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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第2部│歴史編フォーラム、キャンドルライト・ディスカッション、料理教室、日本語教室、夏祭りなどの文化交流イベントを実施している。また、2009年に開催された「国際生物学オリンピック」では、大会主催者からの要請を受けて、世界各国から選抜された高校生221人の宿泊を受け入れ、国際交流の推進に努めた。■多様な形態・方針で国際共同研究を支援SICPからSICORPへ二の宮ハウスで行われたイブニングフォーラムされた筑波研究学園都市は、1980年までに予定されていた国の試験研究機関、大学等の施設が移転・新設され、その後民間企業の進出も活発化し、わが国最大の研究開発拠点となった。筑波研究学園都市で外国人研究者とその家族の生活を支援するため、JSTは1991年に外国人研究者用宿舎として竹園ハウス(36室)、2001年に二の宮ハウス(184室)を建設し、現在も両施設の運営を行っている。竹園ハウス開設の初年度には、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアなど欧米諸国の他、中国、韓国、インドなどのアジア諸国も合わせ、25カ国74人の研究者とその家族を受け入れた。その後も受入研究者数・出身国数は年々増加していたが、2011年の東日本大震災当時、滞在していた外国人研究者とその家族は、大使館などからの指示や自主的判断により、本国へ帰国したり関西地域へ避難したりして、両宿舎の滞在者は一時激減した。その後は順次回復し、2015年には大学、研究機関など22ホスト機関から依頼を受け、59カ国756人の研究者を受け入れ、同地域の研究活動をきめ細かく支援している。また、竹園ハウス、二の宮ハウスに滞在する外国人研究者とその家族が安心して快適な生活を送れるよう、JSTは種々の支援を行っている。例えば、子女の入学・転入・転出の手続き、長期滞在者の住民登録・在留カードの手続きなどの行政機関への同行はもちろん、病院や買い物、交通などに関する案内など、必要な情報の提供・連絡・相談を行っている。さらに、外国人宿舎居住者と受入研究機関、大学関係者、地域住民との交流を深めるため、イブニンググローバル化が急速に進む今日、環境・エネルギー、自然災害、感染症など、国境を超えたさまざまな問題が発生している。こうした問題に対処するため、2003(平成15)年、戦略的国際科学技術協力推進事業(SICP)が誕生した。これは両国政府間合意などに基づいた国・地域、分野の研究者の交流を積極的に推進するもので、JSTと協力対象国の機関が共同でおのおのの国の参加研究者の支援を行うイコールパートナーシップに基づく事業である。その後、ますます厳しさを増す国際的な競争環境のもとで、科学技術の共通課題を解決するためには、さらなる研究者同士の連携や、分野の融合、新しい発想による研究のブレイクスルーが必要であるため、2009年度から国際科学技術共同研究推進事業(SICORP)がスタートした。SICORPはSICPの約10倍という支援規模で、より戦略的な国際共同研究が可能となった。2011年度に策定された「第4期科学技術基本計画」では、科学技術外交を展開するための有効なツールとして、また、科学技術イノベーションの創出に資する国際活動の戦略的推進ツールとして、SICORPのプログラムの活用が期待された。これを受け、2014年度にはSICPをSICORPに統合し、多様な形態・方式で強力にプログラムを推進することが可能となった。全体を統括するプログラムディレクターによる国際共同研究の戦略的、かつ的確な指導により、オープン型イノベーション実現への貢献が期待されている。さらに、2015年度からは「国際共同研究拠点タイプ」を創設した。これは科学技術外交上の重要な国・地域で、共同研究や成果を普及させるためのオープンイノ70