研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
アグリ・バイオ
プロトタイプ
バイオ界面の濡れ性に着目した新たな評価法の開発
キーワード :  濡れ性、液体除去、除去円、気体吐出、湿潤状態、親水性、細胞、ゲル、バイオフィルム、水和状態評価
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  シーズ育成タイプ
研究開発課題名 バイオ界面の非接触濡れ性評価システム (開発期間:平成27年12月~平成30年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社北川鉄工所 研究者 田中 信行(理化学研究所)

本研究開発では、細胞やコーティング表面など、湿潤状態で存在するもの、濡れている状態で使用されるものの濡れ性評価法について研究し、その評価装置の開発を行っている。
本手法において濡れ性は、液中にある試料に気体を吹きかけた際に生じる液体が取り除かれた領域(除去円)の大小(図1)や気体噴射を止めた際の濡れ戻りの速さ(図2)を、試料間で相対比較して評価する。
研究開発を通じて、除去円の自動認識や除去円の比較、濡れ戻りの比較が可能なソフトウェアを実装した濡れ性評価装置を上市している。
これまでに本成果は、培養条件によって異なる細胞組織濡れ性の違いを発見、濡れ性を介したプラスチック表面のバイオフィルム形成のその場検出、生体適合性ポリマーコーティングの水和挙動解析といった応用事例に繋がっている。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

バイオ界面の研究開発の場面では、これまで濡れという現象を比較することは少なかった。この領域に濡れという指標を提案することで新しい研究や開発のきっかけにつながることを期待したい。細胞に限らず、ハイドロゲル、オルガノゲルなどの研究への応用や従来法では評価の難しかった材料などにも応用できる可能性が期待される。

開発者の声

本研究開発の中で行った調査では、従来の方法で評価を行っている分野においても、濡れの評価に対して多くの課題があることが確認された。
バイオ領域をはじめ、より多くの分野で応用できるように評価システムの改良開発を進めていきたい。
この成果は、JSTおよび理化学研究所よりプレスリリースとして発表されています。
●(共同発表)細胞のうるおいを測る~細胞を壊さずに濡れ性を評価する新たな装置を開発~[2017年9月]
JSTプレスリリース   理化学研究所プレスリリース
●(理化学研究所発表)触れずにヌメリをはかる-バイオフィルム制御技術の開発に貢献-[2019年6月]
●(理化学研究所発表)生体接触型医療機器コーティング材料の新しい評価法-ポリマーコーティングの2段階の水和挙動を簡単に検出-[2020年5月]


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