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地域ニーズ即応型(平成20年度終了課題)事後評価結果一覧


 平成20年度地域ニーズ即応型について、「地域イノベーション創出総合支援事業(重点地域研究開発推進プログラム)の課題評価の方法等に関する達」に準じ、事後評価を実施したので、下記の通り報告する。

 ・(参考)評価者一覧

 ・評価結果(以下に記載)


No. 課題名 調整役機関名 実施企業名 参画機関名 評価コメント
1 高感度磁気センサーを用いた小口径鋼管の熱疲労割れ検出技術の開発 北海道立工業試験場 日鋼検査サービス株式会社 北海道立工業試験場
横浜国立大学
従来の超音波探傷法や渦流探傷法では困難な小口径鋼管の熱疲労割れに対する、小型磁化器と高感度磁気センサーを組合わせた漏洩磁束探傷法による検出技術システムに係る各技術項目は計画通りに実施され、企業課題の解決に向けた基本的技術が確認されている。本成果を元にした実機による検討によって実用化可能性の確認をさらに進めることで検査技術の高度化が期待される。さらに、自社向けにとどまらず、本技術自体の商品化によるビジネスモデルのもと、さらに広い市場展開も検討する必要があると思われる。
2 高輝度LEDを用いた光質プログラム制御型植物栽培用光源パネルの開発 北海道立工業試験場 株式会社石黒鋳物製作所 北海道立工業試験場
千歳科学技術大学
人工光型植物工場用に、高輝度・高効率LEDを用いた光質制御光源パネルの開発およびこのパネルを用いた小型栽培装置を製作し、その装置評価(光質・冷却等)及び栽培試験(ルッコラ)による成果・情報を得ることが出来た。今後、本装置で得られた情報をもとに改良を加えることで市場性を見極め、さらなる高性能化、低コスト化をはかり、実機として販売することを期待する。
3 ホタテ貝のひもや生殖巣などを利用した発酵ペーストの製造法確立と保健機能性の解析 北海道立食品加工研究センター 有限会社汐彩 北海道立食品加工研究センター
北海道大学
本研究開発により、未利用資源として豊富かつ安価なホタテのひも、生殖巣を原料とした発酵ペーストの製造を可能にしたこと、既にアミノ酸を豊富に含む発酵ペースト食品として販売されていることは評価される。研究が短期間であったことから、その保健機能性評価において、機能は示唆にとどまったが、「機能性」の価値を精査し、さらに付加価値を高めることが期待される。
4 大腸粘膜洗浄液を用いた遺伝子診断法の開発 財団法人北海道科学技術総合振興センター 株式会社GLab病理解析センター 札幌医科大学 粘膜洗浄液に含まれる細胞のDNAメチル化検出技術を開発し、病理組織診断と遺伝子解析を同時に可能にしたことは特筆すべき成果といえる。本技術は大腸癌のスクリーニングに応用できるものであり、今後、検査法としての標準化のための検討が必要であると考えられるが、企業化は十分期待できる。
5 鮭皮ペプチドの代謝調節機能の研究 財団法人十勝圏振興機構 井原水産株式会社 帯広畜産大学
財団法人十勝圏振興機構
これまで明らかではなかったコラーゲンの皮膚機能改善に対する作用機序が示唆された。今後、研究を継続し、より低分子化されたコラーゲンの製造方法の開発とその機能を科学的に明らかにすることにより、イメージが先行する健康食品市場に確固たる位置づけを築いて頂くことを期待する。
6 生体内極微量生理活性物質を検出するための技術開発 財団法人十勝圏振興機構 株式会社フロンティア研究所 北海道大学 中枢神経系で使用できる高力価で特異的なCCK抗体の作成に関する技術的課題、作成した抗体はCCKに対して特異性がなかったものの、CCK-8合成ペプチドを抗原として作成したマウス抗血清を使用した場合にCCKに対する選択的な検出の可能性が示唆され、今後の展開によっては企業化の課題を解決することが期待される。
7 シリコン研削装置における機上高速ウェハ厚・欠陥計測システムの開発 山形県工業技術センター エムテックスマツムラ株式会社 山形県工業技術センター
山形大学
計測システムの基本性能として重要な、計測時間、計測精度について目標としていた性能が達成されている。今後、この計測システムをシリコン研削機へ取り付けた試験、MEMSミラーの解析評価と個体差の抑制、要求する厚さ測定精度(分解能)の向上、さらにシステムの動作信頼の向上等を図り商品化を期待する。
8 腹部への圧迫力を低く抑え、かつ腰部の安定性と着用快適性を向上させた腰用サポータの開発 富山県工業技術センター 山屋産業株式会社 富山県工業技術センター 本商品は使う人の快適性、動作性など人間工学的見地からもニーズに応える商品として普及することが期待できる。更なる、着用試験でのモニターの意見も取り入れ、市場動向も踏まえ、さらに良いものに仕上がることが望まれる。
9 風力・太陽光・水力などの自然エネルギーをマルチ入力できる独立電源装置の開発 石川県工業試験場 小松パワートロン株式会社 富山大学 当初の目標値は達成できており、評価できる。今後、改善点の対応をし、フィールドテストの実施、量産化計画、量産試作などを経て商品化が期待される。ただし、一般家庭のユーザー動向は太陽光のみ利用が多く、風力利用システムや、水力を組み合わせるシステムについては、十分なマーケティングを実施することが望まれる。
10 繊維製品の透かし柄加工装置の開発 岐阜県産業技術センター 株式会社吉村ニット 岐阜県産業技術センター 公設試の有する技術シーズにより課題が解決された点が評価できる。技術的優位性の確保の観点から、描画精度の向上が今後の課題ではあるが、新規市場創成への契機になることが期待されることから、今後の取り組みに期待したい。
11 低速ネットワーク回線下における動的情報通信システムの研究開発 財団法人岐阜県産業経済振興センター 株式会社東海パウデックス 岐阜県情報技術研究所
岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー
岐阜工業高等専門学校
画像伝送の中核となるソフトウェアの構築は達成されており、この利用価値は高いものと評価できる。しかし、遠隔制御の実用化についての課題を解決する必要がある。今後の取り組みに期待したい。
12 ナノクレイコンポジットによるポリ乳酸の難燃化 愛知県産業技術研究所 東洋樹脂株式会社 愛知県産業技術研究所
独立行政法人産業技術総合研究所
ポリ乳酸系材料は、環境適応材料として期待されている。本研究において掲げた材料の難燃化という課題は解決されているが、実用化に向けては製品化イメージの具体化やそのための開発目標の明確化など、解決すべき点が残っており、研究開発の継続が望まれる。
13 RF−SQUID超高感度磁気センサによる乳製品内金属異物検査実用装置の開発 財団法人科学技術交流財団 アドバンスフードテック株式会社 豊橋技術科学大学 今回実施すべき課題はほぼ解決されている。食の安全に対する意識の向上から、本装置への期待度は大きいと評価できる。今後、装置の小型化、低コスト化を図り、製造ラインにおいて十分に使用できる装置が完成することを期待する。
14 耐酸性を向上した耐熱陶器用釉薬の開発 三重県工業研究所 萬古陶磁器工業協同組合 三重県工業研究所 提起された無害化という課題は解決されている。食の安全に着目し、地道な改善を積み重ねた成果であり、地場産業において即時採用可能な柔軟性を評価したい。本事業の意図に十分に対応した開発課題の達成であり、地域産業振興へ寄与することを期待する。
15 耐熱プラスチックキャップ用バイオプラスチック材料の開発 奈良県工業試験センター 三笠産業株式会社 奈良県工業技術センター 研究開発期間が短かったため、植物由来樹脂の材料・組成の選択・絞り込みができず、満足できる課題達成には至らなかったが、解決に向けて相当進展した。企業の開発意欲は高く、最適な材料・組成が決定できれば性能とコストのバランスの取れた企業化は可能である。地球温暖化等環境問題の観点からも重要な課題であり、早期に目標達成することが期待される。
16 ロータリー式圧縮成型機を用いた無鉛絵画絵具用溶融塊製造方法の開発研究 京都府中小企業技術センター ナカガワ胡粉絵具株式会社
酒井硝子株式会社
京都府中小企業技術センター ロータリー圧縮成型機を用いて、成型条件の検討や成型仮焼における融着防止など、様々なプロセス条件の検討をして、Pbフリーで環境に優しく、耐食性に優れる絵具の製造法開発に成功した。成型・仮焼工程が必要な従来手法に比べ、組成が均一で時間当たりの処理量が約10倍に向上できたことは、伝統産業にとって画期的である。
17 醤油・味噌の原形である「ひしお」の再現と商品化 奈良県工業技術センター 株式会社 井上本店 奈良県工業技術センター 古代「ひしお」の再現とその商品化を課題とし、現代の知見、技術を加味して検討を重ねた結果、商品化に値する「ひしお」の製造に成功したことは高く評価できる。また、原料配合、麹の製造方法等のノウハウ蓄積に加えて、平城遷都1300年祭での販売も明確となっており、目標達成がほぼ確実と思われる。今後も、実用化・商品化に向けて更なる検討を加え、奈良県の地域特産品に育てることが期待される。
18 環境負荷低減型高速線引き用ローラーダイスの開発 京都府中小企業技術センター 福知山重工業株式会社 京都府中小企業技術センター
京都工芸繊維大学
国立舞鶴工業高等専門学校
従来型に比べ倍以上の伸線加工速度1,000m/minのローラーダイスユニットの開発を目指した結果、その必要条件である、機械的構造・駆動方法・冷却方法についての各技術的課題は達成された。今後、ユニット全体の耐久性が検証できれば、企業化が期待できる。ローラーダイスの表面コーティングによるコストダウンについては、更なる検討が望まれる。
19 眼鏡レンズの傷などの欠陥検査自動化方式の研究開発 財団法人大阪市都市型産業振興センター アークライト・ソフト株式会社 公立大学法人大阪府立大学 大阪府立大学のシーズを取り入れたLEDアレイと円筒レンズを使用した集光による光源や画像処理などで微細な幅の傷でも解決できる検査プロセスの簡素化の可能性を見いだしており 、企業化が期待できる。
20 研削工具再生処理のための砥粒複合めっき技術の開発 地方独立行政法人大阪市立工業研究所 貴和化学薬品株式会社 地方独立行政法人大阪市立工業研究所
立命館大学
パルス電解の適用により、平滑な皮膜を高速で得られる可能性を開いたことは、加工機械上で磨耗した部分のみを短時間で再生する技術に大きく寄与する。また、めっき皮膜と同時に剥離されるダイヤモンド砥石を回収し、再利用も可能にしたことは、省資源化の端緒になる。今後、開発しためっきプロセスを加工機械上に搭載し、システムを上市することが望まれる。
21 高速、低価格成型品監視システムの開発 大阪府立産業技術総合研究所 株式会社トラスト 大阪府立産業技術総合研究所 大阪府立産技総研の画像処理技術、及び(株)トラストの金型設計技術等を融合し、型開き後の一次監視、イジェクト動作後の二次監視の高速化という技術的課題が解決された。また、低価格カメラの開発等も同時に進められた結果、従来品に比べ大幅な低価格を実現できる見通しとなり、企業化は十分期待できる。
22 業務用屋内小型自律飛行船ロボット(人間活動空間調和タイプ)の開発 大阪府立産業技術総合研究所 株式会社ワイズ・ラブ 大阪府立大学
大阪府立産業技術総合研究所
当初設定の技術的課題はよく検討され、特に位置検出性能の限界が明らかにされたことは今後の研究の方向を明確にするためにも貴重な知見である。また、実用化のために重要な視点である軽量化を意識して研究が進められており、アクチュエータの重量軽減等で一定の成果があったことは評価できる。基本技術は確立できたと判断でき、実用化まで期待できるとともに、全く新しい新規ロボットであって、今後解決すべき実用化課題は多いと思うが、是非商品化まで漕ぎ着けて欲しい。
23 安全な空気圧駆動による上肢パワーアシストスーツの制御方式の開発 和歌山県工業試験センター 株式会社オノテック 和歌山県工業試験センター
和歌山大学
研究そのものは進展し、重要なデータも蓄積されつつあり個別の成果は得られたと思われる。ニーズも大きく、企業化が望まれていて期待できるが、プロジェクトが目指す今後の実用化に向けた部分動作から全身動作のパワーアシストの長期的な開発計画が必要である。
24 視覚障害者の誘目性向上と経路指示のための装置及びシステムの開発 島根県産業技術センター ヒカリ電子工業株式会社
株式会社マイメディア
島根県産業技術センター 視覚障害者(発光モデル)とペット用モデルでは電子部品等の軽量・小型化の技術課題と各種試験が残っているが、課題解決の道筋を明確にして上市を目指していただきたい。また、知財戦略の明確な実行計画が必要と考える。視覚障害者(経路指示用モデル)は課題も多く、商品化のためにはクリティカルパスとなる課題を明確にしての取り組みを期待する。
25 アクリル樹脂の超精密切削技術の確立と光学部品への適用 岡山県工業技術センター 有限会社藤昇工作所 岡山県工業技術センター 当初計画に沿って、着実に研究が行われ、アクリル樹脂の透明度確保の見通しが得られたと考えられる。企業化については、光学部品に必要な精度確保の課題が残っていると考えられるが、フィードバック等で精度確保は可能であり、コスト次第と思われる。既存市場のある開発のため実用化が期待される。
26 オリーブ葉抽出物の微生物処理による新規機能性成分の開発 岡山県工業技術センター 日本オリーブ株式会社 岡山大学 抗酸化物質として企業化の可能性はあると思われるが、処理エキス、単離成分も、食品または化粧品等の用途を考えられていることから、安全性の評価、および、含有成分、単離物質の同定も必要と思われる。これらのことが解決され、コスト的に見合えば企業化の可能性が期待される。また、同時に、化合物A、Bの知財確保が望まれる。  
27 エポキシ樹脂への無電解ニッケルめっき手法の開発 山口県産業技術センター 下関鍍金株式会社 山口県産業技術センター 本テーマについては、残念ながら、現時点で課題の解決に至っていないが、今後、研究を進めるに当たっては、めっきの各工程の基礎特性を解析・解決し、再現可能な信頼性のある技術、言い換えれば工業化の可能な技術の確立を目指される事を期待する。
28 食の安全・安心を主眼としたトラフグ刺身の周年提供(低塩分海水陸上養殖)の研究 長崎市水産センター 株式会社 ジャパンアクアテック 国立学校法人 長崎大学 水産学部
長崎市水産センター
2年魚を用いた冬期の39日間の飼育ではあるが、希釈海水での養殖が可能であること、および希釈海水飼育により寄生虫の駆除が可能であることが示唆された。今後、実際の飼育を想定した条件での夏季を含む長期の飼育を検討し、希釈海水飼育の企業化の可能性を明示していただきたい。また、希釈海水飼育で、出荷前の過剰給餌による肥育の可能性も示していただきたい。
29 農産物の品質低下を検知するカラーイメージングセンサ開発のための基盤技術開発 熊本県産業技術センター 株式会社 果実堂 熊本県産業技術センター
国立大学法人 熊本大学
成果であるカラーイメージングセンサーについて特許出願を予定しており、イオウ系ガスの検出感材をナノ粒子サイズ効果によって、数ppbレベルの感度が実現できれば、非常に高い感度のガス検出カラーイメージングセンサーの実用化が期待される。今後の展開については、実用化担当企業の研究開発への注力度が少ないようであり、資金ニーズも含めて企業ニーズを明確化することが必要である。
30 多方向3次元形状計測システムの開発 財団法人いわて産業振興センター 株式会社ラング 岩手大学 研究は計画通り進捗し、企業における課題解決において一定の効果が得られ、特許出願もなされた点は評価できる。技術的にはハード面の課題は解決されたが、ソフト面では課題が残っており、継続してシステム全体の精度向上やソフトの面で課題解決を図っていくことにより、今後の事業展開を期待したい。
31 オゾン水洗浄・殺菌効果における微細気泡表面電位の影響の解明と洗剤レス発生装置開発への活用 財団法人あきた企業活性化センター 株式会社 キカワ 国立大学法人 秋田大学 本試験にて気泡電位・気泡サイズの効果を調査し有効性が確認された。この結果を基に高効率オゾン水生成装置を試作し実証できた点は評価できる。加えて固形物分離の原理も確認され環境対応装置としての可能性も示された。実用化には効果の安定性や使い勝手等更なる検討が必要ではあるが、環境・エコ対応技術として早期実用化を期待する。また、本試験結果にて特許出願を行った点も評価できる。
32 地上波デジタル、無線LAN共用小型アンテナの開発 財団法人横浜企業経営支援財団 松崎電気工業株式会社 東海大学 当初予定した開発を実施し、小型化、シンプル化等の開発目標は達成したと評価する。しかし、コスト面では課題が残った。完全実施がせまっている地上波デジタルテレビ放送用と普及が進んでいる無線LAN用を共用できる小型アンテナとしてコスト面の課題を解決して商品化するとともに、この技術を現行のテレビ用室内アンテナの小型化にも応用することを期待する。
33 オゾンマイクロバブルを用いる高BOD廃液処理技術の開発 千葉県産業支援技術研究所 株式会社フジコー 独立行政法人産業技術総合研究所 高BOD廃液をオゾンマイクロバブル処理と微生物処理により低コストで河川放流可能なレベルまで浄化する技術開発である。目標は未達であったが、オゾンマイクロバブル処理により微生物処理が可能なBOD値まで浄化できたことは成果である。微生物処理後の最終BOD値も目標は未達であったが、今一歩であり、その課題は明らかにされていることから、企業化は期待できる。
34 機能性表面創出のためのシルクスクリーン印刷技術の高度化 茨城県工業技術センター トップ・フーズ株式会社 茨城県工業術センター セラミックスコーティング条件及びシルクスクリーン印刷技術を利用したコーティング条件について基礎的知見が得られたと評価する。しかし、実用化のためにはまだいくつかのハードルが存在しており、その認識を明確に持って対応策を練ることが必要である。課題をよく分析し、解決に向けて推進されることを期待する。
35 硬膜外麻酔用液圧穿刺注射器の開発 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 株式会社ユニシス 東京工科大学 企業の有している実績と大学の持つ技術のマッチングが適切である。穿刺注射器のメカニズムに関する考察及びモデルの組み立ては、ほぼ完成しているといえる。課題全体として当初の目標にほぼ到達しつつあると思われる。したがって今後人間モデルへの適用及び医師による臨床評価が適切に行われることにより、製品化が期待される。
36 食品残渣米糠の乳酸発酵飼料化 茨城県畜産センター 株式会社 塚原牧場 茨城大学
茨城県畜産センター
エンドユーザ企業の課題解決に向けた実証等一定の成果が得られたと判断する。次の段階として、事業化を見据えたビジネスモデルの構築など、製造販売を担う企業を巻き込んだ開発研究を推進すべきであり、また、知的財産権の戦略的獲得を考慮した対策等も緊急の課題となる。県主導の開発研究を推進・継続することにより、茨城県産畜産物のブランド化の推進と新たな飼料開発などの実用化を期待したい。
37 コンニャクマンナンを主原料にしたメタボ対策食品の開発 群馬県立群馬産業技術センター 株式会社丸大オヲツヤ商店 群馬県立群馬産業技術センター メタボ対策を目的に、コンニャクマンナンから種々の食品への応用が可能な新素材を開発する課題については、その製造法における技術的課題を解決しており、企業化が期待される。今後、新素材の生理的機能性の更なる評価データの蓄積、および各種食品に応用するために解決すべき課題への対応が望まれる。
38 組込型高周波アンテナのチューニングのためのフレームワーク構築 新潟県工業技術総合研究所 株式会社ウィビコム 新潟県工業技術総合研究所下越技術支援センター 今回の結果を基に、電磁界シミュレーション等の理論的アプローチと実験データとの比較検証をさらに進め、アンテナ基板の設計開発工数削減のための指針をさらに明確にすることが必要である。
39 高精度インプロセス計測機能付ロボットチャックの開発 長野県工業技術総合センター 株式会社 小林製作所 長野県工業技術総合センター 従来のチャックとほぼ同程度の大きさのものが試作されており、従来製品とリプレイスが容易であることから、企業化について障害はないものと判断する。測定精度については、当初の目標値が達成されていないが、原因は掴めており、対策は可能。実機の厳しい環境下での耐久性の確認や、加工機メーカー、加工ユーザーとの共同開発を行うことも検討したほうがいいのでは。また各地のフェアなどに出品するなどして、成果を広く発表することを望む。
40 高張力鋼板用の大型金型を現場補修するための新・レーザー肉盛り処理技術(ガス・粉末供給)の確立 静岡県工業技術研究所 テクノコート株式会社
株式会社 富士テクニカ
光産業創成大学院大学 研究開発計画に沿って独自の解決案に基づいた着実な実験実証が進められており、企業化に必要な成果は得られたと考えられる。しかし、研究期間内で完了していない項目もあるので、残された項目の速やかな実施と結果の評価が必要である。今後、得られた知的財産の権利化(特許出願)や、技術の市場PR(展示会出展や企業デモ)も望まれる。
41 ヒートポンプエアコンとボイラーを併用した温室栽培用省エネルギーシステムの開発 静岡県工業技術研究所 川合肥料株式会社 静岡県工業技術研究所 ボイラー単独に対する削減結果について実証でき、優位さが認められたことは評価できる。だが、急遽試験場所を変更するなど、やむを得ない事情で試験遅れが生じたため、最適化や改善に向けた指針作りに至らず、最終的には作物への影響を評価し、コストを削減するという課題の解決が果たされなかったことは残念である。今後も、当初計画に従って試験を継続され、早期に課題解決が進められれば、社会情勢にあったテーマとして期待できる。
42 眼鏡プラスチックレンズのレーザー染色技術の開発 静岡県工業技術研究所 株式会社 ニデック 浜松工業技術支援センター CO2レーザーを用いることで、従来技術で眼鏡レンズの染色に要していた時間を1/10程度に短縮可能との知見を得た。しかし、レーザー染色によるレンズの変形、レンズ表面の白化、色ムラ、密着性が悪い等の課題も表面化した。今後はレーザー照射条件等を検討して、品質上の課題をクリヤーすると共に企業化を押し進めて欲しい。
43 床暖房対応木質フローリングの寸法安定性の向上と蓄熱性の付与 静岡県工業技術研究所 佐藤工業株式会社
株式会社 アルコン
静岡県工業技術研究所 フローリングに対する化学処理剤と樹種が絞られ、乾燥時の結合水と置換・分散によって寸法安定効果が発揮されることが確認された点については一定の評価ができる。しかし現時点では企業化に直結する成果が得られたとは言い難く、当初予定と異なる処理剤を使用したこと等によるコストアップに対しては相当の対処が必要である。
44 シリカハイブリッドコーティングによる超低汚染性食器の開発 福井県工業技術センター 株式会社下村漆器店
株式会社ナノリサーチ
国立大学法人福井大学 3つの目標[@180℃、30分間のオーブン加熱で色素汚染が目視レベルで見えない。そして数百回の加熱処理で汚染がないこと。A表面硬度として9H達成、B1000回洗浄までOK。]のうち、達成できたのは@の前半部分とBであったが、現状への適用性を再考し、当初目標設定より幾分低いレベルの製品を実用に供する可能性もあるものといえる。
45 ポリプロピレン用顔料の高分散性分散剤の開発 福井県工業技術センター ローディア日華株式会社 国立大学法人 福井大学 分散剤として、一般的に使用されているステアリンCaよりも、格段に優れた効果が見出されている。成形機と顔料および分散剤で直接成形による着色製品が得られることが期待される。現行品よりも低コストの製品、あるいは着色において品質の優れた製品を提供できる場合には、企業化は充分に期待できる。
46 CO2含浸プラスチックのレーザー印字法の開発 滋賀県工業技術総合センター 新生化学工業株式会社 滋賀県工業技術総合センター PMMAやPCへの印字方法の信頼性試験やPOM, PPS, PA樹脂等のエンジニアリングプラスチックへの印字方法の開発に関して、当初の課題が解決されている。また今後の実用化に対する貴重な成果が得られている。
47 金属・樹脂一体成形における、接着力向上に関する研究 滋賀県東北部工業技術センター サンテクノス株式会社 滋賀県東北部工業技術センター 今後さらに研究開発を続けていくための基礎デ−タは十分に得られているが、最も重要な接着表面改質した金属を用いた一体成形に関して、当初の課題の解決には至っていない。企業化のためにはさらに研究が必要である。
48 部分結晶によるリサイクルPPの物性改善 滋賀県東北部工業技術センター 株式会社近江物産 金沢大学
滋賀県東北部工業技術センター
曲げ特性は目標値を達成しているが、引張強度は目標値を下回っており、すべての問題が解決されてはいない。今回の研究により物性改善効果は出ているので事業化の可能性はあるといえるが、引張強度、衝撃特性の改善は非常に重要な要素であるので、さらに最適な改質剤及び添加量等を把握し、また後処理による改善等を検討し事業化に結び付けていって欲しい。
49 オゾンマイクロバブルによる魚類寄生虫症等治療技術の開発 滋賀県水産試験場 関西オートメ機器株式会社 滋賀県水産試験場
長浜バイオ大学
データのばらつき、濁度の時間変化の様子からマイクロバブルが水槽内に一様に混和されてない可能性があると推察される。今後この点を解明していくことが必要である。しかし薬剤を使用することなく駆虫を可能にする本技術は実用化が期待出来る。
50 香川県内ため池底泥を利用した炭化多孔質セラミック緑化基盤材の創生と実用化に関する研究 香川県産業技術センター 株式会社 豊和開発 香川県産業技術センター 香川県の環境改善にも寄与し、香川県にとどまらず市場は全国的で広く、将来有望な開発研究である。香川県産業技術センターの支援もあり技術的には当初の計画である企業ニーズは解決出来たと考えられる。しかし、企業化のためには、更に詳細なコスト面での解決とプロセスの改善、最適化が必要である。汚泥のロータリーキルンのよる炭化焼成試験では、CO2,COが排出される。このCOの処理方法も解決しなくてはならない。総合的に、良い成果が得られたと判断できる。
51 耐焼付性に優れた特殊アルミニウム青銅鋳物の開発 愛媛県産業技術研究所 道前工業株式会社 愛媛県産業技術研究所
新居浜工業高等専門学校
DZ400に関する金属組成、耐摩耗性などの評価に関しては、一応の結果は得られているが、本研究の大きな目標である摺動部材の耐焼付性に関しては、評価が実施できず、初期の目標が達成されていない。また、現行のアルミニウム青銅鋳物の物性改良により、その企業化の可能性は期待できるが、短期間での課題解決と企業化は困難であると判断する。
52 医療・介護現場のニーズに対応した歩行訓練機の実験機開発 高知県工業技術センター 株式会社相愛 高知県工業技術センター 重要と考えられる医療現場での実証試験が実施されていないが、免荷歩行訓練機のプロトタイプが開発され、着実に研究を推進されていることは、評価できる。当該企業は、既に歩行訓練機を販売しており、今回の研究で歩行訓練の評価および記録ができることを実証している。今回開発された新歩行訓練機についても、安全性の確保などの課題が全て解決されれば商品化できる可能性は高いと思われる。
53 空気圧人工筋肉の特性を生かしたリハビリテーション装具の研究開発 宮崎県工業技術センター 有限会社 マキタ義肢製作所 宮崎県工業技術センター
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 霧島リハビリテーションセンター
試作機での健常者による評価は良好であった。今後、患者でのデータを取り、その評価を踏まえた検討を加え、実用化に努めて欲しい。事業化に当たっては、在宅での利用も対象として、安全性を最優先とし、コスト面・耐久性面を考慮して、ビジネスモデルを構築して欲しい。
54 宮崎県固有品種の白ゴーヤを用いた機能性酢の開発 宮崎県総合農業試験場 大山食品株式会社 宮崎大学
南九州大学
宮崎県総合農業試験場
宮崎県ジェイエイ食品開発研究所
白ゴーヤから直接的に発酵酢は開発されており、試作品としてゴーヤ酢飲料も製造されたことは評価される。白ゴーヤ特有の機能性酢の開発は企業の製品販売にも合致したものであることから、今回得られた結果を元に企業化されることを期待したい。
55 マグネシウム合金を用いたLED照明用筐体の精密鍛造技術の確立 鹿児島県工業技術センター 国分電機株式会社 鹿児島県工業技術センター 省エネ時代を背景にして長寿命で消費電力の小さいLEDの市場は、蛍光灯に代わる次世代型照明として拡大すると見込まれている。このような中にあって、実金属(特に軽量であるマグネシウム合金)による鍛造加工技術は、軽量化と生産コスト削減を可能とする市場ニーズを捉えた新技術といえる。今回の成果を生かして、今後の共同研究で実用レベルの精密鍛造技術が確立することを期待したい。

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