ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

第1章│社会の変化と共に広がったJSTの役割■理解増進でも新たな取り組みJSTの目的に新たに加わった理解増進は、中村守孝初代理事長も特に印象に残る事業に挙げている。最先端の科学技術から暮らしの中の科学技術に関わる話題を紹介する動画番組サービス「サイエンスチャンネル」が、1998(平成10)年10月から試験配信を開始した。通信衛星を経由してケーブルテレビ局に番組を送り届けるという配信法である。試験放送開始の8カ月後には、全国162局のケーブル局が放送し、視聴可能世帯数は約200万世帯となる。その後、CSとBS放送で2012年3月まで放送され、現在でもインターネットで新しい番組や過去の番組が見られる。番組のDVDを教育機関に無償提供するサービスは今も続く。一方、3,000本にも上る番組を作ったのだから、もっと活用法を工夫すべきだったという声も聞かれる。過去の膨大な作品を素材に、新しい作品を作り直す余地はまだありそうだ。中村は「科学のPRに偏らず、子供たちが面白がるような番組を作ればよかったかもしれない」と、番組制作の基本的な考え方自体にも工夫の余地があったことを認める。1998年7月には、科学技術に関するトピックを分かりやすくウェブ上で展示する「バーチャル科学館」も開設された。実験教室や工作教室などで青少年向けの実験などが実演できる人に登録してもらい、要請があった開催場所に派遣する草の根活動支援事業も1997年に始まっている。事長だった川崎と次に理事長にな現在では、外国からの要人の訪る沖村憲樹だった。沖村は語る。問先にもしばしば選ばれるなど、「1998年の補正予算では、最初存在感が高まっている日本科学未は科学館の調査費として要求する来館の建設構想は、初代中村理事という話だった。2年ちょっとで長時代にトップダウンで降りてき科学館を建設するのは無理だから、た。次の川崎雅弘理事長時代の建設費の予算要求はできない、と2001年7月に開館という大変なスの意見だった。しかし、調査費でピードで実現する。中村が振りは建設実現の保証はない。設計会返る。社と詳細な打ち合わせをして、建「科学技術庁内には前々から科設できるという確信を得た上で方学技術推進に関する理解増進のた針を変更し、建設の予算要求をめ、新しいコンセプトによる科学行った。ところが、業者から出て技術館ともいうべきものを造れときた科学館の企画案を見ると、どいう論議はあったが、世間の反応こにでもあるようなものでどうしは鈍く、庁としての政策には取りようもない。吉川弘之先生(元東上げられなかった。ところが、埋京大学総長、現JST特別顧問)にめ立て地の臨海副都心を経済振興委員長をお願いし、研究者たちかのために何とかしようということで、ら成る総合監修委員会をつくり、急に補正予算が付き、『国際研究交議論してもらった。それでできた流大学村』建設が決まった。そこのが、『科学技術が社会にどれだにJSTが展示館を造れとなったのけ貢献し、将来どのように関わっで、急遽実現した科学館といえる」ていくかを示す最先端の展示をそ展示内容が決まらないうちに建ろえる』というコンセプトだ」設計画が先行して進んだことに戸そのコンセプトに基づき、「技惑い、苦労したのは、開館時の理術革新と未来」「情報科学技術と日本科学未来館の開館式典にて。左から3人目が川崎雅弘理事長23