革新技術領域課題

平成27年度より実用技術化プロジェクトの新設と同時に“革新技術領域”も新設致しました。同プロジェクトに移行するには時期尚早な有望課題はこの“革新技術領域”において推進されます。

太陽電池および太陽エネルギー利用システム


大須賀 篤弘
京都大学 大学院理学研究科 教授

 太陽電池をはじめとする太陽エネルギー利用技術は、きわめて有望な再生可能エネルギーの利用技術の一つとしてすでに社会に普及されつつあります。ALCAでは、従来型の太陽電池と比較して格段に高効率な太陽電池の開発、新規太陽電池材料の創製、大面積製造技術など低コスト太陽電池製造プロセスの創出、これらを統合した太陽エネルギー利用システムの開発等を行います。特に、日本で提案されたペロブスカイト太陽電池の研究開発も重点的に推進します。この他、革新的な太陽熱利用技術の開発にも取り組みます。


2016

環境負荷の少ない高性能ペロブスカイト系太陽電池の開発

若宮 淳志 (京都大学 化学研究所 教授)

環境負荷の少ない高性能ペロブスカイト系太陽電池の開発 概要図

本研究は、材料の高純度化という切り口で、鉛フリーペロブスカイト系半導体材料を新たに開発し、これらを用いて環境負荷が少なく真に有用な高性能ペロブスカイト太陽電池の開発の実現を目指します。低コスト、軽量、フレキシブルといった本太陽電池の特徴を活かして広く社会実装へとつなげることにより、再生可能エネルギー源としての導入を増加させ、低炭素社会の実現に大きく貢献することを目指します。

2016

元素戦略上優位なシリコン系ナノ材料を利用した高効率オールシリコンタンデム太陽電池の開発

黒川 康良 (名古屋大学 大学院工学研究科 講師)

元素戦略上優位なシリコン系ナノ材料を利用した高効率オールシリコンタンデム太陽電池の開発 概要図

資源量が豊富なシリコンのみを用いた高効率タンデム型太陽電池構造を実現するため、量子閉じ込め効果を利用した高品質シリコン量子ドット太陽電池を開発します。シリコン量子ドット発電層の高品質化・ドーピング技術・高温耐性透明導電膜の開発により、シリコン量子ドットセルの変換効率を大幅に向上させ、タンデムセルにて従来の結晶シリコンセルよりも2倍以上得られるようなポテンシャルを有することの実証を目指します。

2015

シリコン-ペロブスカイト2端子タンデム太陽電池の高効率化の研究開発

野田 武司 (物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点 グループリーダー)

シリコン-ペロブスカイト2端子タンデム太陽電池の高効率化の研究開発

 結晶シリコン太陽電池をボトムセル、ペロブスカイト太陽電池をトップセルとする2端子タンデム型太陽電池の高効率化の研究開発を行います。そのために、単結晶シリコン太陽電池とペロブスカイト太陽電池との接合層での光・電気的なロスを最小限とする設計、長波長光に対する高い透過特性と高い開放電圧を有するペロブスカイト太陽電池の開発に取り組み、単接合シリコンを超える効率の実現を目指します。

2014

高効率ポリマー系太陽電池の開発

尾坂 格 (広島大学 大学院工学研究科 教授)

シリコン-ペロブスカイト2端子タンデム太陽電池の高効率化の研究開発

半導体ポリマーを用いた太陽電池は、いわば塗って作れる“プラスチック”太陽電池であり、低コストで低環境負荷な技術として期待されています。本研究では、電子構造と配列構造を極限まで制御することで、従来にない高性能な半導体ポリマーを創出し、“プラスチック”太陽電池では未達のエネルギー変換効率15%を目指します。

超伝導システム


大崎 博之
東京大学 教授

 電気抵抗がゼロになるという超伝導の特長を活かした「超伝導システム」は、電力・輸送・産業・情報などの広範な分野において、大幅な省エネルギー化による低炭素化を実現し得る技術領域です。

 例えば電力分野では、超伝導発電機、超伝導電力ケーブル、超伝導エネルギー貯蔵装置などの研究開発が行われ、今後、冷却系を含む超伝導機器システムの実現により、従来の電力機器システムを大きく変える可能性をもっています。超伝導モータや、超伝導マグネットも、先端的な各種要素技術と組み合わせることによって、エネルギー機器の効率を大きく高めることが可能です。


2016

高温超伝導機器冷却用低温液体循環ポンプの開発

柁川 一弘 (九州大学 超伝導システム科学研究センター 准教授)

高温超伝導機器冷却用低温液体循環ポンプの開発

高温超伝導機器に必須な冷却システムは、未だ実用に耐える段階にはありません。本研究では、近い将来の高温超伝導機器の実用化に即応するために、低温磁気軸受と超伝導モータで構成される低温液体ポンプを開発します。また、既存の冷凍機や熱交換器等と共に、高効率、省エネ、低炭素排出の循環冷却システムを構築します。循環冷媒は基本的に液体窒素としますが、液体水素にも対応できる低温液体循環冷却システムを開発します。

2014

REBCO全超伝導回転機の開発

岩熊 成卓 (九州大学 大学院システム情報科学研究院 教授)

REBCO全超伝導回転機の開発の図

REBCO超伝導テープ線材を用いて全超伝導回転機の研究開発を行います。REBCO超伝導線材の低交流損失化と大電流導体化を図る独自技術を用いて、低損失・大電流仕様の超伝導電機子を開発します。回転界磁子には巻線型を採用し、全超伝導機ゆえに界磁子、電機子ともに同一のケーシングに格納することができるため、ギャップを縮小し、高出力密度・高効率の同期機として構成し、省エネを介して低炭素社会の実現を目指します。

蓄電デバイス


逢坂 哲彌
早稲田大学
特任研究教授/名誉教授

 電気自動車や再生可能エネルギー発電を更に普及させることが温室効果ガス排出抑制のために求められています。例えば、電気自動車の航続距離を向上させるには、高エネルギー密度と高出力特性を兼備する蓄電デバイスが求められています。また再生可能エネルギーによる発電が順調に増えてくると、電力系統の中で短期変動負荷を安定にさせるための定置型蓄電デバイスが必要となってきます。本技術領域では、これらの技術の鍵を握る蓄電デバイスの研究開発を推進しています。


2016

インターカレーション擬似容量による高エネルギー密度キャパシタの開発

大久保 將史 (東京大学 大学院工学系研究科 准教授)

インターカレーション擬似容量による高エネルギー密度キャパシタの開発

低炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの出力変動平準化に利用可能な蓄電デバイスの実現が求められています。キャパシタは、急速充放電が可能であることから有望な候補の一つですが、エネルギー密度が低くその利用範囲は限定的です。本研究では、層状化合物が示すインターカレーション擬似容量により、従来型の二重層容量では実現し得ない高エネルギー密度と高出力特性を兼ね備えた革新的キャパシタを開発します。

2014

高入出力・高容量なリチウムイオン電池用炭素負極材の開発

松尾 吉晃 (兵庫県立大学 大学院工学研究科 教授)

高入出力・高容量なリチウムイオン電池用炭素負極材の開発

高容量で急速充放電性の高いグラフェンと、低コストで副反応が少ない黒鉛の特長を併せ持つ、革新的でオリジナルのグラフェンライクグラファイト(GLG)というリチウムイオン電池負極用炭素材料を開発に向け、GLGの構造・反応解析、特性改善、低コスト化に取り組みます。GLGを用いたリチウムイオン電池はEVやPHEVの航続距離を伸ばしつつ充電時間を短縮し、その普及を促進して社会の低炭素化に貢献します。

耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料


原田 幸明
物質・材料研究機構
アドバイザー

 低炭素社会へ向けて、温室効果ガス排出量の多い発電・金属工業・運輸の産業分野からの排出量削減は喫緊の課題です。発電用タービン、航空機用ジェットエンジン等に使用する耐熱材料の高性能化によるエネルギー高効率化を通して排出量削減するために、高温強度、室温靭性、耐酸化性等の特性を飛躍的に向上させた耐熱材料およびその製造技術や耐熱コーティング技術の確立を目指しています。また、リサイクルのエネルギー消費量削減を目指す、リサイクル材を原料とした高強度・高性能材の製造技術の確立やレアメタル等の添加量を減らしながら高性能化を実現する組織制御技術の創成も対象です。さらに、輸送機器の軽量化によるエネルギー消費削減を可能とする材料の軽量化・高強度化のための革新的な金属・セラミックス材料を開発します。


2016

次世代ガスタービン高温部品への適用を目指した革新的耐熱超合金粉末に関する研究

泉 岳志 (三菱日立パワーシステムズ(株) 研究所 グループ長)

次世代ガスタービン高温部品への適用を目指した革新的耐熱超合金粉末に関する研究

ガスタービン高効率化の為、現在作製不可能な複雑冷却構造の積層造形(AM)による作製が検討されています。しかし、現用Ni基超合金によるAM材は、混入する酸素、窒素の影響で、クリープ強度が著しく低く適用が困難です。本研究では、Ni基超合金の強化相γ’を構成する酸化し易いAl,Tiに替る新規元素探索や酸素・窒素の許容量を高める合金設計を相平衡解析に基づき行い、AM材用革新的耐熱超合金粉末を開発します。

2016

不純物元素に対しロバストな積層造形ニッケル基超合金の創成

筧 幸次 (首都大学東京 大学院理工学研究科 教授)

合金粉末はバルク材に比べ比表面積が大きく活性で、造粉工程や積層造形中に酸素・窒素が混入し、積層造形材の特性劣化を招きます。本研究開発では、ニッケル基超合金の積層造形における粉末製造や造形工程における酸素・窒素混入による問題を、①酸素・窒素混入によっても特性劣化しない合金開発、②粉末およびプロセスの清浄化の両面から問題解決を目指します。ガスタービンの高効率化を通してCO2削減に貢献します。

不純物元素に対しロバストな積層造形ニッケル基超合金の創成
不純物元素に対しロバストな積層造形ニッケル基超合金の創成
2014

耐火金属基BCC高濃度固溶体をベースとした超耐熱材料創成

三浦 誠司 (北海道大学 大学院工学研究院 教授)

耐火金属基BCC高濃度固溶体をベースとした超耐熱材料創成

CO2ガス排出量の削減を目的として、LNG火力発電のさらなる高効率化のために、耐火金属基合金の開発を目指します。①強度増加②靭性改善③耐酸化性向上のために、「化合物による強化」「組織制御による靭性改善」を活かしながら、幾つものBCC金属を混合して新たな物質群「耐火金属基BCC高濃度固溶体」を基礎とし、組み合わせられる化合物を明らかにして、耐熱合金の基礎を確立します。

バイオテクノロジー


近藤 昭彦
神戸大学 教授

 バイオテクノロジーの幅広い領域における先進的な技術を駆使して、カーボンニュートラル、バイオプロセスによる省エネルギーの立場から大幅な温室効果ガス排出削減への貢献を目指します。具体的には、バイオマス育種によるCO2固定化技術、バイオマス転換技術、CO2直接転換技術、多様な有機資源転換技術などの研究開発を対象とします。微生物研究、植物科学研究、バイオプロセス研究といった従来の枠組みを超えた学際的な研究開発を推進します。


2016

亜リン酸を用いたロバスト且つ封じ込めを可能とする微細藻類の培養技術開発

廣田 隆一 (広島大学 大学院先端物質科学研究科 准教授)

亜リン酸を用いたロバスト且つ封じ込めを可能とする微細藻類の培養技術開発

「亜リン酸」は、酸化数+3価のリン酸で、通常の生物は利用できません。本研究では、亜リン酸を利用できる能力を藻類に与えることによって、雑菌汚染に強いロバストな藻類培養技術を確立します。さらに、育種した藻類が自然界に漏れ出しても生存できないようにリンの代謝系に改変を加え、亜リン酸だけに生育を依存するようにした生物学的封じ込め技術へと発展させます。

2016

難培養性硝化菌の可培養化と資源循環型有機養液栽培に有用な硝化微生物コンソーシアのデザイン

安藤 晃規 (京都大学 大学院農学研究科 助教)

難培養性硝化菌の可培養化と資源循環型有機養液栽培に有用な硝化微生物コンソーシアのデザイン

二酸化炭素固定の主役である植物の機能は、充分な窒素供給により最大化します。しかし、作物栽培における主な窒素源は、製造に大量のエネルギーを必要とする化学肥料でした。本研究では、窒素循環における有機物の硝化(無機化)に着目し、難培養性硝化菌の培養法の開発と複合硝化微生物群の制御に取り組み、未利用有機資源の活用や、不良土壌回復、人工土壌創出へと展開し、二酸化炭素削減に貢献します。

2016

遊離脂肪酸を基幹化合物とする新たなバイオリピッドプラットフォームの開発

櫻谷 英治 (徳島大学 大学院生物資源産業学研究部 教授)

遊離脂肪酸を基幹化合物とする新たなバイオリピッドプラットフォームの開発

本研究では微生物の代謝プロファイルの解析と微生物育種により化成品の原料となる脂質を効率よく作り出すシステム(バイオリピッドプラットフォーム)の開発を行います。化学工業と連携して、バイオ技術で得られる脂質を化成品へと変換することで社会貢献を目指すだけでなく、環境負荷の小さいバイオプロセスを実現することで温室効果ガスの排出削減に取り組みます。

2015

人為的アポミクシス誘導技術の開発による植物育種革命

高木 優 (埼玉大学 大学院理工学研究科 教授)

人為的アポミクシス誘導技術の開発による植物育種革命

 アポミクシスは受精を介さずに種子を形成する現象であり、母親のクローン種子を得ることができます。本研究においては、独自の転写因子研究基盤を活かして、モデル植物において人為的にアポミクシスを誘導する技術を開発し、それをイネやダイズ、トウモロコシなどを含めた多様な作物に適用することで、地球規模での作物生産性の増大とそれに伴う二酸化炭素削減をめざします。

2013

転写と時計の改変によるラン藻炭素源供給の量的緩和とコハク酸生産

小山内 崇 (明治大学 農学部 専任講師)

転写と時計の改変によるラン藻炭素源供給の量的緩和とコハク酸生産

コハク酸は、プラスチックなどの化学製品の原料となることが知られています。コハク酸は石油から合成されていますが、環境・資源の問題から生物由来の生産が求められています。本研究では、光合成細菌であるラン藻を用いてコハク酸生産を行います。ラン藻を用いることにより、光エネルギーと大気中の二酸化炭素を直接利用できます。本計画では、最新の代謝解析技術を駆使して、効率的にコハク酸を生産する技術の開発を行います。

2013

人工ヘテローシス技術による植物バイオマスの多次元増産

持田 恵一 (理化学研究所 環境資源科学研究センター チームリーダー)

人工ヘテローシス技術による植物バイオマスの多次元増産

雑種形成による異種ゲノムの融合とゲノムの倍数化は、植物ではしばしば形態的・生理的強勢を示す「雑種」を生みだします。本研究では、計算生物学とゲノム研究を融合したアプローチにより強勢現象の基本原理を掴むこと、そして植物を強勢状態にする技術を「人工ヘテローシス技術」として実用化することを目指します。この技術により植物のバイオマス生産性を向上し、二酸化炭素の排出量を抑えた資源・エネルギー開発に貢献します。

革新的省・創エネルギー化学プロセス


辰巳 敬
製品評価技術基盤機構 理事長

 化学に基盤を置いた革新的な低炭素化技術開発を目指した研究をおこないます。既存の化学プロセスに比べてCO2排出量を大幅に低減するなど低炭素社会形成への道筋をつけ、従来のパラダイムを革新するようなプロセスを目指した研究開発を対象とします。
具体的には化学製品を持続可能な形で製造するための省エネ技術開発、バイオマスを効率的に有用な化学物質・燃料に転換する手法の確立、低エネルギーコストの新たなCO2分離技術、CO2の長期固定化技術などの先端的研究・技術開発を対象とします。


2016

油田・ガス田開発における可燃性ガス回収技術の開発

一ノ瀬 泉 (物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 副拠点長)

油田・ガス田開発における可燃性ガス回収技術の開発

石油や天然ガスの開発では、大量のメタンガスが放出されており、その量は、日本の温暖化ガスの総排出量に匹敵します。本研究では、メタン放出の原因となっている水処理プロセス(ガスフローテーション)の代替技術として、随伴水中のコロイド状オイルの新しい分離技術を開発します。このため、BTX、C5+、あるいはブタン等の低沸点の炭化水素を効率的に捕捉する吸着材を開発し、その耐久性を向上させ、量産化技術の確立を目指します。

2015

相分離型省エネルギーCO2吸収剤の開発

町田 洋 (名古屋大学 大学院工学研究科 助教)

相分離型省エネルギーCO2吸収剤の開発

 温室効果ガスであるCO2の大気への排出削減技術として、大規模排出源からCO2を分離貯留する技術が実効性の高い技術として注目されています。ここで、排出源からのCO2の分離エネルギーが大きいことが課題のひとつでしたが、研究者の提案する相分離型CO2吸収剤はCO2吸収時に相分離を引き起こし、CO2濃縮相を形成することで従来よりも大幅な省エネ化が可能となります。

2013

内部凝縮型反応システムによるメタノール製造プロセスの高効率化

小俣 光司 (島根大学 大学院総合理工学研究科 教授)

内部凝縮型反応システムによるメタノール製造プロセスの高効率化

新規な内部凝縮型反応器システムを開発して、メタノール合成プロセスのワンパス転化率を向上させることによりプロセス効率を向上させて炭酸ガスの削減を目指します。 さらに本システムを炭酸ガスの直接水素化によるメタノール合成反応に適用し、 炭酸ガスを削減します。

2013

炭素系触媒によるリグノセルロース分解

福岡 淳 (北海道大学 触媒科学研究所 教授)

炭素系触媒によるリグノセルロース分解

炭素系触媒を用いてバイオマス中のリグノセルロースを分解し、二酸化炭素排出削減に寄与する化学品合成プロセスを開発します。触媒としては安価な炭素材料を用い、バイオマス中のセルロース・ヘミセルロースから有用な五炭糖・六炭糖を合成します。また、リグニンは触媒原料あるいは燃料として活用し、リグノセルロースを全利用します。触媒の構造・活性相関についても検討し、新触媒の設計・合成にフィードバックさせます。

革新的省・創エネルギーシステム・デバイス


谷口 研二
大阪大学 特任教授

 物理的な原理に基づく先進的技術の研究開発を実施します。新概念の創出に関わる基礎的な研究から、技術シーズを展開して社会への応用を目指す技術開発まで、様々な段階にある研究開発課題に取り組み、いずれも省・創エネルギー技術としての成果の社会還元を視野に入れながら推進します。具体的には、革新的なエネルギー創出システム・デバイスや、既存のシステムを極低エネルギーで実現する画期的な低損失技術など、温室効果ガス排出の大幅削減へ向けた効果が十分期待できる研究開発を対象とします。


2016

高周波化を実現するGaNパワーモジュール実装技術開発

菅沼 克昭 (大阪大学 産業科学研究所 教授)

高周波化を実現するGaNパワーモジュール実装技術開発

GaNパワー半導体により、電力変換ロスの大幅低減と、高周波化による機器小型化が期待されていますが、エネルギー密度の著しい上昇に耐える耐熱実装技術が実用化のボトルネックです。銀焼結接合技術により、GaNの能力を最大限に生かす最適化実装を開発します。熱応力緩和、高周波化ノイズ低減、ナノレベル評価により、モジュールの高信頼性を獲得します。GaNの特性が生きたパワー・モジュールの早期普及を狙います。

2015

水銀ランプ殺菌灯の代替となる縦型高効率・深紫外LEDの開発

平山 秀樹 (国立研究開発法人理化学研究所 平山量子光素子研究室 主任研究員)

水銀ランプ殺菌灯の代替となる縦型高効率・深紫外LEDの開発

 高い殺菌効果を有する深紫外線は、直接表面殺菌、浄水、空気浄化、医療や院内感染防止、食品の衛生管理など幅広い利用が期待されております。しかし現在用いられている水銀ランプ殺菌灯は環境負荷が大きく今後の生産が大幅に制限されます。本研究では、深紫外LEDの効率を飛躍的に向上させ、水銀ランプ殺菌灯の代替えとなる高効率紫外光源を実現します。深紫外LEDの電力ロスの大幅な低減により低炭素社会実現に寄与します。

2014

階層構造磁気蓄熱再生器を持つ磁気ヒートポンプの開発

川南 剛 (明治大学 理工学部 准教授)

階層構造磁気蓄熱再生器を持つ磁気ヒートポンプの開発

磁気ヒートポンプは,フロン系ガス冷媒を用いない低環境負荷・省エネルギー型の革新的グリーンヒートポンプ技術です.本研究開発課題では,磁気ヒートポンプの高性能・高効率化および多用途への実用化を目指し,ブレークスルー技術として,①階層構造を有する蓄熱再生器の構造設計と開発,②Mn系磁気熱量効果材料の高精度加工法の確立,③kW級磁気ヒートポンプの開発,に関する研究を推し進めます.

2013

高品質SiC単結晶薄膜の革新的低温・高速成長技術の創製

松本 祐司 (東北大学 大学院工学研究科 教授)

高品質SiC単結晶薄膜の革新的低温・高速成長技術の創製

本研究では、フラックスと呼ばれる結晶成長の触媒と、気相原料供給を用いた常圧液相エピタキシー法を開発し、多形を制御した4H-SiC単結晶薄膜を低温で高速成長できる技術を確立します。よって、SiC単結晶薄膜が既存のSiを代替することにより、低損失の電力変換機器の提供とスマートグリッドによるエネルギー高効率利用の実現を加速化します。

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