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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第1部│展望編財政的な課題を抱える中で、科学技術に対する公的な投資が減っている現実がある。さらに、日本に特有の問題として、近年、科学技術に対する一般的な意味での信頼感が落ちていることが、いろいろな調査で明らかになっている。科学技術のためにいかに税金を投じるかについて、日本社会に迷いが生じているのが今の時代である。しかし、迷っている暇はない。私たちの世代が迷っているままでは、いずれこの社会を背負っていく今の若者たちの時代は、もっと厳しいものになる。では、どうしたらよいか。これまでとは異なる科学技術戦略を推進する必要がある。戦略的創造研究推進事業のERATO(総括実施型研究)やCREST(チーム型研究)といった日本を代表するようなプロジェクトがあるではないかなどと満足していたら、この状況はさらに深刻になっていくのである。■戦略性向上と効率的運営が必要濵口プランの中で、JSTがイノベーションを先導する組織体として進めるべき仕事の柱は、ネットワーク型研究所になることであり、日本の幅広い分野とさまざまな地域の隠れた人材を発掘して支援する、地域創生への貢献である。この二つの大きな課題を実現していくには何が必要か。理事長就任時に強く思ったことが、濵口プランの5番目に挙げた「JSTの総合力と多様性を活かす事業運営」である。JSTは20年の歴史の中で、予算的にも人材的にも発展してきた。一方、現場の忙しさが尋常ではないという実態がある。私自身、理事長として毎日、大変忙しい思いをしている。それだけ責任が重い組織だと実感しているが、それ故に組織のマネジメント(管理)の効率性、総合力を上げる、職員相互の連帯感を上げる、あるいは万人(10,000persons)180160140120100日本Japan日本(専従換算)Japan(FTE)米国United StatesドイツGermanyフランスFrance英国United KingdomEU-15EU-28中国China韓国Rep. of KoreaロシアRussian FederationインドIndiaEU-28(2013)172.6EU-15(2013)151.6中国(2013)148.4米国(2011)125.380日本84.260日本(専従換算)66.04020ロシア(2013)44.1ドイツ(2013)36.1韓国(2013)32.2フランス(2013)26.5英国(2013)25.9インド(2010)19.31981198219831984198519861987198819891990199119921993199419951996199719981999200020012002200320042005200620072008200920102011201220132014年(year)0主要国等の研究者数の推移出典:文部科学省『平成27年度版科学技術要覧』(P.46より)42