研究領域について

研究領域名

◆正式名称:
「低エネルギー、低環境負荷で持続可能なものづくりのための先導的な物質変換技術の創出」
◆通称:先導的物質変換領域
◆英字名:Advanced Catalytic Transformation program for Carbon utillzation(ACT-C)

戦略目標

◆戦略目標名:環境、エネルギー、創薬等の課題対応に向けた触媒による先導的な物質変換技術の創出

 

※戦略目標について詳しくはこちら 
「ACT-C募集要項抜粋:戦略目標」(PDFファイル)

研究領域の概要

本研究領域では、低炭素社会の実現や、医薬品・機能性材料等の持続的かつ発展的な生産など、我が国のみならず世界が直面している諸課題の解決に貢献しうる、触媒による先導的な物質変換技術の創出を目指します。
具体的には、脱化石資源へ向けて、二酸化炭素を還元し有用なC1、C2、C3化合物へ効率的に変換する反応のような、安定小分子を資源として活用する反応の研究、工業的な利用につながる不斉炭素-炭素結合生成等の反応の研究、革新的な結合形成、開裂および組み換えにより優れた特性や機能を有するπ電子系分子を創出する研究、π電子系分子に官能基導入を行う等による新機能を創成する研究などを対象とします。

本研究領域では安全な、高原子効率、高収率、高選択性の分子変換法を創出することを目指し、化学、物理、数理、工学等の分野の垣根を越えて挑戦的な研究を推進します。また、反応機構の解明のための計測分析及び理論化学に関する研究との連携も促進します。

研究総括

國武豊喜
國武 豊喜(公益財団法人 北九州産業学術推進機構 理事長)
1960年 九州大学大学院修士課程修了 、1962年 ペンシルベニア大学大学院博士課程修了。 カリフォルニア工科大学博士研究員を経て、 九州大学工学部助教授 、教授を務める。 1999年 北九州市立大学教授 2001年 北九州市立大学副学長 2007年 株式会社ナノメンブレン取締役に就任 2009年 財団法人北九州産業学術推進機構 理事長、現在に至る。 専門分野は材料化学、高分子化学。2001年 日本学士院賞 、2007年 文化功労者、2011年 瑞光重光章ほか受賞・受章歴多数。

募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針

我が国の科学技術政策においては、国が取り組むべき喫緊の重要課題である、気候変動への対応と低炭素社会の実現、高齢化の問題への対応等に向け、グリーンイノベーション及びライフイノベーションの実現等に向けた取り組みが求められています。このような取り組みを効果的、効率的に推進していくためには、幅広い研究分野に横断的に活用できる新技術の創出が必要です。

このような状況下において触媒科学は、これまでも創薬や材料合成など幅広い研究分野と産業を支えてきましたが、「低コスト、低エネルギー、低環境負荷で持続可能なものづくり」という産業の理想像を実現するために、今後ますます重要性が高まることが期待されています。また、歴史的に振り返ってみると、当該研究分野は日本が世界を牽引してきた分野であり、高い学術的な成果のみならず、数多くの反応手法が多様な製品製造過程で実用化されるなど社会の発展にも大きく貢献しています。当該研究分野に高まる期待と重要性、また日本の研究基盤の強みを鑑みると、この分野の重点化を今図ることが、我が国発の大きなイノベーションの創出につながると考えます。

本研究領域では、このような背景のもと、ものづくり産業における環境負荷の低減、低炭素化への貢献はもとより、医薬品・機能性材料等の持続的かつ発展的な生産など、21世紀の世界が直面する諸問題の解決に貢献しうる均一系、不均一系の遷移金属触媒等を用いた先導的な物質変換に関する研究を推進します。具体的には、二酸化炭素などの安定小分子を今後資源として活用していくことを目指して、二酸化炭素の還元を従来の技術を凌駕し真に効率的に実現できる反応や、還元された二酸化炭素をC1、C2、C3化合物合成の炭素源として活用可能とする物質変換反応に関する研究を実施します。また、様々な分野、とくに創薬や材料合成への利用につなげることを目指し、これまで実現することが難しかった複雑な化合物を生成するために必要な、不斉炭素-炭素結合生成をはじめとする反応手法の革新的かつ飛躍的な向上を実現する研究を実施します。さらには、結合形成、開裂および組み換えにより優れた機能を有するπ電子系分子の合成を目指した研究やπ電子系分子に官能基を導入することなどにより新たな機能を有する物質に創成につながる研究などを推進します。これらの反応手法は、産業界の需要に応えうることを目指し、高収率、高効率、高選択、経済的、安全であることが求められます。研究実施にあたっては、これまでの優れた研究成果の発展に留まらず、化学、物理、数理、工学等の分野の垣根を越えて連携する研究も重要となってきます。また、X線自由電子レーザ(SACLA)などの新たな大型基盤研究施設による反応機構の詳細な解明や、計算機の高速化にともない反応研究に活用できる理論化学の導入も、本研究領域の発展に寄与することが期待されています。これら多様な分野と連携・融合した研究により、従来と異なる研究アプローチが見いだされ、物質変換研究に新たな展開が開かれることも望まれます。

本研究領域では、真に新たな物質変換を提案できる方であれば、既に優れた業績を挙げている研究者のみならず、発展途上にある若手研究者からの挑戦的な提案も歓迎します。研究課題提案にあたってはチーム型・個人型の形態を問いませんが、チーム型の場合は研究代表者が主導する研究構想の実現を目指した提案であることとし、参画する研究者がその研究構想において果たす役割が明確になっていることを採択において重視します。高いモチベーションと緊張感をもって研究を進めることが重要であるため、研究の進捗に応じた弾力的な研究費の配分を行うこととし、そのために頻度の高い進捗報告を行っていただくこととします。領域会議を最大限活用し、普段接点の少ない分野の研究者同士の意見交換、融合・連携を促進することにより、領域内のシナジー効果を高めることを目指します。

研究期間

  • 研究期間は5年以内です。
  • 研究終了時期は、研究実施の最終年の年度末とすることができます。(本研究提案募集にて研究期間5年で採択された場合、研究終了は最長で平成30年(2018年)3月末日とすることができます。)
※詳しい研究領域の運営方針等につきましては、募集要項 2章「本研究領域について」をご覧ください。
募集要項PDFはこちら