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実用技術化プロジェクト

生物資源の制御によるバイオマス・有用成分の増産

領域概要


運営総括:
近藤 昭彦 /神戸大学 教授

 植物・藻類などのバイオマスは二酸化炭素を固定して、バイオエタノール、バイオプラスチック、基幹化合物などに有用資源に変換することができることから、温室効果ガスの排出削減への貢献が期待されています。国内外で様々なバイオマス増産の研究が推進されていますが、野外や開放系での安定性や再現性、目的の物質の精製コストなど実用化にむけて多くのハードルがあります。
 本プロジェクトでは、生物が環境から固定するCO2を有効に利用するために、遺伝子改変や、代謝制御などによって、バイオマスの増産とその有用成分の効率的利活用を目指します。これまでALCAで推進されてきたバイオマス関連の研究開発課題で得られた知見を基に、技術や知見の融合などと併せて研究開発を行って実用化につなげることで、低炭素社会実現に貢献します。


H23

珪藻のフィジオロミクスに基づく褐色のエネルギー革命

菓子野 康浩 (兵庫県立大学 大学院生命理学研究科 准教授)

微細藻の一種、珪藻は地球上の光合成の25%を担っています。本研究では、独自開発の高効率形質転換系を用い、弱光適応型の珪藻の機能を強化して、明環境下でも迅速に増殖し、効率的な有用代謝産物・油脂生産をする細胞へと分子育種します。そして、社会実装のための関連技術を確立して、自然光による光合成を通じてCO2を有用物質に転換するすることにより、エコフレンドリーな低炭素化社会の実現を目指します。

珪藻のフィジオロミクスに基づく褐色のエネルギー革命 概要図

H23

発酵微生物のゲノム育種およびゲノム工学的「耐熱化」

松下 一信 (山口大学 創成科学研究科・中高温微生物研究センター 教授(特命))

 私達は熱帯環境から耐熱性微生物を分離するとともに,実験室進化によって「適応育種」耐熱化微生物を取得し,これら耐熱性・耐熱化発酵微生物を用いた「高温発酵系の開発」と,その比較ゲノム解析・発現解析・生理学的解析を通じた「耐熱性・耐熱化機構の解明」を目指しています。発酵の省エネルギーとロバスト化を可能にする高温発酵系の確立は,ホワイトバイオテクノロジーの活性化を通じて,「低炭素化」社会の実現に貢献します。

発酵微生物のゲノム育種およびゲノム工学的「耐熱化」 概要図

H23

ゼロから創製する新しい木質の開発

光田 展隆 (産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 主任研究員)

 二酸化炭素の排出量を減らすために、食糧にならない植物の木質を原料とした第二世代バイオエタノールの生産拡大が求められています。本課題は、重要遺伝子の変異により木質を作ることのできない植物に、さまざまな遺伝子を追加発現させていくことにより、通常の木質にくらべてより低コストで多くのバイオエタノールを生産できる新しい木質を形成する植物を開発しようとするものです。

ゼロから創製する新しい木質の開発 概要図

H23

共生微生物を活用した水生バイオマスの効率生産

森川 正章 (北海道大学 大学院地球環境科学研究院 教授)

 水生植物表層の未知なる生物間共生作用を発掘し、これを合理的に再設計した高機能植生ユニットを創出します。この遺伝子組換えを伴わない高機能植生ユニットは、大気中のCO2はもちろんのこと排水に含まれる窒素やリンを肥料として高速に吸収し、光エネルギーで水を浄化します。さらにその高い成長速度により、デンプンやタンパクを豊富に含むバイオマスの効率生産を可能とします。

根圏微生物共生系を活用した高次植生バイオプロセスの開発 概要図

H22

気孔開度制御による植物の光合成活性と生産量の促進

木下 俊則 (名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)

気孔開度制御による植物の光合成活性と生産量の促進 概要図

 植物の表皮に存在する気孔は、植物固有の代謝反応である光合成に必要な二酸化炭素の唯一の取り入れ口で、気孔を介した二酸化炭素取り込みの際に生じる気孔抵抗は、光合成の主要な律速段階の一つとして知られています。本研究では、気孔開・閉の分子機構の解明を進めるとともに、気孔開度を人為的に制御した植物体の作出、気孔開度を制御する化合物の同定などに取り組み、植物の光合成活性(二酸化炭素吸収能)や生産量の向上を目指します。

気孔開口促進効果を持つ新規化合物
気孔開口促進効果を持つ新規化合物

H22

酢酸発酵によるリグノセルロースからの先進高効率エタノール生産

坂 志朗 (京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授)

 低炭素社会の構築に向けて、本課題では酢酸発酵を用いた新規なエタノール生産プロセスについて研究を行っています。本プロセスは、リグノセルロースの加圧熱水による無触媒での加水分解、得られた分解生成物の酢酸発酵および水素化分解による酢酸からのエタノール生産からなり、酵母を用いる従来法に比べて高効率にエタノールを製造することが可能になります。

酢酸発酵によるリグノセルロースからの先進高効率エタノール生産 概要図

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