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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

特別寄稿──JSTへの期待2001年ノーベル化学賞野依良治思い起こせば、私のJSTとの関わりは、前身の新技術事業団(JRDC)の時代にさかのぼります。数々の成果を生んだERATO事業は、千葉玄彌理事の卓見により発足した制度ですが、私も1991年から5年間、「野依分子触媒プロジェクト」の総括責任者に選ばれました。当時の大学人としては、破格の環境が与えられ、多くの企業人や外国人博士研究員たちと、オフキャンパスで新鮮で闊達な雰囲気の中で研究することができ、いささかなりとも産業界へ貢献する結果ともなりました。JSTの役割は時代とともに変わり、2015年「独立行政法人」から「国立研究開発法人」へと衣替えしました。今や柔軟かつ機敏なネットワーク型の機構として、自ら主体性をもって、積極的に研究開発を推進する立場にあります。私が現在所属する研究開発戦略センター(CRDS、2003年創設)も、科学技術立国「日本丸」を先導するナビゲーターでありたいと願っています。1938年生まれ。国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センターセンター長。1963年京都大学大学院修士課程修了後、京都大学工学部助手。1967年博士号取得後、1968年名古屋大学理学部助教授に就任し、ハーバード大学博士研究員として留学後、1972年名古屋大学教授就任。2003年から2015年まで独立行政法人理化学研究所理事長。2001年に有機化合物の鏡像体のつくり分けを人工的に可能にした「不斉(ふせい)合成触媒」の研究でノーベル化学賞受賞。6