研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ICT・電子デバイス
プロトタイプ
室温プロセスで、大面積・低コストフィルム太陽電池
キーワード :  フィルム太陽電池、大面積、フレキシブル、エアロゾルデポジション
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  ハイリスク挑戦タイプ/シーズ育成タイプ
研究開発課題名 住環境向け色素増感型アンビエント太陽電池の研究開発(開発期間:平成23年11月〜平成25年10月/平成25年12月〜平成28年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 積水化学工業株式会社 研究者 廣瀬 伸吾(産業技術総合研究所)

産業技術総合研究所の保有するエアロゾルデポジション法技術と、積水化学工業株式会社の保有する微粒子制御技術・多孔膜構造制御技術・フィルム界面制御技術を駆使し、有機フィルム上の色素増感太陽電池としては世界最高水準の9.1%(4mm 角 100mW/cm2)の変換効率を得た。
高速衝突エネルギーによる微粒子結着メカニズムを利用することで、従来の高温焼成プロセスなどの高温工程が不要となり、室温でのフィルム化に成功した。耐熱性の低い汎用フィルムや粘着テープのような材料にも成膜が可能で、さまざまなフィルム基板を用いた色素増感太陽電池が製造可能となり幅広い用途が期待される。また、Roll to Roll 化が可能で、生産性向上によりコストの大幅な低減が期待される。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

色素増感太陽電池は、影や壁面など発電に本来不利な場面でも性能を発揮できる太陽電池であり、フィルム化することにより、従来の太陽電池が使用できなかった新しい用途への展開が期待される。窓、壁を始めとした内外装建材、簡易設置性を活かした壁面設置などにより、潜在的な太陽電池導入市場が切り開くことが期待される。
現在は、RtoR方式での大面積・長尺品の製造技術を構築し、サイネージやセンサーなどの独立電源用途としての展開を検討している。

開発者の声

産総研と積水化学の連携で、これまでになかった新しい技術・高性能デバイスを実現できた。シーズ・ニーズのマッチのもと、緻密な連携のうえで作り上げたもので、産学連携の成功例の一つと言える。今後は量産技術に磨きをかけ事業としての成長を実現したい。
※ この成果は、積水化学工業株式会社からプレスリリースとして発表されています。
●世界初!室温プロセスでフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功[2013年12月]
●室温プロセスによるフィルム型色素増感太陽電池 事業化へ[2017年3月]
●スマート・セキュリティのSecual(セキュアル)と積水化学 太陽電池で駆動する次世代セキュリティセンサーを共同開発[2017年12月]


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