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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第4章│イノベーション創出に向けた情報基盤独自に開発したシステムで提供してきたJOISは、2003年4月にCASとの連携によりSTNの検索システムを利用してデータベースを提供するサービスへとリニューアルされた。■科学技術文献情報の新たな展開JDream「JDream」は、大学などの教育機関や病院のユーザー向けの文献検索システムとして2003(平成15)年に提供を開始し、2004年には公共図書館、中小企業にサービスを拡大した。2006年にはJOISとJDreamを統合し、飛躍的に機能を向上させた「JDreamⅡ」へと発展した。JDreamⅡの開始に伴い、コスト削減と事業の効率化のため、2007年をもってJSTはSTNサービスを一般社団法人化学情報協会に移管した。2010年4月に実施された行政刷新会議の「事業仕分け」により、JDreamⅡの提供を含む文献情報提供事業は民間に移管されることになった。その結果、2013年3月からはJSTが引き続きデータベースのコンテンツを作成し、民間事業者として移管先となった株式会社ジー・サーチが「JDreamⅢ」としてサービスを提供するという新たな運営体制に移行している。JSTはJICST設立当初より、原論文のタイトルや著者名などの書誌情報や論文の要約である抄録などをまとめた二次情報の提供を通して科学技術の研究開発の進展に貢献してきた。また、近年では論文の引用情報の収録や論文著者の同定技術の開発等を通じ、情報の統合や分析に視点を据えたデータベースづくりに注力している。この先導的立場を生かし、今後もデータベース作成に機械翻訳・自動索引などの新たな技術の導入を図り、コンテンツ提供件数の増加と利用者の利便性向上を進めていく。■学術情報の新たな提供と利用を実現したJ-STAGE日本の学協会が発行する科学技術論文誌は紙媒体での出版が主体で、欧米に比べて電子化が大きく遅れていた。日本の学術レベルは世界トップ水準にあるが、情報発信力は弱かった。そこで、政府は1998(平成10)年に電子ジャーナルによる情報発信と流通の迅速化に向けた方針を打ち出した。その方針の下で、科学技術振興事業団(現JST)が論文の投稿から査読・審査、インターネットを介した公開までの一貫した流れを電子的に行うシステムを開発した。それが科学技術情報発信・流通総合システム「J-STAGE」である。これは国内最大の科学技術情報のプラットフォームとして、内外から高く評価されている。J-STAGEは1999年10月に運用を始め、2015年9月までに1,887誌、約270万件の記事を登載している。2005年にはノーベル賞受賞者の研究成果など、過去に発表された日本の貴重な学術資産である論文の保存と情報発信・流通の強化を目的にした電子アーカイブ事業を開始し、Journal@rchiveサイトで公開した。これは、現在J-STAGE3に統合され、創刊号から最新号までが一つのサイトで閲覧可能となっている。また、J-STAGEは論文誌の電子化と公開だけでなく、国際的なコンテンツ識別子であるDOI(DigitalObject Identifiers)のDOI登録機関への登録、国内外J-STAGEの概要図学会・協会の学術論文(わが国における研究成果の集積)学協会により本文PDF・電子付録等作成、登載国内研究成果の海外流出投稿者支援■投稿・査読・審査・編集・制作・公開の全工程をシステム化■学協会の取り組みや引用文献へのリンクなどを支援学会誌事務局支援電子投稿・査読機能外国誌価格高騰電子ジャーナルプラットフォームの提供書誌、全文情報、引用文献早期公開機能引用文献リンク機能内外の研究者企業教育機関一般国民83