研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
要素技術構築
CVDダイヤモンドの高速成長技術と自立基板の開発
キーワード :  半導体、ダイヤモンド、CVD、パワーデバイス、高速成長
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  ハイリスク挑戦タイプ
研究開発課題名 半導体ダイヤモンドの開発(開発期間:H25年12月~H28年11月)
プロジェクトリーダー所属機関 アリオス株式会社 研究者 徳田 規夫(金沢大学)

ダイヤモンドは、グリーンイノベーションの一つして期待されているパワーエレクトロニクスを支える次世代半導体材料である。本プロジェクトは、抵抗率を制御した半導体ダイヤモンドウェハの製造技術を開発することを目的とし、1)ダイヤモンドの高速成長、2)不純物ドーピングによるダイヤモンドの抵抗率制御、3)ダイヤモンドの高品質化の各技術開発を、産=アリオス(株)(装置開発)、官=産業技術総合研究所(結晶性・物性評価)、学=金沢大学(高速成長・ドーピング制御技術の開発)の体制で実施している。その結果、アリオス製マイクロ波プラズマCVD装置を用いたダイヤモンド(100)膜の成長において世界最速となる300 μm/hを達成し、その技術を応用することで半絶縁体・p型半導体・低抵抗ダイヤモンドウェハの開発に成功した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

半導体デバイス向けのダイヤモンド材料の市場は、2020年に約50億円の調査報告が有るが、これは現状の技術をベースとしたものである。我々は高速成長技術などを開発しつつあり、市場規模の拡大に貢献できると考えている。展示会等では、多くの企業や研究機関からダイヤモンド基板についての問い合わせを頂いている。

開発者の声

半導体ダイヤモンドの事業化には、低コスト製造技術(≒高速成長技術)の実現が必要不可欠である。そのため、我々が開発した国産装置を用いて世界最高の成長速度を達成したことは非常に嬉しく思う。その後、本技術は大型のダイヤモンドウェハ生産用マイクロ波プラズマCVD装置の開発成功に繋がった。今後も、半導体ダイヤモンドの事業化、そしてグリーンイノベーションへの貢献を目指す。
※この成果の一部は、日刊工業新聞(平成26年10月6日朝刊20面)に掲載されました。

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