お知らせ

平成29年12月1日

研究成果展開事業(研究成果最適展開支援プログラム(A−STEP))「ステージV(NexTEP−Bタイプ)」平成29年度募集における新規課題の決定について

JST(理事長 M口 道成)は研究成果最適展開支援プログラム(A−STEP)のうち、ステージVNexTEP−Bタイプの平成29年度募集における新規課題3件を次の通り決定しました。

採択課題3件

課題名 新技術の
代表研究者
開発実施企業 新技術の内容
廃熱回収に向けた自動車用熱電発電ユニットの量産化技術 名古屋工業大学
大学院工学研究科
教授
西野 洋一
株式会社
アツミテック
本開発は、自動車等の廃熱を利用する熱電発電ユニットの量産化技術に関するものである。
自動車では化石燃料の燃焼エネルギーの多くを熱として排出している。廃熱の有効利用・走行燃費の改善のため、熱電発電が期待されている。
熱電発電デバイスの原料合成から発電ユニット化までの工程を連続化することによって、これまでになく生産性の高い量産製造技術を構築する。また、車種に応じた多様な発電ユニットの製造を可能とするため、柔軟性の高い素子形状を採用する。
本開発により、自動車を含む様々な移動体に対し、その廃熱の特性にあわせて効率を最大化させた熱電発電ユニットを安定して供給する、応用性の高い生産技術の実現が期待される。
Si ナノプローブエミッタとSiC パワー回路を用いた超小型X線源 豊橋技術科学大学
電気・電子情報工学系
准教授
河野 剛士
福島SiC 応用技研
株式会社
本開発は、小型・低消費電力のX線源に関するものである。
近年、よりきめ細かいセキュリティ対策や、より患者の身近での検査の必要性が急速に拡大している。従来のX線検査装置は高電圧が必要であるため大規模な据え置き型が主流であり、小型化が求められている。
Siナノプローブを用いた生産効率の優れたエミッタ技術と、SiCパワーデバイスを用いた低消費電力高電圧電源を利用することにより、これまでにない小型・高性能で生産性の優れたX線源を商品化する。
本開発により、現在据え置き型である各種X線検査装置の小型化・可搬化に加え、X線検査装置の用途自体の拡大も期待される。
自発的冷却促進機構を有する高性能車載用冷却器 山陽小野田市立
山口東京理科大学
教授
結城 和久
株式会社
ロータス・サーマル・ソリューション
本開発は、車載用パワーデバイス用等の高性能冷却器に関するものである。
ハイブリッド車・電気自動車、その他様々な分野で、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)等のパワーデバイスが普及するのに伴い、発生する熱の冷却が課題となっている。現在は強制流動熱伝達方式の冷却器が主流であるが、冷却性能の向上、および小型・軽量化が求められている。
開発実施企業の有するロータス金属(レンコンのような一方向性の気孔を有する金属)の量産技術を活用し、冷却用循環ポンプや配管系のない、自立型の高性能冷却器の実現を目指す。
本開発により、高性能冷却器を採用した次世代パワーデバイスが、ハイブリッド・電気自動車等に搭載されることで、省エネ性能、走行距離が向上することが期待される。さらに、車載冷却にとどまらず、超スマート社会実現のためのコア技術としての役割も期待される。

研究成果最適展開支援プログラム(A−STEP))「ステージV(NexTEP−Bタイプ)」について

 A−STEPは、大学等※1の研究成果の実用化を目指す研究開発フェーズを対象に、課題や研究開発の特性に応じた最適なファンディングを設定し、総合的かつシームレスに支援するプログラムです。
 ステージVは、既に実用性が検証されている研究成果について企業が主体となって実用化開発・実証試験を行うフェーズであり、そのうちNexTEP−Bタイプは、比較的規模の小さな企業(資本金10億円以下)の取り組みを支援するものです。
 本年度は、平成29年3月1日(水)から6月9日(金)までの間に募集を行い、15件の応募がありました。
 募集締め切り後、外部専門家の協力のもと、評価委員会にて1)課題の独創性(新規性)および優位性、2)目標設定の妥当性、3)イノベーション創出の可能性、4)提案内容の実行可能性、5)事業化の可能性、6)開発に伴うリスク、などの観点から審査(事前評価)し、その結果をもとに支援課題を決定しました。
※1 「大学等」とは、国公私立大学、高等専門学校、国立試験研究機関、公立試験研究機関、国立研究開発法人、研究開発を行っている特殊法人、独立行政法人、公益法人等(非課税の法人に限る)をいいます。

★本件に関するお問い合わせ先★
産学共同開発部 大竹 利也(オオタケ トシヤ)、関谷 亮英(セキヤ アキヒデ)
Tel:03-5214-8995 Fax:03-5214-0017 E-mail:jitsuyoka@jst.go.jp

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