研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
製品化/起業
粘着剤の複屈折の制御により大型液晶パネルの画質を向上することが出来た。
キーワード :  粘着剤、複屈折、偏光板、液晶パネル、ディスプレイ、アクリル、光漏れ、白抜け、ムラ、収縮
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) シーズ育成タイプ
研究開発課題名 ゼロ複屈折粘着剤の高精細・大画面液晶ディスプレイへの実用化(開発期間:平成25年12月~平成29年11月)
プロジェクトリーダー所属機関 サイデン化学株式会社 研究者 小池 康博(慶應義塾大学)

液晶ディスプレイの大画面化により使用している偏光板の収縮が大きくなり液晶パネルの色々な場所に応力が発生する。この応力によりディスプレイの各材料に複屈折が発生して画面に光漏れが起こり画質が低下する。これを粘着剤の複屈折を制御することで光漏れの無いディスプレイを開発することが出来た。
粘着剤の複屈折を制御する方法としては、①粘着剤の複屈折をゼロにする方法、②粘着剤の複屈折温度依存性をゼロにする方法、③液晶パネルに発生する複屈折を粘着剤の複屈折で補償するする方法等の設計法を確立した。
これらの手法を活用することで各種液晶パネルの光漏れ等の画像性能を改良できるようになった。最近は有機ELディスプレイも大型のものが普及してきているがこれにも偏光板が使用されており本研究の粘着剤はこの画質改善にも応用できる。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

ディスプレイは各種光学フィルムやガラスを粘着剤で貼り合せて作られる。これまで粘着剤は偏光板と液晶セルを接着する機能だけであった。
本研究により粘着剤の光学性能を制御することで大型液晶ディスプレイの画像性能を向上することができたことに意義がある。

開発者の声

偏光板や液晶パネルの種類やメーカーにより複屈折の発生が異なるため、それぞれに対応した粘着剤の開発が必要であった。これまで試行錯誤的に粘着剤を試作して試験してきたが、本研究により光漏れの原因が究明され、それに対応する粘着剤を設計することが出来るようになった。


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