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実用技術化プロジェクト

自律分散型次世代スマートコミュニティ

領域概要


運営総括:
出来 成人 / 神戸大学 名誉教授

 温室効果ガス排出削減の一環として、再生可能エネルギーを積極的に導入した低炭素社会コミュニティの形成が推進されております。本プロジェクトではこうした低炭素化自律分散エネルギー社会を目指した、災害に強いスマートコミュニティを念頭に、中核的なインフラであるビル、ホーム、移動体などをターゲットにサイエンスを基盤としたコア技術の創出とその社会実装を目指しています。

 材料レベルから見直した新規高効率太陽電池の開発、及び日照量による発電量の変動や季節・時間帯による消費量の変動をバランスさせる革新的な蓄電デバイスを開発します。

 また、高エネルギー密度蓄電池や高出力長寿命の高効率燃料電池を開発した高効率太陽電池に組み合わせることによって、スマートコミュニティにおける再生可能エネルギーの安定供給を目指します。

 さらに、革新的な断熱技術や超低消費電力機器を導入することによって、先進的な省消費エネルギー化も同時に図ります。

 これまでのALCA研究で蓄積されてきたこれらの要素技術を基に、本プロジェクトで有機的に集積させ、産業界との連携も強化します。これらの取り組みにより、これまで以上に、各要素技術を実用化に近いフェーズにステップアップさせ、低炭素社会の形成に貢献します。


H25

有機無機ハイブリッド高効率太陽電池の開発

宮坂 力 (桐蔭横浜大学 大学院工学研究科 教授)

有機無機ハイブリッド高効率太陽電池の開発 概要図1

ペロブスカイト型構造

 研究開発代表者の宮坂らが初めて発表したペロブスカイト太陽電池は、高い変換効率が得られ現在、世界で最も注目されている太陽電池です。これまでのALCA研究で材料、結晶構造、プロセスを最適化することにより、変換効率と再現性を大幅にさせました。

 Si太陽電池を越える高効率化と高信頼性化を目指すとともに鉛フリー化も検討しており、実用化を目指してトータルな研究開発を進めています。また、ペロブスカイト太陽電池との組み合わせで高効率化を目指す多くの研究グループを支援しています。

有機無機ハイブリッド高効率太陽電池の開発 概要図2

ITO-PEN(250μm)/SnOx/mp-brookite/CH3NH3PbI3-xClx/Au

有機無機ハイブリッド高効率太陽電池の開発 概要図3

プラスチックフィルムで作る高効率ペロブスカイト太陽電池

H23

高効率水素製造水蒸気電解/燃料電池可逆作動デバイスの開発

内田 裕之 (山梨大学 クリーンエネルギー研究センター 教授)

高効率水素製造水蒸気電解/燃料電池可逆作動デバイスの開発 概要図1

出力の変動が激しい太陽光、風力等の再生可能電力を、水素ガスを媒体として高効率・低コストに蓄電して平準化できる高温水蒸気電解水素製造/固体酸化物燃料電池可逆作動セルを開発します。高効率と耐久性を両立するための電極要素技術開発と劣化機構の解明を行います。また、メーカーと共同でセル・スタックの製造法の確立を目指します。さらに、協力機関とともに、システム化への課題を明確にし、社会実装モデルを示します。

高効率水素製造水蒸気電解/燃料電池可逆作動デバイスの開発 概要図1

電極面積20 cm2の可逆作動試験セルの写真

H23

低炭素社会に資するグラフェンキャパシターの開発

唐 捷 (物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点 グループリーダー)

低炭素社会に資するグラフェンキャパシターの開発 概要図

 グラフェンの炭素原子1個の厚さによる巨大な比表面積やナノポアの自律的な生成等の特性をキャパシターの電極特性に最大限活かす技術として、①単層グラフェンの3次元積層化や②ナノポアの導入等の新システムを構築し、③グラフェンキャパシターの特徴を効果的に発現できる高出力作業車に実装します。高性能、低コスト、安全、メンテナンスフリーのグラフェンキャパシターの実用化により低炭素社会実現に貢献します。

低炭素社会に資するグラフェンキャパシターの開発 概要図
グラフェンキャパシタ用電極
H23

中低温イオン液体を用いたナトリウム二次電池の開発

萩原 理加 (京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授)

中低温イオン液体を用いたナトリウム二次電池の開発 概要図

リチウム資源の偏在性、有機電解液の可燃性、レアメタル資源の枯渇などの諸問題を、100℃前後の温度域でアルカリ金属析出が可能なイオン液体を用いることで解決し、大型化・大量生産が真に狙える電力貯蔵用の大型ナトリウム二次電池を開発します。

H22

燃料電池カソード触媒機能を有するカーボンアロイの開発と評価

尾崎 純一 (群馬大学 大学院理工学府 教授)

燃料電池カソード触媒機能を有するカーボンアロイの開発と評価 概要図1

カーボンアロイ触媒粉体

 尾崎らが開発しているカーボンアロイ触媒は、固体高分子形燃料電池用貴金属触媒の代替として期待される革新的炭素材料です。これまでのALCA研究により、最大出力650mW/cm2程度の性能を有する触媒を開発しました。

 今後はカーボンアロイ触媒のキャラクタリゼーションと長期耐久性の確保に向けた取組みを実施し、最終的に固体高分子形燃料電池の普及を促進することで次世代スマートコミュニティの形成に貢献します。

燃料電池カソード触媒機能を有するカーボンアロイの開発と評価 概要図3

ナノシェルカーボン(カーボンアロイ触媒の一種)の透過型電子顕微鏡像

燃料電池カソード触媒機能を有するカーボンアロイの開発と評価 概要図2

高倍率像とナノシェル構造モデル

H22

次世代ハイブリッドキャパシタに関する研究

杉本 渉 (信州大学 先鋭領域融合研究群 環境・エネルギー材料科学研究所 教授)

 水系電解質と固体電解質を併用して既存のハイブリッドキャパシタの10倍のエネルギー密度と高い安全性を兼備した次世代ハイブリッドキャパシタ(Advanced Hybrid Capacitor;AdHiCapTM)を開発しました。これまでのA L C A 研究で複合負極の長期安定性などAdHiCapTMの性能を更に向上させました。

 今後は、負極や電解質の更なる改良により、エネルギー密度400Wh/kg,出力密度3 kWh/kgの実用ハイブリッドキャパシタとしての性能を目指します。

次世代ハイブリッドキャパシタに関する研究 概要図2

水に安定なリチウム複合電極を負極に用い、大容量キャパシタ特性を示す酸化物を正極として組み合わせることにより、安全で低環境負荷な中性電解液を使用しても、4Vのセル電圧を達成

次世代ハイブリッドキャパシタに関する研究 概要図1

考案した4V級水系ハイブリッドキャパシタ(AdHiCapTM

H22

有機無機ハイブリッドエアロゲルを基材とする多用途断熱材の開発

中西 和樹 (京都大学 大学院理学研究科 准教授)

有機無機ハイブリッドエアロゲルを基材とする多用途断熱材の開発 概要図

ポリメチルシルセスキオキサン(PMSQ)キセロゲルの曲げ挙動

 革新的断熱材料ポリメチルシルセスキオキサン(PMSQ)キセロゲルは、高分子発泡体やグラスウールなどの従来材料に比べ2倍の断熱性能と可視光透過性をもっています。これまでのALCA研究において、ボトルネックであった断熱材料の曲げ強度を向上させることに成功しました。

 本プロジェクトでは、粒状キセロゲルの作製プロセスや成膜プロセスの確立とPMSQキセロゲルの更なる材料強度、断熱性能の向上を目指しています。

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