募集

※研究課題の公募は2012年6月7日をもって締め切らせていただきました。採択課題は決定後、本ホームページにてご案内の予定です。

本研究領域の発足に寄せて~根岸英一先生からのメッセージ

根岸英一氏近影

 

研究総括補佐:根岸英一


神奈川県立湘南高校卒。1958年東京大学工学部応用化学科卒、帝人入社。60年帝人を休職しフルブライト奨学生として米ペンシルベニア大学に留学、63年同大学院博士課程修了、Ph.D取得。66年帝人を退社、米パデュー大学、ハーバート・ブラウン教授の研究室へ。パデュー大学助手、シラキュース大学准教授などを経て79年パデュー大学教授。 99年から同特別教授。 有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリングの業績で鈴木章・北海道大学名誉教授、リチャード・ヘック米デラウェア大学名誉教授とともに2010年ノーベル化学賞受賞。同年文化勲章も受章。現在JSTの総括研究主監も務める。



現在、世界では温暖化やエネルギー、食糧など様々な問題に直面し、その解決につながる新しい技術の創出が科学者の重要な責務の一つとなっています。とりわけ、いろいろな技術分野・産業に貢献してきた触媒科学はこれまで以上に重要性が高くなっています。

その重要な時期に本研究領域がスタートします。この研究領域では、二酸化炭素を触媒的に還元することによる二酸化炭素の炭素源としての利用、不斉炭素-炭素結合などによる複雑かつ有用な化合物の生成、化学的な視点によるπ電子系分子を用いた新たな物質の創製を目指します。なかでも、触媒は高効率であることが大切です。触媒は100回以上、理想的には106回くらい繰り返して使えることで、その価値が高まります。水を活用して二酸化炭素を化学的に還元することができれば、二酸化炭素をエネルギーとして活用することも可能になってくるでしょう。ここでの還元とは、どの段階でも構いません。二酸化炭素を還元できれば、エネルギー源になります。触媒的に還元することを考えていただきたいと思います。著名な化学者であるオラー教授の「メタノールエコノミー」という本で、二酸化炭素の活用についてよくまとめていらっしゃいますので参考にしてください。

研究は新たな発見を得ることであり、私たち一人一人がSystematic Exploration(系統だった研究)を考えていくことで新しいものが発見できると考えています。そのために、研究者は常によい緊張感をもって研究を実践すること、よい成果に対してよいと認めることが非常に重要です。よい成果を1つでも多く得ることを共通の目標としていくことが大事だと思います。よい研究が進むよう、本研究領域に参加されることになった研究者の皆さんと、研究の進捗等についてディスカッションを行う機会を持ちたいと考えています。

皆さんからチャレンジングな研究構想がたくさん提案されることを期待しています