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概要

JST20周年記念誌JapanWay0203

特別寄稿──JSTへの期待2014年ノーベル物理学賞赤﨑勇はじめに、「GaN系青色発光デバイスの研究開発」に関して、第一の関門であった「高品質GaN単結晶の実現」の時点で、JSTの委託開発事業に選定頂いたことが、高性能GaN系発光デバイスの実現に導き、さらに今日の超省エネ型発光デバイスやパワーデバイスへの挑戦に繋がっている。改めて深謝申し上げます。然し、GaN pn接合型青色LEDを実現したとき、最初に反応したのは米国であった。さらに、GaN系材料の諸物性が次々に明らかになり、青色LDや電子デバイスも実現されつつあった’90年代前半も、人的、物的資源の多くは、ZnSe系デバイスの開発に投じられてきた。当時、小職が出席していた国際会議では、米仏などの政府関係機関担当者が、当該分野の第一線の研究者と対等に議論して、投資先を研究している姿を見て、公的ファンドのあり方について考えさせられた。海図のない近未来の科学技術への挑戦者にとって、Think TankとしてのJSTへの期待は大きい。101929年生まれ。名城大学大学院理工学研究科終身教授および名古屋大学特別教授・名誉教授。1985年に世界で初めて高品質GaN単結晶を実現。さらに理論的にも不可能と言われたp型結晶を1989年実現し、GaN pn接合型青色LEDの開発に寄与した。2014年に高効率青色発光ダイオードの発明により天野浩氏、中村修二氏とともにノーベル物理学賞受賞。1986年度から1990年度JRDC(JSTの前身)委託開発事業で豊田合成株式会社と窒化ガリウム(GaN)青色発光ダイオードの製造技術を開発。1993年度から2001年度同事業で豊田合成株式会社と窒化ガリウム(GaN)系短波長半導体レーザの製造技術を開発。2002年度から2004年度JST参与。