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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第4章│イノベーション創出に向けた情報基盤コンテンツの書誌情報(ジャーナル、著者、標題など)を収集して国内の学術コンテンツの利活用を促すとともに、世界から日本の研究成果へのアクセス環境を向上させることを目的として、2012(平成24)年に設立された。電子データに付与される国際的識別子であるDOI(Digital Object Identifier)を管理している国際DOI財団からDOI登録機関として認定された日本で唯一の機関である。2015年12月時点で正会員26機関、準会員1,080機関が登録し、学術論文を中心に314万873件のDOI登録を行っている。1990年代より、海外の学術雑誌価格が高騰し研究者にとって学術情報の入手が困難になっていることに加えて、インターネットと電子ジャーナルの普及を受けて生まれたオープンアクセスを推進するため、学術論文を中心とした相互リンク基盤の構築を目指し、2008年にジャパンリンクセンター構想が示された。2012年6月にはJST、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、国立情報学研究所(NII)、国立国会図書館(NDL)による運営委員会を立ち上げ、共同運営の体制を確立し、2013年2月からNIMS、NII、NDL、およびJSTはJaLCを共同で運営する事業を開始した。2014年には、システム拡充によりDOI登録の対象を学術論文から書籍・e-Learning教材・研究データに拡大した。さらに、2014年10月から2015年10月までの「研究データへのDOI登録実験プロジェクト」により、国内の研究機関等9グループDOI登録のテストや計8回にわたるミーティングでの議論を踏まえて「研究データへのDOI登録ガイドライン」を取りまとめている。JaLCには多くの関係者やコミュニティーが関わっている。DOIの意義や、JaLCの果たすべき役割を関係者やコミュニティーと共有し、今後も新たなDOIの活用につなげたい。■日本の研究者総覧データベースresearchmap日本の研究者を網羅した総覧である「researchmap」は、2016(平成28)年4月1日現在で3,381機関の研究機関情報、247,773人の研究者情報を有しており、国内で他に類を見ない、研究者の業績情報が一覧できる無料のウェブサイトとして、広く利用されている。1998年に公開された研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)と、2009年に提供開始した情報・システム研究機構(ROIS)/国立情報学研究所(NII)のResearchmapを統合し、2011年に研究者情報の登録・更新システムとして提供を開始した(当時はReaD&Researchmap)。2014年にサービス名称をresearchmapに変更し、現在に至っている。研究者自ら(あるいは所属機関)がresearchmap上の業績情報を更新できるほか、外部データベースにすでに登録してある業績を取り込む機能(フィード機能)researchmapの概要図大学研究者(researchmap会員)研究者情報の入力業績登録時に外部システムからフィード外部データベースAPIアプリケーションプログラムインターフェイス一括でデータ更新機関研究者DBID連携(任意)研究者情報履歴書作成時にrmapの情報を利用85