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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第2部│歴史編れ、大学における知財マネジメントの強化・変革の動きが始動したことを受けて、知財活用支援事業では、2016年度より新たに人的サポートを開始するなど、大学の知財マネジメントを総合的に支援する取り組みを開始した。■社会実装を想定した研究開発の取り組み大学等で生まれた基礎研究の成果を企業で実用化するには、さらなる研究開発が必要となる場合が多いが、技術的な課題の他、資金面での負担が阻害要因となるケースが少なくない。そこで、JSTでは前身のJRDC設立時より、大学等の特許を基に、企業独自では開発が困難な新技術の研究開発を企業に委託し、大学等からの技術指導や開発費の支給を通じ支援する「委託開発制度」を実施してきた。これは成功すれば開発費を返済してもらい、不成功の場合には返済を不要とする制度で、現在に至るまで見直しを行いつつ継続している。さらに、JSTの発足とともに新たな制度が創設された。1997(平成9)年度には、大学などの研究成果を基に、研究開発型中小企業の有する製品化構想を産学共同で試作品開発や実証試験により育成する「独創モデル化事業」が始まった。2006年度には、大学などの基礎研究の実用化を目指す「産学共同シーズイノベーション化事業」もスタートした。2009年度には、青色発光ダイオードそれらの事業を「研究成果最適展開支援事業(A-STEP)」(現研究成果展開事業研究成果最適展開支援プログラム)として再構築するとともに、大学などの技術シーズの可能性検証から企業が主体となる実用性検証や実証試験・実用化開発までのさまざまな研究開発フェーズに対応し、シームレスに研究開発を実施することが可能となった。研究成果の社会実装を想定した取り組みにおいて、委託開発制度(現A-STEP NexTEP-Aタイプ)では新技術の実施に伴う実施料収入の累積は約163億円にのぼっており、それを基に実施料率を平均3%として換算すると、約5,429億円の売り上げがあったと想定される。さらに、開発成果が他の製品に組み込まれ、新たな成A-STEPの概念図シーズ発掘・可能性検証非競争領域シーズの実用性検証・産業分野への技術移転実証試験・実用化ステージⅡステージⅢ大学等の研究成果ステージⅠ産学共同研究の為のシーズの苗床※必要に応じて実施(シーズ顕在化)【シーズ顕在化タイプ】産業界からのニーズの反映【産業ニーズ対応タイプ】有望な基礎研究成果の取り込み【戦略テーマ重点タイプ】マッチングファンドによる実用化検証【シーズ育成タイプ】ステージゲート評価SG評価実施料納付等による民間負担【NexTEP-Aタイプ】【NexTEP-Bタイプ】■研究開発のフェーズに応じてどのステージからでも応募可能■異なるステージへのステップアップを可能としてシームレスな研究開発を支援出資型新事業創出支援プログラム出資機能の活用創業段階等のベンチャー企業を対象に金銭等出資、人的・技術的支援研究成果を円滑に実用化62