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特別重点技術領域

ホワイトバイオテクノロジー White Biotechnology

領域概要

 ホワイトバイオテクノロジーによるバイオマス由来の化成品創出は、カーボンニュートラルや省エネルギーの観点からCO2 排出削減に大きく貢献することが期待されます。バイオマスから化成品をつくる実用生産プロセスを開発するためには、(i)合目的なバイオマス成分の効率的分離、(ii)基幹化成品への化 学工学的および生物工学的変換、(iii)高性能なポリマー素材の合成と材料化、といったバイオマス化学産業における基盤技術を確立することがきわめて重要です。バイオマス化学産業の技術確立をめざして、バイオマスから高付加価値化成品を生産するための一気通貫プロセスにおける革新的な要素技術型を開発いたします。

 本領域の運営にあたっては、運営総括のリーダーシップのもと、研究開発推進のために領域内の研究開発課題間はもとより、ALCA及びCREST、さきがけなどJST他プログラムにおける関連研究開発課題との連携を図っています。また、NEDOの「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」とのプロジェクト連携を効果的に推進するために、JST、NEDO、プロジェクト関係者からなる合同連絡会議を設置しています(文部科学省、経済産業省関係者もオブザーバー参加)。

 本領域では、ポリマー素材を最終製品として着目し、バイオマスから高耐熱、高強度などの特性を有するポリマーの合成法と材料設計法の開発、それら高性能ポリマー素材の原料となるモノマー化成品を効率的に生産するためのプロセス開発を推進します。効果的に研究開発を促進するために、チーム型、要素技術型型、特定技術型の三つの区分の多様な研究課題から本領域を構成しています。それぞれ「ポリマー創製に向けた垂直統合型チーム研究」、「技術的ボトルネックを解決する要素技術型研究」、「セルロースナノファイバーに関する次世代型研究」を主眼とした5ヶ年度間の研究開発を実施します。


チーム型

革新的合成法による高性能な高分子多糖類バイオプラスチックの創製と高機能部材化

岩田 忠久 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授)

革新的合成法による高性能な高分子多糖類バイオプラスチックの創製と高機能部材化 概要図

 天然あるいは酵素触媒重合により得られる高分子多糖類を原料とし、その特徴的な構造を活かした新規で高性能なバイオプラスチックの創製と、付加価値の高い環境調和型の新製品の創出を目指します。

チーム型

非可食バイオマスからカルボン酸およびアルコール類の高効率合成

中島 清隆 (北海道大学 触媒科学研究所 准教授)

非可食バイオマスからカルボン酸およびアルコール類の高効率合成 概要図

 食料と競合しない植物資源を、有用プラスチックの原料となるカルボン酸およびアルコール類へと変換できる、環境負荷の極めて少ない次世代の環境調和型化学反応プロセスを構築します。

チーム型

海洋微生物酵素群によるリグニン分解高度化と人工漆材料への展開

大田 ゆかり (海洋研究開発機構 海洋生命理工学研究開発センター グループリーダー代理)

海洋微生物酵素群によるリグニン分解高度化と人工漆材料への展開 概要図

 リグニンを含む非可食バイオマスを環境調和型手法で前処理し、これを原料として、海洋微生物酵素群を使ってフェニルプロパノン芳香族モノマ ーを選択的に製造します。さらに化学触媒で「スーパー漆材料」へと機能展開して行きます。

チーム型

微生物変換と触媒技術を融合した基幹化合物の原料転換

新井 隆 ((株)ダイセル 研究開発本部 グループリーダー)

微生物変換と触媒技術を融合した基幹化合物の原料転換 概要図

バイオと触媒技術で作る基幹化成品

 バイオ技術により廃グリセリンをエリスリトールへ変換し、次に触媒技術によりブタンジオール等への工業原料に作り分けます。各々が得意とする技術を融合した一貫工業プロセスを構築し、CO2 削減に貢献します。

要素技術型

バイオマスプラスチックを使いこなすための高機能バイオ界面活性剤の開発

羽部 浩 (産業技術総合研究所 機能化学研究部門 部門付き研究員)

バイオマスプラスチックを使いこなすた 概要図

 バイオ界面活性剤をプラスチック添加剤として利用することで、素材を高度に分散させるなど、従来にない材料高度化技術の開発を目指します。

要素技術型

糖質バイオマスからグリコール酸ポリマーを合成する微生物プロセスの開発

松本 謙一郎 (北海道大学 大学院工学研究院 准教授)

糖質バイオマスからグリコール酸ポリマーを合成する微生物プロセスの開発 概要図

 微生物に人工的なポリマー合成システムを構築することで、再生可能な糖質バイオマスから分解性に優れたプラスチックを合成します。

要素技術型

フラン環の構造特性を利用した高機能性高分子の創出

橘 熊野 (群馬大学 大学院理工学府 助教)

フラン環の構造特性を利用した高機能性高分子の創出 概要図

フラン環を有するフルフラールなどは、コスト面での優位性から非可食バイオマスのセルロースやヘミセルロースから生産されています。そのため、フラン環を含有する高分子は必然的にバイオマスからの生産となります。そこで、フラン環の構造特性を利用した機能を高分子に付与することで、バイオマス由来に特有の機能を有する高分子の創出を目指します。

要素技術型

糖質に依存しないムコン酸のバイオ生産

園木 和典 (弘前大学 農学生命科学部 准教授)

糖質に依存しないムコン酸のバイオ生産 概要図

 リグニン由来のフェノール類から幅広いポリマーの合成に利用できるムコン酸を効率よく生産する微生物プロセスを開発します。

要素技術型

環境適応型プロセスによるリグニンの抽出および高機能素材への展開

敷中 一洋 (産業技術総合研究所 化学プロセス研究部門 研究員)

環境適応型プロセスによるリグニンの抽出および高機能素材への展開 概要図

本課題では非可食植物バイオマス新規抽出技術およびそれを用いた機能性素材を開発します。具体的には有害薬品を用いない植物の粉砕・酵素処理を組み合わせた高効率な多糖類・リグニン抽出を実現し、リグニンを難燃性・形状記憶特性・紫外線吸収特性など機能性に富んだ素材へと導きます。将来的には多糖類を糖 / アルコールとしてリグニンをハイパフォーマンスポリマーとして利用する新規産業「農工業」の開発を目指します。

要素技術型

バイオ燃料廃棄物系バイオマスからポリマー原料への微生物転換

中島 敏明 (筑波大学 生命環境系 教授)

バイオ燃料廃棄物系バイオマスからポリマー原料への微生物転換 概要図

 バイオディーゼル燃料の製造過程で生じる廃グリセロールからポリマー原料である1,3-propanediolの生産を目指します。

要素技術型

加硫の技術革新による天然ゴムの新展開

池田 裕子 (京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 教授)

加硫の技術革新による天然ゴムの新展開 概要図

 二酸化炭素削減や安心・安全社会の構築のため、天然ゴムの生物多様性とバイオセキュリティーの観点から、ゴムの加硫制御技術を確立します。

特定技術型

ナノセルロースが分子キラリティを支配する界面不斉反応の創発

北岡 卓也 (九州大学 大学院農学研究院 教授)

ナノセルロースが分子キラリティを支配する界面不斉反応の創発 概要図

 樹木ナノセルロースと有機分子触媒の意外な組み合わせで、高い反応効率と立体選択性を併せ持つ新概念の不斉合成反応を開拓します。

特定技術型

セルロースナノファイバーを用いた高機能性プラスチック極限軽量断熱発泡部材の開発

大嶋 正裕 (京都大学 大学院工学研究科 教授)

セルロースナノファイバーを用いた高機能性プラスチック極限軽量断熱発泡部材の開発 概要図

 CNFを多機能化添加剤としてプラスチックと複合化し発泡させ、ナノメートルサイズの空隙を材料中に1cm3当たり数千億個造り、1/10以下にまで重量を軽量化させ、高い断熱性能をもった部材を創製します。

特定技術型

バイオマス由来のセルロースナノファイバーを用いた“しなやか”な高分子複合材料の創出

西野 孝 (神戸大学 大学院工学研究科 教授)

バイオマス由来のセルロースナノファイバーを用いた“しなやか”な高分子複合材料の創出 概要図

 強固な物性を持つセルロースナノファイバー(CNF)を用いて、柔らかく、伸びやすく、かつ高強度な“しなやか”な材料としての展開を目指します。

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