研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ICT・電子デバイス
プロトタイプ
高時空間分解能を有するリアルタイム降雨予測技術の研究開発
キーワード :  短時間降雨予測、マルチレーダーシステム
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  シーズ顕在化タイプ/ハイリスク挑戦タイプ
研究開発課題名 リアルタイム短時間降雨予測技術開発と3次元観測マルチレーダーシステムの実用性検証
(開発期間:平成25年1月〜平成25年12月/平成26年12月〜平成28年12月)
プロジェクトリーダー所属機関 古野電気株式会社 研究者 大石 哲(神戸大学)

シーズ顕在化タイプ: 1) 50m 区分、30秒周期で予測可能なリアルタイム短時間降雨予測の完成、2)都市域(約20km 範囲)における精度検証、3)短時間降雨予測を柔軟に試行できる解析専用処理装置の開発を目標として研究を推進し、1)短時間降雨予測ソフトの試作を完了、2)河川流量モデルによる50m 分解能の面的雨量の定量評価技術を獲得、3) 2台のマルチレーダーによる高速3次元走査と1分周期の予測更新を実現した。
ハイリスク挑戦タイプ: 1)リアルタイム短時間降雨予測による30分前予測技術の確立、2)マルチレーダーシステムによる降雨や風の3次元観測と性能評価、3)24時間運用技術の確立と事業化可能性の検証を目標として研究を推進し、1)河川水位予測による水位の20分前予測の 可能性を示し、2)3次元風速場解析の性能検証を完了、3)マルチレーダーシステムの協調動作ソフトのプロトタイプの作成を完了した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

ここ数年、局地的豪雨や竜巻といった極端気象が世界的に問題になっている。国内でも時間雨量100ミリ近くの雨が狭い範囲に短時間に降ることにより、家屋や道路の浸水や中小河川の氾濫といった被害が頻繁にもたらされている。これらの自然災害から市民を守り安全安心な社会を実現するためのシステムとして高精度かつ高時空間分解能をもつMPレーダーおよびそれを用いた短時間降雨予測システムに対する需要が昨今急速に高まっている。

開発者の声

事業化にむけ、小型Xバンド二重偏波ドップラ気象レーダーを活用した「都市域における局所的集中豪雨に対する雨水管理技術実証研究」(国土交通省国土技術政策総合研究所の平成27年度下水道革新的技術実証研究、通称:B-DASH)に採択され、当社を含む共同研究体8者による実証システムの本格稼働を開始。福井市と富山市で各3台のマルチレーダーシステムを構築し、電波消散や観測遮蔽領域なしに都市域約十数km範囲の24h 100%観測の評価検証を進めている。
※ 本研究開発で使用している気象レーダー2機種は、古野電気株式会社からプレスリリースとして発表されています。(平成25年8月28日)

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