制度概要

A-STEP(研究成果最適展開支援プログラム)とは

産学連携による研究開発の拡大と活性化のためには、大学等の研究成果に基づくシーズと企業ニーズとの適切なマッチングを実現する、全国域での橋渡し活動の拡大、および、適切な産学共同相手の探索が重要です。また、適切なマッチングによる産学共同研究では高い社会的インパクトが見込まれる研究開発を適切なマネジメントの下で実施することが求められています。 加えて、あらゆる分野の知見を総合的に活用して社会課題に対応していくことも期待されます。

A-STEP は大学・公的研究機関等(以下、「大学等」という。※1)で生まれた科学技術に関する研究成果を国民経済上重要な技術として実用化することで、研究成果の社会還元を目指す技術移転支援プログラムです。
本プログラムでは、大学等が創出する社会実装志向の多様な技術シーズの掘り起こしや、先端的基礎研究成果を持つ研究者の企業探索段階からの支援、及び開発ニーズを持つ企業による技術シーズの実用化に向けた支援といった、適切なハンズオン支援の下で研究開発を推進することで、中核技術の構築や実用化開発等の推進を通じた企業への技術移転を行います。さらにハンズオン支援等を通じて産学連携活動のノウハウを提供し、産学連携に取り組む研究者裾野拡大を図ります。また、本プログラムに参画する若手研究者の自発的な研究活動を支援することによる若手研究者の育成や、自然科学と人文・社会科学の融合による「総合知」※2を活用した科学技術・イノベーションの創出を目指します。

※1:「大学等」とは、大学、高等専門学校、公的研究開発機関、公益財団法人、公益社団法人、一般財団法人または一般社団法人をいいます。ただし、一般財団法人、一般社団法人は、以下をすべて満たすものが対象です。
1.旧制公益法人から移行したものであること2.非営利型法人であること3.定款に事業として「研究」を含むこと

※2:『社会的価値を生み出す人文・社会科学の「知」と自然科学の「知」の融合による「総合知」』(第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日閣議決定))
内閣府「総合知」ポータルサイト
なお、総合知の基本的考え方と戦略的な推進方策については、総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会で検討が進められています。A-STEPでも当該検討結果等を参考にして引き続き推進方法の検討・改善等を図ります。

A-STEP では、大学等の研究成果の技術移転に伴う技術リスクを顕在化し、それを解消することで企業による製品化に向けた開発が可能となる段階まで支援します。研究開発の状況に応じて、リスクの解消に適した複数のメニューを設けています。

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制度の特徴

幅広い研究開発が支援対象

A-STEPでは、研究開発の目的・状況に合った支援メニューを選択して応募することができます。また、複数の支援メニューを継続して利用する※1ことにより、長期の研究開発を実施することが可能です。 また、A-STEPでは、社会的・経済的なインパクトに繋がることが期待できる、幅広い分野の研究開発提案を支援対象としています。※2
※1:異なる支援メニューへ移行する場合は、公募時に新規提案としてご応募いただくことが必要です。
※2:医療分野の研究開発は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が担っているため、A-STEPでは原則として募集の対象外となります。

研究開発計画の最適化

A-STEPでは提案された研究開発計画に関し、実施しようとする研究開発の状況に対する支援メニューの選択、研究開発費の規模、実施期間等について、研究開発を効果的・効率的に推進するために、研究開発計画の最適化を必要に応じて行います。
また、研究開発の推進中には、より効率的な推進のため、PO(プログラムオフィサー)が研究開発課題全体のマネジメントを行い、適宜アドバイスを行います。さらに個々の課題の推進状況に応じて、適切な専門家(アドバイザー)を配置して課題推進の強化を図ります。
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各支援メニューの概要

支援
メニュー
トライアウト
(2023年度公募なし)
トライアウトの詳細はこちら
産学共同
(育成型)
(2023年度公募)
育成型の詳細はこちら
産学共同
(本格型)
(2023年度公募)
本格型の詳細はこちら
実装支援
(返済型)
(2023年度公募)
実装支援(返済型)の詳細はこちら
目的・狙い 大学等のシーズが企業ニーズの達成に資するか、可能性を検証する。 社会課題解決等に向けて、大学等の基礎研究成果を、企業との共同研究に繋げるまで磨き上げ、共同研究体制の構築を目指す。 社会課題解決等に向けて、大学等の基礎研究成果を、企業と大学等の産学共同研究により可能性検証・実用化検証し、中核技術の構築を目指す。 大学等の研究成果(技術シーズ)の社会実装を目指し、ベンチャー企業等が実用化開発を行う。
課題提案者 大学等の研究者 大学等の研究者 企業と大学等の研究者 ベンチャー企業等
対象分野 特定の分野を指定せずに幅広く募集。ただし医療分野は対象外。
研究開発
期間
最長2年度 最長3年度 最長5年度 最長3年間
研究開発費※1
上限300万円(総額) 上限1,500万円(年額)
初年度は上限750万円
上限5,000万円(年額)
初年度は上限2,500万円
上限5億円(総額)
資金の種類 グラント グラント マッチングファンド 返済型
事後評価がS,A,B評価の場合:開発費全額を返済
事後評価がC評価の場合:開発費の10%を返済
※1:研究開発費は間接経費を含みます。
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プログラムの流れ

課題の募集・選考

各支援メニューについて、課題提案を募集します。選考はPOがアドバイザー等の協力を得て行います。
※アドバイザーは、JSTがPOの要請に基づき有識者の中から定めます。課題の評価及び課題の研究開発の推進においてPOに意見を述べると共に、その他PD、POの求めに応じて意見を述べることを任務としています。

契約

採択後、JSTは研究開発を実施する機関と委託研究開発契約を締結します。

研究開発の実施

プロジェクトリーダーを中心として研究開発を実施していただきます。研究開発期間は支援メニュー毎に異なります。

評価

POは、研究開発の進捗状況や研究開発成果を把握し、アドバイザー等の協力を得て、研究課題の中間評価及び事後評価を行います。
※中間評価等の結果を勘案し、JSTが研究開発の中止を判断することがあります。

調査

JSTは研究課題終了後に追跡調査(フォローアップ)を実施します。その他必要に応じて、進捗状況の調査を実施します。調査の際はご協力いただきます。
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中小企業技術革新(SBIR)制度による事業化支援について

本プログラムは、中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に基づく中小企業技術革新制度(SBIR)の特定補助金等交付事業に認定されています(実装支援を除く)。
当該補助金等を受けた中小企業者は、その成果を利用して事業活動を行う場合に、特許料等の軽減措置、信用保証協会による債務保証枠の拡大、担保と第三者保証人が不要な特別な債務保証枠の新設、中小企業投資育成株式会社法による投資対象の拡大等の特例の支援措置を受けることができます。
詳しくは、インターネットによる施策紹介
SBIR-技術開発を支援するサイト- > 事業化のための支援施策をご覧ください。
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独立行政法人 科学技術振興機構