第1回JST20周年記念シンポジウム開催レポート

第1回JST20周年記念シンポジウム受付風景
受付風景

 科学技術振興機構(JST)は2015年7月24日、「企業と大学の壁を超える新たな挑戦~社会、産業界を牽引する人材育成を目指して」と題し、JST20周年記念シンポジウムを東京・丸の内の丸ビルホールで開催した。2016年10月に設立20周年を迎える当機構の記念事業の一環として企画した5連続シンポジウムの第1弾。21世紀のわが国を担う人材のあり方を、育成側の大学、受け入れ側の産業界の関係者によるディスカッションを通じて探った。
 連続シンポジウムは、次の20年を視野にJSTの課題を探ることを目的とし、急激かつ大胆に変化する経済・社会を前に、これからのわが国のあり方を科学技術政策の面から明らかにする狙い。そのため、人材、研究開発の支援、新ビジネス創出、若手研究者の啓発、東日本大震災後5年を迎える復興をテーマに開催する。


科学技術振興機構理事長 中村道治
科学技術振興機構理事長
中村道治

文部科学省文部科学審議官 土屋定之氏
文部科学省文部科学審議官
土屋定之氏

 第1回シンポジウムは、東京駅前の丸の内ビルディング内の「丸ビルホール」で、約230人の参加を得て開かれた。冒頭、JSTの中村道治理事長が「これまでの活動を踏まえつつ次の20年への課題を探りたい」と挨拶、文部科学省の土屋定之・文部科学審議官が「イノベーションに欠かせない人材をテーマに取り上げられたのは極めて適切だ」と期待を表明した。続いてシンポジウム企画委員の山口栄一・京都大学大学院教授が趣旨説明を行った。

 基調講演では「変革期における人材について」をテーマに、大日本印刷株式会社(DNP)の髙波光一代表取締役副社長が登壇。「事業の多様化によって必要な能力も多様化し、学業成績の良い者を優先して採用するという時代ではなくなった」と、印刷業から印刷をコア技術とした総合情報企業への脱皮を進める戦略を踏まえ、同社が推進する“事業創造型の研究開発”に欠かせない人材像について語った。

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 それを受け、パネル討論の趣旨説明を朝日透・早稲田大学理工学術院教授が行い、5人のパネリストによるディスカッションがモデレータの上山隆大・政策研究大学院大学副学長の軽妙な司会で進められ、会場が一体となった質疑応答で大いに盛り上がった。時間の制約もあってやや物足りなさを感じた会場から終了を惜しむ声が出たほど充実したパネル討論となった。

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 最後にJSTの大竹暁理事が「今後の記念シンポジウムにも期待していただきたい」と締めた。


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