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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第2部│歴史編の電子ジャーナルサイトやデータベースとの連携機能、引用文献リンク機能、電子付録などの機能を持っており、研究成果である科学技術論文情報の広範な展開とその利用の促進によってイノベーション創出の一端を担っている。J-STAGEの運用開始後、コスト削減、工程の合理化、投稿・査読・編集などを含むシステム改善の要望を受けてシステムの改修を行い、2003年にJ-STAGE2にバージョンアップした。また、2011年にJSTが行った日本の1,767学協会に対する学協会誌の電子化状況調査を踏まえ、ユーザビリティの向上、国際発信力のさらなる強化、デザイン/ユーザーインターフェースの刷新、データベース形式のXML国際標準方式への移行、購読・販売管理機能の強化、学協会運用工数の削減などの改善を図り、2012年5月よりJ-STAGE3として運用を開始し、現在に至っている。21世紀に入り、科学技術の進展や産業の国際化はこれまで以上に急速に進んでいる。そのような状況の下、日本の優れた研究成果をより早く世界に向けて発信していくことが重要となっており、海外の有力科学技術雑誌や学術誌に匹敵する発信力の強化が求められている。海外、特にアジア諸国との連携とグローバル化、海外出版社の寡占状態への対応や、日本発のトップジャーナルの育成、産業界におけるJ-STAGEの活用促進、学協会の自立支援などの重要性が指摘されている。オープンサイエンス推進の一環として日本の科学技術論文の国際発信力の強化は喫緊の課題であり、先端技術を装備したより強靭なオープンアクセスプラットフォーム構築を目指していく。■知の結集基盤として展開するJ-GLOBAL科学技術総合リンクセンター(J-GLOBAL)は、「つながる、ひろがる、ひらめく」をキャッチフレーズに、分散していた科学技術情報をつなぎ、検索者の発想に合わせた情報提供を可能にした、2009(平成21)年開始の新しいサービスである。J-GLOBALでは、JOIS、JDreamに代表される科学技術文献データベースや特許情報に加えて、JSTが保有する人(著者、発明者)、機関(著者所属機関、特許申請者)、科学技術用語、化学物質など、文献以外の科学技術情報も基本情報として登載している。このことは、利用目的を問うアンケートで上位を占める「研究開発における先行技術調査」と「共同研究、受託研究の相手探し」にもマッチしており、イノベーション創出において重要とされる、分野や業種を超えた知の結集を進めるための情報分析基盤となっている。また、多数のデータベースに収録されている著者・発明者が同一人物か否かを表記だけではなく、共著者や所属機関、文献の内容(標題中のキーワード)も含めて機械的に同定し、さらに著者自身が登録した論文などの業績情報や研究課題に収録されているデータを文献、特許、人、機関の間で関連付けることを可能にした。J-GLOBALでは、J-GLOBAL登載コンテンツを機械的に取得することができるインターネット上での機能(WebAPI)を他のサイトに向けて提供している。国立国会図書館のNDLサーチや工業所有権情報・研修館(INPIT)のJ-PlatPatなどとの連携により、利用件数は順調な伸びを示し、WebAPIを通じたJ-GLOBALの利用はますます高くなっている。さらに、J-GLOBALは、J-STAGE、ジャパンリンクセンター(JaLC)との連携による電子ジャーナル全文サイトや民間企業の特許サービスベンダーとの連携による特許全文サイト、化学物質情報(日化辞Web)や遺伝子情報(NBDC)など、多くの国内外の機関のサイトへのリンクを有している。JSTでは、J-GLOBALをベースに、JSTが所有するあらゆる情報資産の価値を生かし、政策立案や研究開発戦略に有用な新たな情報分析基盤の構築を目指し、その取り組みの一環として、分析の手法やツールなどを試行的に提案する「J-GLOBAL foresight」を2011年より公開している。また、J-GLOBALで関連付けた各種科学技術情報を、より機械可読でオープンデータに適したRDF(Resource Description Framework)に対応させ、他機関との連携や分析などでの活用を容易にする「J-GLOBAL knowledge」を2015年に試験公開した。■学術コンテンツをつなぐJaLCジャパンリンクセンター(JaLC)は、日本発の学術84