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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第2部│歴史編を利用することで、簡単に業績情報が登録できる。2013年に府省共通研究開発管理システム(e-Rad)、2014年にJREC-IN Portalなどと連携し、現在は12の外部データベースが利用できる。また、登録情報の相互提供、研究者総覧構築のサポートも行っている。さらに、大学等の教員データベースとも連携が可能となっているので、連携機関では、1自機関のデータベース(DB)をマスターDBとする、2自機関のDBを持たず、researchmapをマスターDBとして利用する、という二つの使い方が可能である。2016年3月時点で前者の連携方法を利用する機関は176機関、後者を利用する機関は87機関となっている。researchmapは、今後も網羅性の向上や業績情報の一層の充実を図り、JSTが保有する情報基盤との融合を実現させ、研究者情報のマスターデータベース、そして分析基盤としての利用拡大を目指していく。■研究人材のキャリアパス拡大を図るJREC-IN Portal研究人材キャリア情報活用支援事業(JREC-INPortal)は、研究者および研究支援者や技術者などの研究人材の能力開発やキャリア支援を目的とするサービスである。1996(平成8)年より第1期科学技術基本計画で提唱された、ポスドク1万人計画で誕生した博士号取得者の就職難という事態への対処とともに、第2期科学技術基本計画で打ち出された科学技術創造立国の実現に向けて、高度な教育を受けた研究人材が研究開発に関わる、あらゆる場面で幅広く活躍できるような多様なキャリアパスの開拓が求められていた。そのための手段の一つとして、研究人材を対象とした求人情報提供サイトであるJREC-INが2001年に誕生した。JREC-INは、文部省(当時)学術情報センターによる大学・大学共同利用機関などの研究者求人情報、およびJST研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)による国立・公設研究機関の研究者求人情報を基にしている。その後、キャリア支援コンテンツ、研究助成金情報やキャリアセミナー等のイベント情報など、研究人材のキャリア構築に役立つ関連情報を集約したポータルサイトとして、2014年10月よりJREC-IN Portalとして新たに提供を開始した。web応募機能やresearchmapとのID連携機能等の利用者ニーズを反映した新機能も加えて利便性を向上させ、2016年3月現在、登録ユーザーは10万5,000人以上、新規に掲載される求人情報は、年間1万7,000件を超えている。事業開始の背景として、大学や公的研究機関の研究職における任期制・公募制の普及・促進が求められていることがあり、JREC-IN Portalは、国内の大学や公的研究機関の研究職ポストの公募情報を網羅的・一元的に入手できる国内唯一のサイトとなっている。また、研究環境を取り巻く人材の多様化に合わせ、民間企業・小中学校・高等学校・海外研究機関・国際機関といった機関における研究・研究支援・教育等の研究関連職の求人も掲載している。今後は、国内外の関連機関との連携をさらに強化して、JSTが提供する知識インフラの一環として、新たな付加価値を生み出し、データ統合分析にも資するよう、システムやデータを整備・拡充していく。■ライフサイエンスデータベースの統合BIRDからNBDCへ2000(平成12)年6月にヒトゲノムの概要配列が解読され、同じ頃、その他数多くの生物のゲノム配列が解読されたことを受けて、ポストゲノムシーケンス研究が激しい国際競争の中で本格化した。こうした国際動向の中で、当時の科学技術会議ライフサイエンス部会において、わが国におけるゲノム情報科学に関する戦略が議論され、ゲノム情報科学の人材養成、研究開発の振興、データベース整備戦略の三つの課題に関する推進方策が提言された。その提言を受けて、データベース構築および情報解析技術開発を推進するため、JSTは2001年にバイオインフォマティクス推進センター(BIRD)を発足させた。膨大かつ多種多様な生物情報を整理し、そこから有用な知識を見出すゲノム情報科学の発展を推進するため、生命情報データベースの高度化・標準化、創造的な生物・情報知識融合型の研究開発に取り組むこととなった。当時、データベースが予想をはるかに超えて多く作られたことを受け、2006年に科学技術・学術審議会ライフサイエンス委員会のデータベース整備戦略に関する作業部会が、ライフサイエンス分野のデータベー86