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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第2部│歴史編2009年の生物学オリンピックでは金メダル1個、銀メダル3個を獲得第1回科学の甲子園で優勝した浦和高校徒31人全員がメダルを獲得するという快挙を成し遂げている。また、支援を通じて学会等の主催団体の意欲が高まったことで、科学オリンピック国際大会の日本誘致が行われるようになり、2009年に生物学、2010年に化学、2013年に地理、2016年に地学が、それぞれ日本において初めてとなる国際大会を招致した。大会には世界各国・地域から選抜された代表生徒が集結し、社会の耳目を集めた。今後も2018年に情報、2020年に生物学、2021年に化学、2022年に物理の国際大会が日本で開催される予定である。■全国の高校生が競い合う科学の甲子園JSTは次代の科学技術系人材の育成に向け、2011(平成23)年度に「科学の甲子園」を開始した。本取り組みは、2010年の「新成長戦略工程表」にその創設が記載されたことに基づくもので、全国の科学好きの高校生が集い、競い合うことで、科学好きな生徒の裾野の拡大を図るとともに、高いレベルの競争環境で切磋琢磨することで、その能力の伸長に役立てることを目的としている。本大会は高校1、2年生を対象とし、全国47都道府県で行われる大会を勝ち抜いた代表チームが、学校対抗で科学技術・理科・数学などの複数分野の競技に取り組み、チームでの総合点を競い合う。「科学の甲子園」は教育委員会との協力により実施しており、全国大会は開催地の自治体との共催で開催している(兵庫県・茨城県)。都道府県大会は各都道府県の教育委員会の主催で開催しており、科学好きの生徒の裾野の拡大に寄与している。参加者数も年々増加し、第1回大会では約5,700人だった参加者が、2015年度の第5回大会では約8,300人まで増加している。「科学の甲子園」の成功を受け、2013年度には中学生を対象とした「科学の甲子園ジュニア」が実施されている。科学の甲子園ジュニアも同様に教育委員会との密接な連携により、都道府県の教育委員会主催で都道府県大会を開催している。回を追うごとに参加者数も増加しており、第1回大会の約1万6,000人から2015年度第3回は、約2万3,000人となっている。■アジア青少年との交流事業さくらサイエンスプラン成長著しいアジア諸国とともに、日本が今後、世界を牽引していくためには、科学技術分野においてアジア諸国との交流・友好を深めつつ、ともすれば欧米諸国に流れてしまう有望な人材を日本に引き付け、人材のネットワークを広げていくことが課題となっていた。また、2011(平成23)年からの第4期科学技術基本計画でも政府の「留学生30万人計画」に基づき、優秀な留学生の戦略的な獲得に向けた総合的な取り組みの推進が示された。2014年度に始まった「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)」は、アジアの青少年に日本の最先端科学技術への関心を高めてもらい、優秀な人材の育成を通じてアジアと日本の科学技術の発展に貢献することを目的と80