機構 本研究の目的は,10万枚程度の大量の文書や写真,ポスターなどの著作物を保護対象とし,その改竄を実時間で検出するシステムの構築である.独自性は,次の2つの技術にある.一つは,電子情報通信学会論文賞を受賞し,PCT出願済みの文書画像検索技術,もう一つは,PCT出願予定の平面物体認識技術である.例えば後者を用いると,10万枚の写真を対象とした認識が1ミリ秒で実現できる.この技術は,対象がStirmarkなどの画像変換を受けていても有効である.
866 ルームミラー透過式赤外カメラを用いた安全運転支援のための車内撮像システム 黒木 修隆 神戸大学 大内 権一郎 神戸大学 近年、車内向けカメラを用いた安全運転の支援システムが注目されている。運転者の姿勢や状態を検知することにより、(1)エアバッグシステムの制御、(2)サイドミラーの自動調整、(3)居眠り運転の検出と警告、(4)運転手の顔認識による防犯、(5)シートポジションの自動調整等が可能になる。これらを画像処理によって実現する際に、その入り口となる撮像システムの性能・コストが重要であることは言うまでもない。本研究は高性能かつ低コストな撮像システムの開発を目的としている。
872 脳性麻痺による発話障害者の音声コミュニケーション支援に関する試験研究 滝口 哲也 神戸大学 中井 哲男 神戸大学 脳性麻痺による発話障害者の音声は,健常者の発話と比較して,構音が異なるため聞き取りが難しい.本試験研究は,代表研究者がこれまでに研究してきた環境変動要因除去技術と,大量データを用いた統計手法による発話障害者音声の不安定要素の除去手法を元にして,発話障害者の音声を聞き取りやすくする音声強調(変換)手法,及び発話障害者の発話区間検出法を実現し,実際に発話障害者における音声コミュニケーションツールとしての有効性を評価するものである.
902 情報家電の遠隔操作・遠隔監視を直感的に行うユビキタスリモコンの開発 安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学 萩原 史朗 奈良先端科学技術大学院大学 ホームネットワークに繋がった複数の情報家電の動作状況や周辺状況(室温など)を監視し操作するユビキタスリモコン装置およびソフトウェアを開発する。リモコンのディスプレイには対象空間を模した3D空間が表示され、利用者は、自身を表すアバタを操作し空間内を移動することで、任意の視点で室内の様子や家電の動作状況を観測し、家電を操作することができる。
1075 ゲートレベル診断ツールを用いたトランジスタレベル故障診断法の開発 樋上 喜信 愛媛大学 田坂 謙介 愛媛大学 これまでに、チップの診断手法として、トランジスタレベルのシミュレーションツールを用いる手法、および異常電流を検出する手法が提案されている。しかし、今後、益々複雑化・微細化の進むVLSIに対しては、これらの診断手法では膨大な実行時間が必要となってしまう。この課題を解決するために、本研究では、既存のゲートレベルのシミュレーションツールを用いて、トランジスタレベル相当の故障診断を可能とする、VLSI用の細部欠陥診断アルゴリズムの確立を目指す。
1078 エクスターナルGRIDのProfitableな利用を実現するアルゴリズムの確立 小林 真也 愛媛大学 田坂 謙介 愛媛大学 インターネットでつながれた計算機からなるエクスターナルGRIDでは、非営利である目的の実現には使用されてきたが、Profitableな用途(営利目的)での使用には、依頼する処理の内容が第三者に知られる点と、依頼先の計算機の確実な処理を保証しなければならないといった課題がある。この研究の目的は、この2つの課題を解決し、エクスターナルGRIDのProfitableな用途への利用を可能とする技術(セキュアプロセッシング技術)の開発である。
1129 確率分布の高速ノンパラメトリック推定による頑健な実時間画像解析技法の開発 谷口 倫一郎 九州大学 坂本 好夫 九州システム情報技術研究所 屋外のように照明条件が時々刻々変化する状況では、画素値の正確な確率分布を適応的に推定する必要があり、ノンパラメトリックな確立分布表現を動的に推定することが必要不可欠である。本研究では、局所的なカーネル関数を用いることで、ノンパラメトリックな確率分布の推定手法である、パルゼン推定の実用的な計算手法を確立する。更に、それに基づき、ビデオ・サーベイランスのような、照明条件の厳しい環境における対象物体の頑健な抽出・解析に応用可能な、実時間画像解析システムの開発を目指す。
1160 遺伝的ネットワークプログラミングによる株式売買システムに関する研究 間普 真吾 早稲田大学 道家 隆博 北九州産業学術推進機構 遺伝的ネットワークプログラミング(GNP)はグラフ構造を有する進化論的計算手法であり、非常にコンパクトで逐次更新することもできるプログラムを作成できる点、生物の進化および学習の概念を組合わせ、より人間に近い柔軟な思考が可能である点で優れている。本研究では、GNPの特徴を生かし、人間の様々な思考によって変動する株式市場における売買ルールを作成し、性能評価シミュレーションを行いその実用化を目指す。
1174 実環境OCRのための射影歪み補正方法の開発と評価 志久 修 佐世保工業高等専門学校 高橋 栄功 長崎県産業振興財団 実環境OCRとは、身の回りに存在する文字を、キーボードを介さずに、カメラで撮影するだけで電子テキストに変換する技術である。実環境OCRでは、文字を斜めから撮影することによる射影歪み(文字列の回転、文字の傾斜、文字の大きさ変化)が大きな問題となる。本研究では、ひとつの文字列の形状から、射影歪みを補正し、文字列を正面から見たように変換する方法を開発する。さらに、大量の画像による実験により、性能を定量的に評価する。

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 電力技術:4件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
518 Fe基金属ガラス複合材料磁心を用いた低損失・超薄型パワーインダクタの開発 山沢 清人 信州大学 藤井 國久 信州大学 本提案は、Fe 基金属ガラス粉とポリイミドからなる低透磁率複合材料を用い、スクリーン印刷により閉磁気回路を形成してインダクタを作成することで、従来より格段に薄型かつ小型で、大電流に対応可能なインダクタを作製する技術に関するものである。Fe金属基による低保磁力化で大幅な損失低減を図るとともに、本インダクタ基板上に電源回路を実装して、担体としてだけでなく電源としても従来品に対する改善効果を評価する。
598 交流モータ駆動用高効率・小型電力変換器の入力共振抑制 竹下 隆晴 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 本課題は産業分野の電力消費量の約7割を占めるモータ駆動装置の高効率、小型化を扱う。本研究では、商用交流を直接、任意の振幅と周波数の交流に、1回で電力変換することで、インバータに比較して変換器損失と体積をそれぞれ約1/2に低減できる高効率・小型電力変換器(マトリックスコンバータ)を実現する。本研究では、スイッチングノイズ抑制用の入力LCフィルタにより発生するLC共振の抑制法を開発し、さらなる高効率・小型化を実現する。
607 脂肪族オリゴエーテルデンドロンのリチウムイオン電池用添加剤としての応用 石垣 友三 名古屋市工業研究所 瀬野 義隆 科学技術交流財団 リチウムイオン二次電池の不良の原因で最も多いのは「膨れ」である。この不良はサイクル時と高温貯蔵時の活性な電極表面上で溶媒あるいはリチウム塩が副反応により気体分子に分解されることによって引き起こされる。本研究では電解液に数%添加すると電極表面と優先的に反応することで皮膜を形成し、溶媒分子やリチウム塩が直接電極表面と接触するのを阻害して副反応を抑制し、膨れを低減する添加剤を開発する。
615 高効率並列タンデム型色素増感太陽電池の開発に関する研究 森 竜雄 名古屋大学 山田 義憲 名古屋産業科学研究所 従来のタンデム素子はタンデム化により透明電極基板と背面半透明金属基板の透過率は低いので、前面素子を透過した光強度は40%未満になる。また縦列接続のため、インピーダンスが高い部分の影響を素子全体で受ける。そのため、効果的ではなかった。本アイデアは、従来の背面電極の代わりにメッシュ電極(透過率は50%以上)を利用して、光を背面側の活性層に到達させることができるので、極めて有効に発電させることができる。また、並列接続であるために個々のインピーダンスの影響は小さいのでマッチングが簡便である。

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 電気・電子応用:17件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
143 ワイヤレス磁気マーカを用いた生体内挿入用チューブの位置・方向検出システム 荒井 賢一 電気磁気材料研究所 引地 智 みやぎ産業振興機構 本試験では、ワイヤレス磁気マーカを生体内挿入用チューブに貼付し、その位置・方向をリアルタイムにモニタ可能なシステムを開発することを目的とする。ワイヤレスマーカへの適用に適している材料の検討、胴体内部のチューブ位置を高精度に検出できるセンサ配置の検討および健常者へのチューブ挿入試験を行なう。
212 コッククロフト・ウォルトン回路を用いた高出力多段組電池・EDLC充電回路の開発 仁科 辰夫 山形大学 村山 朋也 山形大学 本試験では、コッククロフト・ウォルトン回路を多段組電池・EDLC の充電回路として用いることにより、低コストで小型な高出力交流連続充電回路の開発を目指す。具体的には、本回路により、20 段以上の多段組電池全体について、個々の電池容量のばらつきが大きくても全ての電池を満充電できることを実証する。これにより、本回路が組電池充電器として応用可能であることを実証する。
298 高速・高精度なアナログ回路パラメータ最適化ツールの開発と実機実証実験 谷萩 隆嗣 千葉大学 金田 欣亮 千葉県産業振興センター 本課題ではパワーエレクトロニクス関連回路設計の自動化を念頭に、高速・高精度なアナログ回路パラメータ最適化ツールの開発を行う。さらに、開発する最適化ツールを用いて数多くの回路設計を行い、開発する最適化ツールの有用性を示す実証実験とする。多くの実証実験の結果は本ツールの利便性を示すこととなり、実用化に向けた重要な資料となる。実証実験と最適化ツールの開発を同時並行的に行うことにより、双方の研究がブラッシュアップされ実用化に向かうことが期待される。
349 地殻変動監視のためのレーザ距離変位測定装置の開発 黒川 隆志 東京農工大学 田中 公 東京農工大学 精密な距離変位の測定は、トンネルや橋梁の変状測定や地殻変動の監視など防災への応用上重要である。特に高精度で低コストの装置が実現すれば、活断層上の多地点間の距離変位を常時監視することが可能となり、地震対策上極めて有効である。
本課題では、多点間の距離変位を精密、かつ簡便にレーザ計測する装置を開発する。実際にフィールドで試験できるよう測定時間の短縮に取り組み、小型、軽量な装置を試作する。
583 人物の顔形状および表情変化3次元計測システムの開発 宮阪 健夫 中京大学 鈴木 勝也 中京大学 本研究課題では人物の顔の3次元形状および表情変化(3次元運動)を同時に計測できるシステムを開発する。このシステムの特徴は顔をビデオカメラのように連続的に計測し、3次元形状のみならず、3次元運動を取得することができることである。それにより、人間の表情変化を十分な解像度と精度で3次元的にとらえることが可能となる。本システムは2台のカメラと1台のプロジェクタによって構成され、我々が研究を進めてきた3次元計測手法によって、3次元情報を連続的に取得する。さらに得られた3次元動画像から必要な情報を抽出・保存・利用するためのソフトウェアの開発も行い、本システムの応用の可能性を調査する。
647 無機固体酸構造制御によるプロトン伝導有機-無機ハイブリッド材料の高性能化 青木 裕介 三重大学 加藤 貴也 三重ティーエルオー 固体高分子形燃料電池用電解質材料への実用化を狙いとして、現在のフッ素樹脂系電解質膜に代替しうる耐熱性、耐久性ならび機械的強度に優れたプロトン伝導有機―無機ハイブリッド材料の開発を行う。本研究では細孔構造の制御により、吸水性、プロトン伝導性を高めた有機無機固体酸と耐熱性高分子のハイブリッド化により機械特性並びに導電性に優れた耐熱性プロトン伝導ハイブリッドシートを創生し、シート特性の実用的性能評価を実施する。
711 マイクロ波による「電力・情報同時無線伝送技術」に関する研究 山川 宏 京都大学 永井 一弘 京都大学 本研究が対象とするのは、マイクロ波による電力と情報の同時無線伝送技術、および、そのための機器の小型化技術である。無線LAN等、マイクロ波による情報送受信技術の研究が盛んに進められているが、これに電力送信という観点を付加することにより、多様なアプリケーションを将来的に開拓していくことを意図する。将来への応用例として、災害時を想定した飛行船等の移動体に無線送電機能を付加したアドホックな携帯電話基地局システムを想定している。
741 高性能応答特性を有するインパルス高電圧測定システムの開発 馬場 吉弘 同志社大学 蔵野 慎介 同志社大学 インパルス高電圧測定システムの応答特性は、測定システムの大きさに比例して悪化することが知られているが、国際電気標準会議(IEC)規格は測定対象電圧や測定システムの大きさに無関係に、満たすべき応答特性を規定している。本研究では、自作した時間領域有限差分法に基づく電磁界解析プログラムを用いて、IECの定める厳しい規格を満たす500〜1000 kV級雷インパルス電圧測定システムを設計し、プロトタイプ測定システムの試作を行う。
923 高効率低ノイズ化実現可能なスイッチング電源の開発 山本 真義 島根大学 丹生 晃隆 島根大学 プラズマディスプレイパネル(PDP)用電源の代表的な方式として,トランスで絶縁された回路構成であるフォワードコンバータ回路に対し,スイッチング損失やノイズを同時に抑制可能な,トランス中性点を付加することによる新しい回路方式を提案する.本応募課題については実機による動作確認や,効率測定,ノイズや部品点数やスケールまで考慮したコスト評価による提案回路の有効性を従来回路との相対比較により確認を行う.
952 高磁場回転磁束条件での磁気特性測定装置の実用化研究 高橋 則雄 岡山大学 梶谷 浩一 岡山大学 永久磁石モータでは小形・高効率化を図るため、設計段階でモータの効率を評価するためには、高磁束密度条件下での磁気特性が必要となる。しかし、電磁鋼板の飽和磁束密度近くの回転磁束条件下の鉄損を測定するシステムは確立しておらず、この鉄損測定システムの開発が急務である。
本研究では、励磁巻線を新たに製作するとともに、回転磁界の回転方向(時計回り、反時計回り)による測定誤差の問題を解決して、本装置の実用化を図る。
988 高性能有機ラジカル電池の開発 井上 克也 広島大学 秋田 直宏 広島大学 酸化・還元状態で安定かつ骨格自体に伝導性のある有機ラジカルポリマーを用いた、高性能有機ラジカル二次電池を開発する。現在得られている有機ラジカルポリマーの酸化・還元能等必要な基礎データを集積し、応用の可能性を探る。本研究では安定有機ラジカルを有するポリアセチレン誘導体を系統的に合成し、その有機ラジカル二次電池の性能評価を行い、応用の可能性を集中的に検討する。
1117 高温超電導マグネットの設計手法の開発 小田部 荘司 九州工業大学 大八木 衆司 九州工業大学 金属系超電導体は液体ヘリウム下で医療、リニアモータカーなど高価な大規模システムでの実用化が進んでいる。一方液体窒素下の酸化物系超電導体は一般工業分野で経済的な広範囲の適用が期待されたが実用化が進行していない。その最大の理由は、高温超電導テープの研究開発は進んでいるが、機器の具体的な設計手法と加工技術が未確立な点である。本研究は高温超電導テープを使用して、銅線電磁石に替わる強力な小型超電導マグネット(0.5〜1.0T)の設計、製作、評価および問題点分析して設計手法を開発する。
1202 磁性体を用いたサージフィルタの開発 毛利 存 八代工業高等専門学校 中原 義毅 鹿児島工業高等専門学校 雷や大電力機器等により生じる高電圧サージは,さまざまに張り巡らされた通信線,電力線を通して電子機器内に進入し,機器の故障の一大要因となっている.本研究では,通信信号に影響を与えることなく,サージのみを効果的に除去できるサージフィルタの開発を行う.
1206 相互アシスト方式多相コンバ−タの技術開発 西嶋 仁浩 大分大学 近藤 晋一 大分大学 本技術は、マイクロプロセッサ(MPU)にエネルギ−を供給する電源回路に関し、並列接続した電源が相互にアシストし合うことで電源の性能を大幅に向上させる新技術である。現在のMPU用電源には4〜6個の電源をただ並列接続させた回路構成が用いられており、電源の大型化や電力効率の低下が問題になっている。本技術の実用化を目差し、本試験研究では、考案した新たな電源回路の試作、負荷応答特性や電力効率の実験的検証、実用化のための課題整理を行う。
1213 レーザープロセスによる自己組織化被膜の形成 甲藤 正人 宮崎大学 石川 正樹 宮崎大学 パルスレーザー堆積法は、ターゲットに高強度レーザーを照射することで、アブレーションと呼ばれる蒸散現象を誘起し、それにより蒸発したイオン、クラスター、原子等を対向に設置した基板上に堆積させることで被膜を生成する方法である。
本研究課題においては、ハイドロキシアパタイト膜のを成膜する際の条件として、ターゲット・レーザーのパラメータ、ならびに成膜を行う際の雰囲気を最適化することで、被膜が自己組織化し高品質な被膜を得る技術の確立とその物理的過程を明らかにする。
1222 光電界電離を用いる卓上型真空紫外レーザーの高性能化 窪寺 昌一 宮崎大学 武藤 弘之 宮崎大学 これまでに実用的なレーザー光源が存在していない真空紫外域において光電界電離法を用いることで応用に供することが可能な卓上型のレーザーをさらに高性能化することを目的としている.本提案では,利得媒質となる希ガス媒質中での非線形光学現象を用いることによりレーザー発振の尺度である利得の著しい向上を目指す.加えて真空紫外域において複数の波長でのレーザーの実現を目指す.
1228 高感度ホットスポット酸素センサの作製と評価 野地 英樹 都城工業高等専門学校 中原 義毅 鹿児島工業高等専門学校 本試験研究は、高信頼性および高汎用性を併せ持つ唯一の酸素センサとして、バイオテクノロジーなどの先端産業において実用化が期待されている、ホットスポット酸素センサ(HS酸素センサ)の実用化を目指した研究である。既存の作製方法ではセンサの溶断等により耐久性に劣り実用化されていなかった。本研究では、HS酸素センサの作動時間を延長する作製方法の確立を目的とした新規作製法開発を行うものである。

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 ソフトウェア:27件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
221 POCSアルゴリズムを用いたJPEG画像ファイルサイズの低減法 相川 直幸 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 本試験では、Wavelet 変換などとPOCS アルゴリズムを用いることにより、JPEGの画質の劣化を抑えファイルサイズを小さくする新しい方法を開発する。JPEGのファイルサイズを小さくするために、Wavelet変換などを用いて色や明るさが変化しないように高周波成分を除去する。高周波成分を除去された画像はぼやけが生じるため、それを補正するためにPOCSアルゴリズムを用い画質の向上を図る。
248 解剖学知見に基づく3次元人体モデルの直感的な操作インタフェースの開発 鈴木 健嗣 筑波大学 藤田 尚徳 筑波大学 本研究課題は,解剖学的見地に基づく詳細な人体モデルを,ユーザが直感的に操作可能とするシステムを構築する.既に開発済であるインターネット等の通信網を通じて3次元人体モデルを配信する技術に加え,カメラ画像からの実時間手形状認識技術,及びセンサデバイスの着用によるジェスチャ認識技術を有機的に結合することで,これまで2次元的であった医学教育教材や人体標本図面を3次元空間で提示されるだけでなく,ユーザが直感的に操作することを可能とする.
276 検索語の関連語を用いた分類型検索システムの開発 安川 美智子 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 本研究では、ユーザにより検索語と共に入力される関連語を検索クエリログから獲得し、関連語の一般性の高さを利用した文書分類を行うことで、検索語に適合する文書データを分かりやすく分類して提示することができる分類型情報検索システムを開発する。現在、携帯電話向け検索サービスと検索連動型の広告提示に対する需要が高まっていることから、本研究では、モバイル環境を想定した分類型情報検索システムを開発する。また、広告提示における提案技術の有効性を実験データに基づき検証する。
338 Webサーバ連携方式による大規模コンテンツ共有機構の構築と応用 田胡 和哉 東京工科大学 佐藤 亮 東京工科大学 複数Webサーバを連携し、双方向性のあるWebサービスを広域の利用者に安価に提供するためのシステム基盤の開発を行う。これは、広域データ共有機構とWebサービスミドルウェアから構成され、利用者はWebブラウザだけを用いて双方向性eLearning等のサービスを受けることが可能になる。海外を含む複数教育機関に対してサービス提供して実証試験を行うとともに、サービスビジネス実施の可能性について検証する。
341 Web学習用コンテンツを自動作成する講義収録システムの開発と評価 市村 哲 東京工科大学 辻 文代 東京工科大学 従来、教室で行われた講義を収録してWeb学習用コンテンツを作成するためには、講師や板書の映像を撮影するカメラマンや映像編集スタッフが必要であった。本提案システムは、講義の模様を1台のハイビジョンカメラにより無人撮影し、撮影映像から講師の部分を自動的に切り出してサイズの小さなストリーミング動画を作成すると共に、黒板領域を静止画アニメーションとして出力し、時々刻々と変化する板書内容と講師映像とを同期させたWBTコンテンツを自動作成するものである。講師や学習者が容易に使えるシステムを構築し、その効果を視線軌跡等から測定・分析する。
342 雑音・音楽融合型再生システムの開発 井上 亮文 東京工科大学 辻 文代 東京工科大学 携帯型音楽プレイヤの普及により、屋外での音楽聴取が増えた。しかし、音量の上げすぎによる聴覚への影響や、雑音の過度の遮断が原因の交通事故が多発している。そこで本課題では、人間の認知特性を利用して、音楽の再生速度を変更するだけで雑音の影響を感覚的に低減する手法の開発及び実用化を目指す。
345 CADデータ修復技術の開発 萩原 一郎 東京工業大学 松本 和也 東京工業大学 CADデータ欠損の修復問題はデジタル設計の最重要課題である。これまでもIGESやSTEPなどがCADデータの標準フォーマットとして提案されているが、必ずしも未だ十分な機能をしていない。そのためウエーブレット変換を前処理にして従来の画像修復技術を格段に向上させて特許化した画像修復システムにCADに必要な隣接間の連続性を付与する技術を開発し組み込むことにより、CAD修復システムへの拡張を図る。
422 特別支援教育における児童問題行動の動画を含む教育電子カルテ実用化研究 永森 正仁 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 特別支援教育においては,対象児童に直接関わる現場教員および遠隔地教育機関に在籍する障害児教育の専門研究者が協調し,指導およびその事例検討を継続的に行うことが必要である.本課題では児童問題行動およびその指導の動画記録が蓄積でき,児童支援者らが分散した視点から情報を共有,事例検討可能な教育電子カルテの構築を試みる.実際に教育現場でシステムを活用し,その実践から得られるフィードバックにより,運用を含めたシステムの実用化研究を行うことを目的とする.
436 Jw−CAD図面からの「配管種別使用量自動算出システム」 安井 直彦 富山県立大学 山田 惠宣 富山県立大学 建築配管業界は建築設計図を基にして給水管、給湯管、排水管、ガス管等の配管種類別に管サイズ、長さを求め、使用資材量を算出し見積を行っている。現在、これらの使用量の算出作業は手作業でデータを拾い出すことにより実施しており、負荷が極めて大きく、また個人差がある。本研究の目的は、現在広く使われているJw-CAD建築設計図に基づく「配管種別使用量自動算出システム」の開発である。
499 高操作性・高学習容易性を有する文字入力手法の開発と応用 郷 健太郎 山梨大学 鈴木 通夫 山梨ティー・エル・オー 本提案は、ゲーム用の2本のジョイスティックに五十音の行と列を割り当てて文字を入力することで、習熟、操作が容易な日本語入力方式を提供するものである。本手法は、左右の装置に「音」の縦横を割り当てるという点で、ジョイスティック以外への拡張や、多言語への適用など用途は広い。本検討では、実際のゲーム機で使用できる形にシステムの実装を行うとともに、被験者による定量化をおこない、有効性の検証を行う。
563 口コミ分析のモニタ調査活用によるハイブリッド型ブランド計測手法の開発 佐藤 哲也 静岡大学 藤田武男 静岡大学 本提案は、口コミメディアにおけるブランドに関する「評判」を解析、整理する技術、ならびに、整理されたデータから「モニタ調査」にて精査すべき事項を検討する技術である。これらを組み合わせることで口コミメディアの「即時性・自由度」とモニタ調査の「分析性・安定度」に代表される各長所を組み合わせた,ハイブリッド型ブランド計測手法の実現を目的としている。
576 複雑組織を有する編地の3次元モデリング及び変形予測手法の研究 太田 幸一 愛知県産業技術研究所 齊藤 秀夫 愛知県産業技術研究所 メッシュ編みなど複雑な編組織からなる編地について、最終製品形状加工時におけるしわや過度の緊張の発生を、糸の物性(引張、曲げ、圧縮挙動等)から編地を作らずコンピュータ上で予測する手法を開発する。編地を曲面形状に加工した時に発生する歪み量を予測するため、編地の3次元モデルを作成し、糸の物性と編地の編成条件から、最終製品の形状に加工した編地全体の歪み量を予測計算を行う。
606 WWW上の電子商取引のための自律的宣伝交渉ソフトウエアの開発と応用 伊藤 孝行 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 本研究では、ユーザーが広告を通して実際に売買が成立した場合にのみカウントする(Cost Per Engagement:EPC)という新しい広告配信課金メカニズムを実現する。今までの研究の成果を適用し、EPCを実現するために、広告自体をひとつの自律的に宣伝と交渉を行うソフトウェアモジュールとして実装する。すなわち、広告自体が、ある程度の推論機構を持つことで、顧客と直接商談を進める。
653 ノウハウ継承支援を目的とした自動演習システムの開発 桝井 文人 三重大学 三橋 一郎 三重大学 本研究では、自然言語処理の応用技術(データベース再利用技術および質問応答技術)を融合させることにより、演習問題の出題・採点を自動的に実施するノウハウ習得システムの実現を目指す。本研究は、工場やオフィスなど熟練知識やノウハウを必要とする職場において、新人や異動直後の人材に対して安全かつ効率的に知識やノウハウを習得させる人材育成支援を目的とする。本課題では、質問文生成および採点機構の構築・評価を行う。
675 文書間の類似性に基づく柔軟な情報検索システムの開発 小柳 滋 立命館大学 廣瀬 充重 立命館大学 電子文書の急激な拡大により、従来の検索技術では精度よく検索することが困難となっている。このため、単純なキーワードの一致ではなく、文書の内容全体の類似性を判断する柔軟な検索方法、及び検索結果をわかりやすく整理して提示する技術の必要性はますます高まっている。本提案は文書間の類似性を判断することにより関連する文書を階層的にクラスタ化し、クラスタ間の関連を視覚化することにより、検索結果を提示する技術を開発する。
679 消火活動の策定支援システムの開発とその応用 宇土 顕彦 龍谷大学 上條 栄治 龍谷大学 本研究は、配水管網の定常流解析に関して流出量の圧力依存性の扱いを可能にしたこれまでの成果をもとに、災害時の管網内の非日常的な流れを、開栓される消火栓の数、ポンプ車の能力・配置、ホース・ノズルの水理特性などから、総合的に解析し的確な消火活動を具体的に策定する支援システムの開発を目的とする。ポンプ車の到着までのホースを消火栓に直結した消火活動の検討や、神社・仏閣・文化財地区の放水銃を主体とする管網への応用も可能になる。
712 電磁粒子モデルを用いた高周波発生装置数値シミュレータの開発 臼井 英之 京都大学 永井 一弘 京都大学 本研究の目的は、高周波発生用電子管装置の設計・性能評価を効率よく行うため、装置内部の電子と電磁界の非線形相互作用を逐次解き進めることができる数値シミュレータを開発することである。具体的には、電子レンジやレーダーで用いられるマイクロ波発生装置を想定し、内部の陰極−陽極間における電子流と電磁界の相互作用による高周波自励発振を数値的に実現できるシミュレータを開発し、装置製作前に、仮想空間上でその設計と性能評価を行うことをめざす。
731 高効率なインシリコ薬物探索システムの研究開発 奥野 恭史 京都大学 竹田 英樹 先端医療振興財団 医薬品開発には、膨大な時間と費用を要し、成功確率は15,622分の1と見積もられている。従って、化合物ライブラリーからヒット化合物を見出すヒット確率を向上させることが、医薬品開発の効率化、低コスト化に必須であることを示している。本研究開発では、ドッキングシミュレーションに寄らない、高精度に活性化合物を予測する独自の計算ソフトを開発する。これにより、医薬品開発プロセスのボトルネックとなるシード・リード化合物の探索過程の劇的効率化を目指す。
813 リアルタイムシステムのためのフィードバック型リソース配分法の開発 潮 俊光 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 組込みシステムにおいて,過負荷状態になるとシステムの性能が急激な劣化する.これを避けるために,各タスクのプロセス利用率などのリソース使用量を動的に変更させて,各タスクの性能は多少劣化するがシステム全体としては致命的な状況を回避する手法を提案する.本手法では,現在の各タスクのサービス品質をモニターして,各タスクへのリソースの再配分を行う.本手法をミドルウェアとしてリアルタイムOS上に実装する.
833 頻度・鮮度の多面分析に基づく動向分析ツール 辻 洋 大阪府立大学 阿部 敏郎 科学技術振興機構 本研究は、個々の記事単独では把握できない動向を多数の記事から把握するためのソフトウェアを開発し試験する。そのため、記事に現れるキーワードの当初出現時・最新出現時など鮮度と、出現記事数・出現回数など頻度という軸を定義して、データウェアハウスの分析手法と共起リンク・ネット分析手法を併用する。これにより、キーワードが現れる栄枯盛衰(動向)を可視化することが可能となる。学会論文に見られる研究分野動向の分析、特許出願動向の分析など幅広く適用することが期待される。
874 図形アルファベット仮説に基づく画像検索・分類システムの開発 山口 一章 神戸大学 中井 哲男 神戸大学 画像の類似性の判断に関し,人間の感性を近似的に模倣するような類似性の判断尺度を開発し,実用化レベルまで発展させることを目的とする.具体的には,画像中の対象物の輪郭線を構成する図形を画像の類似性判別に用いる方法を実用レベルにまで高めること,並列化や近似計算などによる類似性計算の高速化,直感的で操作性の良いインターフェースの開発・性能評価などを行う.
879 位置情報付き画像類似度を用いたモバイル向け地域情報データベースの試作 鎌原 淳三 神戸大学 由雄 正保 神戸大学 位置座標付き画像の類似度に基づいて位置情報だけでは不可能な店舗特定を可能にする地域情報データベースシステムを構築する。本技術ではGPS内蔵カメラ付き携帯電話のようにメモリに制約がある場合でも最小限の通信でデータベースから店舗を特定し当該店舗の情報を得ることができる。本試験研究ではこのようなデータベースシステムに多くのデータを蓄積しモバイル用途における最適な検索半径が得られる条件について検討する。
903 広域屋内環境におけるユーザ位置高精度推定技術の開発と実用化実験 神原 誠之 奈良先端科学技術大学院大学 萩原 史朗 奈良先端科学技術大学院大学 本研究では、固有IDが識別可能な幾何パターンで作成したマーカを天井に敷き詰めるように配置し、それらをユーザが装着した上向きのカメラで撮影し、その映像からマーカを認識し広域屋内環境においてユーザの自己位置・姿勢推定を行う技術の開発および実用化に向けた実験を目的とする。このとき、半透明の再帰性反射材で作成したマーカを不可視マーカとして用い、カメラはユーザには不可視の赤外LEDで発した赤外光のみを撮影することで、景観を損ねることなくかつ低コストで広域環境におけるユーザの位置同定を実現する。
910 視覚言語を用いたラフスケッチにおける曲線の清書化システムの開発と応用 原田 利宣 和歌山大学 湯崎 真梨子 和歌山大学 本研究は,デザイナが描いたスケッチから,補正された曲線と同程度以上の美しい曲線を創成するシステムの開発を目的とする。具体的には,@デザイナが描いた重なった曲線をひとつの図として認識させ,その濃淡の中央線を求める。A求まった濃淡中央線を曲率単調曲線に分割し,それぞれの曲線の性質を分析し,視覚言語に置換する。Bそれら視覚言語を元の位置に再配置を行い,図面に利用可能な美しい曲線を得る。以上により,現状よりも効率よく美しい曲線を創成する。
920 シングルサインオン型ネットワーク認証システムの開発 原 元司 松江工業高等専門学校 糸原 保 島根県 本研究では,近年普及が進みつつあるネットワーク認証システムについて,シングルサインオン型のネットワーク認証システムを開発する.具体的には,既存OSの多くがサポートするKerberos認証に対応したゲートウェイ装置を構築し,OSにおける認証がネットワーク認証を兼ねるようなしくみを実現する.また,情報家電についてもKerberos認証が適用できるような拡張を行い,最終的には必要となるソフトウェアパッケージを作成する.
930 動的再構成技術を適用した並列パイプライン化処理による3次元グラフィックスの高速化 森下 賢幸 岡山県立大学 湯浅 光行 岡山県立大学 近年,3次元グラフィックスが医療機器・映像機器・ゲーム機等に広く利用されている。しかし、高精細・大画面では演算処理量が膨大になり、最新のCPUと処理ソフトをもってしても処理困難な状況にある。本研究は、動的再構成技術を適用し、ユーザが回路を設定できるField Programmable Gate Array(FPGA)を用いて小型で高速なGPU(グラフィックス専用プロセッサ)とそのソフトの開発の基礎の確立を目指す。
1092 色面サイズ増大にともなう色の見えの変化の予測と応用のためのアプローチ 篠森 敬三 高知工科大学 都築 俊夫 高知工科大学 物体のサイズの変化により、色が変わって見える現象が面積効果である。このため、サンプル小片などで色を選んでも、その色をそのまま床や壁の色にすると、完成時の色の印象は異なったものになる。しかし面積効果の計算予測ができなかったため、今までは、総当りの色変化一覧表等を作成するに留まり、あまり実用的ではなかった。そこで、本課題では、面積効果の原理に基づいた色の見えの予測式を確立し、その有効性を、特に応用利用の見地から検証する。

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 計測・分析技術:68件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
4 磁気的非破壊検査装置の実現に向けた磁気シールド技術開発 松本 和健 釧路工業高等専門学校 東藤 勇 苫小牧工業高等専門学校 従来より,非破壊検査や資源探査を応用目的とした超伝導センサを用いた微小磁場計測システムが提案されている。このような磁場計測システムは様々な場所で用いられるため,高感度磁場計測を実現するためのシールド技術には,十分な磁場除去性能を持つことともに,持ち運びが容易な構造であることも要求される。
本研究課題は,特に屋外への携帯が可能な構造で構成され,測定対象の特定周波数以外の周波数帯域で磁場除去できるシステムを開発することを目的とする。
17 微量試料の生体分子間相互作用を測定する表面プラズモンセンサーの開発 加野 裕 室蘭工業大学 朝日 秀定 室蘭工業大学 金属薄膜表面の局所領域(光の回折限界相当の領域)に励起される表面プラズモンを測定プローブに用いて金属表面の屈折率変化を測定することにより,局所領域で生じる生体分子の結合反応を検出するセンサーを開発する.
42 極微小ゲート集積化基板を用いた分子分別システムの構築 並河 英紀 北海道大学 佐藤 完二 科学技術振興機構 幅数十〜数百ナノメートル程度の極微小ゲートにおける化学ポテンシャル変調現象に基づいた高汎用性分子分別システムの構築を行なう。分離媒体として生体細胞膜を用いることで、膜タンパク、抗菌性ペプチド、環境ホルモンダイオキシン類などの生体関連物質の高選択抽出・分離技術の確立を目指す。さらに、微小ゲートにおける光誘起増強電場を利用した単一分子検出技術との融合により、分子分別検出システムへの拡張を試みる。
120 工業用鋳物部品の寸法自動計測システムの開発 横山 隆三 岩手大学 大島 修三 いわて産業振興センター 本課題の最終目標は、工業用鋳物部品の3次元形状データに横山の特許(特許3684217)を適用して寸法の自動計測をおこないその結果をCAD図面に取り込んで現物との差異を比較・判定する情報処理システムを確立することにある。本年度においては、典型的な形状を有している鋳物部品に関して、(1)3次元形状データを効果的に取得すること、(2)3次元形状データからエッジ形状のベクトルデータを抽出すること、の手法を確立して計測自動化にあたっての技術的問題を解決する。
144 PCサウンド入出力端子を用いた画像化装置の開発と応用 星宮 務 東北学院大学 吉村 洋 仙台市産業振興事業団 従来直流付近での特性が十分でなかったためにA/D変換器としては本格的な活用が行われていなかったパーソナルコンピュータ(PC)のサウンド入力端子を、励起源を変調する事によって信号周波数をオーディオ周波数帯域(20Hz-20kHz)にシフトして十分な性能を持つA/D変換器として活用する研究で、本方式による各種映像化装置を開発する。当面の販売マーケットとしては光学顕微鏡の画像化装置、等電位線画像化装置などの理科教育機器の商品化を目的とする。
166 オンチップ細胞応答計測システムの開発 新井 史人 東北大学 平泉 健 東北大学 細胞の未知特性の調査研究においては、細胞集団の不均一性に対して分析精度を高めるため、個々の細胞ごとに解析を行う実験系が必要である。本試験では、微細加工技術を利用して、内部に微小な流路網を有するバイオチップを製作し、個々の細胞の応答計測を効率的に行う卓上システムの開発を目指す。具体的には、バイオチップの製作、温度制御実験、細胞固定、分析実験、システムの改良を行なう。
194 プラズマ酸化処理と片面極薄成膜による高分解能磁気力顕微鏡探針の開発 齊藤 準 秋田大学 森川 茂弘 秋田大学 磁気力顕微鏡(MFM)の空間分解能向上に必須となる高分解能磁気力顕微鏡探針の開発を目的とし、市販探針(分解能:数十nm)を上回る10nm 以下の分解能を有するMFM探針の試作・評価を行う。本研究では、1)先鋭Si探針の表面にプラズマ酸化によりSiO2膜を均一形成させた後に、2)優れた磁石特性を有するFe Pt膜を探針片面に極薄形成させて熱処理を施すことで、生産性に優れた高分解能探針の実用化を目指す。
203 小動物対応ピンポイント電子スピン共鳴装置の開発 伊藤 智博 山形大学 浦山 隆 山形大学 本試験の目的は、小動物を対象として、特殊な磁場を発生するコイルをESR共振器と一体化した大型生体計測用電子スピン共鳴(ESR)装置を開発することである。具体的には、最適なコイルの設計、製作と評価である。ポイントは、コイルのインピーダンスなど種々のパラメーターを測定し、実際にコイルを駆動し、発熱・消費電力などを確認しながら最適なコイルを仕上げることである。
227 先進ナノ有機薄膜のための高感度力学特性計測技術の開発 金成 守康 茨城工業高等専門学校 城戸 隆行 ひたちなかテクノセンター 本研究の目的は、厚さ数百ナノメートルの有機半導体などの軟質先進ナノ有機薄膜の力学特性を、数ナノメートルの分解能で高感度かつ高精度に計測できる新規な圧子押込み硬さ試験機に関して、その計測技術を確立することである。期間内に、すでに開発した計測部を基に試験機を試作して、標準的なナノ有機半導体薄膜について押込み試験を行い、実用化のための測定精度を検証し計測技術に関するノウハウを蓄積することが目標である。
228 動的マイクロスペックルパターン干渉とマイクロ磁気探傷法による材料評価システムの開発 冨永 学 茨城工業高等専門学校 柏渕 泰彦 ひたちなかテクノセンター 材料の劣化や破壊のメカニズムは複雑で、その診断には今なお経験による所が大きい。近年、この課題を解決するために,数値および実験的なマルチスケール解析の構築が求められている。そのために、我々が開発した材料の変形状態が光の波長の精度で動的に観察できる動的スペックル干渉法を顕微鏡下での動的マイクロスペックル干渉法へと発展させると共に、磁気探傷法による材料評価との新たなハイブリッド法を構築する。
277 高圧力下における懸濁粒子の分散安定性測定装置の開発と解析法の確立 外山 吉治 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 懸濁粒子の分散安定性は化学工業や食品分野のみならず、血液に代表されるように臨床医学分野においても重要な課題である。懸濁粒子の分散安定性は温度や圧力などの外部因子によって大きな影響を受ける。本研究の目的は高圧力下における懸濁粒子の分散安定性をリアルタイムで測定できる装置を開発し、その解析方法を確立することである。特に、測定の妨げとなる懸濁粒子の沈降効果を排除し、集合体の形成過程を高感度で検知することを目指す。
303 高感度ミリ波レーダを用いた空港での3次元空間霧観測装置の小型化開発 鷹野 敏明 千葉大学 平 隆 臣 千葉大学 我々が独自に開発したFM-CW(周波数捜引)型ミリ波レーダ「FALCON-I」は、低出力にもかかわらず感度と分解能が高く、これまでのマイクロ波レーダでは検出が不可能であった薄い雲や霧の観測に適しており、また、従来のミリ波レーダと違い発振管を使っていないため耐久性と保守性に優れている。この開発経験を元に、空港などの局所的な3次元空間の霧観測装置に応用を目指し、小型化高精度化に向けた開発を行う。
307 非接触実時間液体流量計測を対象としたAE信号処理法に関する研究 中田 毅 東京電機大学 枝村 一弥 東京都 水や作動油などの液体を取り扱うプロセスや流体システムの製作・操業時はもとより,近年ますます重要視されているシステムの信頼・安全性評価のためには,簡易で安価な非接触実時間流量計測法の開発が緊急課題となっている.本課題では,パイプラインの外壁にAE(アコースティック・エミッション)センサを設置して,パイプライン中を流れる流体が発生するAE信号を検出し,非接触でパイプラインの液体流量を実時間計測する信号処理手法を開発する.
352 環境センシングへ向けた超高分解能・高確度な分光光度計/周波数計の開発 塩田 達俊 東京農工大学 島村 太郎 東京農工大学 大気汚染やCO2による温暖化、オゾンホール拡大などの環境変化が問題となる中で、スペクトル計測とレーザー光の周波数を同時に観測できる計測器の開発が望まれている。本課題ではこの要求に役立つ高分解能な分光光度計と絶対周波数確度が高い周波数計測器の2つの機能を併せ持つ光測定器を開発する。従来のスペクトル解析器や波長計に比べて1〜3桁以上の高精度で可搬性を持つ計測器を実現する。
384 半導体レーザ励起自己混合薄片固体レーザによる流体・微粒子計測装置の開発 大塚 建樹 東海大学 加藤 博光 東海大学 本課題は、半導体レーザ励起薄片固体レーザを用いた自己光混合変調効果を基本原理とする、非接触での流量・流速・粘度計測、流体に分散した粒子の運動・粒径分布解析などを迅速・精確に行える流体・微粒子解析装置の開発を目的する。本装置は、簡便な光学系・光検出器と電気系で構成されており、安価で汎用性の高いシステムが構築できる。流体・微粒子計測装置を試作し、流体計測・微粒子計測・粒子解析などの性能評価を実施する。
399 超広視野レーザ走査装置を用いた高精度キズ検出装置の試作 新田 勇 新潟大学 中津 普門 新潟大学 微細なキズの検査は目視またはCCDカメラによる方法が一般的である.CCDを用いる方法では,検出素子の画素数に限界があり,広い領域をカバーし,かつ高精度に観察することはできない.一方で,透明物体あるいは低反射率物体のキズ検出が求められている.CCDカメラなどの現状の技術でこれらの測定に対応するのは困難である.そこで,シュリンクフィッタ法に基づいたレーザ走査光学装置を用いることで,従来の技術では測定困難な物体に対しても,広範囲を高精度に検査できる装置を試作する.
414 多方向同時測定による精密ボールねじ軸の空間精度測定法の開発 岡田 学 長岡技術科学大学 吉原 英雄 にいがた産業創造機構 本研究は,高精度ボールねじ軸(C0〜C3級相当:JIS B 1192)の幾何精度測定を,自動的かつ高精度に連続的に行うものである.すなわち,軸方向の移動量誤差測定と半径方向の有効径変動測定を同時に行う装置の開発である.本研究では,螺旋形状のねじ溝の精度を幾何精度としてのねじ溝の「位置度」として評価する計測・評価システムの開発を行い,高精度ボールねじ軸を自動的に評価する測定装置の実用化を目指す.
425 耐環境型液体分析マイクロチップの実用化研究 河合 晃 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 本研究では、耐環境性の混合液体の分離・供給および液中微粒子の捕獲機能を有したマイクロチップの実用化を目指している。このデバイスを用いると携行タイプの口腔鼻腔内のバクテリア検査や血液検査などが可能となり、鳥インフルエンザや花粉症検査などの重要検査の迅速化に貢献する。また、このデバイスでは、分析だけでなく、伸縮性を活かして、傷口の乾燥防止・保護と薬剤の塗布にも有効である。既に基本となるマイクロチップの試作は終了し、本研究では、マイクロチップの動作信頼性と安定性の検証を行う。
441 タンパク質等の拡散係数を簡便かつ正確に測定する技術開発 宮部 寛志 富山大学 岩瀬 洋一 富山大学 生体機能の発現や生体情報の伝達には、生体関連物質の移動現象が深く関与している。このため、生体内における様々な動的挙動の速度論的解析や、その応用としてのドラッグデリバリ−システムの開発等が活発に研究されている。本研究では、このような生体内物質移動現象を研究する上で最も基本的かつ重要な物性値である拡散係数を簡便かつ正確に測定する技術を開発し、タンパク質等の高分子物質にも適用してその有用性を実証する。
443 高分解能走査型ミリ波サーモグラフィーの開発 莅戸 立夫 富山大学 岩瀬 洋一 富山大学 近年、医療、電子デバイス、材料評価等の様々な研究開発分野において測定技術のレベルアップが不可欠な状況の中で、物体の温度分布の計測をより高分解能で実施可能なシステムの開発が要望されている。本課題は、代表研究者等が開発を実施してきたミリ波帯走査型近接場顕微鏡技術を利用して、従来の赤外線サーモグラフィーよりも空間分解能及び温度分解能において遙かに上回る性能を実現する可能性を有する高分解能走査型ミリ波サーモグラフィーの開発を目指すものである。
468 PAH類を様態別に測定出来る装置の開発 早川 和一 金沢大学 常山 知広 金沢大学ティ・エル・オー 多環芳香族炭化水素(PAH)類は強い発がん性や内分泌かく乱性を有し,大気中では化合物の蒸気圧に依存してガス状/粒子状,また水中では溶解性/不溶解性と様々な存在様態を取る。PAH類は異なる存在様態に移り変わりながら環境中を循環していくが,様態の違いによって環境中の挙動は大きく異なることから,ヒトの健康に及ぼす影響を正確に把握するためには存在様態も含めて測定することが重要となる。そこで本研究では,大気及び水中のPAH類の存在様態別測定を可能にすることを最終目的とする。
474 有機ELデバイス用超精密評価・分析機器の開発 村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学 山本 外茂男 北陸先端科学技術大学院大学 有機EL 素子の耐久性は素子作成時および駆動時の雰囲気に極めて敏感であり、微量の酸素や水分の存在によって急速に劣化することが知られている。従って素子の本質的な劣化要因を特定するためには、外部因子を完全に排除した超高真空下で素子を作成し、同時に素子の劣化状況を評価・分析することが必要である。しかしながら、これらの仕様を満たす評価装置は現存しない。そこで本研究では超高真空中で作成した有機EL 素子を、そのままの環境で駆動させ耐久性評価を可能とする評価装置を開発し素子の劣化機構に関する知見を得る。
475 歪半導体カンチレバー応用次世代プローブカードの研究開発 山田 省二 北陸先端科学技術大学院大学 山本 外茂男 北陸先端科学技術大学院大学 代表研究者のオリジナルなアイデアである、化合物半導体歪み多層構造を応用した、1)超精細特殊形状カンチレバー(特願2006-262739)の作製技術を確立し、2)大規模集積回路(LSI)検査装置用次世代プローブカードへの応用開発を進め、それに基づくMEMS新市場形成を狙う。本試験研究では、1)の超微細(超柔軟、多機能)個別カンチレバーの作製技術確立を達成し、2)の超微細カンチレバー高集積化製品(プローブカード)開発へと発展させる。
483 簡易型オンラインパーティクルカウンタの開発 吉長 重樹 福井大学 奥野 信男 福井大学 シンプルかつ低コストで使用環境を選ばない光学系を用いて、粒度分布をオンラインで計測できるパーティクルカウンタを開発する。本技術は、μmレベルの微粒子を誰でも容易に計測でき、携帯が可能で振動・粉塵などの使用環境による影響を受けにくい特徴を持つ。パーティクルカウンタの用途を拡大し設置が困難な場所、例えば現場での機械の潤滑油管理や屋外での河川水などの粒子の粒度分布・汚染度を、リアルタイムで計測し管理できるシステムの構築を目指す。
500 シリンジを検出の場とする簡易蛍光光度計の開発と応用 鈴木 保任 山梨大学 鈴木 通夫 山梨ティー・エル・オー 本提案は、シリンジとファイバー蛍光光度計をカップリングさせることで、シリンジをそのまま分析セルとして使用できる簡便な分析装置に関わるものである。光源及び検出器とガラスシリンジを光ファイバーにより結合し、シリンジ内の溶液を直接測定できる、小型簡便な蛍光光度計の開発を目的とする。本計画では、バックグラウンド光による誤差を低減するため両者のカップリング法を検討しつつ試作を行い、その分析精度等の評価を行う。
519 ポリイミド超高感度湿度センサーを用いた防湿フィルムの透湿度性能評価 宮入 圭一 信州大学 藤井 國久 信州大学 本提案は、研究者が開発したフッ素含有ポリイミドが取り込んだ水分量に対し誘電率が直線的に変化することを利用した静電容量型湿度センサに関するものである。本材料は一般的なポリイミドと比較して応答性、直線性に優れており、薄膜化することで高感度化が可能である。本検討では、フィルムの薄膜化と周辺機器の安定化により、いっそうの高感度化をはかり、その特性検証として防湿フィルムの透湿性評価を行う。
582 MEED波動場を利用した表面吸着構造の解析法の開発 堀尾 吉已 大同工業大学 安田 匡一郎 中部科学技術センター 本課題は、中速電子回折(MEED)を利用した結晶表面の吸着原子の識別と吸着サイトの新しい解析法の確立と実用化を目指すものである。すなわちMEEDの入射電子線により形成される結晶試料表面近傍の波動場(入射電子密度分布)を利用するものであり、その波動場により励起される吸着原子からのオージェ電子強度を測定することにより吸着構造の解析を可能とする。吸着サイト上の波動場の計算強度と実験測定から得られるオージェ電子強度との相関関係を検証することにより本手法の確立を図る。
595 新たな寄生離散ウェーブレットによるリアルタイム異常診断システムの開発 章 忠 豊橋技術科学大学 村田 勝英 豊橋技術科学大学 飛行機や生産ラインなどでは高信頼性の初期異常診断が要求されている。しかし、故障の初期段階での異常現象は変動的で非定常性が強く、リアルタイムでの検出と診断は極めて困難である。本技術では、1)複数の変動的な異常信号を用いて複合マザーウェーブレットを構成する技術、2)世界初の革新的な寄生的離散ウェーブレット変換技術の2つの要素技術により、リアルタイムで高信頼性の初期異常診断システムの実現を目指す。
604 不均一場を利用する高性能分離カラムの開発 北川 慎也 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 現在、生体中のタンパク質や代謝物の時間的・空間的変化の網羅的解析が精力的に研究されている。これらの研究においては数多くの物質を分析するための分離分析技術が不可欠であり、その高性能化が強く求められている。本研究は、分離性能の向上のため、従来のカラムよりもピーク巾を小さくすることが可能である、不均一場を利用した新規液体クロマトグラフィー用カラムの開発を行う。
625 すす粒子赤熱法を利用した小型ディーゼル微粒子濃度計の開発 山本 和弘 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 ディーゼル排気ガス中のすす粒子は健康被害の一因となっていることから、その排出低減が強く望まれている。近年、ディーゼル車の排気ガス規制が次第に強化されており、走行車両の排ガスや微粒子の高精度測定は重要な課題となっている。従来の測定装置は大型で非常に高価であり、またデータを解析するのにかなりの時間が必要であった。そこで我々は、小型で安価なディーゼル微粒子濃度計の開発を行う。
629 定量測定可能な摩擦力顕微鏡用マイクロプローブの開発 福澤 健二 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 走査型プローブ顕微鏡の一種である摩擦力顕微鏡は、ナノメートル分解能で摩擦特性分布の可視化を可能とし、ナノ摩擦・摩耗・潤滑現象の解明、および複合材料の構成材料分布の可視化など、学術・産業両分野で広く用いられている。しかし、従来のカンチレバー形(矩形)プローブでは、構造上の問題から、摩擦特性の定量評価に必須な水平力(摩擦力)と鉛直力(荷重)の精密測定が原理的に困難であった。本研究では、二方向に独立変形可能な全く新規な構造のマイクロ・メカニカルプローブを開発し、定量測定可能な摩擦力顕微鏡を実現する。
637 腸内ガス分析に適した貴金属ナノ粒子機能薄膜の医療応用 八木 伸也 名古屋大学 近藤 良治 名古屋大学 世界的規模で深刻化している死亡理由の大腸ガンや直腸ガンの早期発見に関する研究は、非常に急務な課題である。しかしながら、その発見や検診については患者の肉体的かつ精神的な負担が非常に大きく、また自覚症状がほとんど見られない状態で進行するため、その適切な治療が手遅れになるという状況が多く存在する。本研究課題では、腸内に発生したガン患部から放出されているガス成分に注目し、非常に微量ではあるが、そのガス成分を特定してそのガス分子を効率よく検出するシステムの構築を行う。
645 近赤外分光法を用いた生ごみ堆肥の熟度判定 藤原 孝之 三重県科学技術振興センター 増田 峰知 三重県科学技術振興センター 作物の生育に悪影響を及ぼさない生ごみ堆肥を製造するには、発酵により生ごみに含まれる脂質を十分に減少させることが必要とされている。本研究においては、現地での栽培試験により脂質含量に基づく生ごみ堆肥の品質評価基準を設定し、一方で近赤外分光法による簡易かつ非破壊で実用的な脂質の測定方法を確立する。加えて、同法により水分および窒素含量も同時に測定し、ハンドリング性や肥料効果も同時に評価できる技術を構築する。
664 TEMトモグラフィー技術を用いたナノスケール・イメージベース力学解析手法の確立 高野 直樹 立命館大学 近藤 光行 立命館大学 X線CTによるマイクロメートルの分解能を持つイメージベース力学解析手法が確立され、多孔質材料や生体分野に普及しつつあるが、本研究では1ナノメートルの高分解能を持つTEMトモグラフィーに基づき、ナノ粒子分散型複合材料を対象としたモルフォロジー分析手法・数値モデリング手法・マルチスケール応力解析手法を確立する。
694 ディジタルホログラフィに基づく繊維状物体の3次元姿勢測定法 村田 滋 京都工芸繊維大学 行場 吉成 京都工芸繊維大学 本研究では、切削油中から除去される金属切削屑の3次元挙動計測や高速噴流中の微細な繊維が空間を変形しながら紡がれるプロセスの評価等への応用を目的とし、繊維状微小物体の姿勢変化を単眼ビデオカメラで3次元計測するディジタルホログラフィ技術を開発する。これまで球形状粒子群に対して開発されてきたディジタルホログラフィ計測法を、変形を伴う繊維状物体の姿勢評価ができる手法に拡張し、汎用性の高い計測アルゴリズムを構築する。
695 生物発光シグナルに基づく細胞内蓄積型レドック性有害金属イオンの時空計測 柄谷 肇 京都工芸繊維大学 行場 吉成 京都工芸繊維大学 生物発光能を付与した細胞膜トランスローケーション担体の構築、及び同担体による細胞内レドックス性有害金属イオンの時空センシングを目指す。具体的には生細胞に摂取或は吸収蓄積された有害金属イオンの計測法を確立することを目標として、生物発光関連融合タンパク質の調製;無毒性且つ細胞膜透過性を有するカーボンナノ粒子等への発光関連タンパク質の化学修飾;及び有害金属イオンのin situ 生物発光イメージングを目指す。さらにモデル細胞としての大腸菌、及び酵母に取込まれたsub-ppt〜ppbレベルの有害金属イオンの細胞内分布イメージング法と定量法の確立を目指す。
698 末梢血流の非定常低周波成分解析による覚醒状態定量化手法の研究 小山 恵美 京都工芸繊維大学 行場 吉成 京都工芸繊維大学 覚醒中の眠気のレベルを正確に計測することは、安全性を強く求められる業界の重要課題であり、産業界等における業務効率向上の面からも、同計測に対するニーズは高まりつつある。ところが従来の計測指標である脳波の波形解析法では、被計測者が静止していなければ計測が困難であることから、上記の計測したい場面での応用はできない。このため、本課題では、動いている被計測者においても計測が容易な末梢血流に着目し、その低周波成分を時系列解析する覚醒状態定量化手法を確立する。
707 液相レーザーアブレーション発光分光分析におけるスペクトルの安定化 作花 哲夫 京都大学 河島 俊一郎 科学技術振興機構 液中の固体表面のその場元素分析は、配管内部のモニタリング、海底探査などの分野で重要になる。われわれはパルスレーザー照射により液相中の試料表面をアブレーションし、放出種が液相中に形成するプルームからの発光を分光計測する方法(レーザーアブレーションプルーム分光法、LAPS)を提案している。現在、実用化に向けて重要な課題の一つに、パルスごとの発光スペクトルのばらつきの抑制がある。本研究課題では、スペクトルの安定化に向けて研究を展開する。
777 超高圧力媒体の開発 村田 惠三 大阪市立大学 三刀 基郷 大阪市立大学 数GPa領域の超高圧印加による物性変化の測定は、超伝導などの新規機能の探索の上で極めて重要である。精度のよい静水圧力の発生には室温で加圧中は液体であることが必須である。そのためには室温での固化圧力の高い媒体が希求される。又、電気抵抗などの測定の為、導電ペーストを溶融させない媒体である必要がある。本研究は、高い固化圧力を示す圧力伝達媒体の開発とその諸性質の媒体としての適正評価を目的とする。
779 高出力軟X線用酸化物多層膜結晶ミラーの開発に係る試験研究 熊谷 寛 大阪市立大学 三刀 基郷 大阪市立大学 代表研究者は軟X線顕微鏡のターゲット波長である所謂「水の窓」域(2.332nm-4.368nm)で極めて高反射率が期待できる、酸化物アモルファス多層膜構造の軟X線ミラーを既に開発してきたが、さらに最近になって、酸化物の中でもTiO/NiO多層膜構造を選択することで、50%を超える反射率が得られるばかりでなく、ヘテロエピタキシャル成長による結晶多層膜ミラーが開発できることを発案した。したがって本課題においてはTiO結晶、NiO結晶の原子層成長条件を調べ、その条件をもとに高出力軟X線用TiO/NiO多層膜結晶ミラーを設計、開発し、さらに評価を行うことを目標とする。
782 近赤外高次多光子顕微鏡開発のための試験研究 八ッ橋 知幸 大阪市立大学 三刀 基郷 大阪市立大学 近赤外フェムト秒レーザー光の高い物質透過性、高次の多光子過程により極微小空間に生成した励起分子からの蛍光、さらにはフェムト秒パルスの時間チャープを利用した新たな深度掃引方式を生かした高次多光子顕微鏡開発のための試験研究を行う。
811 パルス磁気顕微鏡による磁性・キラリティー評価法の開発 渡會 仁 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 現在、生体試料や微粒子試料の顕微可視化技術のための新原理が求められている。本課題は、顕微光学系において、微小なパルス磁石を用いて微量の不均一な微粒子試料や生体試料にパルス高磁場を印加し、試料に照射される偏光の磁気光学効果を画像として捉えることにより、試料の磁気イメージングと光学活性(キラル)イメージングを同時に行う方法を開発する。そして、細胞のキラル画像化、血球細胞磁性診断および皮膚タンパクの加齢診断などへの利用を検討する。
812 光コム生成テラヘルツ光ビートを用いた高分解・超高ダイナミックレンジ測距法の開発 横山 修子 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 本研究は、フェムト秒モード同期レーザから出力される『光周波数コム』のモード間に生じる、波長が数メートルであるMHz帯の光ビートを粗い物差しとし、波長が数100μmであるTHz(テラヘルツ:1012Hz)帯の光ビートを細かい物差しとする事で、数メートル以上の距離をサブμm以下の分解能で測定する超高ダイナミックレンジを持つ測距計を開発する。特にTHz帯光ビートの検出は現存の受光器では不可能である為、独自の『多周波ヘテロダイン相互相関検出』を行う。
814 超音波共鳴法を用いた超高精度低温弾性定数計測システムの確立 垂水 竜一 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 固体材料の弾性定数は、材料の持つ多くの機能や特性と相関を持ち、一度計測されれば恒久的に値の修正されない基礎物性値である。本課題では、現行の弾性定数計測手法の中でも最も測定精度の高い超音波共鳴法(3点支持型)を、独自に設計したHeガスを冷媒とする低温用クライオスタット内に組み込むことで、超音波共鳴法を用いた弾性定数の計測温度範囲を大幅に拡張する(室温〜5 K)。
827 参照光なしディジタルホログラフィ装置の開発 重井 宣行 大阪府立工業高等専門学校 松田 元伸 大阪府立大学 本課題では,空間上の物体を「参照光のない状態」で撮影し,物体の像をコンピュータで再生するディジタルホログラフィ装置を開発する.従来のディジタルホログラフィでは,レーザ光を二つに分け,物体光と参照光を干渉させて干渉縞を得るが,本課題では,参照光を使わず,物体光どうしを干渉させて干渉縞を得る.この干渉縞をイメージセンサで記録してコンピュータに取り込めば,回折計算プログラムによりピント合わせが自在に行え,物体の像がコンピュータ画面に表示される.
830 MEMS技術を用いた微小材料の熱物性測定デバイスの開発 宇野 真由美 大阪府立産業技術総合研究所 森田 均 大阪府立産業技術総合研究所 MEMS技術を用いて、数mm〜数100mm程度の微小試料の熱伝導率や比熱等の熱物性値を測定するためのデバイスを開発する。近年、基礎研究、産業応用の両面において非常に重要な意味をもつ新奇な有機材料や生体材料等が提案されているが、試料が微小であり熱物性値の測定が困難である。そこで本研究では、1)高断熱構造による熱測定MEMSデバイスの高性能化、2)実用化に向けた試料装着手法の開発、を行い、微小材料の熱物性値の精密測定が可能な新規MEMSデバイスを世界に先駆けて開発することを目標とする。
854 放射光及び第一原理計算を用いた局所構造解析技術の開発と実用材料への応用 梅咲 則正 高輝度光科学研究センター 武井 廣見 科学技術振興機構 エレクトロニクスデバイス材料などの機能性材料の多くはドーパントである微量添加物によって機能を発現させる場合が多いが、機能の発現に直接係るドーパントの局所構造は解明されていない。効率的な材料設計・開発を行うために、機能性発現のために添加されるドーパント材である微量元素の局所構造を電子・原子レベルで直接解明できる放射光X線吸収端近傍構造計測と第一原理構造シミュレーションを組み合わせた局所構造解析技術を産業応用に結びつく実用機能材料の材料設計・製品開発に資するシステム構築のためのフィジビリティースタディーを行う。
863 カンチレバーを用いた高感度テラヘルツ電子スピン共鳴技術の開発と応用 太田 仁 神戸大学 大内 権一郎 神戸大学 将来の発光素子として期待される有機金属EL素子や量子コンピューターへの応用が期待されるナノ磁石の評価など将来のナノ技術評価には,高感度のテラヘルツ(0.1-10THz)電子スピン共鳴(ESR)の開発が急務である。そこで,パルス磁場を用いたカンチレバーESRの観測という実績を背景に,高周波数,高感度化を本研究で進め,将来テーブルトップ型50TテラヘルツESRを実現するための基盤技術の創成を目指す。
865 タンパク質固定化ナノ粒子を用いた分子インプリントプロテインチップの開発 竹内 俊文 神戸大学 大内 権一郎 神戸大学 本研究では、タンパク質人工レセプター開発において有用な手法である「分子インプリンティング法」を用い、目的タンパク質に対して認識能を有するナノ粒子を合成して新しいタンパク質解析チップを開発することを目指す。
904 鏡面円筒鏡を用いた物体全周の三次元動形状計測システムの開発 眞鍋 佳嗣 奈良先端科学技術大学院大学 萩原 史朗 奈良先端科学技術大学院大学 近年、動作の計測やデジタルアーカイブ、教育コンテンツ作成などにおいて、三次元計測の需要が高まっている。本研究では、円筒鏡ならびに1〜2台のカメラを用いた、計測対象の全周の三次元形状および三次元的な動きを計測するシステムを開発する。本システムは、小型化、軽量化が可能で可搬性が高く、システム構成が単純なため実用化の可能性が高い。本研究においては、円筒鏡、カメラの光軸の較正方法および計測手法を確立し、実用化を目指す。
909 柔軟性基板・高信頼性個人認証用指紋検出技術の開発 幹 浩文 和歌山大学 湯崎 真梨子 和歌山大学 本研究では、センサー素子となる薄膜マイクロ発熱体を絶縁性・柔軟性に優れた樹脂基板上に高密度にアレイ搭載する。センサー素子の熱容量が極めて小さく、熱伝導が少ないため、高感度・高応答が実現でき、数mW入力電力で数μs時間に、素子温度上昇が数100度となる。研究目標は、曲面にも貼り付け可能な柔軟性、小型・高信頼性を特徴とする指紋センサーデバイス及び個人識別システムの創出を目指すことである。
911 応力測定用薄膜センサの開発 小野 勇一 鳥取大学 岡本 尚機 鳥取大学 金属薄膜に生ずる再結晶化現象を利用して,機械要素に発生する応力を検出できる測定法を開発する.すなわち,金属薄膜には繰返し応力を受けると成長粒子(再結晶粒)が発生するものもある.この成長粒子の密度や平均粒径は繰返し応力に依存するため,本研究では,これらの関係を調査して構成式を求める.この構成式を用いれば,任意の成長粒子の密度と平均粒径から,機械要素の局所的な領域に作用する繰返し応力が測定できる.
918 コウモリを模した高機能超音波センサシステムの研究開発 大北 正昭 鳥取大学 和田 肇 鳥取大学 超音波センサシステム(空中超音波距離計)は安価、小型といった特徴があり自動車の衝突防止等多くの分野に応用されている。しかし既存の超音波センサシステムは距離のみの測定に限定されていた。本研究は、コウモリが放射するような周波数可変の超音波を放射し、反射波を周波数解析することにより1度に目標の距離、移動速度及び表面形状等の多くの物体情報が測定可能である空中超音波センサシステムを提案する。
956 極低周波を用いた金属深部欠陥の検出と画像化の開発と応用 塚田 啓二 岡山大学 松浦 啓克 岡山大学 従来の非破壊検査では困難であった金属系積層構造物等の溶接部や深部の欠陥を検出でき,しかも広い範囲での検査結果を高速に画像化できる検査装置を開発する。広い範囲でしかも高速な検査を可能とするため,試料に対して平行な2成分と垂直成分の磁場のベクトルができるマルチセンサアレイプローブを完成させる。これにより,測定対象の欠陥による微小な誘導電流変化や透磁率変化を検知し,画像化することを可能とする。
973 大気中生体観察用電子顕微鏡の実用化研究 菅 博 広島国際大学 山崎 均 くれ産業振興センター 病気診断の為の細胞など生体検査の迅速化等のため、光学顕微鏡程度のサイズ、操作性で排気系を必要としない小型簡便な生体電子顕微鏡を開発する。これによる新しい検査技術の展開は、これまでに無い病気原因情報の取得の可能性をもたらすと共に診断期間を劇的に短縮させる。したがって、この顕微鏡は大小の病院医療機関を通じて世界的規模で広く普及するものと予想される。
981 オンサイトでの適用を可能にする各種水質評価モニターの開発 田中 一彦 広島大学 伊藤 勇喜 広島大学 水質評価にとって重要な陰イオン(硫酸,硝酸,亜硝酸,リン酸,塩化物,フッ化物イオン,ケイ酸,炭酸水素イオン等),陽イオン(ナトリウム,アンモニウム,カリウム,マグネシウム及びカルシウムイオン等),有機酸及び有機塩基等の迅速・簡便な同時分離計測を可能にする多機能分離機構を用いるイオン排除型イオンクロマトグラフィー(IC)の分離科学に関する基礎的研究成果を,既開発のオンサイト型イオンクロマトグラフに導入し,多種多様な水試料への適用を通じてオンサイト型水質モニターとしての有用性を実証し,実用化に繋げる
993 コプレーナ伝送線路を用いた超小型テラヘルツ分光分析ヘッドの開発 角屋 豊 広島大学 松井 亨景 広島大学 近年,テラヘルツ(THz)周波数帯の電磁波を用いた材料分析の研究が活発化しており,中でも禁止薬物やビタミン類がこの周波数帯で特徴的な吸収を持ち注目を集めている.本研究では,コプレーナ伝送線路技術を用い,これらの有機化学物質の分析に用いるための超小型THz分光分析ヘッドを開発することを目的とする.素子形状や使用部材の最適化等を行うことで,広範な種類の化学物質に対応できる3THz以上の周波数幅での計測を可能にし,実用化に向けた目処を得ることが目標である.
1034 表面プラズモン共鳴を用いた金属表面状態二次元評価装置の開発と応用 岩田 哲郎 徳島大学 大塩 誠二 徳島大学 薄膜およびバルク金属の正確な複素屈折率が高精度で導出可能な計測装置を開発する。提案装置では、Otto配置として知られている表面共鳴プラズモン測定光学系に独自のアイデアに基づく改良を施して、簡便に二次元計測が行えるようにする。このことによって光学系調整の困難さの問題も克服できる。また、金属表面に蒸着した誘電体薄膜の複素屈折率や膜厚も導出できる。装置の性能評価のための応用実験として、同一金属のバルク時と薄膜時の複素屈折率の直接比較と酸化チタン薄膜の光触媒機能の観察を行う。
1045 単一細胞分光トモグラフィの実用化に向けての評価研究 石丸 伊知郎 香川大学 田村 英樹 テクノネットワーク四国 本申請においては、NEDO助成により光学計測技術を確立した単一細胞分光トモグラフィの、産業化を目指した具体的な生体機能計測技術分野での評価研究を進める。NEDO助成に於いては、細胞の分光断層像計測の光学原理を確認することができた。そこで、ライフサイエンス分野に於ける市場性を明確にすることを目的に、各種生体機能評価へ適用実験を試みる。
1059 局在表面プラズモン増強による単一分子レーリー散乱分光装置の開発 伊藤 民武 産業技術総合研究所 細川 純 産業技術総合研究所 超高感度分子分光法として蛍光分光法が知られている。しかし、圧倒的に多い非蛍光性の分子には適用できない。吸収分光は全ての分子に適用できる。しかし、検出感度ははるかに低い。本研究では、吸収分光に代わる分光手法として、プラズモン共鳴による増強電場を用いた高感度分子レーリー散乱分光手法の開発を試みる。成功すれば蛍光性、非発光性関係なく全ての分子に適用可能な高感度分光手法となる。
1062 新規超高速共焦点光学系の開発 冨永 貴志 徳島文理大学 田村 英樹 テクノネットワーク四国 生命現象の様々な指標を光信号に変換、高い時空間精度で動画取得する手法は重要である。脳科学の分野では、神経細胞活動を膜電位感受性色素分子で光信号に変換して計測する手法が有力になってきている。精度良く個々の細胞の活動を記録するためには共焦点顕微鏡という空間精度の高い顕微鏡を高速で使用する必要がある。本研究では、既存の共焦点ユニットと超高速撮像装置をベースに、膜電位感受性色素撮像用の専用超高速低雑音共焦点光学系を構成する。
1077 クロロフィル蛍光計測法による潜在的生育不良苗診断システムの開発 高山 弘太郎 愛媛大学 田坂 謙介 愛媛大学 生育不良苗は病虫害等への耐性が低い。そのため、将来的に生育不良となる苗をできるだけ早期に発見し取り除くことが苗生産現場の喫緊の課題となっている。クロロフィル蛍光計測法は非破壊かつ非接触での光合成機能診断技術であり、これを用いることで将来的に生育不良となる(潜在的な生理機能障害を持つ)苗の診断が可能である。本研究では、診断プロトコルの最適化および多サンプル同時診断技術を確立し、苗生産の安定化や生産性向上を目指す。
1110 小型冷凍機を用いた物性実験のための極低温環境の構築 西岡 孝 高知大学 島崎 たどる 高知大学 絶対温度1K以下の環境を実現するためには高価な液体ヘリウムが普通である。本研究では市販4K冷凍機を改造することにより、1K以下の環境を容易に実現することをめざす。具体的には、冷凍機に4Kポット、1Kポット、ヘリウム3ポットおよびヘリウム3気体操作系を取り付け、1K以下の実現にはヘリウム3の蒸発潜熱を利用する。これにより、液体ヘリウムを使用せずに1K以下の極低温環境下でさまざまな物性実験が可能になる。
1177 グリコシダーゼ解析キットの開発 真木 俊英 長崎大学 梅津 照彦 長崎TLO 研究者らは、これまでに質量分析のための光開裂性イオン化標識剤を開発し、特許出願を行っている。本法では、マトリックスと呼ばれる反応基質が不要であるため、低分子を高感度に検出することができ、得られるマススペクトルの定量性も高い。本研究では、医薬・農薬・バイオマス分野で、効率的で質の高い解析法の開発が求められるグリコシダーゼに着目し、同標識剤を用いた迅速・簡便な「グリコシダーゼ解析キット」の開発を行う。
1190 超広帯域レーダを用いた高精度コンクリート診断システムの開発 西本 昌彦 熊本大学 草野 民三 くまもとテクノ産業財団 電磁波を用いてコンクリート等の構造物の内部の欠陥や腐食を高精度に検出・識別・診断するため、そのセンサ部として用いる1GHz010GHz帯の超短パルスを放射できる超広帯域アレイアンテナセンサを開発する。コンクリート内部ではギガヘルツ帯の波長は数ミリメートル程度になるため、アンテナの周波数特性や構造パラメータの最適化により、誤差数ミリ程度の診断が可能となるようなアンテナセンサの開発を目標とする。
1236 安全・安心のためのセキュリティキー入力システムの開発とその評価に関する研究 佐藤 公則 鹿児島大学 中村 恵造 鹿児島大学 現在、銀行ATMなどで暗証番号として、4桁の数字が多く利用されている。一方、カードの偽造や、暗証番号入力時の盗撮などの犯罪は、後を絶たないのが現状である。セキュリティ向上の面から、バイオメトリック情報(指紋、手の静脈模様など)に切り替えているケースも増えてきている。但し、バイオメトリック情報によるセキュリティキーは、安心ではあるが、その導入コストはかなりの高額となるため、安全・安心の観点から、新しいセキュリティキーの入力システムの開発・導入が求められている。一方、代表研究者が行ったアンケートでは、指紋や手の静脈などは、どうしても機器に接触しなければならないため、誰が触ったかわからない画像入力機器に触ることに嫌悪感を抱く人も少なくない。特に女性の多くから、非接触を望むアンケート結果を得た。そこで、本課題では、非接触型の新しいセキュリティキー入力システムを開発することとする。
1242 高感度金属蒸着光ファイバーSPRバイオセンサーシステムの開発 肥後 盛秀 鹿児島大学 中村 恵造 鹿児島大学 光ファイバーのコアに蒸着した各種金属薄膜における表面プラズモン共鳴(SPR)現象を用いる屈折率センサーシステムにおいて、その光源、受光部、解析プログラムを改良し測定システムの高感度化を行うと共に、センサーの金属表面における抗原抗体反応や特定のタンパク質や糖に対する選択性を付与することにより、診断や分析に利用できる高性能で多目的なバイオセンサーシステムとして実用化することを目的とする。(193字)
1248 沿岸流動鉛直構造計測のための多周波電波センサ技術の開発 藤井 智史 琉球大学 伊良部 忠男 琉球大学 人間の生活環境や産業活動に密着し高度な環境計測を必要とする沿岸域において、流動場の鉛直構造を計測可能にするための電波センサ開発を目的としている。従来、単一周波数で運用されている短波海洋レーダについて、複数風波数同時観測に拡張し、沿岸流動場の鉛直構造を面的連続的に観測する技術を開発する。現場観測との比較やシミュレーション実験により観測可能性を実証し精度評価を行う。

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 センサ:22件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
9 ポーラスアルミナ光干渉を用いたラベルフリー型DNAチップの開発 池上 真志樹 産業技術総合研究所 太田 英順 産業技術総合研究所 陽極酸化ポーラスアルミナを用いた光干渉型バイオセンサの開発を行う。本センサは、測定物質を直径約100nmの細孔内に導入し、細孔内の誘電率の変化を光干渉を利用して検出するものであり、蛍光物質などのラベルを付加する必要がない(ラベルフリー)特徴を持つ。本課題では、細孔径や深さなどに関するセンサの特性を明らかにし、測定時間の短縮を目指す。またDNAチップのような多種類DNAの同時検出技術を開発する。
21 対地、対物速度測定用マイクロ波レーダーの開発 田村 知久 十勝圏振興機構 大庭 潔 十勝圏振興機構 国内外で市販されているマイクロ波ドップラモジュールを応用した、安価で精度の高い対地、対物速度測定用マイクロ波レーダの実用化研究を目的とする。実用化のためには、複数対象物検出時の信号処理や不要反射波対策など、信号処理技術の確立が重要である。本研究では、農地での利用を前提とした信号処理技術の開発を実施する。また、開発した信号処理アルゴリズムを実装した試作品を製作する。
115 火炎検知用紫外線検出器の開発 遠藤 治之 岩手県工業技術センター 町田 俊一 岩手県工業技術センター ワイドバンドギャップ酸化物半導体であるZnOは、安全で無公害、安価といった特徴を持ち、更に可視光に対し透明で紫外線吸収率が高いことから、LED材料としてだけでなく、紫外線センサなどの受光デバイス材料としても期待されている。本研究開発では火炎検出を目指し、ZnO単結晶基板上へ多元スパッタ法によりMgZnO薄膜をエピタキシャル成長し、ショットキーフォトダイオード型紫外線検出器の開発を行なう。
145 MEMS対応赤外線吸収膜の開発と応用 木村 光照 東北学院大学 宮尾 俊三 仙台市産業振興事業団 従来の赤外線吸収膜は、MEMS(微小電気機械システム)製造工程に耐えず、更に経時変化の問題があり、ニクロム膜やSiNx膜も使用されているが吸収率が小さく(80%以下)、熱型赤外線センサの性能に直結する新しい赤外線吸収膜が求められていた。本開発研究は、赤外吸収膜の吸収メカニズムに基づき、本提案者の特許を実現するもので、赤外線波長と疎密傾斜型赤外線吸収膜の最適化とその実証を中心に、所望の赤外線波長帯で90%以上の吸収条件を確立する共に、赤外線センサに適用する。
196 標的抗原埋め込み自己組織化単分子膜を足場とする抗体産生細胞反応性の化学修飾電極の作製 秋葉 宇一 秋田大学 森川 茂弘 秋田大学 これまでの表面化学修飾技術をシーズとして、バイオセンシングデバイスに役立つ新しいセンシングインターフェースを創製する。具体的には、自己組織化単分子膜修飾電極上に抗体産生細胞を反応特異的に固定化することができる標的抗原埋め込み自己組織化単分子膜の作製を試験研究する。このような抗体産生細胞反応性の化学修飾電極を作製する技術の確立によって、新しいタイプのバイオセンサーを開発することが最終到達目標である。
241 ホウ素ナノ構造体を用いた原子力施設用臨界検出チップの開発 桐原 和大 産業技術総合研究所 名川 吉信 産業技術総合研究所 原子力施設での臨界事故の際、臨界発生の場所や規模を正確かつ迅速に把握することが出来る微小な半導体チップを、ホウ素ナノベルトを用いて開発する。中性子の吸収断面積の大きな同位体ホウ素10Bからなるナノベルトを実装したSi基板を作る。これに照射した熱中性子の積算照射量を、電気抵抗変化で簡便に、かつガンマ線の影響を無くして検出するデバイスである。本研究開発により、原子力エネルギー開発の安全面での支援が期待できる。
250 酵素分析のためのマイクロシステムの開発 鈴木 博章 筑波大学 藤田 尚徳 筑波大学 酵素活性あるいは酵素基質濃度を簡便に測定するための携帯型マイクロ分析システムの研究開発を推進する。凍結乾燥基質の使用等により、既に開発した消化酵素検査用システムの高性能化、実用化検討を進める他、コレステロール、中性脂肪等の新規検査項目を多項目同時に検出するためのマイクロシステムの開発を推進する。
340 バイオミメティックニオイセンサの開発と応用 三田地 成幸 東京工科大学 山岸 勉 東京工科大学 研究代表者らはβカロチンがガス分子と相互作用すると、電気伝導度が著しく増加することを応用し、人間の嗅覚器を模倣した(バイオミメティックな)、粘膜状のニオイセンサを新規に開発している。この課題では、作製した新規バイオミメティックニオイセンサ(BMOS)の検出濃度限界を各種の匂い成分(食用油の過熱によるミストも含む)に対し明らかにする。さらに、寿命試験も行い、家庭において火災に至る前のいわゆる焦げ臭い匂い段階でアラームを出す早期異常発見システムの実現を目指す。
389 高輝度LEDを使った局在プラズモンバイオセンシングチップ 梶川 浩太郎 東京工業大学 松下 近 東京工業大学 金ナノ構造に起因する局在プラズモン共鳴を使った多チャンネル局在プラズモンバイオチップの作成とその検出システムの開発を行う。局在プラズモン共鳴を用いれば、全反射減衰法を用いる必要がないため、安価で使い勝手がよい小型の検出装置化が可能となる。この手法は、簡単な装置で蛋白やDNA、抗原抗体反応などの生体由来分子を非標識で網羅的に解析できるという特徴がある。生化学分野だけでなく医療やセキュリティー分野での応用をめざす。
394 ポルフィリンのリン光を利用した色変化型光学酸素センサー 朝倉 則行 東京工業大学 林 ゆう子 東京工業大学 これまで、酸素分子による白金ポルフィリンのリン光の消光を利用した光学酸素センサーの研究が行われており、空気の流れ方を検知するなどに実際に利用されているものである。この方法では、酸素濃度に依存してリン光強度が変化するが、色は変化せず、酸素濃度の視覚的検知に適していない。本課題では、装置の小型化と低価格化を目指し、酸素濃度に依存して色が変化する酸素センサーを開発を行う。
434 MEMS技術を応用した磁気嵐式ガスレートジャイロセンサの研究開発 小幡 勤 富山県工業技術センター 谷野 克巳 富山県工業技術センター 本研究は、MEMS微細加工技術を応用して、小型で高精度でかつ新しい検出方式によるガスレートジャイロを開発するものである。通常、角速度を検出するためには、検出素子部を振動させるあるいは、ポンプでガス流を作りコリオリ力による流れ方向の変化を検出するなどの必要がある。本研究では、磁気嵐現象をセンシング機構に取り入れたガスレート式ジャイロセンサを研究開発する。
452 針状焦電センサを用いた新規な赤外線顕微鏡の開発 會澤 康治 金沢工業大学 角井 嘉美 金沢工業大学 赤外線顕微鏡は工学や生物分野で広く使われているが、ナノレベルの観察を行うためには分解能の向上が必要である。本研究では、強誘電体薄膜を探針先端に形成した焦電型センサを試作し、ナノ領域までの分布計測が可能な赤外線顕微鏡の開発を目指している。試作するセンサは、導電探針先端に形成された強誘電体薄膜を使っており、先端径程度(最小数十nm)に限定された領域の赤外線を高感度で検出できる。本課題では、金属探針先端に形成した強誘電体薄膜の焦電センサーとしての諸特性と、これを用いた生体試料等の赤外線測定まで視野に入れて研究を行う。
467 チップ磁気共鳴技術 北川 章夫 金沢大学 常山 知広 金沢大学ティ・エル・オー 電子スピンや核磁気の磁気共鳴測定は、材料科学、化学、生物学、医学などの学術的分野で広く用いられている。しかし、測定装置が大掛かりであり、民生・産業用途の開拓は進んでいない。本研究ではその小型化を目指し、シリコンチップ上に集積化された磁気共鳴センサを試作する。また、信号検出プローブをマイクロメートルまで縮小する実験を行い、生体内や各種製造装置内の微量物質測定や対象物質の局所的な分布測定に対応させる。
526 インダクション磁気センサを用いた非破壊検査システムの開発 田代 晋久 信州大学 坪井 開 長野県テクノ財団 本提案は、空芯コイルと簡単な電子回路を用い、環境ノイズや励磁用磁界をキャンセルする新しい設計法により、常温でSQUIDセンサ並の高感度を達成する磁気センサに関するものである。今回、本センサの性能にあわせて磁気特性の校正装置を製作し、実際にセンサを試作して校正・基本特性を測定して、設計性能に対する特性を評価する。さらに、実際に包装物内の異物検知を試みて、非破壊計測システムへの応用可能性を検討する。
682 フローセルを利用した重金属イオン微量分析法の開発 糟野 潤 龍谷大学 石原 英昭 龍谷大学 対流効果による重金属イオンの電極表面への高濃縮が期待できるフローセルを開発し、同セルと電気化学測定法を組み合わせて重金属イオンの迅速かつ高感度な検出を目指す。現場での迅速分析を考慮し、測定セルは有機溶媒や水銀電極といった有害物質を一切使わないもの、かつ微量のサンプルで測定できるように設計する。また、サンプル採取からサンプル溶液の測定セルへの導入までを1つのラインで行える装置を構築する。
686 キャリアドープによるGaN系希薄磁性半導体の磁性制御 園田 早紀 京都工芸繊維大学 河島 俊一郎 科学技術振興機構 磁性元素のマンガン(Mn)を数%添加した窒化ガリウム(GaMnN)は、結晶中に希薄に存在するMnの間をキャリアが動き回ることで強磁性(磁石)になる、「キャリア誘起強磁性半導体」である。半導体と磁石の性質を両方持つため、これまで別々に構成されてきた半導体デバイスと磁気デバイスを一つのデバイスに融合できる新しい材料として注目を集めている。本研究では、GaMnNにSiなど安定なドナーを添加して、強磁性を発現させ、実用的なデバイスの実現を目指す。
740 ロボットハンド搭載用高精度小型6軸力覚センサの開発と応用 小泉 孝之 同志社大学 永田 和彦 同志社大学 現在のロボットハンドでは、人の「手」の様に複雑な作業を器用に実行できない。そこで、ロボットの指先に配置可能な、垂直方向とせん断2軸方向の計測のみならず、各指の姿勢を同定するために不可欠な、3軸周りの回転自由度を加えた高精度小型6軸力覚センサを開発する。ロボットハンドの指先に配置可能なひずみ式小型3軸力覚センサは開発済である。この特徴的な構造を基に、回転3自由度を計測可能な機能を追加することによって、特に「薄く」小型な(目標:直径18mm、高さ5mm)6軸力覚センサをめざし、プロトタイプを開発する。
815 超高感度水晶バイオセンサの開発 荻 博次 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 生体分子間の親和性および特定たんぱく質の検出を高感度に行うための水晶振動子バイオセンサを開発し,その性能を従来の振動子バイオセンサと比較する.水晶振動子表面にたんぱく質を吸着させ,そのときの振動子の共振周波数の変化から,吸着たんぱく質の同定と定量を行うという原理である.電磁波駆動による無線・無電極計測により,従来問題となっていた配線と電極の存在による感度低下の影響を無くす.
958 分子性物質による高感度磁気センサーの研究・開発 花咲 徳亮 岡山大学 松浦 啓克 岡山大学 分子性物質からなる電子素子は、軽量性や柔軟性など無機物質にはない様々な利点がある。申請者は分子性物質での巨大磁気抵抗効果を、フタロシアニン分子系物質において発見した。この性質を高感度の分子性磁気抵抗素子に応用するために、磁気抵抗変化率の効率向上が不可欠である。そこで本研究では効率向上を目指した物質設計を行い、輸送特性等の物性を評価することで印加磁場に対する応答効率の向上を目指す。
1046 マイクロピラーアレイを有する微小液体クロマトグラフチップの開発 大平 文和 香川大学 十河 修二 香川大学 マイクロ・ナノ寸法の微細形状を形成出来る半導体プロセス技術を駆使して、微小な流路やその中にマイクロピラーアレイを形成し、このピラーアレイの作用により、様々な対象物の分離分析や、検出の高感度化を可能にする新しい微小分析チップを作製、評価する。特に本研究では、分析チップ流路内へのマイクロピラーアレイ形成法、およびこれにより小型化、高感度化等を可能とする新しいチップの実現を検証する。
1060 Development of a nanosensor for toxic materials ビジュ バスデバンピラィ 産業技術総合研究所 細川 純 産業技術総合研究所 本研究の目的は、(1) 三重構造、すなわち光エネルギー供与部、光エネルギー受容部、発光部を持つ新規ナノセンサーの開発と(2)生体組織内や生態環境中の毒性イオンの超高感度検出への適用である。この適用により高効率高安定でかつ自己報告機能を有した高感度毒物ナノセンサーが世界で初めて開発可能となる。このナノセンサーは高発光効率のQD と優れたイオン捕集分子を選択的に使用することにより開発可能となる。開発の結果、様々な環境で長期にわたる高感度毒性イオン分析が可能となる。
1147 コンパクトディスク型マイクロチップを用いる表面プラズモン共鳴センサの開発 今任 稔彦 九州大学 緒方 道子 九州大学 コンパクトディスク(CD)上に微細流路(マイクロチャネル)を形成し,ポンプやバルブなどの可動部なしにCDの回転による遠心力を利用して試薬及び試料をマイクロチャネル内に導入し,試料中の各成分をマイクロチャネル内壁に固定した種々のタンパク質との相互作用により分離した後,表面プラズモン共鳴現象(SPR)を利用して検出する,新規SPRバイオセンサを開発するものである。

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 光デバイス:19件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
23 生体材料を利用した高効率・低劣化特性を有する個体色素レーザの開発 川辺 豊 千歳科学技術大学 中島 博之 特定非営利活動法人ホトニクスワールドコンソーシアム 生体高分子DNAを有機色素の母体材料とすることで、色素の発光効率が上がり、かつ高濃度状態の薄膜でも光増幅が可能である。この効果を利用することにより、高効率でコンパクトな波長可変固体化色素レーザの実用化が可能になる。本研究では本材料を共振器中に適切に装着することによって薄膜色素レーザを実現し、さらに経時劣化を逓減する条件を確定することによって実用化を図ってゆく。
82 個人用ホログラム作製法の研究 原田 建治 北見工業大学 鞘師 守 北見工業大学 本研究では、機能性高分子材料に表面レリーフ型ホログラムを記録・複製することにより、従来のように複製に金属の鋳型を必要とせず、簡易かつ安価にホログラムを少量生産(数十枚から数百枚)できる技術を確立する。今年度は本技術実用化に向けたキー課題、@複製ホログラム作製時間の短縮、A耐久性の向上、B厚み低減、の解決技術を生み出す具体的検討を研究目標とする。
97 高性能液晶波長可変フィルタの開発 中野 茂 21あおもり産業総合支援センター 山口 紀久 21あおもり産業総合支援センター 画像分光解析の分野において、解析を行うにあたり小型、簡便かつ高精度な画像分光フィルタが強く要求されている。液晶波長可変フィルタは、画像情報を保持しながら電気的な制御で任意に透過波長を設定でき、短時間かつ高精度で抽出することが可能なことから画像分光解析用光学フィルタとして多分野での用途が期待されている。実用化にあたり最も要求されている透過率の向上、不要波長光遮断について着目し検討を行い、高透過率で、かつ不要波長光遮断を実現可能にする液晶波長可変フィルタの技術開発を行う。
142 赤外複合レーザ光用超耐久性無機膜内装中空ファイバの長尺化 岩井 克全 仙台電波工業高等専門学校 小野 堯之 宮城工業高等専門学校 各種医療分野で応用が期待されている複合赤外レーザ光(止血レーザ光、切開レーザ光)伝送に環状オレフィンポリマー(COP)内装銀中空ファイバを用いているが、伝送光電力が大きくなるとCOP膜の損傷克服が課題である。本研究では、この問題を解決するために、ポリシロキサン溶液を基とし、耐環境性、耐熱性、耐久性に優れた無機薄膜内装中空ファイバの製作を試み、医療装置に必要な長さ2〜2.5 m、伝送特性70 %程度のファイバの実現を目的とする。
150 中赤外アイセイフ固体レーザーの小型・軽量化 佐藤 篤 東北工業大学 野澤 壽一 東北工業大学 本試験では、波長2ミクロン帯で発振する数百mWオーダーの中赤外域固体レーザーの開発を行う。この波長領域のレーザーは、可視光や近赤外光に比べ目に対する安全性が非常に高いため、ハイパワー動作においても安全なレーザー計測が可能であり、各種気体分子などをターゲットとした大気環境計測や分光、より長波長の赤外光を発生させるための励起用光源などへの応用が期待できる。特に、製品化に向けた小型・軽量化を目指し、研究を進めていく。
163 高効率・精密加工性を有する「光ファイバーレーザー増幅器」の開発と応用 佐藤 俊一 東北大学 芝山 多香子 東北大学 レーザー加工は、自動車を代表とする機械や半導体・電子などの産業界で広く利用されているが、さらなる省エネルギー化や精密加工性が待望されている。 偏光が放射状に分布した新しいタイプの径偏光レーザーは、高効率性と精密加工性を兼備した、次世代加工用レーザー光源として期待されている。本課題は、ビーム品質の優れた径偏光レーザー光の光ファイバー増幅装置開発を行い、材料加工への実用性を実証する。
556 機械式冷凍機を用いた高感度テラヘルツ半導体検出器システムの開発と評価 廣本 宣久 静岡大学 斉藤 久男 静岡大学 本提案は、応用範囲の広いテラヘルツによる計測分野において、鍵となる高感度テラヘルツ検出器システムに関するものである。通常、低雑音、高感度を達成するため、冷却に使用される液体ヘリウムにかわって、機械式冷凍機を使用し、取り扱いを容易にする。本検討では、評価の基準となる標準テラヘルツ光源を新たに構築し、本方式で課題となる振動、雑音に対する評価を進め、室温背景における最高感度を達成することを目標とする。
561 光ファイバーを利用した表面張力測定プローブの開発 齋藤 隆之 静岡大学 藤田 武男 静岡大学 本提案は、液体と接触した光ファイバー先端にできるメニスカスの形成速度から表面張力を求めることを原理とする光計測による表面張力計の実用化に関する研究である。計測には、ファイバーと液体の濡れ性が誤差要因となることから、本検討ではファイバー形状、信号処理両面から濡れ性の除去を検討するとともに、装置の小型化、メーカー現場での評価を通じて問題点の抽出と改良を加え、小型軽量で、かつ、耐環境変動に優れたシステムの構築をめざす。
597 新規ZnOナノ構造体の開発とUVランダムレーザーへの応用 苗 蕾 ファインセラミックスセンター 岩間 紀男 名古屋工業大学 製造コストが安価で低閾値のUVランダムレーザー発振素子の実用化と応用開拓を目的に以下の研究を行う:“蒸気輸送法”を適用し、Si等の基板上に粗密のあるZnOナノロッド(直径約80-150nm、六方晶系、成長軸[001])群を形成、あるいはナノロッドの(010)面を互いに融合成長させることにより3Dのナノハニカム構造(壁の厚さ:80-100nm、壁の隙間(ホール)の直径:20-100nm、厚さ数百nm以上)層を得る。次に、これらのナノ構造体にNd・YAGレーザーの3倍波(355nm)を入射させ、360-400nm範囲のUV波長域で多重レーザー発振(ピーク値が高く、半値幅の狭い)を起こす閾値を評価し、低閾値を実現するナノ構造と作成条件を解明する。
635 複合酸化物中のエルビウムの配位数で整理した広帯域波長通信用光増幅器材料の開発 吉野 正人 名古屋大学 近藤 良治 名古屋大学 光ファイバ通信の通信容量の増大に対応するため、実用化している帯域以外での光増幅器の開発が期待されている。酸化物結晶中のエルビウムの発光を利用する提案がなされており、本課題では、これに関連して、複合酸化物中のエルビウムの配位数と増幅可能な波長域との関係に注目し、実用化にかなう性質を持った材料を開発することを目的としている。実用と同じ波長域の励起光によるフォトルミネッセンスのデータの蓄積を行い、実用化のための次のステップに繋がるデータベースを構築することを目標としている。
743 光パルス間位相の制御技術の開発とその超高速光時分割多重通信への応用 戸田 裕之 同志社大学 蔵野 慎介 同志社大学 本研究は、幅psオーダーの光パルス間位相を制御・安定化する技術を開発し、その超高速時分割多重通信への応用を図ることを目的とする。具体的には、例えば40GHz光クロックから、隣接光パルス間の位相を安定化させた160GHz光クロックを生成する4倍の逓倍回路を作成する。作成した逓倍回路や多重回路の特性を測定して、市販の光回路に対する優位性を明らかにする。
788 光機能性酸化膜の低温成長と発光デバイスへの応用 寺井 慶和 大阪大学 武井 廣見 科学技術振興機構 本研究では、発光機能を有する透明酸化物の低温成膜技術を開発し、フレキシブル基板上の新規発光デバイスの作製を目的とする。本研究では、炭素含有Si酸化膜を透明酸化物母体と位置づけ、高効率発光が得られる希土類元素を母体中に添加することで新規光機能性酸化物を創製する。希土類添加機能性酸化膜の作製は、これまでに開発したプラズマCVD法により60℃以下の低温一貫成長で行い、可視光領域のデバイスの作製を最終目標とする。
808 共振電極と分極反転構造を用いた高性能光SSB変調器の開発 村田 博司 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 高速光SSB変調器は、次世代のペタビット級光通信・光ファイバー無線や高分解能光計測におけるキーデバイスである。本研究課題は、代表研究者が提案している分極反転構造光SSB変調器に、新たに考案するバランス定在波共振電極と補正用電極を適用することで、その低電力駆動化と高消光比化を追究するものである。実際に、準ミリ波〜ミリ波帯で動作する小型高性能光SSB変調器を試作して動作実証実験を行い、その有用性を明らかにする。
925 半導体ナノ粒子を用いた高輝度エレクトロルミネッセンスパネルの開発 藤田 恭久 島根大学 北村 寿宏 島根大学 島根大学が特許出願している窒素ドープ酸化亜鉛(ZnO)等のナノ粒子を用いて低コストで大面積な高輝度エレクトロルミネッセンス(EL)パネルを開発することを目的とする.本研究では,ナノ粒子を工業的に利用できる生産性の良い方法で溶媒に高濃度に分散し,薄膜化する技術を探索し,これらを発光層としたエレクトロルミネッセンスパネルを試作する.更に,低電圧動作,寿命,効率等に関する課題を見出し,実用化への基礎を固める.
1011 超高速光スイッチング材料の開発 笠谷 和男 山口大学 大高 聰 山口大学 光通信などに必要とされる超高速全光スイッチの材料である三次非線形光学材料を有機化合物で開発する。本研究では、有機色素を含む薄膜を作製し、その光スイッチング効率と応答をフェムト秒レーザーを用いて評価することにより、実用に近い超高速で光スイッチング効率の高い、かつレーザー光による劣化の少ない材料を開発する。
1015 微小光共振器を用いた半導体量子ドットレーザーの開発 栗巣 普揮 山口大学 大城 和宣 山口ティー・エル・オー 情報通信機器や信号機などに実用されている半導体レーザーでは、素子のさらなる高効率化が望まれている。本研究では、「光遷移確率の増大が見込まれる光波長程度の寸法を持たせた微小光共振器」の光活性層に、「0次元の量子閉じ込めにより電子の状態密度の集中が発現する半導体量子ドット」を採用することで、レーザー発振が発現する半導体量子ドット微小光共振器を開発する。
1029 サブミクロン幅光配線技術の開発と応用 原口 雅宣 徳島大学 大塩 誠二 徳島大学 表面プラズモン(SPP)伝搬を利用したサブミクロン幅の光導波路について,1)低損失の急激な曲げ構造の開発,2)超小型波長選択フィルタの開発,を目的とする.そのため,SPPを伝搬させる金属ナノ1次元構造について数値解析により設計を行い,その一部を実際に作製し,光伝搬実験によりその特性を実証する.曲げ角90度程度の低挿入損失の作製しやすい曲げ構造と,面積で数平方マイクロメータ以下の超小型波長選択フィルタを実現する.
1053 半導体レーザー励起高強度テラヘルツフォトニック結晶光源の開発 鶴町 徳昭 香川大学 福井 次郎 香川大学 これまで未開拓領域といわれてきたTHz帯域(0.1〜10THz)が注目を集めるようになって久しい。近年のレーザー技術の進歩に伴い、この帯域における画期的な発生・検出法が開発され、THz分光が大きく進展した。しかし、フェムト秒パルスレーザーをベースとした現在市販されているTHz分光光度計はいまだ高価であるため、十分に普及しているとは言いがたい。また、現在のTHz光強度も不十分である。本申請においては半導体レーザー励起のTHz帯1次元フォトニック結晶構造を利用した新しい高強度高指向性THz光源および増幅器の開発を目指す。
1094 半導体レーザによるコンパクトな200nm領域波長可変深紫外線光源の開発 野中 弘二 高知工科大学 都築 俊夫 高知工科大学 電子部品のプロセスや水環境殺菌に用いられている200nm近傍の極短深紫外線の発生は、ランプなど面出力は大きいが集光や低波長品質のインコヒーレント光の大規模装置が主流である。今後の分子分光・細胞改質など顕微鏡と合わせたナノ計測・プロセスには、ねらったポットに集光が可能で波長可変・コヒーレンスでコンパクトな高品質光源が必用だ。代表者は安価でコンパクトな青色LDと光非線形現象による高品質・小スポットの深紫外発生を提案してきた。本研究でコンパクト性を維持しながら出力の実用レベルへの向上と波長の可変性の広帯域化を実現し、ナノ分光光源としての実用可能性を検証する。

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 プラズマ・放電:9件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
346 大気圧非平衡プラズマを用いた無触媒水素化プロセスの開発 関口 秀俊 東京工業大学 林 ゆう子 東京工業大学 本課題では、水素ラジカルを含有する大気圧非平衡プラズマジェットを様々な有機化合物に照射する無触媒水素化プロセスの実用化に資する知見の取得を目的とし、適用できる有機化合物の拡大と収率や選択率を向上させるための方策の検討を行う。この手法は、合成の経路の簡略化と触媒を使わないという革新的な化学プロセスの創出に結びつき、まさに次世代化学プロセスとして求められているシンプルグリーンケミストリーの概念にマッチする。
367 生体埋込型バイオセンサ製造のためのプラズマアクティベーション装置の開発 平田 孝道 武蔵工業大学 雨森 千恵子 神奈川科学技術アカデミー 本課題は、埋め込み型バイオセンサの測定部及び周辺部の化学修飾を行うためのプラズマイオン照射(プラズマアクティベーション)装置開発へ向けた実験、並びに生体適合性向上の検証を行なうものである.このプラズマアクティベーション装置は、バイオセンサ検出部への測定対象物の安定した固定化のみならず、センサ自体の生体適合性を向上させるための表面処理を行なうことが可能であるため、幅広い用途があるものと考えている。
444 次世代半導体へのイオン注入用パルス重イオンビーム発生技術の開発 伊藤 弘昭 富山大学 岩瀬 洋一 富山大学 次世代半導体材料である炭化ケイ素への新しいイオン注入技術を確立するためには高純度・大電流パルス重イオンビーム発生技術の開発が不可欠である。本課題では、ガスプラズマガンを用いたパルス重イオンビーム発生技術と開発したパルス電力技術を融合させることによって、高純度のイオンビーム発生を目標とし、炭化ケイ素デバイスの実用化に向けて、新しい高純度・大電流パルス重イオンビーム発生技術の開発を行うものである。
840 帯電ナノ液滴を用いた香辛料の防菌・防黴 足立 元明 大阪府立大学 松田 元伸 大阪府立大学 目標:香辛料の防菌・防黴は、現在、主に放射線照射や化学薬品蒸気による燻蒸により行われている。本研究では、放射線や大量の化学薬品を用いない新しい、香辛料の防菌・防黴技術の開発を目指す。
独創性:@放射線や化学薬品に代わり大きさが数〜十数nmの電荷を持つ液滴(帯電ナノ液滴)を用いる。
A高濃度の帯電ナノ液滴を、イオン誘発核生成現象を用いて合成する。
B液滴がもつ電荷に殺菌作用があるため、化学薬品を使う必要がなく、液滴として水が使える。
C水による殺菌であるため香辛料への薬品の残留がなく、さらに香辛料の生命である香りへの影響がない。
846 超長寿命フッ素樹脂電子ペーパ実現のための革新的プラズマ複合処理法の開発 大久保 雅章 大阪府立大学 巴月 康彦 大阪府立大学 電子ペーパ、有機ELディスプレイへの応用を主眼として、高機能性フッ素系樹脂のフィルムに対する接着性向上、積層化、めっき、蒸着、パターン描画を可能にする新規プラズマ複合表面処理技術を開発し、従来技術では製作が困難な超長寿命のフッ素樹脂フィルム製電子ペーパを実現する。具体的には、表面に大気圧非熱プラズマを照射し、直ちにモノマを気相または液相グラフト重合する複合処理で表面を処理し、高接着強度を有し水分や酸素に対しガスバリア性が高いフィルム材料を創製する。
885 ナノコンポジット材料の部分放電劣化機構の解明による超耐サージモータ巻線の創製 永田 正義 兵庫県立大学 元山 宗之 兵庫県立大学 近年、パワー半導体素子の高電圧化・高速化が進み、インバータサージと称される高電圧パルスが繰り返し多量に発生するため、モータ巻線の絶縁劣化、破壊が重大な問題として指摘されている。その対策として、通常の有機物絶縁皮膜層にナノスケールの無機粒子を混入させたナノコンポジット電線が開発されているが、その絶縁寿命の向上理由や絶縁劣化の機構についてはまだよく分かっていないのが現状である。本研究では、ナノコンポジット誘電体の諸特性が部分放電に与える影響を明らかにし、より優れた耐サージモータ巻線の開発の指針を探ると同時に、信頼性の高い絶縁劣化診断のための部分放電計測技術の開発を行う予定である。
976 高周波水中プラズマ技術の開発と応用 長沼 毅 広島大学 繁村 龍彦 くれ産業振興センター 大気圧プラズマの応用のひとつは水中プラズマであるが、水は誘電率が高いので水中プラズマの作成は困難である。これまで低誘電率の有機溶媒中で高電圧プラズマ(放電プラズマ)を発生させた例がある。最近では水中にバブル=気泡をつくり、そこで放電プラズマを発生させた例もある。しかし、本課題では、「水中高周波プラズマ」の安定化作成を目的とし、これによる水中の病原菌・ウイルスなどの殺滅に向けた実証データの取得を目標とする。
1123 粉体用大気圧プラズマ照射装置の開発 古賀 啓子 九州産業大学 藤本 敏樹 九州産業大学 誘電体バリア放電によりヘリウムと窒素混合ガス中で大気圧グロープラズマを発生させ、回転する同軸円筒の間隙にポリオレフィン(PO)粉末を入れ、備え付けられた羽根により撹拌し、粉末表面に均一に高効率にアミノ基を付与する同軸円筒型大気圧プラズマ照射装置を開発する。本装置の開発により、PO粉末への効率的なアミノ基の導入が可能となり、アミノ化POを用いた各種ポリマーとの高性能ブレンドを作成できるようになる。本装置は、高価な設備を必要としないため実用化がきわめて高く、PO粉末に限らずセラミック微粉末などへの適用も可能なことから、利用範囲は広く波及効果は大きい。
1185 洗浄廃液中のパルスレーザ生成プラズマによる有機物質処理 岡野 大祐 九州東海大学 石川 宗晴 科学技術振興機構 液晶表示装置、半導体および電子部品製造工場の洗浄廃液には微量ではあるが難分解性の有機物が含まれ、環境廃棄には問題とされている。本研究ではパルスYAG レーザを繰り返し発振させながら、処理空間を走査するとともに、微細気泡との併用で発生するプラズマ密度を高めて、難分解性の有機系有害化学物質を分解処理する手法を開発する。

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 振動・音響:7件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
294 強誘電エレクトレットを利用した超広帯域音響センサの開発 蔭山 健介 埼玉大学 望月 弘章 埼玉大学 分極方向が配向した強誘電セラミックスの表面電荷を除去することにより電場を発するエレクトレットとして利用し、エレクトレット化した強誘電セラミックスに高分子層と振動板を取り付けた音響センサを製作する。そして,受圧部の材質を検討することにより水中、空中、生体といった低音響インピーダンス媒体を伝播する音響の検出において、圧電センサよりも高感度・広帯域での検出が可能なセンサを開発する。
442 組込み式次世代型超臨場感音場再生システムの開発 広林 茂樹 富山大学 岩瀬 洋一 富山大学 現在、デジタルハイビジョン対応の薄型大型テレビなどに代表される映像再生装置は、地上デジタル放送の開始や機器の低価格化もあり急激に普及している。映像面では画面のサイズの大型化や、解像度の向上により高い臨場感が得られるが、音響面では再生音場の音響特性に影響を受け臨場感が低下する。本申請研究では電気音響的な信号処理技術により、超臨場感を得る制御装置を考案し、大型テレビなどに組み込み可能な音響再生システムを開発するものである。
594 音響インピーダンスを利用した画像化技術のための生理分子特徴化技術 吉田 祥子 豊橋技術科学大学 村田 勝英 豊橋技術科学大学 本課題は物理的な反射特性によって画像化される超音波像の中に、特定の機能分子や構造、がんなどを特徴化する技術、いわば「超音波像の染色」技術を提供するものである。本研究では@機能分子を特異認識する反応分子に金属を付加した分子プローブの作成、A分子プローブによる生体組織中のインピーダンス特異点の観察、を行い、超音波像中に機能分子分布を可視化することを目的とする。無侵襲測定という超音波顕微鏡の利点を生かし、有機化学、電子工学、生命科学の技術融合によって分子的情報の取得を可能にする。
747 シリコンコンサートホールの設計・開発 土屋 隆生 同志社大学 南 了太 同志社大学 コンサートホールの音響空間をリアルタイムでシミュレーションする場合、現在のスーパーコンピュータの数1000倍以上の計算能力が要求される。これを実現するためには、汎用コンピュータでは不可能ともいえ、専用のハードウェアが要求される。本研究では、ハードウェア化の容易なディジタルホイヘンスモデルに着目して、これをFPGA上に構築することでリアルタイムシミュレーションを行うシリコンコンサートホールの設計・開発を目指す。
968 振動除去型多段スパイク構造の開発と応用 西村 公伸 近畿大学 世良 俊邦 ひろしま産業振興機構 計測器などの振動対策は機器外から進入する振動の影響除去に主眼が置かれ、対象機器内で発生する振動の積積極的除去は考えられていなかった。本研究では、電源やモータなどに起因して発生する内部の振動を積極的に除去して雑音低減など精度の向上を図るため、多段スパイク構造を採用し、対象の筐体や振動発生箇所から効果的に振動を除去するための、多段スパイクの形状と材質を検討する。実験的には、映像機器や計測器など微弱信号を扱う装置での効果を検討する。
1187 波動光学的音検出法(レーザマイクロホン)の実用化開発研究 園田 義人 九州東海大学 末松 正典 科学技術振興機構 一般的な音の検出は振動膜による振動検出で行う。この方法では測定精度や高速応答に対して限界があるため、本研究では、波動光学的な方法により、音を直接検出する技術の開発を目指す。具体的には、レーザビームに入射した音波の光位相変調作用により発生した極微弱回折光を光学的フーリエ変換後、光検出器で電気信号に変換するが、本課題では測定する音圧や周波数の拡大やSN比向上のための総合的な技術を開発する。
1205 環境騒音の利用による材料の革新的音響特性測定システムの開発 大鶴 徹 大分大学 近藤 晋一 大分大学 本技術は、音源として自然界に存在する環境騒音並びに手軽に携帯可能な受音装置のみで、建築材料の吸音特性測定を実現する画期的な手法である。材料の背後構造や支持状態等まで含め、現場に設置されたままの状態、即ち“その場”での吸音(反射)特性を測定可能とする。建築分野ほか、騒音対策や音質改善を要する自動車、鉄道、電気、機械等の広範な産業界への適用が期待される。 本試験研究では、携帯型測定システムプロトタイプを設計・製作し、従来法(JIS、ISO)との比較で有効性を確認する。

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 応用物理:12件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
15 強相関アモルファスCe合金の熱弾性・熱電特性の発掘と改善 村山 茂幸 室蘭工業大学 朝日 秀定 室蘭工業大学 強相関4f希土類化合物は、重い電子、スピン密度波(SDW)、非フェルミ液体、エグゾティック超伝導など、様々な磁性と電気伝導が観測されるとともに、巨大な熱膨張や熱電変換特性などの熱弾性・熱電性も出現する。本研究において、強相関アモルファスCe合金を作製して、熱膨張、比熱、磁化率、および電気抵抗測定から、構造不規則4f電子系における強相関電子状態および超伝導状態の発現機構を明らかにするとともに、実用化に向けた熱弾性・熱電特性の発掘・改善を行う。
52 強磁性ナノエッジ接合を用いた高感度磁気センシングの実用化研究 海住 英生 北海道大学 蛸島 武広 科学技術振興機構 巻き取り式超真空蒸着装置を用いて強磁性ナノエッジ接合を作製し、その磁気抵抗効果を調べることにより、次世代の高感度磁気センサーへの応用可能性について探求する。
347 有機金属分解法を用いた磁気イメージング用高性能磁気転写膜の開発 石橋 隆幸 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 磁気転写を用いた磁気イメージング技術は、空間分解能、計測速度、磁気感度、定量性など高い性能を安価に実現できる技術として注目されている。その技術を実用化し、一般に広く普及させるためには高性能な磁気転写膜が必要である。本課題では成膜方法として、組成制御が容易で均一な成膜が可能な有機金属分解法を用いて、偏光顕微鏡観察下において高い空間分解能を有する高性能な磁気転写用ガーネット膜の開発を行う。
403 ペンシル型強磁場超伝導バルク磁石に関する開発研究 岡 徹雄 新潟大学 中津 普門 新潟大学 手で簡単に持ち運ぶことができ、細い磁極の先端に希土類磁石をはるかに超える強磁場を発生する。小径筒状の磁極に数Tの磁場を発生する高温超伝導バルク体を断熱して収納し、小型冷凍機で極低温に冷却したのちに、静磁場またはパルス磁場で着磁する。応用として、小型モータ回転子の多極励磁、ドラッグデリバリーシステムの薬剤の血管内誘導、半導体製造プロセスでの減圧プラズマの密度向上などが考えられる。
560 0.1アトリットルを滴下する超微小液滴塗布装置の滴下量安定化制御法の開発 岩田 太 静岡大学 藤田 武男 静岡大学 本提案は、開口径がナノメートルオーダーのピペットと対象物の間に電界を印加することで開口部からサブアトリットルオーダで内容物を塗布・堆積させることができるプローブシステムに関するものである。本計画では、安定かつ継続した滴下を可能とし、かつ、滴下量も制御することを目的に印加電圧パターンの検討、液体ならびに対象面性情との関連に関するデータ蓄積による条件最適化、その成果を活用した新システムの製作と評価を行う。
602 細胞操作用導電性ナノバイオ探針の開発 種村 眞幸 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 安全で確実な細胞操作技術の確立は、再生医療等の分野で今後益々その重要度を増す。その発展の鍵を握るものの一つが、ナノサイズの探針である。本研究では、独自の「イオン照射誘起カーボンナノファイバー(CNF)室温合成技術」を基に、複数配列された市販走査プローブ顕微鏡カンチレバー群の各先端に「導電性、機械的特性、サイズ、成長方向の制御された長時間の細胞操作用CNF探針」を一括生産するための基本技術を開発する。
632 金属ナノ粒子複合化による高機能光材料の開発と応用 中村 新男 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 金属ナノ粒子は表面プラズモンによる光電場の増強効果によって特異な光学応答を示す。一方、一次元の構造と電子状態をもつカーボンナノチューブは光通信波長域において鋭い光学応答を示す。本研究は、金ナノプリズム、ロッドとカーボンナノチューブの複合化によって光学特性の増強を図ることを目的とする。両者を複合化した配向膜を作製する技術を開発し、光通信波長を含む近赤外光領域における直線偏光特性(2色性)と過飽和吸収特性の増強、および光強度に対する耐性向上を目指す。
636 ナノスケール接合技術の開発と応用 安坂 幸師 名古屋大学 近藤 良治 名古屋大学 近年、サブナノメートルサイズ構造を有する新規機能性材料のデバイス開発が精力的に行われている。このような極微細なデバイスを製造する場合、サブナノメートルサイズ領域を高精度で接合する技術が必要になる。そこで本研究では、カーボンナノチューブを用いて金属をサブナノメートルサイズ領域に輸送して固定する技術、すなわち、ナノスケール接合技術を開発する。
746 異極像結晶の熱励起によるX線源の開発と応用 吉門 進三 同志社大学 中尾 敦信 同志社大学 低圧気体中で分極方向を一方向にそろえたLiNbO3等の異極像単結晶の温度を変化させることによって高電圧源を必要とせずにX線の発生が可能であり、全体的に小型化が可能である。本研究は、高真空下においても気体封入の場合と同程度か1桁以上のX線強度を安定して得ること、封入ガス圧の変化による発生X線強度の減衰を改善すること。さらにそれらの成果を基にした実用化製品のプロトタイプの試作を目的および目標とする。
778 高輝度発光材料を用いた高効率な短波長光変換薄膜素子の開発 鐘本 勝一 大阪市立大学 三刀 基郷 大阪市立大学 高輝度発光材料を用いた、光の高エネルギー(短波長)側への高効率な変換素子の開発を目指す。従来は、光の短波長変換は非線形光学効果を用いたものに限られてきたが、本課題は線形で作用する発光を利用するため、それに比して100-1000倍以上高効率な変換が期待できる。実験室レベルでは既に高い効率での変換を確認しており、薄膜化を経ることで応用性が見込まれるほか、光の指向性を上げることで実用性がさらに高まる。変換効率の定量的評価を経て、試料及び素子部の構造を実用化に向けて最適化することを本課題の目標とする。
790 有機半導体単結晶を用いた分子検出デバイスの開発 竹谷 純一 大阪大学 武井 廣見 科学技術振興機構 これまでに独自に開発してきた高性能有機単結晶トランジスタ技術にもとづいて、気体分子や生体関連分子を選択的に高感度検出するガスセンサーやバイオセンサーを開発する。有機単結晶表面に吸着したわずかな量の極性分子が、トランジスタ特性に甚大な変化を及ぼす現象を利用して、1)高感度分子検出の機構解明と素子構造最適化、2)分子の高選択性を得るための分子膜を組み合わせる手法の開発と評価を行う。
1023 情報表示のセキュリティを確保するランダム偏光フィルタの開発 山本 裕紹 徳島大学 辻本 和敬 テクノネットワーク四国 情報の保護に暗号化が用いられている.しかし,従来の暗号化は情報を表示する際のセキュリティを確保できない.本研究は表示情報のセキュリティ確保技術(以下,セキュアディスプレイと表記)を開発するものである.本研究の目的は偏光フィルタを用いた視覚復号型暗号を,実用上を考慮した制約条件の下で構築し,復号法を明らかにすることである.セキュアディスプレイにより,映像信号の暗号化と視域の限定が同時に実現される.

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 機械装置:41件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
20 熱潤滑挙動とトライボ設計を考慮した環境負荷低減型液圧ポンプの開発 風間 俊治 室蘭工業大学 花岡 裕 室蘭テクノセンター 液圧ポンプは,高動力密度,高応答性を有するフルードパワー(液圧)システムの要である.その信頼性や効率は,摺動部のトライボロジー(潤滑,摩擦,摩耗)で決まる.本課題は,液圧工学とトライボロジーの科学と技術を礎として,信頼性や環境適合性の高付加価値を指向する機器要素開発研究である.特に,各摺動部の熱潤滑挙動に焦点を当て,そのトライボロジー特性を把握する.
22 枝豆自動莢剥き機の開発 佐賀 良市 十勝圏振興機構 大庭 潔 十勝圏振興機構 莢を剥いた豆のみに着目する食品メーカーは多々あり、現場での莢剥きには他の使用目的である既存の機械を改良したり、人手によって剥かれたりしている。
そこで本課題では、食品加工工場において生産ラインに組み込むことが可能なクラスの莢剥き機械の開発を行うものである。大量の処理能力が必要とされることから、課題は莢剥きから豆の排出までに至る機構部分である。
180 粒子分散型機能性流体による電界ブレードを用いた微細加工技術の開発と応用 赤上 陽一 秋田県産業技術総合研究センター 佐藤 明 秋田県 安価・簡便、高い信頼性の遺伝子解析機器の創出のため、マイクロ流路を容易に創製する加工技術の確立に向けた低環境負荷下における微細加工技術を開発する。現在までに、砥粒を分散させた機能性流体に電界を印加しその増粘効果を用いた、いわゆる電界砥粒制御技術を開発しており、この技術を微細流路加工に用いることで、半導体技術に依存せずに容易に数μm〜数十μm幅を有するマイクロ流路の形成方法を開発する。
209 EHDポンプ駆動による細管内振動熱輸送システムの開発 鹿野 一郎 山形大学 西岡 昭博 山形大学 本課題は,局所発熱体である電気デバイスの冷却を目的として、さらなる微細化、省電力化、低コスト化を実現できる省スペース液体冷却システムを開発する。具体的には、液体振動流(振幅1〜50mm,振動数1〜5Hz)を発生させるEHDマイクロポンプの開発、EHDマイクロポンプを液体振動源とした熱輸送システムの開発、液体振動流による熱輸送量を最大にする最適周波数の特定を行なう。
219 超臨界二酸化炭素を利用した有機固体混合物の自動分離装置の開発 加藤 昌弘 日本大学 松岡 義人 日本大学 本試験では,超臨界流体の逆行析出現象を利用し,特に医薬品や機能性材料など固体混合物を自動分離することが出来る省エネ性に優れた装置を開発することを目的とする。具体的には,超臨界流体として二酸化炭素を用い,循環ポンプを使用せず,装置内の温度勾配を利用した自然対流循環によるコンパクトな分離装置の開発と固体混合物の特性に応じた分離条件の検討を行う。
222 液晶用拡散反射板の微細表面形状加工のための振動切削装置の開発 小野 裕道 福島県ハイテクプラザ 大河原 薫 福島県ハイテクプラザ 屋内外で使用される携帯電話等の小型液晶パネルに組み込まれる拡散反射板は,屋外での輝度向上のため大きさ数十μm の凹球面を不均等間隔に配した表面形状(ディンプル形状)が有効である.本研究では母型(金型)に上記ディンプル形状を高速かつ安定して加工するための振動切削装置を開発し,振動と駆動部発熱の評価を行う.また,拡散反射板母型の加工実験を行う.
223 マイクロインサート成形用金型の精密位置決め機構の開発 安齋 弘樹 福島県ハイテクプラザ 大河原 薫 福島県ハイテクプラザ 現在、インサート成形はインサート品の位置決めと保持が容易な縦型成形機で行われるのが一般的であるが、樹脂量を高精度に制御すること難しいため、微小部品の成形には向かない。一方、微小な成形に特化したマイクロ成形機は横型成形機が主流であるため、インサート品の高精度な位置決めが難しいのが現状である。本研究では、微小部品をインサート成形により作製する際の、インサート品の固定方法およびインサート品とプラスチック壁部の精密位置合わせ機構を開発することを目的とする。これにより、電極付マイクロ細胞培養チップや微細電子部品をインサート成形により作製することが可能となる。
256 だるま落とし保護法を用いた糖鎖自動合成機の開発 今場 司朗 農業・食品産業技術総合研究機構 小林 秀行 農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能の解明と活用のためには、第3の生命鎖と呼ばれる糖鎖の機能解明が必須である。しかし現在においても、DNA自動合成機、ペプチド自動合成機は存在するが、満足のいく糖鎖自動合成機は存在しない。そこで、本提案では申請者が独自に開発した糖鎖合成手法である「だるま落とし保護法」に最適化した、市販化を見据えた廉価な糖鎖自動合成機の基本システムの構築を目指す。
266 河川水門制御用油圧シリンダの容積可変機構の開発 桜井 康雄 足利工業大学 枝村 一弥 東京都 河川水量調整用の用水路水門開閉用油圧システムにおいて、油圧シリンダに作動油を封入し水門の位置を保持する際、作動油の外気温依存による油圧シリンダ内の圧力変化が生じ、水門の位置を保持するために油圧源を駆動し弁制御により油圧シリンダ内の圧力を制御しているのが現状である。本研究ではシステムコストの低減ならびに省エネルギーの観点から、油圧シリンダ容積を可変としたシリンダ内圧力一定機構の開発を目指している。
293 表面機能を発現するレーザ微細加工装置の開発と機能製品の試作 池野 順一 埼玉大学 望月 弘章 埼玉大学 光学機能を発揮するためにディスプレイ表面には微細加工が施されている。この加工は職人技を必要とするブラスト加工であり,職人の減少によりこれまでの性能が維持できなくなることが危惧されている。しかも,機能を発揮する微細凹凸形状については未だ解明されていない。そこで表面機能を低調的に解明し,レーザ微細加工装置を試作して,より優れた表面機能を低コストで安定して実現できる新加工技術の確立を目指す。
316 ナノチューブの配向制御と電極化を目的とした光硬化樹脂の伸張流生成装置 水沼 博 首都大学東京 川原 正言 首都大学東京 ナノチューブのような棒状粒子を粘性液体に分散させて伸張させるとその粒子は伸張の方向に配向する。応募課題はこの原理を応用するものであり、1.ナノチューブを分散させた極微量の光硬化樹脂液を平板間に挟んで伸張させたり糸引き状に吐出させたりしてナノチューブを配向させ、2.紫外光で樹脂を硬化させ、3.伸張した樹脂端面に垂直に配向したナノチューブを露出させる、新規技術の開発とその基礎研究である。カーボンナノチューブの応用として期待される薄型ディスプレイなどの電子源を、通常の室内環境で容易に製造することを目的としている。
377 真空中での利用を目的とした安定化ERGの開発 柿沼 康弘 慶應義塾大学 二見 精彦 慶應義塾大学 開発した電気粘性ゲル(Electro-rheological Gel, ERG)は,これに電界を印加するとERG効果と呼ばれる粘着現象が生じる機能性材料である.これまでの研究で,大気圧においてERG効果が発現することは確認しているが,真空下での効果発現は確認されていない.真空下でもERG効果が発現すれば,真空中で利用される様々な力伝達機器への応用が可能となる.そこで,本研究課題では真空中におけるERGの特性を解析し,真空中で安定してERG効果が発現するERGの開発を目指す.
379 枚葉式スピン洗浄装置用完全純水駆動ウォータドライブスピンテーブルの開発 中尾 陽一 神奈川大学 雨森 千恵子 神奈川科学技術アカデミー ウォータドライブスピンテーブルは,回転テーブルが純水の圧力によって浮上するため,テーブルとケーシングは完全非接触となる.しかも,本装置は,純水のエネルギーを利用してテーブルを回転させる構造を有するため,電動機や伝導要素が不要である.ウォータドライブスピンテーブルの主たる用途は,特に,線幅45 nm以下のシリコンウエハーの洗浄に必要不可欠と考えられている,枚葉式スピン洗浄装置用スピンテーブルである.
383 2倍の切断加工速度を実現するラジアル偏光レーザー光共振器の試作と評価 遠藤 雅守 東海大学 加藤 博光 東海大学 従来の加工用レーザーに比べ約2倍の高速切断が可能なラジアル偏光を発生する共振器を試作、ラジアル偏光ビーム発生の実証とレーザー加工性能を確認する。光電場がビーム中心から放射状になったラジアル偏光のレーザー光は、材料に対する吸収率が円偏光ビームの約2倍であり、高速切断が期待されるが加工用では実現できていない。円錐形光学素子を用い、既存レーザーでも容易にラジアル偏光レーザー光が可能な光共振器を実現する。
409 インフルエンザワクチン製造不適卵の非破壊迅速検出法の開発 中野 和弘 新潟大学 中津 普門 新潟大学 鳥インフルエンザの突然変異による新型インフルエンザ流行の危険性が指摘されている。一方、ワクチン製造に不適な原料有精卵の選別は熟練作業員の肉眼で行われている。本課題の目的は、人間の肉眼によるワクチン製造不適卵の作業を代替する自動選別装置の開発である。この装置は、ワクチン製造技術の未熟な東南アジア諸国をはじめ世界的に貢献するものである。
418 多孔質含油材料の小型モータ用しゅう動接点(電気接点)への適用 金子 覚 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 近年,しゅう動接点(電気接点)は半導体産業の高度な発展と伴いますます小電力化の一途を歩むと同時に高信頼性が要求されている.しゅう動接点部で要求されることは(1)常時かつ長時間,通電できる,(2)低ノイズである,の2点である.本研究では,しゅう動接点の長寿命化と性能向上を目的として,多孔質含油軸受材料として実績のある焼結金属材料をしゅう動接点に適用し,しゅう動接点部での摩擦・摩耗および接触抵抗の低減をはかる.
456 テナントビル厨房排気を対象とした高性能オイルミスト除去・脱臭装置の開発 瀧本 昭 金沢大学 長江 英夫 金沢大学 焼肉・中華料理等の店舗からの厨房排気臭は,地下街や都市部テナントビルといった「都市・生活型」悪臭として大きな問題となっており,対策としての各種防止規制法が制定されている一方,賠償要求訴訟が増加し,近年ますます重要かつ緊急課題である。本研究では,従来法の「光触媒」脱臭法に凝縮を併用した「光触媒凝縮液膜法」を提案し,複合臭気成分のみならずオイルミストも効率的・経済的に回収する新技術の確立と装置開発のための試験を行う。
496 軸およびねじり負荷機構一体型多軸油圧シリンダーの開発と応用 伊藤 隆基 福井大学 谷 賢 福井大学 機械構造材料の強度評価試験の一つとして疲労試験があるが、その中でも特殊な試験として軸およびねじりの複合荷重を繰返し負荷する多軸疲労試験がある。同試験で一般的に用いられる電気・油圧サーボ式多軸疲労試験機で採用されている負荷装置は、軸負荷およびねじり負荷の別々の油圧シリンダーが直列に連結された機構となっている。本研究では、従来の軸およびねじりの各油圧シリンダーの機能を単一の油圧シリンダーで機能する軸・ねじり多軸油圧シリンダーを開発し、その応用・実用化に向けた検討を行う。
512 コンパクト差動ボールねじの開発とミリストローク超精密位置決め機構への応用 深田 茂生 信州大学 藤井 國久 信州大学 本提案は、ボールねじを差動型とする新規構造と安価なロータリーエンコーダーの組み合わせで、これまで対応する製品のなかった1〜数mmストロークに対しナノオーダーの精度の位置決めを可能とする位置決め機構に関するものである。本検討においては、実用化を想定して、これまで試作し・検証に用いたシステムの小型化を目的に、差動ボールねじを新設計して製作し、単体・位置決め機構への組み込みにより性能評価を行う。
524 ナノ磁性微粒子を用いた毛髪駆動機構の開発 藤井 敏弘 信州大学 清水 信孟 長野県テクノ財団 本提案は、毛髪の外側のキューティクルと呼ばれる方向性と強度をもつ鱗状の構造体の特性を利用して圧電素子による直動と毛髪内に導入したナノ磁性微粒子による方向制御可能な、新しいタイプのアクチュエータの試作開発を行う。本提案では、内側を空洞化した毛髪内に磁性微粒子を形成する手法を検討し、作成した人工磁性毛髪を用いたアクチュエータを作成してその特性を評価し、マイクロマニピュレータとしての可能性を検討する。
528 横編機完全同期型ニット原糸染色システム(無縫製色柄編機)の開発 奥村 和之 岐阜県産業技術センター 武藤 高義 岐阜県研究開発財団 ファッショナブルでカラフルなニット製品(セーター等)を製造する代表的な方法として、糸を染色しながら編み上げ生地やセーター1着を丸ごと仕上げる全く新規な装置(以下、「無縫製色柄編機」)を開発する。本装置によれば、ニット組織の凹凸と一体化した先染め特有の深みのある色の表現に加えて、単層の薄物のみならず、縫い目のない無縫製ニット、成型パーツ、組織柄など複雑なニット組織のフルカラー編成が可能となる。
599 準剛体回転流を用いた微粒子分級方式の高効率化 土田 陽一 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 本研究は、粒度分布をもつ微粒子群を、まったく乱れのない準剛体回転流中で、粒子に作用する遠心力と流体抗力の、粒度による差を利用して、高精度で粒度分級を行う湿式遠心分級方式の高効率化に関する研究である。本研究では、流れ及び粒子運動の数値シミュレーションを行って分級性能を評価するとともに、分級機を改造して分級実験を行うことにより、上記の分級性能を検証し、最適な分級方法・分級条件の決定法について考察する。
603 圧力振動場での非ニュートン流体中の複数気泡の移動現象に関する実験的研究 岩田 修一 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 高分子材料の製造工程では、樹脂原料液に混入した微小な気泡を除去することが、高品質の製品を得るために不可欠である。このために高価で大がかりな脱泡装置が使用されている。本課題は、非ニュートン(Shear-thinning性)流体中に設置された複数気泡へ圧力振動を適用することにより、簡便な脱泡促進技術の開発を目指す。このために、今進めている気泡間の相互作用ならびに気泡移動特性を実験的に解析する研究の成果を発展させるものである。
622 CNx膜の超低摩擦現象の工作機械摺道面への適用 梅原 徳次 名古屋大学 長谷川 健 名古屋産業科学研究所 代表研究者は、1998年にイオンビームミキシング法により理論的にはダイアモンドと同程度の硬さを有するというCNxを成膜し、窒素吹き付け中における超低摩擦現象を発見した。しかし、実際の適用を待たれる工作機械の摺道面への適用が可能かは不明である。工作機械では、広い速度範囲で超低摩擦を発現することが重要であり、かつ加工精度を保つため、摺道面の隙間が速度に依存せず一定に確保することが必要である。そこで、本研究では、CNx膜を成膜したスラスト軸受により、工作機械ど同等のすべり条件を与え、工作機械の摺道面として適用可能であることを実証する。
648 脊椎用体内固定具の性能評価に対する6軸材料試験機の開発 稲葉 忠司 三重大学 加藤 貴也 三重ティーエルオー 脊椎は複雑な構造を有しており、その運動は6自由度である。しかし、6自由度すべてにおける力・トルクおよび変位・角変位の計測・制御が可能な試験機は構築されておらず、脊椎外科で使用する体内固定具の性能を定量的に評価する方法も十分に確立されていない。その結果、体内固定具の多くは主に経験的観点より開発されている。そこで本研究では、脊椎強度測定用6軸材料試験機を開発するとともに、脊椎用体内固定具の評価方法の確立を目指す。
683 麻布の回転ローラー式砧加工装置の開発研究 堀川 武 龍谷大学 中山 勝一 龍谷大学 宮古島に伝わる宮古上布など伝統産業の麻織物は吸湿性や肌触りに優れている。麻布は繊維が太く、硬いことから、木杵を使って職人が麻布を叩く、砧加工を行い、肌触りをよくし、光沢を出すことにより、高級な麻布を製作してきた。しかし後継者不足の為技術伝承が途絶える状況にある。本研究では、金属ローラーに無数の鋼球を埋め込み、麻布を挟み込んで砧加工の効果を与えると共に、布を繰返し折り曲げる金属疲労の原理を利用した方法を組み合わせた、新規の「回転ローラー式砧加工装置」を開発し、加工布の特性を調べ、繊維の割れ状態を電子顕微鏡を用いて観察する。
705 水平を維持する3次元免震台の開発 松久 寛 京都大学 笹田 滋 科学技術振興機構 美術品、精密機械、建物など3次元免震が必要とされている。本研究では、リンク機構および連結液体封入ピストンを用いて水平を維持できる3次元免震台を開発する。前者は平行四辺形の対辺はつねに並行である、後者は2本のパイプで一対のピストンの上部と下部をクロス状に連結するとふたつのピストンは同じ動きに限定されるという特性を用いる。これらの水平維持機構とばね、減衰器を組み合わせた3次元免震台を開発する。
738 新型溝形状を有する高回転精度流体動圧軸受の開発 松岡 敬 同志社大学 永田 和彦 同志社大学 OA、AV 機器の発達はめざましく、その回転主軸部に求められる振れ性能も年々厳しくなってきている。それら厳しい要求を満足し得る新しい流体動圧軸受として、「傾斜スパイラル溝付動圧軸受」の開発を行う。具体的には、従来のスパイラル溝付軸受に相対して、スパイラル溝の丘溝比、溝角度、溝深さを軸受長手方向に徐々に変化させた「新スパイラル溝軸受」を用意し、レーザビームプリンタ用ポリゴンミラーモータを用いて同期振れ回り性能、非同期振れ回り性能向上の確認を行うとともに、その溝諸元の最適設計指針を提案する。
772 燃焼合成反応熱を利用した新推進系小型ロケットの開発 山田 修 大阪産業大学 野村 健次 大阪産業大学 燃焼合成は強い発熱反応を伴い到達温度は3000℃04500℃に達する。この高い温度や化学反応熱を有効に利用することで,流体を急速にガス化させ,高温高圧ガスとしてチャンバーノズルから噴射させることで推力を得るロケットモーターを開発する。この燃焼合成反応熱による高圧ガス噴射の推進系は火薬類に該当せず安全であり,運用管理も容易であることから再使用できる小型ロケット産業の分野開拓と活性化を目指す。
880 石綿代替ガスケットの寿命短期予測手法の構築 高木 知弘 神戸大学 由雄 正保 神戸大学 今日,石綿による健康被害が社会問題となり,石油化学プラント等で多用されている石綿系ガスケットから代替品である非石綿系への仕様変更を迫られている.しかしながら,非石綿系ガスケットは長期の使用実績が乏しく,このためガスケットの寿命は未知である.そこで,申請者が構築した手法を用いることでガスケットの多用な使用環境に応じた寿命予測を短期間で可能とし,ガスケット設計,プラント設計および保守管理に有益な情報を提供することを目指す.
912 植毛を用いたファン低騒音化技術の開発 西村 正治 鳥取大学 岡本 尚機 鳥取大学 生活に身近なOA機器の冷却ファンや,空調機用ファンなど各種ファンの静粛化は永年の課題である.この主な騒音源は流れの乱れと物体が作用して発生するいわゆる風きり音(空力騒音)である。今回物体表面に植毛するというまったく新しい手法で空力騒音の低減が可能であることがわかったので,本研究では,OA機器用冷却ファンや換気ファンを例にとり,どのように適切に植毛することにより,空力性能を損なわず静粛化できるかどうかを明確にする.
957 精密ワイヤ放電加工用高性能ワイヤ電極の開発に関する研究 岡田 晃 岡山大学 松浦 啓克 岡山大学 精密ワイヤ放電加工の高性能化を実現するための新しいワイヤ電極の開発を目的とする.そのために,無負荷電圧印加時の極間の静電場解析を行ない,ワイヤ表面形状が電子放出特性に及ぼす影響を重点的に検討し,制作上可能な最適ワイヤ表面形状を解明する.つづいてワイヤを試作して放電加工実験を行い,放電加工特性とワイヤ表面形状の相関を明らかにする.そして,表面形状最適化による新しいワイヤ電極の可能性を探る.
961 多様な産業ニーズへ対応したキャビテーション利用脱気・注気装置の実用化 鷲尾 誠一 岡山大学 東 英男 岡山大学 研究者が発明した、キャビテーションで生まれる発達停留空洞を利用して、液体を流しながら連続的に脱気および注気が出来る技術の実用化を目的に、産業現場ごとに異なる個々のニーズに対する有効性を明らかにする。本年度の目標は (1)油、水以外の特殊液体への適用(2)食品産業を念頭に置いた水の脱気・注気連続試験(3)脱泡効果の確認(4)脱気・注気の高効率化(5)企業現場でのテスト、効用の実証
1004 流体扉の開発 梅田 眞三郎 福山大学 槙野 勝昭 ひろしま産業振興機構 本研究では,無駄な熱の消散を防ぐ省エネ型装置や悪化した流体との分離膜装置としての空気や水による扉の機能を有するものの開発を目的とする.菱形角柱群を用いると,自励振動噴流であるフリップ・フロップ流れの発現によって,流出噴流場には均等流量多数噴流群を形成させることができる.そのフリップ・フロップ流れと並行にスリット噴流を供給し, 流れのせん断方向が異なる二層の混相流界面現象を利用して,破断し難い安定流体膜を形成させる流体扉の装置の開発を行う.
1016 磨耗ゼロ・高効率を有する磁気歯車の高トルク化と各種伝動装置への応用 原野 智哉 阿南工業高等専門学校 宮城 勢治 阿南工業高等専門学校 鋼材製歯車をネオジム製リング磁石等を利用し,磁気による引力あるいは斥力をかみ合い歯面間等に発生させることにより,磨耗ゼロ・高伝達効率・メンテナンスフリー・無潤滑を兼ね備えた高トルクおよび高減速比の非接触ウォーム歯車対および非接触平歯車対を開発し歯車性能試験を行う.さらに,太陽歯車・遊星歯車・内歯車から構成される遊星歯車機構の開発を行い,歯車性能試験を行う.
1058 疾病媒介蚊幼虫駆除のための超音波殺虫装置の開発 村主 節雄 香川大学 白石 宏志 四国産業・技術振興センター 年間8億人と3億人の感染者を出しているマラリア、フィラリアなどの疾病媒介蚊幼虫のコントロールを対象としたフィールドで有効な超音波を応用した搬送性の有る殺虫装置を開発する。この装置は国内およびソロモン諸島などの外国における我々の蚊の生態調査経験から広範な地域を対象とするため搬送性を持たす必要が有る。そのためには小型である事が第一条件であるが、この事は殺虫効率を上げるためには高出力が望ましい事と相反している。この両要因の最も理想的な解決点を見いだし、装置の開発を行う。
1095 超撥水処理だけで実現できる新しい軸受構造 竹内 彰敏 高知工科大学 都築 俊夫 高知工科大学 固体の表面エネルギーが低く、固液界面のエネルギーが高い超撥水面と、表面エネルギーが高い親水面との境界で発生するせん断流量の不連続性から、圧力流れを誘起して負荷を生み出す新しい軸受構造であり、超撥水処理を施すだけの簡単な操作で、幾何学的にフラットな平行2平面であっても、良好な潤滑膜を形成できる。また、疎油面と親油面の組み合わせに置き換えることで、そのまま、油潤滑にも適応できる技術である。
1097 液晶を使った表面実装アクチュエータの開発とプリント基板上への実装 三枝 嘉孝 高知工科大学 都築 俊夫 高知工科大学 現在、携帯電話など電子機器類の小型化、薄型化への要求がますます盛んになってきている。そのため、基板表面に実装できるデバイス装置が必要とされている。すでに、抵抗やコンデンサーなど表面実装技術の進んだ分野もあるが、アクチュエータやモータなど動力発生装置のチップ化技術の開発は遅れている。本試験では、プリント基板上に液晶を用いたアクチュエータ素子を作製し表面実装デバイスとして実用化可能かを検討する。
1119 超電導軸受式ターボ分子ポンプの開発 小森 望充 九州工業大学 大矢 伸宏 九州工業大学 本応募課題では,この磁気軸受式ターボ分子ポンプに代わるものとして,高温超電導軸受式ターボ分子ポンプの提案を行う。この超電導軸受式ターボ分子ポンプでは,タービン翼浮上のため取り扱いが容易な高温超電導軸受を用い,到達圧力10-7Paオーダを目指す。本応募課題では,ねじ溝ロータを高温超電導軸受および永久磁石軸受によって非接触浮上および高速回転させる超電導軸受式ターボ分子ポンプの提案を行い,その実用化への基礎研究を行う。
1164 アクティブ制御コロイダルダンパーの開発と実用化研究 スウーチュー クラウデュヴァレンティン 福岡工業大学 宮崎 賢 福岡工業大学 コロイダルダンパーは油圧ダンパーにおけるオイルの代わりに、水とシリカゲルからなるコロイド溶液を使用した高性能で環境に優しい液圧ダンパーである。従来の自動車用パッシブ制御コロイダルダンパーでは、路面凹凸の変位励振による減衰係数を調整できず、しかも効果的に振動のエネルギーを散逸できずに、自動車の乗り心地が悪くなる。その対策として、ダンパーのシリンダー内圧力と水の条件を制御すると共に、路面凹凸による振動を調整することのできるアクティブ制御コロイダルダンパーの開発を目指す。
1184 スーパークリーンディーゼルエンジン用ターボチャージャの開発 植木 弘信 長崎大学 森 紅美子 長崎大学 ディーゼルエンジンから排出される二酸化炭素を減らし排気ガスを浄化するには、高性能なターボチャージャが必要であり、現在の2倍の圧力比をもつターボチャージャが必要である。本研究では、次世代スーパークリーンディーゼルエンジンに必要な高性能ターボを開発することを目標とし、サージフリー遠心圧縮機を備えたターボチャージャを開発する。

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 制御・ロボット:12件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
296 可変キャパシタ機構を利用した容量型アクチュエータ制御システム 水野 毅 埼玉大学 望月 弘章 埼玉大学 静電アクチュエータ,圧電素子など,電気回路的には静電容量として扱うことができるアクチュエータ(容量型アクチュエータ)を対象とした新しい方式の制御システムを開発する.具体的には,容量型アクチュエータと可変キャパシタ機構とを直列に接続し,その両端に一定の直流電圧を印加する.そして,直列に接続した可変キャパシタの容量を変化させることによってアクチュエータに印加される電圧を調整し,その出力を制御する.
343 スマート構造技術に基づく大容量磁気ディスク装置の実用化研究 梶原 逸朗 東京工業大学 鹿田 洋 横浜企業経営支援財団 磁気ディスク装置の大容量化には,広い周波数帯域にわたる磁気ヘッドの振動低減が不可欠である.本研究は,記録密度の大幅な向上(大容量化)を可能とするため,磁気ヘッドにアクチュエータ機能を内蔵させ,磁気ヘッドの振動を抑制し,その位置決め精度を向上させることを目的とする.具体的には,広帯域振動抑制手法とMEMS構築を見据えた磁気ヘッド機構を開発し,次世代の大容量化につながる振制性能を達成させる.本システムは,センサー/アクチェエータ/コントローラを内蔵し,状態変化などのモニタリングや振動抑制に優れた性能を有する.
472 安全性を考慮したネットワーク型バイラテラル遠隔操作システムの開発 河合 康典 石川工業高等専門学校 割澤 泰 石川工業高等専門学校 バイラテラル遠隔操作システムは,操作部と遠隔地に配置した作業ロボットとの間を双方向に位置と力覚の制御ができる有効なシステムである。しかし,操作部とロボット間の時間遅れが操作性を劣化させるために安全性に課題を残している。そこで本研究の目的は,時間遅れが存在する環境下で,操作部の誤った動作命令が作業ロボットに送られる前に修正できるモデル予測制御を用いて,安全性の向上をはかることである。
533 環境再生を目的とした植樹ロボットの開発 奥川 雅之 岐阜工業高等専門学校 砂田 博 岐阜県産業経済振興センター 本研究の目的は、砂漠化や森林伐採などによる生態系破壊に対する環境再生活動の効率化や公園など公共施設の維持管理を目指した植樹もしくは植林作業支援遠隔操縦型移動ロボットの開発である。生分解性プラスチックによる自然分解機能及び植樹行程を考慮したドリル形状底面を有する育苗ポッド試作とドリル型育苗ポッドを用いた植樹機構の試作を行い、ロボット技術導入による植樹作業の半自律化を目指すものである。
542 ロボットハンド用小型関節トルクセンサの開発 毛利 哲也 岐阜大学 水谷 嘉之 岐阜大学 ロボットハンドでの物体の把持・操作には、指先だけでなく指の腹部においても高精度に力を計測し、制御することが要求される。しかし、市販の6軸力覚センサでは指先力しか計測できず、個々の関節トルクを十分に制御できない。そこで、小型モータへ装着可能な関節トルクセンサの開発を行っている。本課題では、これまでに試作した小型センサを実用化するために、高精度化の実現、実装に伴う技術的課題の解決を目指す。
627 身体の協調構造を利用した運動補助システムの開発 宇野 洋二 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 人間の身体は複雑な筋骨格から成るが、個々の筋肉がばらばらに働くのではなく、神経系により全体として調和のとれた動きを実現している。本研究では、このような運動の協調構造に着目して、高齢者や身体障害者の動作を補助し、転倒を防止するために、運動を予測的に制御するシステムの開発をめざす。特に、健常な身体部分の初期動作からユーザ(障害者)の意図する動きの全体を推定し、障害・麻痺のある身体部分の運動を補助するシステムを構築する。
659 自励振動を利用した生体粘弾性のリアルタイム測定装置 松村 雄一 滋賀県立大学 松居 祐一 滋賀県立大学 生体表面下にある組織の“かたさ”を数値化できれば、乳ガンなど表在性組織の触診の定量化や筋組織の疲労評価などに有用であるとされる。しかしながら、ヒトの手指以上に安定かつ高精度に硬さを定量化できる手法は未だ実用化されていない。本研究では、ヒトが手指を生体表面に押し込むことで、形状や物理的性質の異なる部位の硬さを in vivo で瞬時に知覚するのと同様にして、計測装置の先端部を生体表面に押し込み、振動させることで、粘弾性硬さをリアルタイムに計測する装置を開発してきた。本課題では、商品化に向けて精度と応答性を向上させると共に、装置を小型可搬化する。
670 視覚を用いた布の展開と定置に関する技術開発 平井 慎一 立命館大学 西村 亮 立命館大学 ロボットがテーブルの上に置かれた布を摘み上げ、展開するとともに指定された位置に定置する技術を開発する。布を操作する技術は、柔らかく変形しやすい物体を扱う機械システムの基礎になる。本研究開発では、曲がっている布の形状を視覚で認識するとともに、布を展開する技術を開発することを目的とする。
761 大脳皮質による歩行制御様式の解明とその応用 中陦 克己 近畿大学 松本 守 近畿大学 本研究では大脳皮質による歩行制御機序の解明を目的とし、その応用を目指す。我々は無拘束の状態で行動するサルの大脳皮質から神経細胞活動を記録する手法を確立した。本課題では流れベルトの上で四足歩行および二足歩行するサルの皮質運動領野から神経細胞活動を記録して、その活動様式から各領野における分担的歩行制御様式を解明する。得られる結果は、看護や災害救助分野で期待される環境適応型二足歩行ロボット等の人工システムの開発設計に応用できる。
844 主翼独立制御型水中グライダーの高度知能化に関する研究 有馬 正和 大阪府立大学 巴月 康彦 大阪府立大学 本研究課題の目的は,「主翼独立制御型水中グライダー」の高度知能化を図り,実海域での使用に耐える自律型海中ロボットとして進化させることである。本研究では,外部からの指令を必要とせずに,定められたゾーン内で複数機が協調して任務を遂行するための「自律型マルチエージェントモデル」を開発して現有機に組み込み,水槽試験によって有効性・妥当性を検証するとともに,新たな問題点の抽出を研究期間内の具体的な目標とする。
1047 民生部品を用いた宇宙ロボット電子基板技術の研究開発 能見 公博 香川大学 武藤 英一 香川大学 本研究開発では,民生品による宇宙電子基板技術を研究開発することを目的とする.香川大学における宇宙ロボット衛星の開発において,地域中小企業のもつ信頼性の高い電子基板技術と,大学の宇宙システム技術を融合させ,超小型人工衛星による宇宙実証へと繋げていく.地域企業が宇宙部品を手掛けることができ,宇宙実証された製品を宇宙ビジネス分野への供給へ繋げ,とくに中小企業の新しい分野を開拓する.
1156 神経生理学的手法を推進するための実用的ロボットリハビリ装具の開発 坂井 伸朗 九州大学 坪内 寛 九州大学 脳卒中リハビリは、体の動きに合わせて麻痺半身に適切な運動を加える神経生理学的手法である。筋力トレーニング的な各関節のリハビリのみでは効果が小さいため、関節を協調させた上肢全体の運動を実現させる必要がある。そこで、肩甲骨を適切に駆動し、上肢全体の運動を実現できるロボットリハビリ装具を開発する。ロボット技術に加えて、身体運動と病理に対する高い理解が求められるので、リハビリ専門病院との連携を通して現場での試験運用を行う。

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 機関:3件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
314 UMGT用1円玉サイズ高負荷超小型プロパン燃焼器の試作研究 湯浅 三郎 首都大学東京 栗田 良夫 首都大学東京 本研究では、モバイル機器の電源や超小型推進機関となりうるウルトラマイクロガスタービン(UMGT)の中心的要素の一つである、プロパンを燃料とする1円玉大の高負荷超小型燃焼器に関わる先導的な技術開発と試作を行う。具体的には、プロパンを狭い空間で高負荷燃焼させる際の問題点の抽出と燃焼条件の特定、Flat-Flame燃焼方式における触媒燃焼の有効性の実証と熱損失の評価、超小型の圧縮機やタービン等とマッチング可能な内径20o・高さ2oサイズの高負荷極超小型プロパン燃焼器の試作、を行う。ここで取得される燃焼器技術は、世界最小・最軽量・高燃焼負荷・低NOxな燃焼器開発に不可欠なものであり、次世代の各種超小型パワープラント開発のシーズとなる要素技術である。
1112 微細流体混入燃料によるディーゼルエンジンの燃焼改善 中武 靖仁 久留米工業高等専門学校 外山 寛二 久留米工業高等専門学校 最近の原油高騰により一段と低燃費化の要望が強くなっている中で,ディーゼルエミッション(有害排出ガス)のNOxや黒煙,PMの低減が注目されている.当該研究では,ディーゼルエンジンの低燃費化とエミッションの同時低減を目指す手段として,前者にはマイクロバブル,後者には水マイクロエマルジョンを燃料に同時混入することにより,ディーゼルエンジンの燃焼を改善するという,今までにない画期的なアイデアと実用性がある.
1121 超小型衛星の高度化に資する高性能小型ロケット推進機の試作と試験 各務 聡 九州工業大学 田中 洋征 九州工業大学 超小型人工衛星は、衛星に搭載可能な小型ロケット推進機が開発されていないため、軌道上へ打ち上げができても、動力航行ができないため適用範囲に限界がある。また、現在、衛星用に液体ロケット推進機が利用されているが、噴射器等の必要性から構造が複雑で重く超小型衛星への搭載には不利な点を有する。本研究は、構造が簡単で小型、軽量で推力を0.1〜1.0N級を発生させる固体推進薬を用いた超小型ロケット推進機を開発する。

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 運輸:2件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
312 ヒューマンエラー検知システム 綱島 均 日本大学 志村 夏美 日本大学 列車運転士の異常運転による事故を防止するためには,運転士の運転行動を常時モニタリングし,必要な場合には適切な支援を行うことが必要である.本研究では,当研究室で保有しているヒューマンファクタ評価用列車運転シミュレータ(特許出願,公開済み)を用いて,実際の運転士の運転行動の把握を行い,運転行動に含まれる潜在的なリスク(危険の“芽”)を検出し,必要に応じて警報を発出するなどの運転支援方法を検討する.
337 牽引車輌の重心検知・横転限界速度予測装置の実用機の開発と適用 渡邉 豊 東京海洋大学 林 進一郎 東京海洋大学 牽引車輌(トレーラトラック)のコンテナ貨物は内部の積載状態が積載前に確認出来ず、移送されている。トラクタに加速度センサーを取り付け、初期走行におけるピッチングとローリングの周波数データの演算からトレーラトラックの三次元空間の重心を検知し、さらにカーブ走行における横転の危険のある限界速度を曲率半径毎に予測する装置を開発した。最低限のデバイス要素と表示(警報)システムを得る試作機を作製し、検証して、コストを踏まえた最適な実用装置を提案する。

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 建築・土木構造、設計:11件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
13 構造物崩壊予知センシング技術の開発 矢吹 信喜 室蘭工業大学 加賀 壽 室蘭工業大学 今後大量の社会基盤設備が寿命を迎え,構造物の劣化による崩壊兆候をいち早く予知できるセンサネットワーク作りが待たれている.本研究は,人工あるいは自然構造物内部の応力や圧力変動を直接的に捉える半導体式圧力センサーとICタグ(RFID)をつなげ,崩壊予知センシングに資するシステムを構築するための研究を行うものである.
286 石丸積の強さを定量的に示すための数値実験システムの開発 土倉 泰 前橋工科大学 塚原 信孝 前橋工科大学 群馬・石積協同組合は、三波石で名高い庭石産地の百年の伝統と技術を生かして「石丸積」を考案している。石丸積は、自然環境・生態系に好影響を及ぼすだけでなく、現地発生材の活用によるリサイクルで構造物建設に要する経費削減を可能とする技術である。ところが、一般に石積みは弱いというイメージから、この普及が思うように進まない。そこで、石丸積が十分に強いことを裏付けるために、粒状要素法を用いたモデル解析を試みる。
491 展開型常時微動アレイ観測に基づく地盤探査法の開発と応用 小嶋 啓介 福井大学 吉田 芳元 福井大学 地震工学の分野で、地下深部構造の評価に適用されている常時微動のアレイ観測(波、風、自動車などに起因する微小な地盤震動を、複数のセンサーで観測すること)を、建築・土木構造物の基礎地盤の三次元探査に応用できるように改良しようとする研究である。従来のボーリングを利用した地盤調査では、多大な費用と時間を必要とするのに対し、本研究では、対象地点全体で半日程度で終了する小規模アレイの展開観測情報に基づき、建設予定地の三次元地盤構造を精度良く評価し、構造物を安全かつ低コストで建設するために必要な事前情報を与えることを目標とする。
630 免震ゴム支承のライフタイム性能表示システムの開発 伊藤 義人 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 橋梁やビルなどの社会基盤施設において、大規模地震に対しても被害を最少にするため、最近は免震ゴム支承を多く用いる。従来、免震ゴム支承の性能表示は出荷時の繰り返し載荷試験結果のみであり、構造物のライフタイム(供用期間)の経年劣化は、基礎データがないため無視してきた。しかし、社会基盤構造物の長寿命化が必須になっており、橋梁やビルなどでは100年間のライフタイムを想定する必要がでてきている。そこで、建設される周辺環境条件を個別に考慮できる劣化評価手法を確立し、免震ゴム支承のライフタイム性能表示システムを開発する。
706 水気耕栽培屋上緑化システムを利用したマルチ型空調システムの開発 吉田 治典 京都大学 笹田 滋 科学技術振興機構 都市ヒートアイランドの緩和策として屋上緑化が進められているが、緑がもつ日射遮蔽や蒸散作用を利用して、マルチ型空調システムの省エネルギーを目指すシステムの開発はまだ見られない。本研究では、蒸散量が一般の4倍程度ある水気耕栽培屋上緑化を利用して高効率な空調システムの実現を目指し、基礎データの収集とその数学モデルの開発を行う。本研究終了後には実システムにより性能を確認し、設計・普及に向けた事業化を目指す。
771 塔状構造物に関する新しい振動制御法の研究 飯田 毅 大阪産業大学 野村 健次 大阪産業大学 道路橋上には照明柱、標識柱等のスレンダーな塔状構造物が数多く設置され、風、交通、地震等により激しく振動し損傷の恐れが高いことが判明している。従来、交通・地震荷重を対象とする低振動数領域において十分効果的な制振装置が存在しなかった。実績のあるチェーンダンパーと他の装置を組合せた新振動制御システムの研究を行い、幅広い振動数領域で効果的かつコンパクトな装置と安全性の高い塔状構造物の制振方式を実現しようとするものである。
864 安全・安心な生活を守るための光る変位計の開発 芥川 真一 神戸大学 大内 権一郎 神戸大学 任意の人工構造物や自然斜面などの動きを察知して,その大きさを発光ダイオードの光の色に変換し,原位置で表示する装置を開発する.この「光る変位計」を作成し,それらを防災対策,あらゆる種類の土木&建築構造物,大型機械,遊園地の大型施設,などの安全監視,さらに新しいコンセプトに基づくエンタテイメントの創出に用いることを目指している.
1080 閉鎖性海域の鉛直混合を促進する低反射護岸の開発 中村 孝幸 愛媛大学 田坂 謙介 愛媛大学 内湾域の水質浄化、特に海域の鉛直混合を促進させることで成層化に伴う海洋生物などへの弊害防止などを目的として、自然エネルギーを利用する海域環境改善型の護岸構造物の開発を進める。この内部には遊水室があり、遊水室内の波浪共振およびそれに伴う強い渦流れの生成を原動力として、海域での曝気や表層水の水底への輸送、混合を促進すると共に付加的に反射波の低減も可能な、多機能型の護岸構造物の開発を目指すものである。
1135 純アルミ板を挿入した高力ボルト高摩擦接合の開発 吉岡 智和 九州大学 坂本 剛 九州大学 鉄骨構造物の継手に多用される高力ボルト摩擦接合の伝達力を,現行設計耐力の約1.5倍向上させることにより,添板の鋼材量や締め付けボルト本数の減少,ボルト締め付け作業の迅速化を図ることができ,工事費用の10〜15%の削減が可能となるとの試算がある。本研究では、そのような高力ボルト摩擦接合の伝達力(=すべり係数×ボルト張力)を向上させる「高摩擦接合」として,継手の鋼材摩擦面間に厚さ約0.1mmの純アルミ板を挿入し,その摩擦面において大きなすべり係数を発揮できる高力ボルト高摩擦接合の開発を目指す。
1136 非構造壁を利用した摩擦抵抗型制振システムの開発 山口 謙太郎 九州大学 山内 恒 九州大学 本課題においては、各種非構造壁に損傷を生じさせない範囲で最大の制振効果を発揮させるための、非構造壁と主体構造の最適な接合方法を検討することを目的とする。具体的には、コンクリート系非構造壁と比較的剛性の低い主体構造を接合した試験体の載荷実験を行って、その復元力特性を振動解析に適用し、提案する制振システムの効果を検証する。また、本課題の推進により地震動によって建物に生じる層間変形角を半減させるための条件を検討することを目標とする。
1148 先見知識・好みをレイアウト自動最適設計に反映させる対話型設計手法の開発と応用 高木 英行 九州大学 松尾 晃成 九州大学 住宅の間取り、建築・造園・敷地・都市等の空間計画等、更には電子回路基板配置にも応用できる各種レイアウト設計問題にユーザ・設計者の先験的知識・好みを反映させる最適設計手法の確立を目的とする。人間の主観的評価に基づいて対象システムを最適化する対話型進化的計算と、複数の評価項目を最適化する進化的多目的最適化との融合最適化手法を用いて、上述の各種レイアウト問題への広い適用可能性を、具体的事例(住宅間取り設計)で示すことが目標である。

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 建築・土木材料:10件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
140 調湿機能を有する建築物用モルタル材料の開発と応用 北辻 政文 宮城大学 山口 一良 東北ニュービジネス協議会 本試験では、ペーパースラッジを混入した分離抵抗性の高い、高流動性・高機能モルタルと、秋田県から排出される緑石凝灰岩端材粉を組み合わせて、空間湿度を一定値に保持できる調湿機能を備えたモルタル材料を開発することを目的とする。具体的には、緑石凝灰岩端材粉の物理試験、混合モルタルの強度および耐久性試験、調湿および悪臭分解、抗菌性試験を行なう。
149 X線造影撮影によるコンクリート健全度評価手法の開発と応用 武田 三弘 東北学院大学 男澤 亨 仙台市産業振興事業団 この研究の目的は、コンクリートの健全性を定量的に評価する手法を開発することである。そのため、X線造影撮影を用いてコンクリート内部に発生したマイクロクラックや欠陥などの空隙量を測定し、この測定値とコンクリートの圧縮強度や耐久性との関係を求める事で、実コンクリート構造物の健全性や耐久性を評価するものである。目標としては、実用化を目指し、コンクリート供試体の寸法をΦ10mm程度の小径コアで実施できるようにすることである。
186 珪藻土とゴミ溶融スラグの混合による人工軽量骨材の開発 対馬 雅己 秋田工業高等専門学校 三浦 喜一 あきた企業活性化センター 珪藻土は、比重が小さくポーラスであるため軽量であり、骨材の軽量化に寄与することができる。また、ゴミ溶融スラグはガラス質でケイ素が80〜90%も含有しているため、潜在水硬性が存在する。珪藻土とゴミ溶融スラグを粉砕して一定の割合で混合し、水量を加えることによって潜在水硬性による反応と、これに固化材を添加することにより、さらなる硬化反応が生じる。このような材料による反応プロセスのもとに、人工的な軽量骨材の製品化を目指すものである。
290 都市熱環境緩和にむけた水分自己調整機能材料の開発 藤野 毅 埼玉大学 市川 世司 埼玉大学 建物の屋上をはじめとする都市被覆面の熱収支を改善するための自己吸水・蒸発機能を有する材料を開発する。原材料は廃棄石膏ボードなど建築廃材等を再資源化し、調湿剤を添加する。その成型においてもCO2を極力放出しない製法で行う。開発した新材料は、粒状、板状、柱状など様々な形に成型され、既存の都市温暖化防止技術との併用も可能であり、これまで利用困難な場所にも適用できる。
387 廃EPS粉砕材を再生利用した高耐衝撃性を有する超軽量モルタルパネルの開発 笠井 哲郎 東海大学 加藤 博光 東海大学 遠赤外線処理された廃EPS(廃棄された発泡スチロール)粉砕材は、密度0.1〜0.3g/cm3と従来のモルタル・コンクリート用軽量細骨材(密度1.2g/cm3程度)に比べ大幅に軽量である。この廃EPS軽量骨材を用いたモルタルを繊維補強することにより、従来の軽量モルタルパネルより大幅に軽量で、曲げ靱性、耐衝撃性および釘引き抜き抵抗性に優れた超軽量モルタルパネルが製造できる。また、廃棄物の有効利用の観点から、廃EPSの最終処分量の低減に資する技術である。
574 軟質木材に密度勾配を付加した機能性木質建材の開発 浅田 文仁 愛知県産業技術研究所 齊藤 秀夫 愛知県産業技術研究所 スギ材の両面から異なる条件で加温・加圧処理を施して、木材に密度勾配を発現させ、片面は高密度で硬い物性を持たせ、反対の面はスギ材が元々持っている柔らかい物性を維持することにより、傷付きにくく、しかも保温性や調湿性を残したスギ材を開発する。
666 下水汚泥溶融スラグのコンクリート用骨材としての実用化研究 児島 孝之 立命館大学 金丸 まや 立命館大学 本課題は、下水汚泥溶融スラグのコンクリート用粗骨材としての利用用途拡大を目的とし、下水汚泥溶融スラグ粗骨材の生コンクリートおよび実構造物への適用に向けた実験的研究を行うものである。まず、下水汚泥溶融スラグの質管理・評価手法を提案し、長期強度発現性や耐久性、RCはりの曲げおよびせん断特性・耐荷挙動などについて検討することにより、下水道の普及に伴い年々増加傾向にある下水汚泥の有効な利用方法を提案する。
781 再帰反射材の日射照り返し抑制効果の高効率化試験 酒井 英樹 大阪市立大学 三刀 基郷 大阪市立大学 ヒートアイランド対策の1つとして既に実用化されている太陽熱高反射材は,日射受熱量を減らすことで適用した建物の熱負荷は軽減できるものの,建物の配置によっては反射した日射が隣接する建物や道路に吸収されることで,周辺を高温化してしまうという問題が指摘されている。本課題では,反射材に再帰反射特性(入射した光が再び入射方向へ帰る反射)を付与することで,高反射かつ日射照り返し抑制効果を有する建材として提案する。
975 コンクリートの諸元情報保持手段としてのICチップ活用に関する研究 河合 研至 広島大学 繁村 龍彦 くれ産業振興センター 解体コンクリートの大半は非構造用材料として低品質なリサイクルがなされている.構造用材料としての高度再生利用が進展しない大きな理由は,使用材料の種類・品質,配合などコンクリートの諸元が,長期供用後の解体時にはすでに保存されておらず不明な点にある.本研究は,ICチップを活用してコンクリートに諸元情報を間接的に保持させ,解体時における再生材料としての品質の確実性を高め,構造用コンクリートへの高度再生利用が可能なリサイクルを目指すものである.
1001 建築物のひび割れ補修効果の簡易評価システムの開発 松本 慎也 広島大学 浜中 達也 東広島商工会議所 建築物の補修や改修工事の効果を速やかにかつ合理的に評価する技術があれば,近年社会問題化した住宅リフォーム詐欺の被害を減少できたはずである。本課題では住宅・建築物において,クレームによる補修実績が最も多い「ひび割れ補修」を対象とし,ひび割れ補修効果を現場で簡易に評価できる試験システムを開発・提案することを目的としている。本研究の目標は,建築外壁に生じたひび割れについて,高精度でひび割れ幅を検知できる「軽量・小型化が可能な透気試験方法」および「評価方法」を開発することである。

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 都市・交通:2件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
92 道路ユーザーの安全・安心感に影響を与える路面凹凸形状の自動検出法の開発 白川 龍生 北見工業大学 百瀬 雅将 北見工業大学 道路上を走行する車両(道路パトロール車)の振動データと走行上考慮すべき路面プロファイル形状との相関性を利用し、道路ユーザーの安全・安心感に影響を与える路面プロファイルを定量的に維持管理するためのシステム開発を行う。データを十分に蓄積することにより、将来、道路パトロール時に取得した振動データから交通量や気象条件等により生じる路面損傷の「予兆」を自動検出することが可能と思われる。
873 参加型アプローチによる生活空間情報データベースの構築手法 朝倉 康夫 神戸大学 中井 哲男 神戸大学 データ(地図情報と生活情報)をオープンソース化した参加型の空間情報データベース構築のための空間情報処理技術の開発とフィールドテストを目的とする. 研究代表者らがこれまでに構築した移動体行動調査システムを援用し,一般の生活者が位置情報付の生活情報を入力することにより,地理情報と生活情報の充実と高度化を達成する参加型の生活空間データベース構築システムウエアを開発する.

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 建設施工:2件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
93 連続繊維補強土地盤の凍結サンプリングと品質管理法の開発 山下 聡 北見工業大学 百瀬 雅将 北見工業大学 連続繊維補強土工法において,現場で実施可能な品質管理方法を確立することを目的として,表層地盤を凍結してサンプリングする方法を開発し,乱さない試料を採取する。さらに,採取試料に対して室内試験を実施し,変形・強度特性から本工法の有効性を確認するとともに,繊維混入率や分布を把握し,現場で実施可能な品質管理手法を確立する。
1203 吹付け工法用モルタルのコンシステンシー測定装置の開発 一宮 一夫 大分工業高等専門学校 石川 宗晴 科学技術振興機構 コンクリート構造物の修復や補強等に数多く適用されている吹付けモルタル工法の標準化に寄与できるように、吹付けモルタルのコンシステンシーを標準化できる回転翼型粘度計を開発する。当該装置は,駆動系に高精度モータを使用し,測定値をデジタル表示できるハンディータイプのもので,ミキサーに直接挿入できることで測定時間の短縮が期待される。さらには,吹付け直後のモルタルの締固め度の確認ができる装置として開発する。

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 金属材料:21件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
109 低放射化金属ガラス創製に関する研究 古谷 一幸 八戸工業高等専門学校 山口 紀久 21あおもり産業総合支援センター 耐熱ボイラー鋼を基に原子炉用材料(特に核融合炉用構造材)として改良された低放射化鋼は、高いレベルの放射性廃棄物にならず、放射線のダメージに強く、かつ高い機械特性などを有している。本研究は、(独)日本原子力研究開発機構が開発した低放射化フェライト/マルテンサイト鋼であるF82H鋼を金属ガラス化することにより、耐食性や機械特性などが向上する可能性があることに着想し、F82H鋼を金属ガラス化する技術の確立を目指すものである。
121 冷間加工可能な高機能コバルトクロムモリブデン合金の開発 野村 直之 岩手大学 阿部 博 岩手県工業技術センター 本課題は、これまで高温での熱間加工のみに加工方法が限定されていたNiフリーのCoCrMo合金について、窒素添加と時効処理を組み合わせて、高い機械強度と延性を達成する冷間加工方法を開発するものであり、NiフリーCoCrMo合金の機械的特性と生体適合性の両立を目指すものである。
129 自動車車体用高マンガン鋼スクラップをリサイクルした高性能鋳造品の開発 小綿 利憲 岩手大学 今井 潤 岩手大学 自動車の衝突安全性のために、高強度で軽量な材料が望まれ、高マンガン鋼板が長年使用されている。高マンガン鋼板加工時に発生する屑は、リサイクルされてはいるが、硬くて脆く好ましくない。係る長年の問題を解決するために鋭意研究した結果、ある種の元素を添加することにより解決できるとの新規な知見を得るに至った。高マンガン鋼スクラップへのある種元素の好適な添加範囲、添加方法を見いだし、実用化する。
233 200℃動作パワー半導体用新アルミ銅合金ワイヤボンディングの開発 田代 優 茨城大学 中澤 哲夫 茨城大学 ハイブリッド車に多数使用されているパワー半導体の最高動作温度を150℃から200℃に高めることができれば、冷却方法の大幅な簡易化によって軽量化・燃費向上・低コスト化が可能となり、ハイブリッド車普及のキー技術になるものと考えられる。本研究開発では、θ相(Al2Cu化合物)を粒界に析出させ、クラックの伝播を抑制できると考えられるAl-0.5%Cu合金ワイヤを用いた接合プロセスの開発ならびに接合部の信頼性を迅速に評価できる赤外線加熱方式を用いた高温高速ヒートサイクル試験による評価を目的とする。
458 高強度・高導電率銅合金薄板材の開発 北川 和夫 金沢大学 長江 英夫 金沢大学 銅合金は電気伝導性、熱伝導性、耐食性に優れた機能材料である。近年、電気電子部品の軽量化・高速化に伴い、更なる高強度化が求められている。高強度化を目的に合金元素を多量に添加する手法は、導電性を損なうことやリサイクル上限界がある。本研究は、圧延を利用した強ひずみ加工法と時効熱処理を組み合わせることで、高強度で、かつ導電性と熱安定性に優れた高度複合機能を有する薄板(シート)状銅合金の開発を目指したものである。
514 カーボンナノファイバー複合高強度マグネシウム合金の開発 清水 保雄 信州大学 藤井 國久 信州大学 本提案は、金属と濡れ難くまたそれ自体が絡み合い分散性に劣るため複合化が困難なカーボンナノファイバーを、粉末冶金的に混合し均一分散させる技術により、少量添加で大きな強度改善を可能とした複合合金に関するものである。今回は、実用に供する部材での特性を評価するため、より大きな径のビレットを製作して射出成形により製品試作を行い、材料特性に加え、製品としての性能評価を行い、実用化の可能性を検討する。
591 非晶質/ナノ結晶超弾性材料の開発 土谷 浩一 物質・材料研究機構 松井 一雄 豊橋技術科学大学 TiNi合金,Co-Cr合金に代表される医用弾性材料はステント・カテーテル用ガイドワイヤーなどの種々の低侵襲医療デバイスへの応用が急速に拡大している。しかし、これらデバイスの更なる小型化・薄肉化の要求に応えるためには、従来より更に高強度,高剛性かつ大きな弾性回復を示す弾性機能材料の開発が急務である。本研究では各種合金を強加工(冷間圧延,高圧ねじり加工等)により非晶質/ナノ結晶化した材料について、組織・構造・機械的性質を系統的に調査し、加工・熱処理条件等を最適化することにより、新しい超弾性材料を開発、実用化する。
609 液相還元法による金属銅ナノ微粒子の合成と形態デザイン 興戸 正純 名古屋大学 安田 匡一郎 中部科学技術センター 金属ナノ粒子は電子材料など多くの応用が期待される。Pt, Au, Pd, Ag貴金属ナノ粒子はボトムアップ法で作製されるが、それら金属より卑であるCuでは有効な工業的手法がほとんどない。そこで、液相プロセスにより、10 nm〜100 nmサイズの単分銅ナノ粒子の合成を目的とする。微粒子のサイズ・形態制御法、微粒子間の凝集制御法、表面酸化防止法を検討し、寸法因子と機能因子の相関を明らかにする。
687 微粒子衝突法による金属材料の表面創製とナノ結晶化 森田 辰郎 京都工芸繊維大学 行場 吉成 京都工芸繊維大学 微粒子衝突処理法を用いて金属材料の極表面に高圧縮残留応力を付与すると同時に表面組織のナノ結晶化を実現し、優れた機能性を有する表面層を創製する。本研究の具体的な目的は、上記の方法により各種金属材料の顕著な高疲労強度化と耐食性等の機能性改善を同時的に実現することである。また学術的側面から、各種分析機器を駆使して疲労強度および耐食性等が顕著に改善する理由を明確に把握しようと試みる。
701 低反応性熔融ルツボを用いたMg-Ag-Y水素吸蔵合金の開発 門野 純一郎 京都市産業技術研究所 伊藤 省二 科学技術振興機構 電子状態に着目してデザインしたMg-Ag-Y系合金を、低反応性熔融ルツボを有する高周波溶解法を用いて溶製し、水素吸蔵・放出特性を測定、評価する。従来のアーク溶解炉では困難であった低沸点金属のMgと極めて高活性金属であるY を低反応性熔融ルツボで合金化することにより、水素の吸蔵量が大きく、脱吸着速度の大きな新たな水素吸蔵合金の開発を目指す。
755 電気泳動現象を利用した微粒子の分級技術の開発 芝田 隼次 関西大学 武井 廣見 科学技術振興機構 微粒子をその大きさによって分ける方法、すなわち微粒子を分級する技術は存在しない。サイクロンや比重差による分離は数μmが分級限界である。金属ペーストや貴金属ペースト製造などの分野では、0.1μm程度の粒子を用いるが、これには1μmまたは数μmの粗粒子が混入することが避けられない。この研究開発では、0.01〜1μm以下の微粒子と1μm〜数μmの粗粒子とを分級する方法と技術、並びに0.01〜0.05, 0.05〜0.1, 0.1〜1.0, 1.0〜5.0, 5.0〜10.0μmのような粒度区分で分級できる方法と技術を開発する。
787 粉体プロセスを用いた高強度・高衝撃エネルギー吸収性マグネシウム合金の開発 近藤 勝義 大阪大学 武井 廣見 科学技術振興機構 工業用最軽量金属であるマグネシウム(Mg)合金を粉体固化押出プロセスによって創製する際,粉末内部の再結晶粒の球状化(等軸粒化)と層状構造を形成する旧粉末粒界配列との組識・構造最適設計により,従来の溶解法によるMg合金と比較して延性(伸び)の低下なく,高強度と高衝撃エネルギー吸収性を向上した構造用軽量合金部材(TS;300MPa以上,シャルピー衝撃値;30J以上)の開発を目指す.
832 製造性に優れた超耐熱・超耐環境次世代型金属間化合物合金の開発 高杉 隆幸 大阪府立大学 阿部 敏郎 科学技術振興機構 最密充填金属間化合物を構成相とする新規な超微細2重複相組織からなるNi基超超合金の合金設計と組織制御を行うと共に、種々の製造プロセス技術と基盤加工・活用技術の確立を図り諸性能を向上させる。これにより、製造性、省エネルギー、省資源、信頼性、コスト、環境調和性に優れた次世代型超耐環境高温構造材料の開発を目指す。
845 水素機能性を有する次世代汎用型高強度耐熱金属間化合物の創製と応用展開 金野 泰幸 大阪府立大学 巴月 康彦 大阪府立大学 汎用多結晶鋳塊から温間圧延−焼鈍を繰り返す組織調整プロセスを経て作製されたNi基およびCo基金属間化合物冷間圧延箔は,既存のニッケル合金やステンレス鋼に比べて格段に高い強度特性を示す。さらに,Ni基金属間化合物箔はメタノール改質反応に対して高い触媒活性も示し,優れた機械的特性と水素生成触媒能を兼備する新規金属系材料としての応用が期待される。本課題では実用化に向けてさらなる高強度化,耐熱性向上,触媒能向上等を目指す。
848 Ti合金と同等の高比強度を有するFe3Al基耐熱合金の開発 小林 覚 東北大学 阿部 敏郎 科学技術振興機構 Fe3Al基合金は高温における優れた耐酸化性及び耐硫化性、軽量性、低素材費のため各国で注目されてきた材料である。申請者はこれまでに本合金の加工・熱処理プロセスによる結晶粒微細化法を見出し、Ti合金に匹敵する高比強度を発現した。本試験では、既存の耐熱鋼やTi合金と代替する高比強度・低コストFe3Al基耐熱合金の開発を目指して、微細粒材の高サイクル及び低サイクル疲労試験、水蒸気中での引張特性及び機械加工性の評価を実施する。
1000 複合イオンでカゴを充填した熱電変換材料の開発 高畠 敏郎 広島大学 榧木 高男 広島大学 熱電変換性能の優れたp型材料として充填スクッテルダイトLaFe3CoSb12が知られている。本研究では,原子量と価数が異なるCaとLaで複合的に充填し,格子熱伝導率を低下させ,熱電変換性能を向上させる。La1-xCaxFe4-yCoySb12の元素組成x,yを調整した材料を作製し,その熱伝導率,電気抵抗率,熱電能を評価する。p型材料として熱電変換性能を最大化するだけでなく,FeとCoの組成比を調節してn型材料においても性能を最適化する。
1003 火災とその鎮火による温度と負荷履歴に対する鉄鋼材料と構造物の非弾性変形特性評価システムの開発 井上 達雄 福山大学 槙野 勝昭 ひろしま産業振興機構 申請者がこれまで蓄積してきた変態・熱・力学の理論と相変態シミュレーション手法に関する一連の体系の応用として、室温から800℃以上に至る火災の発生時の昇温と消火による冷却までの温度変化と、同時に受ける負荷履歴による鉄鋼材料(特に耐火鋼)と構造物の強度評価システムの開発を行うもので、以下の順に沿った系統的研究を行う。
(1)各温度における鋼、特に耐火鋼の非弾性力学特性の把握とその温度変化におけるパーライト、マルテンサイト変態などの相変態も考慮した変動温度および応力下での特性変化の弾塑性・クリープ構成式の一般化と解析および実験による検証。
(2)構築した構成関係を用いた2、3次元構造物の有限要素法によるシミュレーション(開発済みのシミュレーションソフトCOSMAPによる)。
(3)火災における外部負荷を考慮した温度変化に対する構造物の強度の変化と残留強度の評価システムの開発
1006 水素吸蔵金属を用いた異種金属の接合技術に関する研究 村田 卓也 山口大学 森 健太郎 山口大学 本研究課題では,代表研究者らが開発した水素吸蔵接合法(水素吸蔵させた金属を挟んで加熱・加圧しながら脱水素処理を行う接合方法)により,金属や合金間の異材接合を試み,界面制御技術の確立を目的とする.異種金属の接合においては,界面の金属間化合物の析出状況の制御が重要なポイントであるため,本研究課題では,接合条件とせん断強度及び界面状況の関係を整理し,最適接合条件を求める.
1052 衝突エネルギー吸収材としての中空金属球の新しい製造法 吉村 英徳 香川大学 福井 次郎 香川大学 温室効果ガスCO2の排出量削減のため,自動車の軽量化による燃費向上が図られている.一方で,車体重量増加を伴う衝突安全部品の適用も求められており,軽量化は容易でない.この課題を解決するための新材料技術として,近年,超軽量,高非剛性,高エネルギー吸収特性を有する超軽量ポーラス金属材料が注目されている.しかしながら,性能やコスト面においてまだ実用化レベルにない.大量生産性に適した塑性加工技術を用いて,超軽量ポーラス金属の一種である中空金属球(MHS)成形体の新しい製造方法を開発し,薄肉パイプ材から高信頼性かつ安価な材料を製造する.
1132 結晶形態制御による太陽電池用多結晶シリコンの発電高効率化 成田 一人 九州大学 古川 勝彦 九州大学 高い光/電気変換効率と低コスト化を同時に発現しうる多結晶シリコンインゴットを結晶方位学的立場から作製する。これまで双晶特有の成長形態を利用し、結晶核生成過冷度を制御することによりインゴット底面に粒界などの欠陥を低減させた粗大な結晶を得る知見を得た。本課題はインゴット底面に成長した@大型結晶の保持とA結晶方位制御により、単結晶品に匹敵する300μm 以上の拡散長を得るインゴットを作製することを目標とする。
1204 ケミカル・ミリングによる金属発泡体の気孔形態制御法の開発 松本 佳久 大分工業高等専門学校 石川 宗晴 科学技術振興機構 従来提案されている複雑な一次創製技術による密度制御法から脱却し、オープンセル(気孔形状)構造を有する金属発泡体にケミカル・ミリング(化学的加工)を施すことにより、二次的に気孔密度を制御した金属発泡体の加工技術を確立する。応用例は、工業分野では超軽量熱交換デバイス、密度勾配流体フィルター、また医療応用では海綿骨代替人工骨作製プロセスへの適用を想定している。

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 金属加工:26件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
14 優れた強度と延性を有する球状黒鉛鋳鉄薄板の開発 長船 康裕 室蘭工業大学 加賀 壽 室蘭工業大学 球状黒鉛鋳鉄の機械的性質を向上させるには,基地組織の高強度高延性化と黒鉛粒の微細化を同時に行うことが有効である.オーステンパ熱処理による基地組織の強化と,チル組織を発生させない薄板鋳造法を融合させ,今までにない高性能球状黒鉛鋳鉄薄板を開発する.本提案では4mm以下の薄板(黒鉛粒を超微細化)の基地組織及び強度特性(1000MPa以上の引張強さ,7%以上の伸びを目標)を検討し,実用化の見通しを得る.
53 プラズマ陽極酸化による軽量・高強度チタン合金への耐魔耗性コーティング 幅崎 浩樹 北海道大学 奈良林 直 北海道大学 本研究は,アルカリ水溶液中における陽極酸化という安価な表面処理法により,チタン合金表面へ高硬度で密着性が良く,耐摩耗性に優れたセラミックコーティングを施すものである。陽極酸化時に酸化膜の絶縁破壊によるマイクロアークの発生により,常温の水溶液プロセスながら高硬度のセラミックスコーティングを可能とすることに特徴がある。このプロセスにより,機械的特性が劣化するため高温プロセスが利用できないチタン合金への実用的耐摩耗性コーティングを達成する。
68 粉末RP鋳型による超迅速鋳物づくり技術の開発 戸羽 篤也 北海道立工業試験場 綿貫 幸宏 北海道中小企業総合支援センター 粉末RP成形体を鋳型・中子に用いることにより、模型や木型を必要としない超迅速かつ低コストの新たな鋳造プロセス技術を開発する。
現状の粉末RP成形体を鋳型として用いる場合の通気性、ガスの発生、寸法制度などの問題点を解決するため、鋳型の表面処理方法や、型の補強方法、ガス欠陥を防止する方法等を開発し、アルミ合金鋳物や銅合金鋳物を製造する超迅速鋳物製作技術を確立する。
138 単結晶シリコンの微細切削加工技術の開発 渡邉 洋一 宮城県産業技術総合センター 佐藤 明 宮城県産業技術総合センター シリコンウエハ上に作製されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)回路への電源配線用のΦ0.1mmの穴・溝加工の時間短縮化を実現するため、直径0.1mm以下の小径工具を用いた単結晶シリコンへの微細切削加工技術の開発を行う。切削工具形状の最適化、加工条件の最適化をはかり、割れ・欠けの無い加工表面を得ることを目標とする。
229 窒素マルテンサイトを利用した高強度・高耐食性表面改質法の開発 友田 陽 茨城大学 津田 征夫 ひたちなかテクノセンター マルテンサイト系ステンレス鋼の炭素を窒素に置き換えると焼戻しによって硬くなる。なぜ窒素の場合は硬化するのかを中性子小角散乱等を用いてナノ組織構造変化から明らかにし、高窒素マルテンサイト鋼の設計指針を得る。材料全体を高窒素化するのは製造において難点があり利用は限られるので、比較的低温で浸窒処理する方法を試み、表面層のみを高窒素マルテンサイトにすることをねらう。浸炭焼入れと異なって、高強度・高耐摩耗性に加えて耐食性の向上が期待できる。表面層に圧縮残留応力が残るので、疲労強度の向上も期待できる。
319 レーザーダイレス引抜きによる金属マイクロチューブの高速製造技術の開発 古島 剛 首都大学東京 川原 正言 首都大学東京 本研究は,金属マイクロチューブを,金型を用いないダイレス引抜きによって高速製造する技術を開発するものである.ダイレス引抜きは,チューブの局所加熱と引張変形の負荷のみで縮管を行う成形法である.そのため,ダイレス引抜きの高速化を実現するためにはチューブの急速・局所加熱が必須である.それらを実現するため,加熱源としてレーザーを用いた金属マイクロチューブの高速成形技術を開発し,さらにマイクロ化による寸法効果がもたらす伝熱挙動の高速応答を応用する.
417 フェムト秒レーザーによる金型表面の機能化とその有効性の検討 伊藤 義郎 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 超硬合金のフェムト秒レーザーによる直接加工によって、金型を作成する技術をこれまで開発してきた。その過程で、加工部表面に微細構造が形成されることが、見出された。レーザーの偏光を変えて加工するとこの微細構造は変化する。このような微細構造は金型の離型性や打抜き加工の際の切断面性状の向上に極めて有用であると予想される。本課題では、この現象による金型面の機能化とその有効性の検討を行う。
439 フレキシブル導液シートを利用した環境調和型高能率研削加工技術 岩井 学 富山県立大学 定村 茂 富山県立大学 本研究では、研削加工時に使用される冷却・潤滑用加工液を有効に作用させ、加工能率、加工面品位を低下させずに加工液使用量を極少量に抑え、それに伴って消費エネルギーも大幅に低減させる、環境調和型研削加工の実現を目指す。具体的には、装置が簡便、安価で、各種の研削方式に柔軟に対応できる「フレキシブル導液シート法」を適用し、加工液供給の最適化を行うとともに、各種の研削加工における加工液の使用量、工具(砥石)の寿命、加工性能を調査する。
447 窒化物−炭素系ナノコンポジット膜の開発によるアルミ切削工具への展開 野瀬 正照 富山大学 石黒 雅熙 富山大学 これまで行ってきた新しいナノコンポジット膜の実用化を目指し、従来のDLC膜付き切削工具(ドリル、エンドミルなど)に比べ2倍以上の長寿命を有する切削工具の開発を行う。具体的には、遷移金属窒化物と非晶質カーボン (a-C) とのナノコンポジット膜の優れた特性を活かし、アルミ切削工具用保護膜として実用化を目指す。そのために本試験研究では、実際の切削試験によって窒化物相とa-C相との混合比の最適化を図る。
558 複雑形状焼入鋼部品の表面硬さと硬化層深さのX線非破壊検査法の開発 坂井田 喜久 静岡大学 藤田 武男 静岡大学 本提案は、X線回折を用いて焼入鋼部品の焼入状態(表面硬さ、焼入れ深さ)を非破壊で測定できる技術を応用した、工場の生産ラインにおける部品非破壊検査システムの実用化に関するものである。これまでは、測定点の位置決めや精度そのものに関し改良を加えてきており、今回の検討では実際の部品を想定して3次元計測が可能な多軸ステージを導入してシステム改良とモデル部品による評価を実施する。
559 拡張後絞る冷間前方押出しによる歯車の成形法の開発 吉田 始 静岡大学 藤田 武男 静岡大学 本提案は、複雑な切削加工による歯車製作を、押し出し成形に置き換えるにあたって、研究者が考案した二段充填法により面圧を低減する加工法に関するものである。これまでの検討では、成形後の端面のバリ除去が加工後に必須であったが、本検討では、マンドレル、ダイスの径を途中で変化させ、成形中の材料流動を制御することで、これまでの特徴を活かしつつ、プレス加工程度の後処理ですむレベルにバリ形成をとどめるべく試験、シミュレーションを行う。
573 抵抗溶接法によるニッケル合金と鋼材のクラッド材料の開発 古澤 秀雄 愛知県産業技術研究所 近藤 正夫 愛知県産業技術研究所 化学工業の分野において、高耐食性を要する熱交換器や貯槽などに、SS400などの鋼材を母材にチタンなどの耐食性に優れた材料をライニングしたクラッド材料が多く用いられている。クラッド材料は爆着法や圧延法などにより製造されるが、コストが高く、施設や設備も大がかりになる。本研究では、ライニング材にニッケル合金を取り上げ、抵抗溶接法によるクラッド材料の開発を目的とし、安価なクラッド材料の製造技術の確立を目指す。
658 マイクロナノ構造体成形に適した電鋳材料の開発 安田 吉伸 滋賀県東北部工業技術センター 倉上 茂 滋賀県 電鋳技術は精密な転写性を有していることから、MEMS(微細電気機械システム)といった最先端技術に応用されている。しかし従来の電鋳材料であるニッケルや銅では@強度不足、A耐久性不足、B材料組織の不均一性などの問題があり、さらなる微細成形品へ応用するには問題があった。
そこで、上記3点の問題点を解決する様な、マイクロナノ構造材料に適した電鋳材料の開発を行う。
685 鋼表層へのMo粉末プラズマ溶接による高耐食性表面の創製 秋山 雅義 京都工芸繊維大学 笹田 滋 科学技術振興機構 プラズマ溶接技術を用いて鋼表層にMoを濃化させ、耐食性に優れた表面を創製する技術を開発する。Mo粉末を単にプラズマに載せて溶接すると、大半は飛散・燃焼し溶接表面が割れる。Mo粉末を予めシールしてベースメタル上に置き、それをベースメタル粉末を載せたプラズマで叩き、Moの飛散・燃焼を防ぐと共に溶接割れを防止する。シール材、シール方法、ベースメタル粉末を選定、Mo粉末とシール材の適性比を特定する。
804 電子実装用新低温固相接合技術開発 高橋 康夫 大阪大学 多田 英昭 大阪大学 熱以外の振動エネルギーを併用した固相接合機構を解明し,その原理を利用した低温固相接合技術開発を実施する.電子実装で行われているボンディング温度は250℃以下の低温であるが.本研究では,常温から210℃で固相凝着接合が可能になる機構,すなわち阻害要因(特に酸化皮膜)の処理原理を探求し,それに基づき,低抵抗・耐熱・変形柔軟性インターコネクション界面形成技術の創成を試みる.熱と非熱(振動)エネルギーの高効率利用により,接合を達成し且つ凝固組織を残さない新接合技術開発を目標とする.
829 超精密切削におけるダイヤモンド工具の熱化学的磨耗の抑制に関する研究 本田 索郎 大阪府立産業技術総合研究所 森田 均 大阪府立産業技術総合研究所 単結晶ダイヤモンド工具を用いた超精密切削加工は、主に高機能光学部品の加工技術として既に一般化している。しかし、その対象材料は無酸素銅、アルミニウム合金、無電解ニッケルリンめっき膜等に限定され、鉄系材料やチタン・モリブデン等の機能性材料はダイヤモンド工具に急速な熱化学的摩耗を生じさせるため加工不可能である。本研究では、ダイヤモンド工具と被削材間に電流を流す通電切削によって熱化学的摩耗の抑制を試み、超精密切削の対象材料の拡大を図る。
835 高速回転偏心ねじり押出し法の開発と難加工マグネシウム合金への適用 高津 正秀 大阪府立大学 武井 廣見 科学技術振興機構 力ずくで変形させる従来の強加工微細化プロセスでは,大型バルク素材の創製や難加工材への適用が難しく,また,非効率、低歩留り、均一微細化が難しいなどの問題がある.高速回転偏心ねじり押出し法は,回転するビレットをダイに押し当て,摩擦による発熱と塑性流動による材料の自然流出を待つもので,上記従来法の課題の一挙解決が期待できる.ここでは,特に微細化効果の大きい難加工マグネシウム合金への適用を検討する.
888 新規ウェットプロセスによる高密度垂直磁気記録媒体の製造 八重 真治 兵庫県立大学 瀧澤 精一 兵庫県立大学 無電解析出させた金属ナノ粒子を用いる新規ウェットプロセスにより高密度ナノホールアレイを形成し、これにコバルト系硬質磁性合金を無電解自己触媒析出法を用いて充填することで、高密度な垂直磁化ナノロッドアレイを作製する。これにより、溶液に浸すだけの簡便で低コストな方法で、テラビット高密度垂直磁気記録媒体を製造することを最終目標とする。
906 金属プラズマを利用した大面積イオン源の実用化 重本 明彦 和歌山県工業技術センター 前畑 進 わかやま産業振興財団 本研究では金属表面に対する金属イオン注入やドライコーティングを目的としてEBガン(電子ビーム蒸発源)を装荷した低ガス圧高電離金属プラズマによる金属イオン注入法を提案する。その特徴としてEBガンによる金属蒸気を2段階放電により高電離プラズマ化する技術があげられる。この金属イオン化技術と未電離金属蒸気の回収技術を工夫することにより大面積で取り扱いが簡便な金属イオン源を試作し、その性能評価を行う。
960 研削加工の生産性向上のための高感度型加工開始点検出システムの開発 藤原 貴典 岡山大学 東 英男 岡山大学 金属加工に不可欠の研削加工は、ミクロン単位の加工を行うので、加工開始点の厳密な予測が困難で、空加工時間が長く生産性向上を図りにくい。
そこで、加工開始直前まで高速送りを可能にするため、干渉開始点までの距離を検出する「タッチセンサー」を開発する。本センサーは、多孔性構造を持つ砥石に特有の「研削液噴出現象」により、センサー表面に付着する研削液量で変化する電気抵抗変化を検出する。そして、抵抗変化変化量から加工開始点までの残り移動量を推定可能にする。
991 板材成形・スプリングバック高精度シミュレーションのための材料パラメータ自動同定システムの開発 吉田 総仁 広島大学 松井 亨景 広島大学 板材成形・スプリングバック(成形後の弾性回復)の高精度のシミュレーションのためには,材料の硬化およびバウシンガー効果(応力反転時の塑性挙動)のモデル化が重要である.本研究では,板材の「引張り試験+大ひずみ繰返し曲げ実験」データを用いて,硬化・バウシンガー効果を記述する材料モデル中のパラメータを自動的に同定する実用的でユーザーフレンドリーなシステム(実験装置+ソフト)の開発を行うものである.
1017 液圧張出・逆張出・しごき複合加工法の確立 畑中 伸夫 阿南工業高等専門学校 森本 巌 徳島県立工業技術センター 金属板の張出加工は、通常,剛体工具を用いて行われるが、十分な成形高さを得ることができない。本研究は、液圧一次張出により製品外径より大きなダイスを用いて広い範囲の材料を薄肉化し、この薄肉化した材料を逆向きに二次張出させて製品外径を持つダイス内に流入させ、最後に剛体パンチを用いて側壁部材料にしごき加工を行う。これらの複合加工により、従来実現できなかった成形比と、高い寸法(径と板厚)精度の実現を目指す。
1019 キャビテーション援用による金属材料の高アスペクト比穴加工技術の開発 小川 仁 徳島県立工業技術センター 大村 芳正 徳島県立工業技術センター 直径0.1o以下の小径ドリル加工では主軸特性,工作機振動特性の影響を受け易く,また,ドリル剛性の低下により工具寿命は短く,工具折損が頻繁に生じる.特に切屑排出性に工具寿命は強く起因する.
本研究では,工作液に超音波振動を付与することにより生じるキャビテーションの援用により切りくず排出を促し、金属材料に対する穴あけについて、アスペクト比20(穴深さ/穴直径)を超える深穴を安定して加工する技術開発を行う。
1073 高周波誘導による局部予加熱での軸拡径加工法の開発 朱 霞 愛媛大学 小谷 哲哉 愛媛大学 該当研究者が軸材に対して一定の軸圧縮応力条件下で回転曲げによる引張・圧縮の繰返し応力を重畳させ部分的に肥大加工させる塑性加工法を確立し、室温にて極めて短時間、省エネ・省資源な軸拡径加工機を開発した。本研究では既に独自で開発した大型軸拡径加工機に備えた高周波誘導予加熱装置を用い、軸拡径加工部を高周波誘導予加熱後、軸拡径加工を行い、より大きな軸拡径率・高い加工効率を達成する最適加工条件の確立を図る。
1120 抵抗クラティング法による軽量耐摩耗性複合材の開発 山口 富子 九州工業大学 田中 洋征 九州工業大学 低融点物質を溶融凝固させてクラッド層を形成する方法を用いて、板厚2mmの鋼板上に WC-6.5Co及びWC等の耐摩耗金属粉末を単独にクラッディングして耐摩耗性改質層を制御する技術を開発する。さらに、板厚2mmの軽量材料にバインダ−を用いないで高硬度物質を溶融凝固させてクラッド化を図り新規な軽量耐摩耗複合材を開発する.
1231 ステレオ動画解析法による3次元塑性変形可視化技術の開発 牟禮 雄二 鹿児島県工業技術センター 平井 澄夫 科学技術振興機構 鍛造加工における加工品の欠陥を予測するため、金型設計時に材料変形を事前に可視化することは重要である。数値シミュレーションや実験シミュレーションにより可視化できるが、様々な問題を抱えている。
本研究では、加工品の外表面及び複数断面において、時系列的な3次元座標の追跡を可能とし、欠陥発生を予測するための独自の可視化手法を用いた低コストで簡便な3次元塑性変形可視化技術を確立し、プロトタイプ装置を構築する。

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 選鉱・精錬:1件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
181 アークを気体電極とする電気分解技術の開発 武田 紘一 秋田県立大学 三浦 喜一 あきた企業活性化センター 現在、酸化物原料を溶融して電気分解する溶融塩電気分解法ではアルミニウム製錬に代表されるように炭素材料のグラファイトを電極としている。炭素以外に高温溶融塩中で利用できる適当な固体電極材料がないためである。電気分解により酸化物原料から分離された酸素は電極炭素と反応して多量の二酸化炭素ガスとなり反応系外に放出される。本研究は固体電極の代わりにプラズマアークを気体電極として用いる新しい電気分解技術を開発することを狙いとする。炭素電極を用いないために従来の溶融塩電解法と異なり二酸化炭素の発生がない。

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