第2回JST20周年記念シンポジウム開催レポート

第2回JST20周年記念シンポジウム受付風景
受付風景

 科学技術振興機構(JST)は2015年8月27日、「イノベーションを語る~企業・大学・公的研究機関の役割とは~」と題してJST20周年記念シンポジウムを東京ビッグサイトの会議棟レセプションホールAで開催した。
 2016年10月に設立20周年を迎える当機構の記念事業の一環として企画した5連続シンポジウムの第2弾。21世紀のわが国の発展のカギを握るイノベーションについて、そのあり方や今後の方向を、産業界、学界、官界の関係者によるディスカッションを通じて探った。
 連続シンポジウムは、次の20年を視野に、JSTの課題を探求することを目的とし、急激かつ大きく変化する経済、社会の中で、これからのわが国のあり方を科学技術政策の面から明らかにする狙い。そのため、人材、研究開発の支援、新ビジネスの創出、若手研究者の啓発、東日本大震災5年を迎える復興などをテーマに開催する。


科学技術振興機構理事長 中村道治
国立研究開発法人
科学技術振興機構理事長
中村道治

内閣府政策統括官 科学技術・イノベーション担当 森本浩一
内閣府政策統括官
科学技術・イノベーション担当
森本浩一氏

 第2回シンポジウムは、東京有明にある東京国際展示場東京ビッグサイトの会議棟で、約300人の参加者を得て開かれた。冒頭、JSTの中村道治理事長が「これまでのJSTの活動を踏まえつつ、次の20年への課題を探るのがシンポジウム全体の目的だが、今回は、新しい経済秩序の構築が問われる中、そのカギを握ると考えられるイノベーションの展開について、各界の方々にディスカッションしていただきたい」と挨拶。続いて、来賓の内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)の森本浩一氏が、わが国におけるイノベーションの重要性とJSTの役割の大きさについて強調した。


 基調講演では「偉人に学び、新しい科学を作ろう!」をテーマに、藤嶋昭・東京理科大学学長が登壇。「世の中を変えるような大きな仕事をする人、つまり偉人はある程度かたまって輩出し、それが世の中を変革して行くことが多い。そうした偉人の足跡をたどることによって、私たちは新しい科学や革新的な技術を生み出していくことができるのではないか」と独特な話術で披露、大きな感銘を与えた。

 基調講演の詳細はこちら メニューアイコン

 基調講演を受け、イノベーションにおける企業、大学、公的研究機関の役割をテーマに、5人のパネリストによるディスカッションが、モデレータの山口栄一・京都大学大学院教授の巧みな司会で進められ、会場の参加者も思わず引き込まれてしまうパネル討論となった。

 パネルディスカッションの詳細はこちら メニューアイコン

 最後にJSTの鴨野則昭理事が、科学技術白書のなかにイノベーションという言葉が年代を追って頻出するようになった状況を引用して、シンポジウムを締めくくった。


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