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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第1部│展望編学教育誌「サイエンスウィンドウ」は、教育委員会を通じて全国の小中高校と、科学館や動物園、水族館などに無料で送られている。途中から隔月、さらに季刊発行となったが、毎号丁寧な編集で多くの人たちの科学する心を育むことに、他に例を見ない貢献をしてきた。■イノベーションを先導し、顔の見える組織にこれらは、いずれもJSTの活動を特別視することはせず、JSTや文部科学省の宣伝を目的としたサイトではない。北澤宏一理事長時代になってスタートした動画サイト「サイエンスニュース」(2010年開設)も、同様だ。5分間というテレビ番組では例がない長さで、新聞やテレビが伝えないような多様な科学技術の動きを分かりやすく紹介し、サイエンスウィンドウ創刊号サイエンスポータル開設時のトップページ高い評価を得ている。中国の科学技術・教育政策、最新の研究動向などを紹介する豊富な資料やニュース記事、日中両国の専門家たちによる多彩なオリジナル記事などからなる「サイエンスポータルチャイナ」(2008年開設)、日本に対する関心が高い中国人向けに日本の経済、科学技術、社会状況などを中国語で幅広く紹介する「客観日本」(2011年開設)も、国際協力が主要な事業に加わったJSTにふさわしいサイトとして、着実にアクセス数を増やしている。これらのサイトの中には、管轄の部署変更などによって当初の編集方針や内容が変わったり、閉鎖されたものもある。しかし、インターネット事業体を目指すJSTの特色あるサイトとして、相応の役割を果たした。理科教育支援事業の一環として2007年4月に月刊誌として創刊され、ウェブ上でも公開している科国から示された研究戦略目標実現のために、基礎研究推進事業をさらに充実させるには、基礎研究をこれまで以上に重視する必要がある。数多い基礎研究成果の中から、基礎研究推進事業にふさわしい研究成果を見分け、資金を配分する責任者は、研究者にした方がよい。それも現役の大学教授から。こうした沖村憲樹の考えにより、東京大学教授だった北澤宏一が専務理事として招かれ、2002(平成14)年5月に着任する。以後、基礎研究推進事業に関しては、理事長の沖村が予算を日本学術振興会所管の科学研究費補助金と同じ比率で増額させることに引き続き力を入れ、基礎研究推進事業の内容充実、効率化を専務理事の北澤が先導する体制が続いた。2007年10月、沖村の後を継いで、北澤が理事長に就任する。それまで、JSTは新しい理事長が就任しても記者会見を設定することはなかったが、初めて北澤新理事長が抱負を明らかにする記者会見が開かれた。JSTが、川崎雅弘、沖村両理事長が強調していた研究28